感染力7割増し、欧州各国でもコロナ変異株 英国から
2020年12月22日
感染力が従来より最大7割強いとされる新型コロナウイルスの英国の変異株がイタリアやデンマークなどでも見つかり、欧州各国は20日、入国規制の強化に乗り出した。欧州はクリスマス休暇で人の移動が増える時期にあたり、感染再拡大への警戒感が強まっている。 【写真】「もう元には戻れない」コロナ感染、涙を流した住吉美紀 イタリア保健省は20日、数日前に英国から航空便でローマに到着した乗客から変異株が見つかったため、隔離したと発表した。世界保健機関(WHO)によると、英国と同じ変異株がデンマークで9件、オランダ、豪州で1件ずつ確認されたという。従来より重症化しやすいという証拠は見つかっていないという。 現地報道によると、フランスは20日、英国からの入国を21日午前0時から48時間、鉄道と空路で、いずれも禁じることを決めた。英国への出国は規制しない。ドイツも近く、航空便の受け入れを停止する方針だ。このほか、イタリアやベルギー、オランダやオーストリア、ルーマニア、ブルガリアなどが英国からの入国を規制する。 英国政府は20日、ウイルスの遺伝情報を調べた結果を明らかにした。変異株は9月に出現し、11月半ばまでは市中での広がりは少なかった。11月後半にロックダウン(都市封鎖)を導入したにもかかわらず、ロンドン南東のケント州で感染率が下がらなかったことから保健当局が調査。変異株による感染例が増えていたことが明らかになった。その後、この変異株がロンドンや周辺地域で広がっていることを突き止めたという。欧州疾病予防管理センター(ECDC)は、変異株がすでに英国以外にも広がっている可能性があるとしている。 AFP通信によると、欧州連合(EU)の専門家は、開発されたワクチンは変異株にも有効だとの結論に達しているという。
モデルナのコロナワクチン、米国で接種開始
2020年12月22日
米コネティカット州の病院で21日、米製薬大手モデルナ(Moderna)が開発した新型コロナウイルスワクチンで同国初となる接種が、医療従事者らを対象に行われた。 【写真】接種を受け歓喜する人 接種の様子は生中継された。接種を受けた看護師の一人は「興奮している。自分は恵まれていると感じる」と語った。 米食品医薬品局(FDA)は18日夜、モデルナ製ワクチンの緊急使用許可を発表。世界で最も新型コロナウイルスによる被害が大きい米国では先週、米ファイザー(Pfizer)と独ビオンテック(BioNTech)の製薬2社が共同開発したワクチンの接種も始まっていた。
EU規制当局、ファイザーとビオンテックのコロナワクチン承認
2020年12月22日
(更新)欧州医薬品庁(EMA)は21日、米製薬大手ファイザー(Pfizer)と独製薬ベンチャーのビオンテック(BioNTech)が共同開発した新型コロナウイルスワクチンを承認したと発表した。これにより、欧州連合(EU)内での同ワクチン接種が数日以内に始まる可能性が高まった。 【図解】新型コロナウイルスの英国での感染者と死者数の推移 EMA長官はオンラインで行われた記者会見で、「EMA科学委員会がきょう会合を開き、ファイザーとビオンテックが開発したワクチンのEU内での条件付き販売承認を勧告したことを発表でき、うれしく思う」と述べた。 さらに同長官は、主に英国で見つかっている同ウイルスの変異種について、ファイザーとビオンテックが開発したこのワクチンが有効でないことを示す証拠は現時点ではないと話した
EUのワクチン価格「暴露」 1回分225~1860円―ベルギー閣外相
2020年12月22日
欧州連合(EU)欧州委員会が加盟国を代表して製薬各社と事前購入契約を結んだ新型コロナウイルスワクチンの価格が、ベルギーの閣外相がツイッターにうっかり投稿したことで「暴露」された。欧州委は守秘義務を理由に公開を拒んできたが、1回分当たりの契約価格は日本円で約225~1860円とみられ、製薬会社によって大きな開きがあることが明らかになった。
ベルギー紙ラーツテ・ニュース(電子版)が17日、報じた。予算担当のデブレーケル閣外相が野党からワクチン予算の追及を受ける中、政府の購入数や金額の一覧表を投稿。EUが確保した6種類のワクチンの契約価格が判明した。
約30分後に削除されたが、同紙が保存したツイッターの画像によると、1回分の価格は、当面は利益を得ない方針を示す英アストラゼネカが1.78ユーロ(約225円)と最安。米モデルナが18ドル(約1860円)と最も高かった。英米で既に接種が始まり、EUでも21日に販売承認勧告が出る見通しの米ファイザーのワクチンは12ユーロ(約1520円)だった。
ワクチン確保には巨額の公費が投じられるだけに、透明性を訴える欧州議会やメディアから価格公開を求める声が強まっていた。欧州委報道官は18日の記者会見で、「暴露」への直接の言及は避けたが、「価格が明らかになれば、交渉担当者の立場が弱まる」などと述べ、守秘義務は公益にもかなうと主張した。
欧州委がこれまでに確保したワクチンは6種類で計約20億回分。加盟国は人口比に応じた数量を承認後に購入する。EUでは27日からファイザー製の接種が始まる見通し
英旅客機の乗り入れ禁止 コロナ変異種で―欧州各国
2020年12月22日
オランダ政府は20日、英国で新型コロナウイルスの変異種が見つかったことを受け、英国からの旅客機の乗り入れを同日から1月1日まで禁止すると発表した。ベルギー、イタリアも同様の措置導入を表明するなど、欧州に変異種への警戒感が急速に広がっている。
コロナ変異種、ロンドン再封鎖 強い感染力、Xマス緩和撤回―英
オランダ政府は声明で、変異種は「(従来種よりも)簡単に素早く感染拡大すると考えられ、検出も難しい」と指摘。詳細が分かるまで「持ち込まれるリスクを最小限に抑えるべきだ」と判断した。さらなる対応策を今後ほかのEU加盟国と協議する方針も示した。
一方、ベルギーのデクロー首相は20日、地元テレビで、「予防的措置」として英国からの渡航者受け入れを同日深夜から少なくとも24時間停止する方針を明らかにした。旅客機だけでなく、英仏海峡を渡る鉄道も対象となる。
また報道によると、ドイツやフランスも英国からの旅客機乗り入れ禁止を検討しているという。
「完全離脱」カウントダウン 貿易交渉、なお溝 英EU
2020年12月22日
英国が欧州連合(EU)を完全に離脱する31日まで、21日で残り10日。 【図解】英、EU離脱後の流れ 今年1月末の離脱後も事実上の残留状態を続けてきた英国に政治、経済、社会の各面で大きな変化が訪れる。EUとの自由貿易協定(FTA)交渉がのるかそるかの最終局面を迎える中、波乱含みのカウントダウンが始まった。 EU離脱は2016年の国民投票で小差で決まった。今年3月に始まったFTA交渉は、英国に引き続き影響力を行使したいEUと、離脱で回復した「主権」を強調する英国が激しく対立。双方は意地の張り合いとなっており、EU本部があるベルギーの首都ブリュッセルで19日行われた集中協議でも、漁業などの懸案で溝が残った。 英国は1月末にEUを離脱したが、年末までの「移行期間」中はEUの自由貿易圏に属し、EUの法令に従っている。この措置が終わる前に後継のFTAをまとめ、一体化が進んだ英国とEUをなるべくスムーズに切り離すのが課題だ。 英BBC放送によると、英EUが妥結できるか否かは「クリスマス前」に決まる公算が大きい。 交渉が決裂すれば、英国とEU主要国ドイツやフランスとの貿易には約半世紀ぶりに関税が復活し、新型コロナウイルスの感染拡大で冷え込んだ景気は二重の打撃を受ける。英EU間の物流が滞り、英国内で生鮮品や医薬品が不足する事態も予想されるが、ジョンソン英首相は「どうなろうと英国は力強く繁栄する」と、けんか別れも辞さない強気な構えのままだ。 FTAの成否にかかわらず、英EUは労働者らが自由に行き来できる取り決めを年末で原則終了する。外交・安保面でも英国はEUの政策にしばられず、別の道を歩きだす。
安倍前首相を任意聴取 秘書を略式起訴へ
2020年12月22日
安倍前首相側が主催した「桜を見る会」の前夜祭をめぐり、東京地検特捜部が、安倍前首相から任意で事情を聴いていたことがわかった。 関係者によると、東京地検特捜部は21日夜、東京都内で安倍前首相の任意聴取を終えていて、安倍前首相は、関与を否定したものとみられる。 特捜部は、安倍前首相の刑事責任を問うのは難しいと判断しているものとみられ、不起訴になる見通し。 「桜を見る会」の前夜祭をめぐっては、安倍前首相側が補てんした参加費と実費の差額が、2019年までの5年間で910万円余りとみられ、一切の費用が政治資金収支報告書に記載されておらず、不記載額は3,000万円以上にのぼるとみられる。 特捜部は、政治資金規正法の「不記載」の疑いで捜査していて、安倍前首相の公設第一秘書を週内にも略式起訴する方針。
吉川元農相の議員辞職許可
2020年12月22日
大島理森衆院議長は22日、鶏卵生産大手「アキタフーズ」グループ元代表による現金提供疑惑が浮上した自民党の吉川貴盛元農相の辞職を許可した。
海上自衛隊でトップら5人感染 陸・海・空で副官も
2020年12月22日
海上自衛隊でトップら5人が新型コロナウイルスに感染したことが分かりました。クラスター(集団感染)か防衛省では感染経路を調べています。 海上自衛隊トップの山村幕僚長が21日、新型コロナに感染していたことが分かりました。また、ナンバー2の西海幕副長も感染し、海上自衛隊では合わせて5人が感染しているということです。さらに、陸・海・空の幕僚長を補佐する副官もそれぞれ感染していて、防衛省は感染経路を調べています。
新型コロナワクチン 欧米で「売買」の闇サイト急増
2020年12月22日
ンターネット上で新型コロナウイルスワクチンの違法な売買を呼び掛ける投稿が急増していることがANNの調べで分かりました。国際的な犯罪組織が関与しているとみられ、ワクチン略奪の懸念も高まっています。 ワクチン取引の投稿は、通常の検索ではアクセスできないダークウェブと呼ばれる闇サイトに掲載されています。すでに接種が始まっているイギリスやアメリカだけでなく、ワクチンの開発拠点があるドイツも発送元とされていて世界中に配達が可能だとしています。サイバーセキュリティーの専門家は、今のところ闇サイトのワクチンは偽物か、支払いをしても何も送られてこないとみています。 サイバーセキュリティー会社「チェックポイント」、オデッド・バヌヌ氏:「犯罪組織はワクチン取引を呼び掛ける投稿で需要があるか見極めようとしています。需要があると分かれば、犯罪組織は実際にワクチンのサプライチェーンを狙うでしょう」 ワクチンの闇取引についてはICPO(国際刑事警察機構)も「犯罪組織がワクチンの流通そのものへの潜入や妨害を計画中だ」として警戒を呼び掛けています。