ロシア軍の民間人虐殺「意図的な作戦」…米国務長官「殺害や拷問、性的暴行が目的」
2022年04月07日
ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊ブチャなどでロシア軍が多数の民間人を虐殺した疑惑に関し、米国のブリンケン国務長官は5日、「意図的な作戦」と述べ、露軍が組織的・計画的に実行したとの認識を示した。ウクライナ検察当局は5日、「戦争犯罪の容疑で約5000件を捜査している」と明かしており、ロシアの組織的犯行だと追及する動きが強まっている。 【写真】民間人の遺体を運ぶ人たち(キーウ近郊ブチャで)
ブリンケン氏は記者団に「我々が目撃しているのは、ならず者による暴走ではない。殺害や拷問、性的暴行など残虐行為を目的にした意図的な作戦だ」と語った。
ブチャでの惨状が明らかになったのはロシア軍撤退後の4月2日で、ブリンケン氏は3月23日、露軍兵士による「戦争犯罪」が行われているとする声明を発表していた。米情報機関は、その時点で状況を把握していた可能性がある。
露軍が撤退した各地から深刻な被害が次々と伝えられている。キーウ近郊ホストメリの当局者は6日、地元ラジオ局に「殺害された人も含めて400人以上が行方不明になっている」と述べた。人口約1万7000人のホストメリは1か月以上、露軍が占拠していた。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が「ブチャよりも被害が深刻」と語ったキーウ近郊ボロジャンカについても、米紙ニューヨーク・タイムズは「200人以上が行方不明」と報じた。

(写真:読売新聞)
ウクライナ国防省の情報機関は5日、ブチャでの民間人殺害への関与が疑われる露軍部隊が、近く東部の激戦地に配備されるとの分析を公表した。危険地に送り込み、犯罪の実態を隠す「口封じ」の意図もあるとしている。
一方、タス通信によると、ロシアのプーチン大統領は6日、ハンガリーのビクトル・オルバン首相との電話会談で、露軍が民間人を虐殺したとの疑惑に関し、ウクライナによる「挑発」と主張して関与を否定した。
露国防省は6日、ウクライナ軍に関係するとして、西部リビウ州や南部ミコライウ州など5か所の燃料施設をミサイルで攻撃したと発表した。英国防省は6日、露軍が南東部マリウポリで激しい空爆を続け、人道状況も極めて悪化しているとの分析を示した。
「ロシア兵、眼前で男性銃撃」 集団殺害のブチャ 住民、恐怖の証言・ウクライナ
2022年04月07日
ロシア軍の撤収後、民間人とみられる遺体が多数見つかったウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊のブチャ。 【図解】ウクライナとロシアの戦力比較 地元住人は、占領から数週間して年長の兵士らが現れてから事態が悪化し、町に恐怖が広がったと語った。 地元に住む2児の母オレナさん(43)は赤いニット帽とフリース姿でAFP通信の取材に応じた。表情は暗く、考え込むようなそぶりを見せた。「私のまさに目の前で、彼ら(ロシア兵)はスーパーに食料調達に向かっていた男性に発砲した」と証言した。 ブチャはロシア侵攻開始直後の2月27日に占領され、ウクライナ軍が先週奪還するまで約1カ月にわたりロシアの支配下に置かれた。オレナさんは3月中、7歳と9歳の子供と共に、電気もない4階建ての建物の地下室に身を潜めていた。 オレナさんによれば、最初のうちは大部分が若い兵士だったが、2週間後には年上の兵士が現れた。若者に比べ「残虐」で「(年上の兵士は)40歳以上だった。誰も彼も虐待し、それから大量虐殺が始まった」と振り返る。「(彼らは)充実した装備で、(通常のロシア軍のものとは異なる)黒と濃い緑色の制服を着ていた」とも語った。 ブチャにはウクライナ軍はおらず、地元民でつくる地域の防衛部隊のような存在があったが、ロシアの侵攻後に逃亡したという。 AFP記者は先週、ブチャ市内の通りの一つで、民間人の服装をした少なくとも22人の遺体を確認した。今月4日には手を縛られた5人の男性の遺体が児童療養施設の地下から見つかった。また、ブチャの市長は280人が集団墓地に埋葬されたと語るなど、遺体が次々と見つかっている。 これに対し、ロシア側は市民殺害を全面否定している。ペスコフ大統領報道官は4日、ウクライナ当局が発表したブチャの状況を映した動画について「(ロシア)国防省の専門家はフェイク(偽情報)だと確認した」と主張した。
安倍元首相の記事見せるよう要求 朝日編集委員の処分決定
2022年04月07日
朝日新聞社は7日、週刊ダイヤモンドによる安倍晋三元首相へのインタビュー記事を公開前に見せるよう編集部に要求したのは極めて不適切で報道倫理に反するとして、同社の峯村健司編集委員(47)を停職1カ月の懲戒処分とすると明らかにした。ダイヤモンド編集部から「編集権の侵害に相当する」と抗議を受け、朝日新聞社が事実関係を調査した。 朝日新聞社広報部によると、ダイヤモンド編集部は3月9日、外交や安全保障をテーマに安倍氏を取材。翌日の10日夜、峯村氏は取材を担当した副編集長に電話し「安倍総理がインタビューの中身を心配されている。私が全ての顧問を引き受ける」と伝えた。
三菱商事、グリーン水素供給へ欧州で風力発電…シェルと連携
2022年04月07日
三菱商事が、英資源大手シェルなどと連携し、製造時に二酸化炭素(CO2)を出さない「グリーン水素」の供給に乗り出すことがわかった。欧州で大規模な洋上風力発電所を建設し、2030年に年40万トンの製造を目指す。天然ガス由来の水素を置き換え、脱炭素を進める。 【動画】中国の洋上風力発電の現場
三菱商事の子会社で、欧州で再生可能エネルギー事業に取り組む「エネコ」が、シェル、ノルウェーのエネルギー大手エクイノールなどで作る共同事業会社に10%を出資することを決めた。
30年までに、オランダ沖合を中心とした欧州の海域で、原子力発電所4基分にあたる約400万キロ・ワットの洋上風力発電所を建設する。発電した電力を使って、グリーン水素を製造する。事業の総投資額は3000億円を超す計画で、三菱商事はこのうち数百億円規模を投じる見通し。
水素は、工場のボイラーや家庭用暖房などの燃料のほか、アンモニアを合成して肥料の原料にするなど、様々な用途に使われる。現在、ほとんどの水素は天然ガスを始めとした化石燃料から製造している。
ロシアのウクライナ侵攻を受けて、天然ガスへの依存を減らすために、水素への注目が高まっている。この計画が実現すれば、欧州連合(EU)が21年にロシアから輸入した天然ガスの1%程度の量を減らすことができる。
三菱商事は30年度までに、再生エネに約1兆円を投資する方針を掲げている。国内では、秋田・千葉県沖の3海域で、洋上風力発電所を建設する計画を進めており、次世代エネルギーの開発に力を入れている。
◆グリーン水素=二酸化炭素(CO2)を排出せずに製造した水素。再生可能エネルギーで発電し、水を電気分解する。化石燃料から作る場合は「グレー水素」、製造時に発生したCO2を回収・貯留する場合は「ブルー水素」と呼ばれる。
追加放出、1億2千万バレルに IEA、米国が半分負担
2022年04月07日
石油の主要消費国でつくる国際エネルギー機関(IEA)の加盟国が1億2千万バレル規模の石油備蓄を追加で協調放出する方針を固めたことが6日、分かった。米ブルームバーグ通信が報じた。1日に開かれたIEAの緊急会合で放出に合意したが、各国の分担量が決まらず調整を続けていた。米国が全体の半分の6千万バレル規模を負担する。 IEA加盟国は3月にも2011年以来となる6千万バレル規模の放出を決めており、ロシアによるウクライナ侵攻後で2度目の放出となる。経済制裁を受けるロシアからの輸出停滞による供給不安を解消し、価格の抑制を狙う。
ロシア国債、初のルーブル払い デフォルト懸念、一段と
2022年04月07日
ロシア財務省は6日、今月4日に支払期限を迎えたドル建て国債の償還と利払い計6億4920万ドル(約805億円)を、自国通貨ルーブルで行ったと発表した。30日間の猶予期間が設けられているものの、デフォルト(債務不履行)に陥る懸念が一段と高まった。 ロシア通信によると、ウクライナ侵攻を理由にした米欧日などの金融制裁後、ロシアが海外投資家への国債利払いなどをルーブルで行ったのは初めて。ロシア財務省は外国の中継銀行が利払いなどの手続きを拒否したためルーブルで支払うことを余儀なくされたと主張。ロシア側は義務を完全に履行したと強調した。
今週のガソリン価格 上限25円の補助金あれど3週ぶりの値上がり
2022年04月07日
今週のガソリン価格は全国平均で174円10銭となりました。1リットルあたり上限25円の補助金が出ていますが、3週ぶりの値上がりです。 資源エネルギー庁が発表した4日時点のレギュラーガソリン価格は、前の週と比べて10銭値上がりし、1リットルあたり174円10銭でした。3週ぶりの値上がりです。 軽油も10銭値上がりし153円80銭に。灯油は18リットルあたりの価格が横ばいの2061円でした。 アメリカが石油備蓄の協調放出を表明したほか、中国では上海が新型コロナの感染拡大で事実上のロックダウンとなり、需要は減るとの予測で、足元の原油価格は下がっています。 来週のガソリン価格は、ほぼ横ばいになるとみられています。
プーチン氏、停戦「まだ条件は熟していない」 伊首相と電話協議
2022年04月01日
英BBCによると、ロシアのプーチン大統領は3月30日、侵攻中のウクライナでの停戦について、「まだ条件は熟していない」と述べた。この日、イタリアのドラギ首相との電話協議で語った内容を、ドラギ氏が翌31日の記者会見で明かしたという。 ドラギ氏の説明によると、同氏は電話協議で「最も重要な問題を解決するためにはウクライナの(ゼレンスキー)大統領に会うことが必要だ」と提案した。しかし、プーチン氏は「その時はまだ来ていない」と答えたという。
ロシア軍の撤退確認できず、さらなる攻勢の恐れ NATO総長
2022年04月01日
北大西洋条約機構(NATO)のイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長は31日、ウクライナに侵攻しているロシア軍の撤退は確認されず、「さらなる攻勢」が行われる可能性があるとの見解を示した。 【動画】NATO、積雪寒冷地で演習 エストニアのロシア国境付近 事務総長は記者会見で、「われわれの情報によると、ロシア部隊は撤退しているのではなく再配置している。ロシア側は、(ウクライナ東部の)ドンバス(Donbas)地方で部隊の再編成、再補給、強化を図ろうとしている」と述べた。 さらに、「同時にロシアは、キエフなどの都市への圧力を維持している。よってさらなる攻勢があり、さらなる被害がもたらされると考えられる」と説明した。
差し迫ったロシアの脅威…欧州各国、国防費増へ続々
2022年04月01日
ロシアによるウクライナ侵攻を受け、欧州諸国が国防予算の増額に動いている。ロシアの差し迫った脅威に対処する狙いで、米国の防衛戦略の補完も期待される。欧州全体の統合的な防衛につなげられるかが課題だ。 【写真】米、ウクライナに610億円支援へ「政府機能の維持を」…ロシアは依然キエフ攻撃
GDP2% 独支出10兆円に
「歴史的決定」
デンマークのメッテ・フレデリクセン首相は今月上旬、国内総生産(GDP)に占める国防費の割合を、2033年までに2%へ引き上げると発表した。21年は推計で1・41%にとどまっており、2%を達成すれば1989年以来となる。フレデリクセン氏は記者会見で、「歴史的な時には歴史的な決定が求められる」と訴えた。
欧州ではほかにもポーランドが、国防支出をGDPの2・1%から3%に増やすと表明し、ルーマニアやリトアニアなどは少なくとも2・5%への増加を目指している。ロシアがウクライナ国境付近で軍備を増強させた昨秋以降、国防費のGDP比目標の引き上げや予算増額を表明した欧州の国は少なくとも17か国に上る。
NATOの求め
欧州最大の経済大国ドイツも2月下旬、国防費をGDPの1・53%から2%に引き上げる目標を発表した。ストックホルム国際平和研究所によると、22年のGDPからの試算では、755億ユーロ(約10兆円)に達する。実現すれば、ドイツの軍事支出はインドやロシアを上回り、米国と中国に次いで世界3位(20年は7位)になるという。
欧州の国防予算増額は、北大西洋条約機構(NATO)にとって長年の課題だった。NATOはGDP比2%の国防支出を加盟各国に求めてきたが、21年6月時点で達成しているのは米英など10か国にとどまる。
