政府、5月末までに全留学生受け入れへ…平日便の空席活用で10万人超入国計画
2022年03月09日
政府が新型コロナウイルスの水際対策緩和を受け、5月末までに、日本への入国を希望する外国人留学生全員の受け入れを検討していることがわかった。平日の航空機の空席を活用して、10万人超の入国を計画している。 【グラフ】留学生の新規入国者数の推移
岸田首相は14日から、1日あたりの入国者数の上限を5000人から7000人に拡大し、留学生は別枠で1日1000人を受け入れる方針を表明している。
政府は、航空機に空席が多い平日の月曜から木曜までは4日間で計8000人、空席が少ない金曜から日曜は3日間で計2000人、1週間では計1万人の留学生の受け入れが可能とみている。このため、3月中旬から5月末までの約10週間で留学生10万人程度の受け入れを見込む。1日の入国者の上限は、空港の検疫態勢などを見極めながら段階的に拡大する方針で、留学生の受け入れ枠が広がる可能性もあるという。
新型コロナ対策として、外国人の新規入国が2月末まで原則停止となった影響で、在留資格を取得しながら、入国できていない留学生は約15万人に上るとされる。政府はこのうち、現在も早期入国を希望している留学生を10万人超と見積もっている。
政府は留学生の受け入れを促すため、留学に関する相談業務などを行う文部科学省の「外国人留学生入国サポートセンター」で、航空機の予約代行も近く開始する。大学や日本語学校から、留学生の搭乗便の希望などを聞き取り、業務委託先の民間業者などを通して航空券を手配する仕組みだ。
ウクライナ支援で異例の指針改定 交戦中の国へ自衛隊装備品を供与
2022年03月09日
政府は8日、ロシア軍の侵攻を受けるウクライナに防衛装備品である防弾チョッキを提供するため、輸出ルールを定めた「防衛装備移転三原則」の運用指針を改定した。同日夜、航空自衛隊小牧基地(愛知県小牧市)で自衛隊の輸送機1機が防弾チョッキなどの物資を積み、出発した。交戦中の国への供与を目的に運用指針を改定するのは極めて異例だ。 防衛装備移転三原則…従来の禁輸政策を撤廃、一定の条件下で輸出認める
松野博一官房長官は記者会見で「国際秩序の根幹を揺るがす行為に国際社会と結束して毅然と行動することは、わが国の安全保障の観点からも極めて重要だ。今後もウクライナに、できる限りの支援を行う」と強調した。
ウクライナ、日本に対戦車砲要請 法的根拠なく提供見送り
2022年03月09日
ロシア軍の侵攻を受けるウクライナ政府が日本政府に対し、対戦車砲など殺傷能力がある防衛装備の提供を求めていたことが8日、分かった。日本側は防衛装備品である防弾チョッキを戦闘が続く国に提供する異例の決定を行ったが、弾薬を含む「武器」に関しては無償提供する法的根拠がないことなどから支援を見送った。複数の政府関係者が明らかにした。 【写真】ハリコフで攻撃を受け炎上するロシアの装甲車 政府はウクライナに対する物資提供について「殺傷能力を持つ装備品を提供する考えはない」(松野博一官房長官)と説明してきた。ただ、ウクライナが要望した装備のリストに関しては、詳細を明らかにしていなかった。 政府関係者によると、ウクライナのレズニコフ国防相がロシアが侵攻を開始した後の2月末、大使館ルートを通じて岸信夫防衛相に支援を求める物資のリストを書面で提出した。この中には対戦車砲のほか、地対空ミサイル、小銃の弾薬も含まれていた。 岸田文雄首相は2月28日にウクライナのゼレンスキー大統領と行った電話会談で「わが国は主権と領土、祖国と家族を守ろうと懸命に行動するウクライナの国民とともにある」と全面支援する考えを伝えており、政府は防衛装備品を含む無償提供の検討に着手。ウクライナは防衛装備移転三原則が禁止する対象とならないと判断した。 ただ、装備品を無償提供する根拠となる自衛隊法116条の3では、航空機や艦艇などが提供の対象に含まれるが、弾薬を含む「武器」の除外が明記されている。このため、殺傷能力を有する対戦車砲や地対空ミサイルは対ウクライナ支援の対象外となった。 また、小銃の弾薬に関しては、ウクライナ側が「ソ連製」を要望。自衛隊が保有する小銃は北大西洋条約機構(NATO)基準の口径(5・56ミリメートル)で、旧ソ連製とは異なるため対応できない。地対空ミサイルに関しても、事前に共同訓練を行うなどしてウクライナ軍が運用に習熟しておかなければ実戦での使用は難しいとの見方もある。
ロシア・ベラルーシへの追加制裁を決める
2022年03月09日
政府は8日の閣議で、ロシア政府高官や、ベラルーシのルカシェンコ大統領の家族などへの制裁を決めました。 【地図】「人道回廊」4ルートは“ロシア行き” ウクライナ「挑発行為だ」 8日の閣議で了解されたのは、ロシア大統領府のペスコフ報道官や、ベラルーシ・オリンピック委員会のルカシェンコ会長らの資産凍結です。 また、石油関連製品のロシアへの輸出禁止や、ベラルーシへの軍事関連物資の輸出禁止などもあわせて決めました。
避難路は幅50センチの板切れ、1万人が渡河 ウクライナ首都西郊
2022年03月09日
ロシア軍の攻撃にさらされているウクライナの首都キエフ西郊の町イルピン(Irpin)から逃れるためには、氷のように冷たい川に半分水没した幅わずか50センチの板が生命線だ。ロシアの爆撃を逃れて川を渡るため、このぐらぐら揺れる避難路を利用した人はすでに1万人に上る。 【写真11枚】細い板切れが生命線 川を渡り避難する人々 イルピンから脱出する人々は、西に向かう列車が出発するキエフを目指す。だが、その間を流れる川のコンクリート製の橋は、ロシア軍の進攻を遅らせるため、ウクライナ軍の手によって爆破された。 週末には、橋の周辺で町からの脱出を試みていた数人がロシア側からの砲撃により死亡したが、なおも多くの民間人が危険な脱出劇を続けている。人々に加え、あらゆる物がこの板切れを渡る。犬、乳母車、スーツケース、バイクのほか、負傷者やカーペットに包まれた遺体もここを通っていく。 「友人が車で橋まで連れて来てくれた。道路を走行している際には、あちこちで発砲があったが、渡りきることができた」と、キエフ側の川岸にたどり着いた女性は語った。 この非公式の「人道回廊」を設置したのは、イルピンのオレクサンドル・マルクシン(Oleksandr Markushyn)市長だ。ロシア側とは調整していない。市長は「ここでは誰も(ロシア側が提案する)『緑の回廊』について話す者はいない。イルピンは戦いの最中にあり、降伏するつもりはないからだと思う」と述べた。 市長は「恐らく2~3日のうちに、まだ1万人が退避するだろう」と予想しているが、「退避を拒否している人も、同じ数だけ存在する」と語った。
フィッチ、ロシアを「C」に格下げ デフォルト近いと認識
2022年03月09日
格付け会社フィッチは8日、「B」としていたロシアのソブリン格付けを投機的(ジャンク)等級内でさらに6段階引き下げ、「C」とした。 ロシアのデフォルトが近いという認識を示した。 フィッチは、特定国の債権者の外貨建てソブリン債の支払いを現地通貨で行うことを強制する可能性のある大統領令に言及。「制裁措置のさらなる強化やエネルギー貿易を制限する可能性のある提案により、ロシアが少なくとも政府債務の選択的不払いを含む政策対応をとる可能性が高まる」としている。 3月16日には2本のロシア債について、総額1億0700万ドルの利払いが期限を迎えるが、利払いには30日間の支払い猶予期間も設けられている。 フィッチは2日、ロシアの格付けを「BBB」から「B]に引き下げ、ジャンク級としていた。ムーディーズとS&Pもロシアを格下げしている。
10~12月期のGDP改定値、年率換算で4・6%増…21年通年は1・6%増
2022年03月09日
内閣府が9日発表した2021年10~12月期の国内総生産(GDP)改定値は、物価変動の影響を除いた実質GDP(季節調整値)が7~9月期比で1・1%増だった。このペースが1年間続くと仮定した年率換算では4・6%増だった。2月に発表した速報値(1・3%増、年率換算5・4%)から下方修正した。
21年通年の実質GDPは前年比1・6%増だった。速報値から下方修正した。
1兆円のロシア向け融資、回収懸念…日本の金融機関は情報収集急ぐ
2022年03月09日
ロシア向け融資を手がけてきた日本の金融機関が、経済制裁に伴い融資の回収に頭を悩ませている。 【図解】プーチン大統領の「誤算」
日本からのロシア向けの融資などの与信残高は現地通貨建ても含めて約1兆円に上る。国際決済銀行(BIS)や各金融機関の開示資料によると、このうち約7000億円が三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクと、国際協力銀行(JBIC)とみられる。残りは、信託銀行を通じ、機関投資家らが保有する。
金融機関は、経済制裁がさらに強化された場合や、ロシア国債のデフォルト(債務不履行)も想定し、情報収集を急いでいる。米欧がロシアからの原油調達を禁止すれば、関連企業の資金繰りは悪化する。ロシア国債のデフォルトも、ロシア通貨・ルーブルで資産を持つロシア企業の財務に悪影響をもたらす。
三菱UFJは、天然ガスや原油の開発事業のほか、物流の整備事業を中心に融資を手がけてきた。ロシア向け与信の約6割が海外取引先で、制裁範囲の拡大で送金手段が閉ざされたり、取引先が破綻したりすれば、「業績にも大きな影響を及ぼす」(幹部)という。
現地の銀行や基金への投融資を手がけてきたJBICは、ロシア向けの融資と出資の残高が約1345億円(2021年3月時点)に上る。天然ガス開発「アークティックLNG2」には昨年11月、2000億円超の融資契約を結んだばかりだ。契約に盛り込む「制裁条項」に該当した場合は融資を停止するか回収する方針だが、ロシア政府の制裁への対応が見通せず、融資をいったん凍結している。
米国が、米国内でのロシア関連企業や個人へ制裁を強化する可能性もあり、各金融機関は気をもむ。対イランで導入された制裁では、米財務省外国資産管理局(OFAC)によって指定された法人や個人が、ドル建て取引や資産の引き出しができなくなった。ロシアに対しても同様の措置がとられればロシア関連の融資が幅広く回収できなくなる可能性があり、「損失に備えた追加的な費用を確保する必要が出てくる」(メガバンク幹部)という。
米マクドナルドやスタバ、ロシアでの営業一時停止
2022年03月09日
米ファストフードチェーン大手マクドナルドは8日、ロシア国内の店舗を一時的に閉鎖すると発表した。 【動画】人道回廊は機能するか?「避難先はロシアかベラルーシ」にウクライナ猛反発(7日) マクドナルドはロシアで約6万2000人を雇用。店舗閉鎖中も給料の支払いは継続する。 ロシアによるウクライナ侵攻を受け、ニューヨーク州年金基金などがマクドナルドやペプシコを含む世界的なブランド企業にロシア事業の停止を呼び掛けている。 米コーヒーチェーン大手スターバックスも8日、店舗の営業および製品の出荷など、ロシアにおける全ての事業を一時停止すると表明した。 スタバとライセンス契約を締結するアルシャヤ・グループはロシアで少なくとも100店舗を運営している。
英シェル、ロシア完全撤退 制裁に協力、調達中止へ
2022年03月09日
英石油大手シェルは8日、ロシアでの事業から完全撤退すると発表した。ロシア産原油を巡っては、米国が欧州の同盟国と禁輸を検討している。供給量を安定調達する観点からシェルは当面購入を続ける考えだったが、経済制裁の趣旨を踏まえて協力を優先する方針に転じた。エネルギー企業のロシア離れが一段と加速することとなった。 シェルはロシアによるウクライナ侵攻後もロシア産原油を購入したことが判明していた。幅広い企業がロシアでの事業を縮小したり撤退したりしており、制裁の効果を弱めるとして厳しい批判を浴びていた。
