“戦国時代”のブランド米 競争激化、コロナで下落…米どころは今
2022年04月11日
一般財団法人「日本穀物検定協会」(東京都)が3月に発表した2021年産米の食味ランキング(5段階)で、東北6県は各県ともエントリーした銘柄のうち一つ以上で最高評価の「特A」に選ばれた。東北のコメの収穫量は近年、全体の28%前後で推移し、全国有数の米どころ。ただ、ブランド米競争は激化しており、コメの需要減少も続いている。ランキングから見える東北のコメ事情とは。【大谷麻由美】 【写真特集】新庄監督「ゆめぴりか、おいしかった」 球団に贈呈 食味ランキングは今回で51回目。エントリーした産地品種銘柄は152に上る。そのうち特Aに選ばれたのは42銘柄。過去最多だった18年産米の55銘柄、19年産米の53銘柄から大きく減った。東北や北陸地方で低温、日照不足などの天候不順が影響したとみられる。一方、和歌山県産「きぬむすめ」が同県産として初の特Aとなったことで、エントリーしていない東京、大阪、沖縄を除く44道府県がすべて「特A経験者」となった。 今回、特A銘柄が減ったとはいえ、ブランド米の競争は激しい。 農林水産省によると、主食などに使う「うるち米」の産地品種銘柄数は21年産で893銘柄、前年の869から24銘柄も増えている。食味ランキングでも「ニューフェース」の参考品種として、今回は秋田の「サキホコレ」、愛知の「なつきらり」、高知の「よさ恋美人」が登場。サキホコレは特Aの評価を得た。 しかし、日本人の食生活の変化からコメの需要は「年間10万トンずつ減る」といわれる。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外食や中食用の需要低迷の影響は大きい。 コメの価格は下落傾向にある。各地のJAグループが生産者からコメを集める際に前払いする21年産米(1等米60キロ)の概算金は、主要産地で2~3割下がった。農家の収入増の期待を背負って誕生した新興ブランド米も値下がりしている。 民間のコメ調査会社「米穀データバンク」(東京都)によると、青森県産「青天の霹靂(へきれき)」1万5100円(前年比500円減)▽山形県産「つや姫」1万5800円(前年比500円減)、同「雪若丸」1万600円(同2300円減)▽宮城県産「だて正夢」1万円(同4300円減)▽福島県産「天のつぶ」8500円(同3000円減)――と軒並み下落。新潟県産「新之助」は20年産で既に値下げしていたこともあり、1万5200円で据え置きだった。 3銘柄で特Aに選ばれた山形県では、つや姫が12年連続12回目、雪若丸が4年連続4回目の特A評価と好調ではある。 つや姫は首都圏を含む全国で確実に認知度を上げている。21年産の概算金も小幅な値下がりだった。県によると、有識者を交えたブランド推進会議で毎年、市場の動向と流通量を分析した上で、生産量を調整して価格を維持する努力を続けているという。 県の販売戦略担当者は「『もっと作れないのか』という要望は多いが、今の価格を維持していくためには、市場に出回りすぎないようにすることも重要だ」と話す。ただ、ブランドや価格の維持以上にコメ需要の減少という課題は重い。米粉で消費してもらうなど需要のてこ入れを図るが「やはり主食米としての消費を上げていくことが急務だ」という
サケ・マス、出漁できず 日露交渉停滞 北海道の漁業者「祈るだけ」
2022年04月11日
日本の200カイリ内に出漁するサケ・マス流し網漁が10日に解禁される予定だったが、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で日露政府間の漁業交渉が開かれず、漁業者が出漁できない状況にある。漁業者からは「一日でも早く出られるよう、ただ祈るだけ」とため息が漏れる。【本間浩昭】 【写真特集】焼け焦げた戦車や装甲車 キーウ近郊は今… 9日、北海道根室市の歯舞漁港。例年であれば、脂の乗ったシロザケやカラフトマスを求めて出漁する小型サケ・マス漁船が、大漁旗や日の丸を掲げて10日午前0時を「いまや遅し」と待ち受ける光景がある。だが、今年は岸壁にサケ・マス漁船の姿はなく、漁港の外れで陸にあげられたままだ。 日本の200カイリ内で操業するのにロシアとの漁業交渉が必要なのは、生まれた川を有する国に管轄権がある「母川国主義」による。春先から初夏にかけて日本の排他的経済水域(EEZ)内に回遊して来るサケ類の9割以上は、ロシアの川で生まれたものとされる。1992年以降は、日本200カイリ内の小型サケ・マス漁もロシア側に漁業協力費を支払う形で行われるようになった。 漁業協力費や漁獲割当量などの操業条件は原則として毎年春、操業に先だつ漁業交渉で決められてきた。新型コロナウイルス感染拡大により過去2年はオンライン会議となったが、今年は開催のめどすら立っていない。ロシアによるウクライナ侵攻が、戦場とは遠く離れた日本での出漁を阻んでいる形だ。 水産庁の神谷(こうや)崇長官は3月7日の参院予算委員会で「交渉を実施すべく調整する」と答弁したが、ロシア側から前向きの回答は「ない」とされる。太平洋小型さけ・ます漁業協会(札幌市)の菅原豊専務は「情報がなく、やきもきしているが、とにかく早期に交渉してほしい。漁期を逃せば魚はいなくなってしまう」と焦る。 交渉を行うべく調整が行われているとの報道もあるが、仮に交渉に入れたとしても、相手は日本を「非友好国」に指定したロシアだ。政府も8日に、在日ロシア大使館の外交官らに国外退去を求めている。こうした情勢下で「漁業交渉が開けるのか」と懐疑的な声も漏れる。盛漁期となる4月下旬に間に合うかどうかさえ見通せない。 サケ・マス漁はここ数年、不漁が続いている。昨年操業した小型船も満足な漁獲がなかった。小型船は最盛期には172隻を数えたが、今年は昨年より12隻少ない19隻が出漁を予定するのみだ。 出漁準備をほぼ整えているという根室市内の漁業者の一人は「4~6年に1度、どんと取れる年もあり、今年あたり豊漁かもしれないと期待していた」とこぼす。「日本の200カイリ内で操業するのに、漁業協力金を払わなければならないというのは腑(ふ)に落ちなかったが、当時はその分、多く水揚げすれば何とでもなった。でも、不漁続きの近年は違う。本当に魚がいないんだ」と遠い目をした。 そして、「それにしても、遠く離れた地での戦争の影響だよ。とんだとばっちりだ」と、うなだれた。
“使いきれない電力”で大規模停電のおそれも…東北電力が初の「出力制御」
2022年04月11日
東北電力は10日、再生可能エネルギーの発電制御を一時的に求める「出力制御」を初めて行いました。九州電力・9日の四国電力に続いて全国で3例目となります。 電力は発電量と使用量を一致させる必要があり、そのバランスが崩れると大規模停電になる恐れがあります。 10日は天気が良く、太陽光による電力の供給量が大幅に増える一方、多くの企業が休みで需要が少ないため、東北電力は午前8時から午後4時まで太陽光発電所などに発電の制御を求める「出力制御」を初めて行いました。 再生可能エネルギーは季節や天候によって電力を地元で使いきれない状況が相次いでいて、普及に向けての課題となっています。
業務スーパー創業者が掘り起こす“世界3位”の資源
2022年04月11日
ウクライナ侵攻で浮き彫りとなった日本のエネルギー自給率の問題。その解決のカギは、私たちの足元にありました。 実は日本には、世界3位の資源が眠っているのです。きょうは『未来をここから』プロジェクトの一環として、持続可能な社会に欠かせない地熱エネルギーを取材しました。 ■ウクライナ侵攻で迫る危機 日本を救うカギ (山口豊アナウンサー)「あちこちから蒸気が湧き出していますよね。あそこなんてすごいですね。お湯が柱状になって噴き出しています。町中がご覧のようにこの白い湯気に包まれていますね。」 ここは“地熱の里”と呼ばれる、熊本県小国町の「わいた温泉郷」。 住民たちは湧き上がる温泉や蒸気を古くから暮らしの中で利用してきました。 この自然のエネルギーを活かした地熱発電の開発も進んでいます。そこに― (沼田昭二さん)「これが地熱発電の掘削のためのタワーです。」 まったくの異業種から地熱発電に挑戦するのは、沼田昭二さん。 実は、沼田さんは、全国で960店舗以上を展開する「業務スーパー」の創業者です。 経営を長男に引き継ぎ、2016年、地熱発電を行うための新会社を立ち上げました。 Q.このあとどのくらいの深さまで掘るんですか? (沼田さん)「最長は1kmくらいまで。」 これが掘り当てた井戸です。地熱発電に、十分な量と温度の熱水と蒸気が確認されました。 (沼田さん)「本当にうれしかったですね。8000世帯強くらいは(電力を)賄えると思います。」 地熱発電は、地下深くから、高温の熱水と蒸気を取り出して分離。その蒸気の勢いでタービンを回して発電します。太陽光や風力と違い、天候に左右されない、純国産のクリーンエネルギーです。 Q.どうして「業務スーパー」の創業者である沼田さんが、ここで地熱事業をやっていらっしゃるんですか。 (沼田さん)「ロシアとウクライナの問題がありますけども、資源のない、日本で危険なのは食料の自給率と、エネルギーが止まることなんですね。消費者ですね。そこにリスクがある。」 日本のエネルギー自給率は11.2%、食料自給率も37%と低く、どちらも海外からの輸入に依存しています。沼田さんは、地熱発電で、この2つのリスクを解決したいと言います。 Q.シジミですね。結構育っていますね。 シジミに、東南アジア原産のオニテナガエビ。南国の果物などを熱水で育てるための研究が進められています。 (沼田さん)「“熱水”は地球の恵みなので、それでできるだけ食料自給率を上げたい。ここの面積の数百倍のもの(養殖・栽培)が簡単にできます。」 ■解決策は「業務スーパー」の経営哲学 沼田さんが手がける、地熱発電所は再来年4月に運転開始の予定です。 (小国町 渡邊誠次町長)「エネルギーと食料と、しっかりと自立していくような、こういう壮大な計画もお持ちだということでございますので、非常にありがたいと思っております。」 火山国である日本には、世界で3位という莫大な地熱資源が眠っています。ただ実際の導入量は10位で、開発が進んでいないのが現状です。 (沼田さん)「5本、10本掘っても、1本ぐらいしか当たらない。(失敗すると)数千万円なり、数億円を全部一括“損金処理”しないといけない。誰かがそのリスクを負っても、数十年、数百年後のことを考えて、この資源の開発はすべきと考えています。」 どう地熱開発を前に進めていくのか。沼田さんの解決策は、「必要なものは自分たちでつくる」という「業務スーパー」の経営哲学にありました。 (沼田さん)「このアジフライも、白身フライも、うずら卵もすべて、自社開発商品になっております。」 実は、国内に25カ所もの工場を持ち、自分たちで商品を製造して、コストをカット。 さらに売り場の冷凍ケースまで自分たちで設計。出荷された商品が、ひと箱そのまま入り、何度も補充する手間がないよう工夫されています。 (沼田さん)「地熱もまったく一緒ですね。この設計と同じように見直しさせていただいて、今機械もすべてつくらさせていただいて、」 北の大地、北海道では沼田さんの秘密兵器がすでに稼働していました。 (沼田さん)「当社独自で自分で走りまして、自分でアームを上げて、自分で掘る機械を開発しました。」 この機械なら巨大なやぐらを組まずに掘削することが可能で、調査時間の短縮につながると言います。 (沼田さん)「狭い場所でも下に少しガタガタでも全部掘削の場所まで行けます。着くともうそのまま数時間後には掘削できます。」 調査費用もおよそ2億円から、6000万円に減らすことができたと言います。 さらに別の課題。掘削技術者の高齢化による、人材不足に対しては― (山口豊アナウンサー)「沼田さんは、地熱に関する学校までつくり上げました。それがこちら、北海道白糠町にあります、日本初となる掘削に関する技術を学べる専門学校なんです。」 実際に使われていた機材や、掘削シミュレーターが導入され、地熱開発の専門家らが講師を務めます。 (沼田さん)「この技術はあと10年すればまったくなくなってしまうので、必ずこれは日本になくてはいけないと。勇気を持って私は全部つくっていこうと。」 沼田さんのもとには、すでに全国20市町村から地熱開発の依頼が寄せられていると言います。 「この地下に世界で3番目の資源があるのは事実なんです。それがいろいろな問題があって、(開発が)できていないのも事実です。業務スーパーと同じように、何とか解決して、食料自給率を上げて、純国産エネルギーを上げたいと、ロシア、ウクライナの問題もありまして、私はもう待ったなしだと考えています。」
モスバーガー、競合に負けない「2等立地戦略の強み」を執行役員に聞いた
2022年04月11日
コロナをきっかけに健康に対する意識が高まっている。日本政策金融公庫が2021年1月に実施した「消費者動向調査」によると、食に関する3大志向「健康志向」「簡便化志向」「経済性志向」のうち、健康志向が前回比(昨年7月)から1.7ポイントアップの41.4%、簡便化志向に関しては「経済性志向」を初めて上回り、3.7ポイントアップの37.3%となった。多少お金を払っても、健康なものを、気軽に食べたいようだ。 ⇒【画像】モスバーガー成増(板橋区)1号店 ファストフードでありながら、野菜たっぷりで栄養価が高いのが、今年で創業50周年を迎えるモスバーガーだ。これまでの同社の歩みについて、株式会社モスフードサービス執行役員会長・社長室長の金田泰明氏と社会共創(SDGs)グループの天羽克仁氏に、取材を試みた。
創業のきっかけはアメリカでの体験
3月12日、モスバーガーが創業50周年を迎えた。生まれたきっかけは「創業者の直感だった」と金田氏は語る。 「創業者の櫻田慧(慧は旧字体)が日興証券で働いていたとき、ロサンゼルスに海外勤務になりました。そこで『トミーズ』というハンバーガーショップと出会い、ハンバーガーの美味しさを知り、日本でも同じようなものを作りたいと思ったようです。日本に戻り日興証券を辞めて、1972年に成増にお店を開いたんです」
モスバーガーは創業から13回味を変えた

本社のロビーに飾ってある本場「トミーズ」の写真
「マクドナルドさんが1971年に日本にオープンさせたことがきっかけで、『やはり自分が思っていたことと同じだ』という気持ちがあったみたいですね。マクドナルドさんは海外からきましたが、日本発のハンバーガーを作ろうということになったんです」 アメリカで食べたハンバーガーは今のモスバーガーの原型だそうで「アメリカのハンバーガーはスパイシーでメキシカンなチリソース味なので、モスバーガーは日本人の味覚に合わせて作りました」とのこと。昔から味を変えていないのか聞いたところ、「13回ほど変えている」そうだ。 「時代ごとに合わせてパティやバンズは何度も味を変えています。そのときに求められる味に変更しています。なかでも本当のマイナーチェンジもありますが、比べて食べないとわからないくらいです」
ロシア大統領報道官、自軍に「甚大な損失」認める 民間人虐殺は「フェイク」と否定
2022年04月08日
ロシアのペスコフ大統領報道官は7日、英スカイニューズ・テレビのインタビューでウクライナ侵攻以降、「(露軍の)部隊に甚大な損失が出ている」と述べた。「われわれにとって大きな悲劇だ」とし「わが軍は作戦を終了させるため最善を尽くしている」と強調。ロシア側が戦闘の終結を望んでいることを示唆した。 スカイニューズ・テレビによると、ペスコフ氏が欧米の放送局のインタビューに応じたのは初めて。 ペスコフ氏は7日、「予見可能な将来において(露側の)作戦が目標を達成するか、停戦交渉によって(戦闘が)終了することを望んでいる」と述べた。 一方、ペスコフ氏は露軍がウクライナで行った残虐な行為が相次ぎ報告されていることを受け、民間人の遺体が撮影された衛星画像や映像などを「うまく演出された当てつけ以外の何物でもない」と指摘。「大胆なフェイクだ」と話した。 侵攻以降、ウクライナで死亡した民間人の数を尋ねられると「答えたくない」と述べた。ウクライナ東部マリウポリの産科病院をロシアが空爆した事案についても「フェイク」と事実を否定した。 ロシア軍による残虐な行為をめぐっては、英国のジョンソン首相が「戦争犯罪」と非難し、「プーチン露大統領が国際刑事裁判所(ICC)に出廷するのは正しいことだ」と主張している。ペスコフ氏は7日、プーチン氏の出廷は「現実的ではなく、可能性はない」と断言した。
国連人権理事国の資格を停止されたロシア 自ら離脱で復帰の道を絶つ
2022年04月08日
193カ国で構成される国連総会は7日昼(日本時間8日未明)、ウクライナで「重大かつ組織的な人権侵害」を行ったとして、ロシアの国連人権理事会理事国としての資格を停止する決議を採択した。ロシアは採択後、人権理から離脱する意向を表明した。 【写真】「ロシア軍の撤退直後、遺体はなかった」とするロシア側の主張を覆す衛星写真 表決は賛成が93カ国で、反対が24カ国。採択には棄権(58カ国)や無投票(18カ国)を除き、3分の2以上の賛成が必要だった。人権理理事国の資格を失うのは、2011年3月のリビア以来、2例目となった。 今回の決議には、すでに採択されたロシアを非難する決議、ウクライナの人道危機はロシアの責任だとする決議を「想起する」と記された。また、ウクライナにおいてロシアによる人権の侵害や乱用、国際人道法違反があったことに「深い懸念」を表明している。 人権理理事国の任期は3年で、ロシアは23年末まで務める予定だった。決議では資格停止について「適宜見直す」と記され、総会が今後、資格を復活させる可能性も残された。 だが、ロシアのクズミン国連次席大使は決議の採決後、「人権理は、日和見主義的な目標を達成するために仕組みを悪用する国家集団で占められている」と主張。「人権の保護と促進に対するロシアの責任は、こうした国際機構の一員にとどまることを許さない」と述べ、離脱を表明した。これにより、理事国としての復帰の道は絶たれた。
停戦交渉で非難の応酬 合意機運しぼむ ロシアとウクライナ
2022年04月08日
ロシアによるウクライナ侵攻の停戦交渉をめぐり、ロシアのラブロフ外相は7日、ウクライナ側がイスタンブールでの協議の際に示した態度を翻したと非難した。 【図解】ウクライナとロシアの戦力比較 タス通信などが伝えた。一方、ウクライナのポドリャク大統領府顧問はロシアに「メディアでの敵対的行動」の抑制を要求し、非難の応酬となっている。 双方とも交渉そのものは継続する意向だが、ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊で多数の民間人が殺害されたことが発覚して以降、合意形成に向けた機運はしぼんでいる。 ラブロフ氏は、ウクライナが作成した合意草案を問題視。草案で、ウクライナがロシアに求める「安全の保証」の適用対象外として南部クリミア半島を明記していないことなどを「受け入れられない」と主張した。ラブロフ氏は、ロシアが実効支配するクリミア半島や、親ロ派武装勢力が一部を占拠する東部ドンバス地方の帰属については交渉に応じないという立場を強調。首脳会談での協議に持ち込もうと模索するウクライナ側を強くけん制した。 これに対し、ポドリャク氏は、ロシア側にウクライナでの「残虐行為」の責任があるとし、「ウクライナへの憎悪を助長してきた」と強調。対話の用意があるなら、態度を改める必要があると訴えた。
ロシア軍、首都再攻撃の可能性 ウクライナ分析
2022年04月08日
ウクライナ軍参謀本部は7日、ロシア軍が東部ドネツク州の要衝マリウポリの制圧に戦力を集中させているが、東部での目的達成後、首都キーウ(キエフ)を再攻撃する可能性があるとの分析を示した。ウクライナメディアが伝えた。 ロシア軍はドネツク・ルガンスクの東部2州の全制圧を目指して攻勢を強めるとみられ、ウクライナ政府は住民に退避を呼びかけている。7日にはドネツク州に隣接する州の中心都市ドニプロの市長が住民に早期退避を求めた。 ロシア軍が制圧した南部ザポロジエ州メリトポリの市長は7日、ロシア軍に拉致された市民が100人を超えたと発表した。
「許して」悲嘆に暮れる母 並ぶ遺体、見つからない親族 民間人多数死亡のブチャ・ウクライナ
2022年04月08日
ロシア軍の撤収後、民間人とみられる多数の遺体が発見されたウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊ブチャは、愛する人を失った住民らの悲しみに包まれている。 【写真】息子を埋葬した墓の前で泣くテティアナ・ウスティメンコさん 家族の死を嘆く人や、安否の分からない親族を捜す人。惨状を前に、住民の心は深くえぐられている。 「許して」。テティアナ・ウスティメンコさん(65)は、殺害された息子セルヒーさん(25)を思い、声を詰まらせた。ささいな口げんかが、今でも頭から離れない。 セルヒーさんは、退避を渋る母を迎えに車で向かっていた。銃撃音が聞こえた時、ウスティメンコさんは「息子はそこにはいない」と信じていたが、友人2人と命を落とした。1人は頭、もう1人は足、セルヒーさんは背中を撃たれていた。 遺体は3日間野ざらしにしておくしかなかったが、かつてスイセンが咲いていた庭に埋葬した。「どうやって生きていけばいいの」と自問している。 ブチャでは日々、新たな犠牲者が確認されている。墓地には黒い袋に収められた遺体が積み重なるように並べられている。 オレフ・オニシチェンコさん(49)は、14歳のめいとその母を捜しに墓地へやって来た。ブチャを離れたはずだったが、その後、2人の乗る車が燃え上がる映像が流れた。 袋を開けるたび見える遺体は、焼け焦げ、一部しかないこともある。「1カ月前、こんなことが起き得ると誰が想像できただろう」。オニシチェンコさんは、2人の身分証や出生証明書のコピーを手に、消息を追い求めている。
