国内コロナ「第6波」懸念強まる 米軍内クラスター波及も
2022年01月05日
全国で4日に発表された新型コロナウイルスの新たな感染者数が計1268人となった。千人を超えるのは昨年10月6日以来。年末年始で人の移動が増えたことによる感染「第6波」への懸念が強まっている。感染者は沖縄県で225人に急増、山口県では79人のうち米軍岩国基地がある岩国市で62人に上った。米軍内のクラスター(感染者集団)が地域に波及しているとの見方もある。 【写真】成田空港の検疫現場 走り回る警備員は技能実習生
新規感染者は他に東京都、大阪府、広島県でも100人を上回った。拡大する新変異株「オミクロン株」の市中感染とみられる事例も京都府、群馬県、愛知県などで確認。各地で同株への置き換わりが進んでいる可能性がある。
「オミクロン感染者は全員入院」見直しへ 首相表明、医療逼迫を懸念
2022年01月05日
岸田文雄首相は4日、三重県伊勢市の伊勢神宮に参拝後、年頭の記者会見を行った。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の「市中感染」拡大に備え、オミクロン株の感染者全員を入院させている現在の政府方針について、医療現場が逼迫(ひっぱく)しないよう見直す考えを示した。 【図】オミクロン株のスパイクたんぱく質のイメージ。変異の場所など分かりやすく=CoVsurverを使って作図 首相はオミクロン株への対応について「市中感染が急速に拡大するという最悪の事態が生じる可能性に備える」と説明。「水際対策の骨格は維持しつつも、国内における予防検査、早期治療の枠組みを一層強化し、オミクロン対策の重点を国内対策へと移す準備を始める」と述べた。 具体的には、医療従事者や高齢者ら3100万人が対象のワクチン3回目接種の前倒しを進めると強調。オミクロン株の感染拡大が懸念される地域での無料検査も拡大するとした。 また、米ファイザー社製の経口薬について、購入に関する最終合意をし「2月中、できるだけ早く実用化をめざす」と語った。これまでオミクロン株の感染者は全員入院、濃厚接触者は全員宿泊施設に入るよう求めていた方針については、自宅療養を支援する態勢を整えたうえで、症状に応じて見直す考えを示した。 全世界からの外国人の新規入国停止などの水際強化措置の延長などについては、年末年始の状況を分析したうえで来週判断すると説明。政府が一昨年末から中断している観光支援事業「Go To トラベル」の再開時期については、コロナ対応を優先させるとして明言しなかった。 一方、首相はこれまで、米国のバイデン大統領や豪州のモリソン首相との対面による首脳会談を模索してきた。しかし、会見で「国内のコロナ対策に万全を期すため、今月の通常国会前の外遊は行わない」と述べ、見送ることも明らかにした
中小企業の支援、対象業種の判断できず 国交省の統計不正の影響で
2022年01月05日
国土交通省による建設業の基幹統計の書き換え問題で、中小企業向けの支援策の対象業種を選ぶ判断ができなくなっていることがわかった。支援が必要な業種を選ぶための好不況を示すデータがないためで、一部の業種は業況に関係なく支援の対象外になっている。本来受けられるはずの支援を受けられない企業が出てくる可能性があり、政府は金融機関への要請など対応に追われている。 影響が出ているのは、中小企業の借金返済を政府が実質的に保証する「セーフティネット保証制度」の特別枠。経済産業省中小企業庁によると、細かく分類された1千超の業種の中から、各省庁が提出した統計などをもとに原則3カ月に1度、支援対象の業種を選ぶ。前年度などと比べて落ち込みが大きいと、不況とみなされる。 建設業の指定には不正のあった「建設工事受注動態統計」のデータを使うが、不正の発覚を受けて、国交省が業界団体から集めた月別の売上高などのデータを代わりに使うことにした。1~3月の指定業種には、建設49業種のうち8業種が入ったが、判断の材料になるデータを集められなかった18業種は業況に関係なく対象外になっている。
英首相「ロックダウンせずにオミクロンの波を乗り切れる可能性がある」
2022年01月05日
イギリスでは連日およそ20万人が新型コロナに感染していますが、ジョンソン首相はロックダウン=都市封鎖をしなくても乗り切れる可能性がある、との見通しを示しました。 ジョンソン首相 「再度ロックダウンしなくてもオミクロン株の波を乗り切れる可能性があります。学校も経済活動も閉じずに、このウイルスと共存する道を見つけることができます」 ジョンソン首相は4日、このように述べ、当面は、▼在宅勤務の推奨や▼公共交通機関や店舗でのマスク着用義務、といった、現状の規制をさらに厳しくすることはしない、との考えを強調しました。理由として、▼オミクロン株の重症化率が過去の変異株と比べて低いと明らかになったこと、▼ワクチンのブースター接種が12歳以上のおよそ6割に達していることを挙げています。 感染者の大幅な増加で各方面で人員が不足していることへの対策としては、10万人の社会を支えるために欠かせない仕事をするエッセンシャルワーカーに対して、毎日検査できるだけの検査キットを配布すると述べました。 イギリスでは4日に発表された一日の新規感染確認件数が20万を超え、入院患者も増えていますが、重症患者や死者の数は増えていません。最初にオミクロン株の蔓延が始まったロンドンでは若い世代の新規感染者数が落ち着きつつありますが、ヴァランス政府首席科学顧問は「重症化リスクが高い高齢者の入院は増えている」「全世代で感染者数が減り始めない限り、ピークを過ぎたとは言えない」として、楽観的な見方にクギをさしました。
五輪政治化、問われる判断 人権批判強める米英 仏韓は追随せず温度差・北京1カ月
2022年01月05日
バイデン米政権は昨年12月、中国・新疆ウイグル自治区での人権侵害を理由に、北京冬季五輪に政府高官らを派遣しない「外交ボイコット」を表明し、英国、オーストラリアなどの同盟国が追随した。 【写真】北京五輪の開会式、閉会式会場となる国家体育場(愛称・鳥の巣) ただ、五輪の「政治化」を避けるべきだという声もあり、フランスをはじめ外交ボイコットに否定的な国は少なくない。各国は米中のはざまで難しい判断を迫られている。 「人権が侵害されている状況では、通常通りに対応することはできないというメッセージになる」。サキ米大統領報道官は記者会見で、高官を派遣しない狙いをこう説明した。バイデン政権はその直後、人権尊重などをテーマにした初の「民主主義サミット」を開催。人権をめぐり中国に厳しい態度で臨む姿勢を鮮明にした。 間を置かずに同調したのが、豪州と英国、カナダだ。豪州は外交ボイコットの理由として、豪産品を標的にした貿易制裁を発動し経済分野で威圧を強める中国との関係悪化も挙げる。英国は中国による香港統制強化を厳しく非難してきた。英豪に共通するのは、覇権主義を強める中国を懸念し、米国との距離を縮めている点だ。 欧州連合(EU)では、欧州議会が昨年7月に加盟各国やEU諸機関に外交ボイコットを求める決議を採択した。台湾に接近して中国と対立を深めるリトアニアのほか、ベルギーなど一部加盟国は外交ボイコットに踏み込む方針だ。 しかし、ドイツが政府全体では明確な方針を決めておらず、イタリアも慎重姿勢。EUは人権重視の方針でバイデン政権と歩調を合わせてきたが、経済分野での関係悪化を回避したいという思惑も根強く、統一した対応を示せていない。 中でも米国との温度差が目立つのが、2024年にパリ夏季五輪を控えるフランスだ。マクロン大統領は五輪を「政治化すべきではない」と主張しており、パリ大会成功に向け中国との摩擦を避けたいとの本音がにじむ。イタリアも26年の冬季五輪開催地だ。 アジアでは、中国と経済面で強いつながりを持つ韓国の文在寅政権が「外交ボイコットを検討していない」と明らかにしている。ただ、韓国にとって米国は安全保障上、欠かせない同盟相手。模索していた北京五輪を契機とする北朝鮮との関係改善が望み薄になっていることもあり、文大統領が開会式に出席するかは不透明だ。 サキ報道官は、外交ボイコットに踏み切るかどうかは「それぞれの国の判断に委ねる」と述べ、各国に「踏み絵」を迫ることはしないとしている。だが、米国と同盟・友好国との分断を図りたい中国にとっては、国際社会の対応に差が出ることで、付け込む機会を見いだしやすくなる。
オミクロン株急増のイスラエル、60歳以上の4回目接種開始
2022年01月05日
イスラエルで3日、60歳以上の高齢者らを対象に新型コロナウイルスのワクチンの4回目接種が始まった。イスラエルではオミクロン株の感染が広がって感染者が急増しており、政府は接種を呼びかけている。 【画像】日本の国産ワクチンは「4回目以降」を視野に開発が進む イスラエル政府は2日、60歳以上の高齢者と医療関係者への4回目の接種を正式に認めた。昨年8月から3回目のワクチン接種を始め、これまでに人口の約45%が3回目を終えている。4回目接種は、3回目から4カ月以上経っていることを条件とする。 イスラエルでは今月2日、1日の新規感染者数が6500人を超え、昨年9月下旬以来の多さとなった。 それでも政府は規制の強化には後ろ向きだ。オミクロン株の感染拡大を受け、昨年11月末から外国人の入国を原則として禁止していた措置も見直す。政府は3日、感染リスクの高い国からの入国を除き、ワクチン接種済みの外国人の入国を9日以降に認めると明らかにした。 ベネット首相は3日夜、約10万人がすでに4回目接種を終えたか予約をしたとして、「4回目接種キャンペーンは大きな成功だ。ワクチンは我々を重症化や隔離から防いでくれる」と述べた。
トヨタ、米新車販売で初の首位 21年、GM抜く
2022年01月05日
2021年の米新車販売台数で、トヨタ自動車が米ゼネラル・モーターズ(GM)を抜いて首位となったことが4日、分かった。米国以外のメーカーが年間販売首位になるのは史上初とみられる。 【グラフ】トヨタの世界生産・販売台数の推移
ロイター通信によると、GMは1931年から保ってきた新車販売台数首位の座を90年ぶりに明け渡した。 トヨタの21年の新車販売は20年比10%増の233万2千台だった。GMは13%減の221万8千台でトヨタが約11万台上回った。他のメーカーはこの2社を下回る。 GMは、半導体不足により北米の工場で生産を休止したことが大きく響き減産した。
スカイマーク、12月は黒字 コロナ禍後初、国内線回復
2022年01月05日
中堅航空会社のスカイマークの営業損益が昨年12月に単月で黒字に転じたことが4日分かった。単月黒字はコロナ禍の影響が出る直前の2020年初頭以来、約2年ぶり。札幌や羽田、神戸、福岡、那覇空港の発着便を中心にビジネスや観光客の動きが活発になり、帰省客を含めた搭乗率が8割前後と、コロナ禍前の水準に回復したようだ。 【写真】「まるで廃虚みたい」昨年2月の関西空港
国内線の回復が鮮明になってきた。搭乗率は20年2月が約80%だったが、4月は約26%に急降下した。GoToトラベルの恩恵を受けて一時は60%超に回復したが、単月の黒字には至らなかった。緊急事態宣言解除後の昨年10、11月は約65%だった
希望退職を募る上場企業、2年連続で80社以上 商工リサーチ調べ
2022年01月05日
社員の削減に踏み切る企業が高止まりしている。東京商工リサーチによると、2021年に希望退職を募った国内の上場企業は80社以上になった。コロナ禍が直撃した20年は93社で、2年連続で80社以上となるのはリーマン・ショック後の09、10年以来だ。 【写真】ハローワークの窓口。様々な相談を受け付けている 消費が十分に回復せず業績が悪化している企業もある。脱炭素といった経営環境の変化に対応するため、事業を見直すところもある。足元ではオミクロン株の感染が広がりつつあり、景気の先行きへの懸念は強い。企業は経営の効率化を進めていて、今年も人減らしの動きが続きそうだ。 東京商工リサーチの昨年末までの集計では、21年に募ったのは少なくとも80社あった。募集者数(非公表の企業は応募者数)の合計は判明分だけで1万5千人を超えた。20年は1万8635人で、2年続けて1万5千人を超えるのは02、03年以来だ。非上場企業は集計の対象外で、募集を明らかにしていないところもあり、実際の数はもっと多い。1千人以上だったのは日本たばこ産業(JT)やホンダなど5社あり、大規模な事例もめだった。残りの3社はKNT―CTホールディングス、LIXIL、パナソニックだ。5社のなかには募集・応募者数を細かく公表していないところもある。 業界別では、緊急事態宣言が最初に出された20年はアパレル・繊維の18社が最も多かった。21年も最多はアパレル・繊維の12社で、電気機器が9社、観光を含むサービスが7社だった。募集した企業の約6割は、直近の通期決算の純損益が赤字だった。 一方で、黒字を確保している企業が募るケースもある。脱炭素の流れを受けて、石油化学などは事業を転換しようとしている。自動車関連では電気自動車へのシフトで経営環境が急速に変わる。人口減による市場縮小などもあり、合理化に取り組むところが多い。
中国経済減速も打撃、日立・東芝のグループ再編は進化につながるか
2022年01月05日
2022年の電機業界は良くも悪くも大きな変革の年になりそうだ。デジタル変革(DX)とグリーン化(GX)が市場に新たな風を吹かせ、それに合わせて日立製作所や東芝は100年以上かけて出来上がったコングロマリット(複合企業体)の形を変える。一方、中国恒大集団の経営危機に代表される中国経済の減速感は巨大市場に依存する日本勢にも打撃となりかねない。変化が進化につながる1年を期待したい。 【写真】世界最高の変換効率誇る東芝のペロブスカイト太陽電池 全世界でのDX投資は米調査会社IDCによると、2024年に19年比2倍の2兆4220億ドル(約276兆円)に拡大して年平均でも15%と高い成長率を示す見通し。特に製造業での投資が全体の3分の1を占めており、IT導入拡大による生産性向上やビジネスモデル転換などが見込まれる。 日立製作所は21年7月に約1兆円かけて米IT企業のグローバルロジックを買収した。同社はまさに顧客のビジネスモデルのDX支援を得意とし、今後日立がIT分野へさらに傾注する上で重要な橋頭堡となる存在だ。日立の小島啓二社長も「IT部門の品ぞろえはほぼそろった」と語り、今後は手に入れた武器を駆使して世界戦に挑む。 9月にはパナソニックも、サプライチェーン(供給網)管理用ソフトウエアに特化した米ブルーヨンダーを総額約8633億円で買収した。DX推進に向けて足りないIT資産があれば、かつてはハードウエア中心だった日本勢も大型M&A(合併・買収)をいとわない姿勢だ。 GXも同じくこれからのキーワードだ。日立の小島社長が「グリーン、デジタル、イノベーションを成長の基軸にする」と話すように、発電や送配電設備を手がけてきた重電メーカーにとって脱炭素の新潮流はピンチであると同時に、大きなチャンスでもある。 東芝は国内において今後10年間で再生可能エネルギー関連の投資が全体で50兆―80兆円規模必要になると試算する。綱川智社長は「カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)の実現に向けた課題を解決していくことを大きな成長のチャンスと捉えており、東芝グループの持つ技術・顧客基盤をさらに強化すべく先行投資していく」とGXに期待を寄せる。 東芝はGX市場に自らの形を合わせるように、グループ全体の3社分割計画を打ち出した。23年度下期を目標に、エネルギーやインフラ、昇降機などのインフラサービス会社と、パワー半導体やハードディスク駆動装置(HDD)などのデバイス会社、キオクシアホールディングス(旧東芝メモリホールディングス)や東芝テック株式を管理する東芝の計3社に再編する。 一部大株主の反対もあってこの大胆な計画の実現は容易ではないものの、GXという大波が取締役会や執行側を突き動かした側面は否定できない。綱川社長は「それぞれの市場にフォーカスし、執行部が早い判断でグローバルに勝ち抜ける経営体制にする。(東芝グループの)解体ではなく、未来に向けた進化だ」とスピンオフの意義を強調する。 日立は現在、上場子会社を中心としたグループ再編が大詰めだ。最後の“日立御三家”である日立金属の株式売却は当初予定の21年度中から22年度中にずれ込むが、これは一部の国で独占禁止法の手続きが終わっていないだけで大勢に変更はない。日立建機の一部株式売却についても21年度中に方針を明らかにするという。 日立製作所の針路はDXとGXであり、同じ道を歩んでいけない事業は売却や他社との統合でグループ外へ切り出すのが基本戦略だ。歴史ある事業であっても、DXなどでシナジーが薄ければ袂を分かつ非情な決断が必要になる。総花的だったかつての総合電機メーカーは今や時代とともに絶滅しつつある。 不動産大手の中国恒大集団などの経営危機は中国経済の減速懸念を膨張させている。習近平指導部が過熱した不動産投資にブレーキをかけており、まず起こる建設関連需要の縮小が日本の電機メーカーにも影響を及ぼす。 中国の昇降機市場でシェア首位の日立ビルシステム(東京都千代田区)は販売動向に神経をとがらせる。光冨真哉社長は「足元で受注がすごく落ちているわけではないが、これまでの高い伸びではなくなってきている」と変調を肌で感じ取る。 「中期的には安定成長に戻るだろうが、短期的に過熱気味のバブルから安定成長に戻る道筋が今はまだ見えない」と不安が募る。 中国のエレベーター市場は世界最大の年間60万台以上あり、日本市場の約2万台とは桁が違う。中国変調の影響は当然ながら日立だけでは済まない。 昇降機専業のフジテックも重要市場を注視している。内山高一社長は「リスク管理によりそれほど影響はまだ受けていないが、不動産業界の資金問題や建設プロジェクトの遅延の話はたくさん聞く」と明かす。ただ、世界最大市場に変わりはない。内山社長は「足元の問題は多いが、中期的にまだまだ伸びる市場なのでしっかりやっていきたい」と腰を据える。 巨大市場の景気減速が昇降機以外にも波及するかは予断を許さない。
