元参院議員の悪用で注目 「JR無料パス」は不正の温床か
2022年05月11日
元参院議員の男(79)が、現職国会議員に成り済まして新幹線のグリーン券をだまし取ったなどとして逮捕された。男が悪用したとされるのが、国会議員に与えられる鉄道乗車証(通称・JR無料パス)。公務であれば新幹線や在来線が乗り放題で、過去にはパスに絡んだ不祥事もあった。紙によるアナログな利用システムにも課題があったといえ、議員経験者は「このままでは有権者の信頼を失う」と危惧する。 【写真】送検のため名古屋・中村署を出る山下八洲夫容疑者 愛知県警は10日、詐欺と有印私文書偽造・同行使の容疑で、岐阜県中津川市の会社役員、山下八洲夫(やすお)容疑者を送検した。山下容疑者は旧社会党衆院議員を経て、平成10年の参院選で当選し、22年に落選した。事件まで立憲民主党岐阜県連の常任顧問を務めていたが、解任されることが決まった。 県警によると、送検容疑は4月27日、国会議員用の申込書に現職議員の名前を記入して東京駅の駅員に提出し、東京―名古屋間の新幹線特急券・グリーン券をだまし取ったとしている。 発券の前に、容疑者自身が過去に使っていた公務用のJR無料パスを見せ、駅員をだましていたとみられる。捜査関係者によると、「(無料で新幹線に乗れた)議員時代のことが忘れられなかった」とも話しており、不正乗車を繰り返していた可能性がある。 ■利用記録なし、チェック体制に不備 無料パスは歳費法に基づき、「職務の遂行に資する」目的で国会議員に交付される。公務であればJR各社の新幹線や在来線で使用でき、東京と地元を何度も往復する議員の政治活動を支えている。 有人改札で駅員にパスを提示すれば駅構内に入場が可能。グリーン車も利用でき、この場合は申込書を駅員に提出すれば、グリーン券が受け取れる。 有効期限は1年間。衆参事務局が年度ごとに議員らに希望を聞きJR側から購入しており、両院は今年度予算で計約5億円を計上している。 参院事務局によると、有効期限が過ぎれば返却を求めている。落選・辞職した場合でも同様だが、捜査関係者によると山下容疑者は「落選後も継続的に(パスを)使っていた」と供述した。 パスの大きさは名刺程度。議員の氏名や有効期限が記入されているが、顔写真はない。利用時の本人確認について参院事務局は「JR側に任せている」と説明。また議員の個別の利用記録も存在せず、パスの返還率も公表していない。パスの利用実態は不透明な部分が多く、こうしたアナログ的な利用方法を含め、チェック体制に不備があった可能性もある。 ■過去にも不適切使用、再発防止策を 過去には無料パスの不正利用が問題視された例もある。平成21年には故鴻池祥肇(よしただ)官房副長官(当時)がパスを使って知人女性と旅行したと週刊誌に報じられ、辞任。昨年4月には、山尾志桜里衆院議員(当時)もパスの不適切使用が報じられ、自身のツイッターで謝罪した。 「特権だ」「国民感覚からかけ離れている」と批判を集めやすい無料パス。かつては議員が全国の私鉄を無料利用できるパスもあったが、ICカードの普及や「運賃負担の公平性から利用者の理解を得にくい」との議論もあり、平成24年9月に廃止された。 元議員は騒動をどう見るのか。元衆院議員で東京地検特捜部副部長を務めた若狭勝弁護士(65)は、今回の事件について「悪質だ」と強く非難する。 議員時代には、別の議員が女性との私的な旅行に無料パスを使用したとの噂を耳にしたことがあり、「私的な用事でパスを使ったとしても、政治活動に関係すると強弁してしまえば、すべてあいまいになってしまう」と若狭弁護士。使用は直接的な政治活動の場面に限るといった再発防止策が必要との認識を示し、「このままでは国会議員に対する国民の信頼は失われてしまう」と懸念した
ベラルーシ、ウクライナ国境付近に特殊部隊配備へ
2022年05月11日
ベラルーシのビクトル・グレビッチ参謀総長は10日、ウクライナとの国境付近の3地域に特殊作戦部隊を配備すると表明した。 グレビッチ参謀総長は「米国とその同盟国はベラルーシの国境沿いで軍事プレゼンスを増大させ続けている」とし、西部地域に訓練のために防空システムやミサイルなどを配備すると述べた。 ベラルーシのルカシェンコ大統領は、ロシアがウクライナで使用した「イスカンダル」に類似するミサイルをベラルーシが製造するのを支援することで合意したと表明。「われわれは現実主義者で、北大西洋条約機構(NATO)を打ち負かすことはできないと理解している。ただ、NATOからの攻撃が行われる可能性がある地域に損害を与えることはできる」と述べた。
米 ウクライナ支援強化へ「武器貸与法」が成立
2022年05月11日
ウクライナへの軍事支援をさらに拡大するため、アメリカでは第2次世界大戦中にも活用された「武器貸与法」が復活しました。 バイデン大統領:「プーチンの残忍な戦争から国と民主主義を守るために戦うウクライナ政府とウクライナ国民を支援するために重要な法案に署名する」 バイデン大統領は9日、「武器貸与法案」に署名し、法案は成立しました。 これにより来年9月末までの間、大統領の権限でウクライナや東欧諸国に兵器などの軍事物資を貸与する際に、本来必要な手続きが免除され、迅速な支援が可能になります。 「武器貸与法」は第2次世界大戦中にナチスドイツと戦うイギリスやソ連などを支援するために活用された歴史があります。 バイデン大統領は、「ウクライナへの支援は今が極めて重要な時だ」と述べ、支援をさらに拡大させる考えを強調しました。
国の長期債務が初の1000兆円超え
2022年05月11日
財務省は10日、税収で将来返済する必要がある国の借金「長期債務残高」が2021年度末で1017兆1千億円になったと発表した。18年連続で過去最高を更新し、初めて1千兆円の大台を超えた。
ソニー営業益、初の1兆円超え 映画・音楽好調、売上高も最高
2022年05月11日
ソニーグループが10日発表した2022年3月期連結決算(国際会計基準)は、売上高が前期比10.3%増の9兆9215億円、本業のもうけを示す営業利益が25.9%増の1兆2023億円となり、ともに過去最高となった。 【図解】ソニーグループの連結営業利益の推移 映画・音楽事業が好調だったほか、為替相場の円安も寄与した。会計基準を変更したため単純比較はできないが、営業利益が1兆円の大台に乗ったのは初めて。 SMBC日興証券によると、国内製造業で営業利益が1兆円を超えたのはトヨタ自動車に続いて2社目。一方、税金費用の戻し入れが大幅に減少したため、純利益は14.3%減の8821億円だった。 20年に発売した家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)5」の販売台数は1150万台。半導体不足や物流網の混乱で、当初掲げた販売目標(1480万台)に届かなかった。今年度は部品確保のめどが付いた1800万台を目標に据えた。
好調「回転すし」市場、コロナ禍で過去最高へ 大手チェーン、10年で800店増加 課題は魚価高騰、「1皿100円」で食べられなくなる可能性も
2022年05月11日
コロナ禍で外食産業が苦戦するなか、「回転すし」市場の好調ぶりが際立っている。スシローやくら寿司など大手を中心とした2021年度の国内回転すし市場(事業者売上高ベース)は、10年前の4636億円(2011年度)から1.6倍の規模に拡大、前年からも約600億円増加し、7400億円(8.3%増)を超える見込みとなった。 前年度(20年度)は、4~5月を中心にコロナ禍にともなう休業や時短営業などが響き、前年比で売り上げが最大7割減少する回転すしチェーンも発生するなど厳しい状況で、過去10年で初めての減少となった。2021年度もこうした影響が残ったものの、前年度後半から売り上げを伸ばしたテイクアウト需要が売り上げを下支えした。地方の回転すしチェーンでは、コロナ前の水準には及ばないものの、帰省による「ごちそう需要」や、観光客向けの需要が復調傾向にある。 積極的な店舗展開も業績を押し上げた。大手5社の店舗数を調査したところ、2022年2月末時点では約2200店となり、コロナ前の2019年度から150店増加、10年前からは800店増加し、10年で1.6倍規模に拡大した。主要立地となる郊外ロードサイドを軸に店舗網を広げてきた大手回転すしチェーンでは、新たにターミナル駅近隣に小規模店を出店するなど、これまで手薄だった都市部での開拓をより強化する動きがみられる。
1世帯当たりの消費額、10年前の1.5倍にコロナ前の水準に回復

回転すしの 1 世帯当たり消費額
回転すし市場の伸長は、特にファミリー層による需要増が貢献している。総務省の家計消費状況調査によれば、世帯当たりの外食への支出はコロナ禍前の2019年度から大きく落ち込み、21年度も低水準で推移した。そうした中でも、回転すしは巣ごもり需要に伴うテイクアウト需要を掴んだ「ハンバーガー」に次いで好調で、21年度は前年を約1000円上回る年間1万2624円(2月まで)となった。過去最高だったコロナ前の2019年度に迫るほか、10年前の水準(8560円)の1.5倍に達するなど、回転すしの堅調ぶりが際立った。20年度に比べて店内飲食が回復したことで、テイクアウトでは需要がつかみにくかったデザートやラーメンなどサイドメニューをはじめとした300円や400円といった高額商品が、「ファミリー層を中心に売り上げが好調」といった要因も重なった。
「社会保険加入を拒否された」現役従業員が「くら寿司」をパワハラで提訴へ
2022年05月11日
大手寿司チェーン「くら寿司」の現役従業員がパワハラを受けたとして、同社と上司の二者を相手取り、訴訟を起こす意向であることが「 週刊文春 」の取材でわかった。 【画像】中村さんのツイートには、苦しみが綴られていた 「くら寿司」は回転寿司業界の最大手企業。国内外に567の店舗を構え、社員・アルバイト・パートを合わせた従業員数は1万8524名にのぼる(2021年10月末時点)。 訴訟を起こす意向を示しているのは、埼玉事務所にパートとして勤務する事務スタッフ。弁護士同席のもとで取材に応じ、「夏までに数百万円の損害賠償を求める訴状を出す予定です」と明かした。 この事務スタッフは勤続11年目。入社当初からずっと「勤務時間を延ばして社会保険に加入させてほしい」と会社に伝えてきたという。くら寿司の場合、パートの社会保険加入は「週20時間以上の勤務」等が条件となる。また、埼玉事務所の採用サイトには〈希望すれば(社会保険に)加入できる〉と明記されている。実際、事務所に勤務するパートの大半が社会保険に加入している。しかし、この事務スタッフの要望だけは放置され続けているという。 なぜ自分だけ加入できないのか。上司に説明を求めると、こう一蹴されたと語る。 「社会保険には“枠”があるんだ。今それが一杯だから、あなたを加入させることはできない」 事務スタッフが怒りを滲ませて明かす。 「納得がいかなかったので、18年に労務を管理する部署に問い合わせたところ、『社会保険の枠などありません』と説明されました。上司は私を加入させないため、ありもしない理由を述べていたんです」 問い合わせたことを知った上司は、「ふざけんなよ、クソ!」と吐き捨てたという。 「以前、同僚の暴言等に悩んで労基署に相談したことがあったので、“要注意人物”としてマークされていたのかもしれません」(同前)
くら寿司本社〈当社としては遺憾に堪えないところです〉
くら寿司本社にパワハラ被害や社会保険の“加入拒否”について事実関係を確認したところ、以下の回答があった。 〈ご照会の事項には、既に当社と係争中の案件に関するものも含まれておりますので、ご回答は差し控えさせていただきます。 なお、ご照会の事項については、数年前の当社における業務でのやりとりに関し、時期等も含めご本人の明らかな誤認識や記憶違いであるものや、その当時に当社への内部通報等もなされていなかったものが多数ありますが、これらを取り上げて一方の当事者からの断片的な情報が、さも真実であるかのように報じられることに対しては、当社としては遺憾に堪えないところです〉 くら寿司を巡っては、4月1日に山梨県甲府市にある店舗の店長が店の駐車場で焼身自殺していたこと、自死の背景に上司のパワハラがあったことなどを小誌が2度にわたり報じた。報道を受け、全国の従業員、元従業員から「私もくら寿司でパワハラを受けた」という告発が編集部に続々と寄せられている。 5月10日(火)12時配信の「 週刊文春 電子版 」及び5月11日(水)発売の「週刊文春」では、訴訟を起こす意向を示している従業員の告発のほか、「寿司の皿を投げつけられた」「『死ねやカスが!』と罵声を浴びせられた」「ハサミを投げつけられた」など、元従業員たちが受けたパワハラ被害を詳報している。
山手線で初の「営業列車の自動運転」実施へ 2028年までに自動化めざす
2022年05月11日
地下鉄で普及する自動運転、山手線にも

山手線のE235系電車(画像:kawamuralucy/123RF)。
JR東日本は2022年5月10日(火)、山手線にATO(自動列車運転装置)を導入すべく、乗客を乗せた列車で自動運転の実証運転を行うと発表しました。試験時期はことし10月頃から2か月程度です。 【グラフ】山手線「最も影が薄いと思う駅」ランキング ATOは線路周辺の機器と列車の相互通信により、列車の加速、減速を制御します。運転台に座る人間の操作は基本的に、発車時にボタンを押すだけ。現在、地下鉄を中心に普及しています。 JR東日本では2021年3月に常磐線各駅停車に初導入。次いで2025年から2030年にかけて、山手線と京浜東北線にもATOが順次導入される計画となっており、終電後や、営業運転の時間帯の間合いでの回送電車で順次試験運行が実施されてきました。今回初めて、乗客が乗った列車で実証運行が行われることとなります。 ATOの導入により、人間の操縦以上に、省エネや乗り心地の向上が図られます。省エネ運転につながる運転操作については、研究でさまざまな知見が蓄積されてきました。 今後、2023年春頃から、車両をATO対応にする改造工事が開始。2028年頃までに導入予定。また列車の制御システムも、信号による閉塞方式から、列車の間隔を相互に検知して制御する「ATACS(無線式列車制御システム)」に切り替えられる予定です。 JR東日本では将来的に、運転士のいない運転をめざすとし、開発を進めていくといいます。
米、ロシア政府系テレビ局に制裁 「戦争を正当化」 G7連携、露企業排除など追加措置
2022年05月09日
バイデン米政権は8日、ロシア追加制裁を発表した。ウクライナ侵略を正当化するプロパガンダを流しているとして、露政府系テレビ局に制裁を発動。米企業が会計などの経営支援サービスを露企業に提供することも禁じる。先進7カ国(G7)と連携して実施し、ウクライナ支援の結束を示す。一方、バイデン米大統領のジル夫人が同日、ウクライナを訪問した。 ロシアが9日に「戦勝記念日」の式典を開くのを前に、G7は8日、オンラインで首脳会議を開催。米欧日が足並みをそろえて圧力強化を表明し、ウクライナを支え続け、ロシアに対抗する団結を示した形だ。 米政権によると、追加制裁の対象は露政府系の「第1チャンネル」など3つの主要局。米企業がカメラやマイクなど映像・音響機器について、ロシア側と取引するのを禁じる。 米政権高官は、露テレビ局が「プーチン(ロシア大統領)のプロパガンダの仕組みを機能させている」と記者団に指摘。政府の代弁者となり、ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊ブチャでの民間人殺害などを否定していると批判した。 また、会計や経営コンサルティングなど、米欧が有力企業を抱える企業向けサービスのロシアへの提供も禁止した。西側各国が敷いた自由主義市場から露企業を排除する動きを進める。 ロシア経済に打撃を与える輸出規制の対象品を、木製品や産業用エンジンなどに広げる。渡航禁止などの措置について、ロシアとウクライナの要人に対する制裁対象も拡大した。 また、欧州連合(EU)欧州委員会がロシア産原油の排除案をまとめ、追加制裁として「すべてのG7がロシア産原油の段階的削減や禁輸を約束」すると米政府は説明した。 G7は今回の制裁強化で「ウクライナの立場を戦地と(ロシアとの)協議の場の双方で強める」狙いだ。 一方、バイデン米大統領のジル夫人は8日、訪問中の東欧スロバキアから陸路でウクライナに入った。同国西部の国境近くで、住民らの避難施設となっている学校を訪れ、ウクライナのゼレンスキー大統領のオレナ夫人と面会した。 ウクライナ訪問予定は公表されておらず、ジルさんは「この野蛮な戦争を止めなければならない。米国民はウクライナの人々とともにある。そうしたことを示すことが重要だと思った」と語った。
ロシア、9日は対独戦勝記念日 プーチン大統領が演説へ
2022年05月09日
ロシアは9日、旧ソ連時代の第2次大戦での対ナチス・ドイツ戦勝77年を祝う記念日を迎える。愛国心が高揚する最も重要な休日で、プーチン大統領が午後に演説予定。長期化するウクライナ侵攻を国民にどう説明するか注目される。この日を契機にロシアが完全掌握を目指す東部2州で攻勢をさらに激化させる可能性があり、ウクライナは警戒を強めた。 【写真】「パレードは黒海の海底で」ロシア艦隊の揚陸艇を破壊とウクライナ
9日は首都モスクワの赤の広場では大規模な軍事パレードが行われる。核戦争時に大統領が指揮を執る政府軍用機「イリューシン80」も飛ぶ予定。同機は「終末の日」と呼ばれており、ウクライナを支援する欧米をけん制する狙いがありそうだ。
