過去の記事:2021年12月

白菜54円、キャベツ84円…葉物野菜が安い うれしい消費者と苦しい生産者 栃木県内

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2021年12月19日

栃木県内で白菜などの葉物野菜が安値となっている。今秋の好天で産地の出荷量が増えていることが大きな要因とみられ、白菜が例年より5割近く安い価格で店頭に並ぶスーパーもある。冬の寒さが本格化して鍋物野菜の需要が高まる中の安値に、消費者は「安くて助かる」と歓迎するが、生産者からは「もう下がってほしくない」との本音が漏れる。  16日午前11時、宇都宮市宿郷3丁目のスーパー「かましんカルナ駅東店」。入り口すぐの棚には茨城県産の新鮮な白菜がずらりと並び、買い物客が次々に手を伸ばしていた。市内から訪れた50代主婦は「安いので今日は鍋にします。助かります」と頬を緩ませた。  この日の店頭販売価格は白菜4分の1カット54円。青果担当責任者の菊地智之(きくちともゆき)さん(28)によると、例年は同サイズ100円前後が目安だ。「葉物野菜全般が安値」といい、キャベツは1玉84円と例年より約100円安い。県内に計30店舗を展開する「オータニ」の青果担当者も「葉物でも白菜やキャベツの大型野菜が特に安い」と明かす。  宇都宮市中央卸売市場の青果卸売会社「東一宇都宮青果」などによると、安値の要因は今秋の好天で出荷量が増えたことだ。大きな自然災害も無く、茨城県や長野県などの主要な産地で生育が良く10月ごろからの出荷量が増えた。供給が安定しているため、安値は当面続く見立てだ。  「『質高く』と丹精して育てた。この価格は見合わない」。宇都宮市内の直売所などに白菜を卸している同市不動前2丁目、農業大久保英隆(おおくぼひでたか)さん(57)は苦しい状況にうなだれる。  秋の気温の高さが影響して虫対策などの管理が一層慎重に求められるようになる中での安値に、大久保さんは「白菜をやめる農家も出てくるだろう」と推察する。「しばらくは我慢するけれど、さらに下がると、来年以降の作付けを考え直さなくちゃならないね」

 

 

10万円給付“現金も”転換…自治体は困惑

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2021年12月14日

18歳以下への「10万円給付」について、岸田総理は“まず現金5万円、残りの5万円は原則クーポンで”としていましたが、13日、10万円を現金で一括給付することも認める考えを示しました。しかし、困惑する自治体も…。     ◇ “残りの5万円分”は、現金なのか、クーポンなのか、国会では13日── 自民党 高市政調会長 「『現金10万円を一括給付すべきだ』といったご指摘がございます。総理の明確なご見解を伺います」 これまで、“年内に現金5万円、来年春までに原則5万円分のクーポン券を給付する”としていましたが── 岸田総理 「先行分のこの5万円の給付と合わせて、10万円の現金を一括で給付する形で、今回の対策の内容を実行する――こうしたことも選択肢の1つとして、ぜひ加えたいと私は思っています」 一転、年内からでも現金での一括給付を容認する考えを示しました。さらに── 立憲民主党 長妻昭議員 「10万円を現金に移行する場合、要件というのがあるということですか?」 岸田総理 「政府において、10万円の一括現金給付を認めるにあたって、何か特定の条件をつけて審査をするというようなことはありません」 現金給付を行う地方自治体に、特に条件などもつけないといいます。 早速、自治体は── 横浜市 山中市長全額現金での給付の方向性で検討するよう、関係部署に指示を出したところです」 大阪府 吉村知事 「岸田総理の方針に賛成です。5万・5万に分けて、5万円分をクーポンにする、そこに900億円かけてやる…本当におかしな制度だということは、僕自身、発信してきましたし」 一方、名古屋市の河村市長は国の方針に従うとした上で── 名古屋市 河村市長 「僕はクーポンでやるのがええと思いますよ。現金は前回の給付の場合、7~8割が貯金されたと報告があったんですよ」 街の人が望むのは── 給付金の対象・6歳児の母親 「現金だとどこでも使えるので、そういう面で現金がありがたい」 給付金の対象・1歳児の母親 「(10万円給付が)半分クーポンっていうのは、あまり望んでいないのと、現金も2回で分割されるというのも、ちょっと…1回でほしいなという気持ちもあります」     ◇ しかし、困惑する自治体もありました。 東京・墨田区の区役所で見せてくれたのは、大量の段ボール。その中身は── 東京・墨田区 子育て支援課長 「あす14日(発送するため)に準備した案内通知。『5万円を支給します』という案内通知を送る予定になっています」 その数、およそ1万5000人分。14日に通知を送り、今月24日に現金5万円を振り込むといいます。 東京・墨田区 子育て支援課長 「(年内給付)5万円というのを前提に、ずっと準備してきていますから、これが簡単に(一括で)10万円になるといっても、案内文だとか、全部刷り直さないといけないですし」 追加で現金5万円を給付するためには、改めて議会に通して予算の承認を得るなど、事務的な手続きも必要になるといい、「年内に一括で10万円を支給するというのは、正直かなり難しい。無理だと思います」と話しました。

 

 

与野党内から「外交ボイコットを」相次ぐ 首相は明言避ける

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2021年12月14日

来年2月の北京冬季五輪にバイデン米政権が政府当局者を送らない「外交ボイコット」を決めたことに関し、与野党から日本も政府代表を送らないよう求める声が相次いだ。ただ、岸田文雄首相は13日の国会答弁でも明言は避けた。 【写真】北京五輪の外交ボイコット判断「適切な時期とは?」 高市氏が攻勢  この日の衆院予算委員会で、自民党の高市早苗政調会長が政府方針を質問したが、首相は「適切な時期にオリンピック・パラリンピックの趣旨・精神など諸般の事情を総合的に勘案し、国益に照らして自ら判断する」と述べるにとどめた。  岸田政権は閣僚の派遣を見送る方向で調整しているが、スポーツ庁の室伏広治長官の派遣の可否も検討。国内外の反応をみながら最終的に判断する構えだ。  これに対し、自民党外交部会では13日、佐藤正久部会長が「モタモタして意思表示を行うのは、やっぱり日本は人権より金かと(思われる)。早めに国家の意思表示、外交的ボイコットをすべきだ」と迫った。  野党からも対応を迫る声が出た。共産党の志位和夫委員長は同日に声明を出し、「日本政府は、中国政府に対して従来の及び腰の態度をあらため、国際法にもとづく冷静な外交的批判によって人権侵害の是正と五輪憲章の順守を正面から求めるべきだ」と訴えた。  一方、元外相の河野太郎・自民党広報本部長は13日の講演で「中国の軍事拡大には言うべきことを言わないといけない」としつつ、「中国は貿易の最大の相手国。バランスをとって考えていく必要がある。外交はかけ声でやるものではない」と指摘。「威勢のいいことを言っていればいいとの無責任な声が今増えていることは、大いに懸念しなければいけない」と釘を刺した。

 

 

パリ五輪開会式、セーヌ川が会場に 「史上最大」60万人動員へ

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2021年12月14日

2024年パリ五輪の大会組織委員会は13日、開会式をセーヌ(Seine)川で開くことが決まったと発表した。夏季五輪では毎回、各国の代表団がスタジアムで入場行進を行ってきたが、パリ大会ではその伝統が破られることになる。 【写真】パリ五輪のロゴ、モチーフは聖火と金メダルとマリアンヌ  24年7月26日に開催される開会式では、200以上の国・地域の選手団を乗せた160隻以上の船が、パリ中心部のオステルリッツ橋(Pont d’Austerlitz)とイエナ橋(Pont d’Iena)間を約6キロ航行する。閉会式は、エッフェル塔(Eiffel Tower)に臨むトロカデロ広場(Trocadero Square)で行われる。  パリ五輪大会組織委員会は開会式で60万人の観客を見込んでおり、史上最大の五輪式典となるとしている。セーヌ川沿いには有料スタンド席が用意されるが、それ以外の場所からは五輪の開会式史上初めて無料で観賞が可能となる。  大会組織委員会のトニー・エスタンゲ(Tony Estanguet)会長はAFPのインタビューに応じ、開会式の構想には「絶対的な誇り」を持っていると断言。「五輪史上初めて、街中のセーヌ川で選手行進を行う」と説明した。  パリ市内の名所の数々を通過する大規模なイベントとなるため、警備に関する懸念も上がっていたが、エマニュエル・マクロンEmmanuel Macron)大統領は7月、セーヌ川での開会式開催を承認していた。

 

 

英、オミクロン株で死者 世界で初確認か

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2021年12月14日
 

 

オミクロン株、本土で初確認 天津の入国者から検出 中国

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2021年12月14日

中国天津市で新型コロナウイルス変異株「オミクロン株」の感染者1人が確認された。 【グラフ】新型コロナウイルス 世界各国の状況  中国本土で同株への感染確認は初めて。天津のニュースメディアが13日、市当局の情報として伝えた。  海外から入国した無症状のコロナ感染者から採取したサンプルを9日に分析した結果、オミクロン株を検出。国の疾病予防コントロールセンターによる再検査でも同様の結果だった。年齢や性別、どこの国から入国したかなど詳細は不明。 

 

 

韓国がTPP加盟申請へ

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2021年12月14日

韓国の洪楠基・経済副首相兼企画財政相は13日、対外経済関係の閣僚会議で、環太平洋連携協定(TPP)への加盟申請の手続きを開始すると明らかにした。今後国会での報告などを経て加盟申請する方針とみられる。

 

 

文大統領 北京五輪の外交ボイコット「検討していない」

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2021年12月14日

オーストラリアを国賓訪問している韓国の文在寅ムン・ジェイン)大統領は13日(現地時間)、オーストラリアの首都キャンベラで同国のモリソン首相と首脳会談を行った後の共同記者会見で、来年2月の北京冬季五輪に選手団以外の外交使節団を派遣しない「外交ボイコット」に関連し「韓国政府は(ボイコットを)検討していない」と述べた。    文大統領は「北京冬季五輪に対する外交ボイコットについては、米国をはじめとするどの国からも(ボイコットに)参加するよう勧誘を受けたことはない」と説明した。

 

 

そもそも五輪の外交的ボイコットとは? 効果や始まり…知っておきたい基礎知識5選

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2021年12月14日

2022年北京五輪に政府関係者が出席しない「外交的ボイコット」には、どんな意味があるのか。以下では外交的ボイコットの背景や効果についてみていこう。

(1)これまで外交的ボイコットはあったか?

 今回の外交的ボイコットは香港やウイグルでの人権問題が理由になっており、これまでにアメリカの他、イギリス、カナダ、オーストラリア、リトアニアなどが加わっている。また、ニュージーランドは「コロナ感染」を理由に政府代表の派遣を見合わせている他、本稿執筆段階で日本政府も検討中と一部で報じられている。

 これに対して、中国政府は「来なくても誰も気にしない」と強気の姿勢を崩さないが、メンツを潰されて内心穏やかでないことは想像に難くない。もっとも、昨今の米中対立を考えれば、中国としても想定の範囲内だったかもしれない。

 それはともかく、今回のボイコットは政府関係者に限ったもので、選手派遣を中止するものではない。実際、アメリカ政府は高官を送らない一方、「アメリカ選手団は万全の支援を受けられる」とも強調し、アスリートの不安払拭に追われている。

 「平和の祭典」と呼ばれる五輪だが、これまでもしばしば政治対立の舞台になってきた。

 しかし、1896年にアテネで近代五輪の第1回大会が開催されて以来、確認できる範囲で「政府関係者だけ送らない」という例はこれまでにない。そのため、外交的ボイコットは今までにない新しい手法といえる。

(2)これまでどんなボイコットがあったか?

 外交的ボイコットが初めてとすると、これまでのボイコットにはどんなものがあったのか。その歴史は古く、20世紀初めにまでさかのぼる。

 五輪初のボイコットは1920年アントワープ大会でのソビエト連邦によるものだった。1917年のロシア革命後、新たに発足した共産主義国家ソ連は帝政時代から続いていた五輪参加を中止したのだ。

 ソ連は当初アマチュアスポーツそのものを「ブルジョワ的」とみなし、イデオロギー的な理由で五輪をボイコットした。しかし、その後「五輪がイデオロギー宣伝の機会になる」と判断が変更された結果、1952年ヘルシンキ大会でロシア人選手が約40年ぶりに五輪に登場したのである。

民主化運動が高まるハンガリーの首都ブタペストに侵攻したソ連軍(1956)
民主化運動が高まるハンガリーの首都ブタペストに侵攻したソ連軍(1956)写真:Shutterstock/アフロ

 その後もボイコットはしばしば発生し、特に1956年メルボルン大会はさながら「ボイコット祭り」になった

 この大会ではエジプト、レバノン、イラクが同じ年に発生したスエズ危機を理由に、イスラエル選手の参加する五輪をボイコットした。その一方で、やはり1956年に発生したハンガリー動乱を理由に、ソ連を批判するスイス、スペイン、オランダも参加を取りやめた。

 さらに、メルボルン大会には中国も参加しなかった。台湾が「中華民国(Republic of China)」として出場することが「一つの中国」の原則に反するという理由だった。このボイコットは五輪での台湾の呼称が「中国台北(Chinese Taipei)」に変更されるまで続き、1984年ロスアンゼルス大会で初めて中国と台湾の選手がそろって出場することになった。

 これらのボイコットのうち最大のものはソ連によるアフガニスタン侵攻(1979)の翌1980年に開催されたモスクワ大会でのものだが、これについては後述する。

ミュンヘン五輪選手村跡地のイスラエル選手記念碑に集う人々(2002.8.11)
ミュンヘン五輪選手村跡地のイスラエル選手記念碑に集う人々(2002.8.11)写真:ロイター/アフロ

 ボイコットだけでなく、1972年のミュンヘン五輪では11人のイスラエル選手が選手村でアラブ過激派に銃殺されるテロまで発生している。五輪はその注目度が高いだけに、「平和の祭典」の理念とは裏腹に政治対立の縮図にもなってきたのだ。

(3)政治利用は五輪のルールに違反しないのか?

 テロは論外としても、五輪のルールはスポーツの政治利用を禁じている。国際オリンピック委員会(IOC)の定める憲章では「政治的中立」が掲げられている。

 だとすると、政治的な理由で選手を参加させないボイコットが、この憲章に反することは明らかだ。

 ただし、今回の外交的ボイコットはややグレーである。アメリカが五輪の機会に政治的アピールをしたことは間違いないとしても、通常のボイコットと異なり選手派遣を中止したわけではないし、大会運営を妨げているわけでもない。

 1980年モスクワ大会の際、アメリカ政府は当時のIOC会長マイケル・モリス(キラニン男爵)に大会の延期や中止の直談判さえしたが、今回はそうしたことも伝えられていない。

 いわばギリギリのラインを攻める選択であるため、トーマス・バッハ会長が「選手が大会に参加できることを安堵している」、「政府高官の出席は各国の政治的判断であり、IOCは関知しない」と述べ、外交的ボイコットを問題視しないことは不思議でない。

 もっとも、仮に外交的ボイコットが憲章に抵触するとしても、現実的にIOCにできることはない

 2021年東京大会の直前、IOCは「会場などで政治的アピールを行なった選手には懲罰もあり得る」と発表した。これはアメリカの五輪委員会が選手の政治的アピールを認めているのと対照的で、黒人選手を中心にブラック・ライブズ・マター(BLM)支持が広がっていることなどを念頭においたものだったが、ともかく肝心の「懲罰」の内容は定められなかった。

 IOCは古き良きアマチュアリズムの精神を引き継いでいる(実際には商業化が目立つとしても)ため、「自主性」を重視せざるを得ない。だから何かを強制することに慎重なわけだが、選手に対してさえそうなのだから、参加国に対してはなおさらだ。実際、憲章に違反した国に制裁を課すルールはなく、これまでのボイコットでもIOCは「遺憾」の意を表すことしかできていない。

モスクワ五輪開会式で黒い五輪旗を掲げて抗議するファン(1980.7.11)
モスクワ五輪開会式で黒い五輪旗を掲げて抗議するファン(1980.7.11)写真:アフロ

(4)ボイコットに効果はあるか?

 いわば「やったもの勝ち」のボイコットだが、そこまでして効果が期待できるのかというと、そうでもない。ボイコットの効果は、ひいき目にいってもかなり限定的で、「ゼロではない」という程度のものだ。

 実際、人目は引けても、少なくとも一回限りのボイコットで本来の目的が達成されたことはほぼ皆無で、史上最大の五輪ボイコットになった1980年モスクワ大会は、その象徴である。

 当時のアメリカ大統領ジミー・カーターは「人権外交の元祖」とも呼べるが、その年の末に大統領選挙を控えていた。選挙を見据え、ソ連による人権侵害を糾弾する急先鋒として反ソ世論を喚起したカーターは、アメリカ国民の55%の賛成を取り付け、66カ国を巻き込んだボイコットを実現させた。

 その結果、モスクワ大会は第二次世界大戦後、最小規模の五輪となった。

 しかし、それでソ連に何らかの変化が生まれたわけではない。ソ連がアフガン撤退を開始したのは1988年だが、これは巨額の財政赤字と冷戦終結に向けたアメリカとの交渉を背景にしたもので、モスクワ五輪ボイコットがそこに及ぼした影響は限りなく小さかった。

 同じことは、アフリカ22カ国がボイコットした1976年モントリオール大会に関してもいえる。このボイコットはニュージーランド(NZ)選手団の参加が原因だった。その年、NZラグビー代表が南アフリカ代表と親善試合を行なっていたが、南アフリカは当時、白人による有色人種支配(アパルトヘイト)を理由に国連から経済制裁の対象になっていたからだ。

 つまり、このボイコットは人種差別批判の延長線にあったわけだが、それで南アフリカ問題が解決したわけではない。南アフリカでは1994年、全人種が参加する選挙が初めて行われたが、アパルトヘイト終結の大きな原動力になったのは経済制裁による疲弊であって、モントリオール五輪ボイコットが果たした役割はごくわずかだった。

 通常のボイコットですらそうなのだから、外交的ボイコット、しかもアメリカの他、ごく一部の国しか加わらないのに「中国が何らかの変化をみせる」と期待するのは、あまりに安易というべきだろう

(5)なぜ外交的ボイコットか?

 だとすると、なぜ今回アメリカは外交的ボイコットに踏み切ったのか。

 1980年モスクワ大会の時と異なり、今回はアメリカにつき従う国は決して多くない。冷戦時代のアメリカは、途上国を含めて「子分」の面倒をよく見ていたから、国連加盟国の約1/3をかき集めてボイコットすることもできたが、近年のアメリカと中国を引き比べれば、「気前のいい親分」の周囲に多くの者が集まるのは人の世の常だ。

 それでもバイデン政権にとって、北京五輪を波風立てずに開催させればそれだけで「負け」になる。そのなかで生まれた外交的ボイコットは、アメリカのいわば苦肉の策といえる。

 本格的なボイコットは効果が乏しいわりに、ボイコットする側とりわけスポーツ関係者にダメージが大きい。

 そのうえ、五輪は1984年のロスアンゼルス大会以降ビッグビジネスになっていて、1980年モスクワ大会のようなボイコットはアメリカ政府にとって非現実的すぎる。アメリカ選手が参加しなければアメリカ国内でTV視聴率がガタ落ちになることは火を見るよりも明らかで、その場合巨額の資金を投じて放映権を獲得したアメリカの放送局に大きな損失が発生し、下手をすれば政府がその補填をしなければならない。

 とすると、外交的ボイコットは中国に「貿易や人権の問題で簡単には譲らない」とアピールしながらも、実質的なコストがほとんどない、最も手軽な反中キャンペーンといえる。米中関係はすでに悪化するだけ悪化しているわけで、「失うものはほとんどない」という判断があれば、なおさらだ(この点で日中関係とは異なる)。

 その意味で、外交的ボイコットは新しいものだが、それ単独で重大なインパクトを持つものではなく、米中対立という大きな背景の一コマとして歴史に残るとみられるのである。

 

 

雇用調整助成金、5兆円超え コロナ禍で財政危機

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2021年12月14日
 

 
 
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