ドラッグストア「100m以内に乱立」の裏事情、激戦の裏で“淘汰”される業界も
2023年01月27日
都市部でドラッグストアが乱立しています。新宿、渋谷、新大久保…至る所で目につくのが「100m以内に出店」しているケースです。この理由は、ドラッグストア各社が直面している裏事情にあります。さらに、近い将来ドラッグストアに「淘汰」される業界も見えてきました。(百年コンサルティング代表 鈴木貴博) ● 東京の都市部でドラッグストアが 100m以内に乱立 東京の都市部で暮らしていると気づくことの一つが、ドラッグストアがとにかく近い場所にたくさん出店していることです。私の場合、家を出て新大久保駅に着くまでの750mほどの通勤路の間にスギ薬局、ココカラファイン、龍生堂、マツモトキヨシと4チェーンの店舗が乱立しています。 とくにドラッグストア業界の場合、ライバル店の近くに出店する傾向があるのが不思議です。距離を測ってみると、たとえば新宿では、ダイコクドラッグ西新宿一丁目店とマツモトキヨシ新宿南口店の間は85m、OSドラッグ新宿店とマツモトキヨシ新宿3丁目店は55mという具合。人間の歩くスピードは1分間に80mですから、わざわざライバル同士で近くに出店するのが業界の流行のようです。 さらに、マツモトキヨシ新宿3丁目店とマツモトキヨシ新宿3丁目part2店の間は57mですし、渋谷のマツモトキヨシ渋谷part1とマツモトキヨシ渋谷part2店の間も59mですから、自社チェーンでも店舗が近接しています。 「そもそもコンビニだって同じくらい近くにあるじゃないか」と思うかもしれません。でも、コンビニ最大手のセブン-イレブンの店舗数は全国で2万1350店であるのに対して、ドラッグストアチェーン最大手のウェルシアの店舗数は全国2752店と規模感が違います。にもかかわらず、ドラッグストアの近くにはドラッグストアがある。ここがこの業界の不思議なのです。 なぜ、ドラッグストアはこんなに近い場所にたくさんあるのでしょうか? 今週はその秘密を三つのポイントから解明してみたいと思います。
伊藤園「お~いお茶」が400億本売れた裏に俳句あり、ラベルに載せる真の狙い
2023年01月27日
伊藤園が1989年に発売した「お~いお茶」は、2022年8月に累計販売本数が400億本を突破した。競争が激化する緑茶市場の中で、「お~いお茶」は今も首位をキープしている。ロングヒットを陰で支えてきたのが、消費者から俳句を募ってラベルに載せる「新俳句大賞」である。おなじみの企画は、どのような側面から売り上げに貢献してきたのか。その真の狙いを探る。(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎) 【「新俳句大賞」掲載のラベル(画像)はこちら】 ● 「お~いお茶」でおなじみの俳句 その受賞倍率は「970倍」 「雪がふる 一つ一つに 雪の神」――。 伊藤園の緑茶飲料「お~いお茶」のラベルには、消費者から募った俳句が載っており、おなじみとして定着している。 一般愛好家から俳句を募集し、入賞作品をラベルに掲載する企画は、正式名称を「伊藤園お~いお茶新俳句大賞」(以下、新俳句大賞)という。「お~いお茶」が世に出た1989年から毎年欠かさず続いており、2022年10月時点での累計応募数は4100万句を超えている。 年間応募数は、89年の時点では約4万句だったが、22年に194万句を突破。今では日本最大規模の俳句コンテストとなっている。 その中から「ラベル掲載」の特権を勝ち取る入賞作品はわずか2000句だ(ラベルに掲載されない「佳作」も別途5000句選ばれる)。 22年における入賞の倍率は約970倍と、にわかには信じられないほどの難関である。私たちが日頃、気軽に手に取って飲む「お~いお茶」。そのラベルに記された俳句は、厳しい戦いを勝ち抜いた“超優秀作”なのである。 ちなみに、冒頭で紹介した「雪がふる」の句は、22年に「文部科学大臣賞」を受賞し、賞金50万円を贈られた珠玉の一句だ。 そうした俳句が載っている「お~いお茶」そのものも、レッドオーシャンである緑茶飲料市場で圧倒的なシェアを持つ「勝ち組商品」である。 当初は缶入り緑茶として発売された「お~いお茶」は、90年にペットボトル入り緑茶として刷新後、しばらくの間は独壇場を築いていた。 そこに殴り込みをかけてきたのが、キリンビバレッジの「生茶」(00年発売)やサントリーの「伊右衛門」(04年発売)、日本コカ・コーラの「綾鷹」(07年発売)といったライバルたちだ。 それでも「お~いお茶」は激戦区の緑茶飲料市場でトップシェアを維持し続けている。その秘訣とは何なのか? 伊藤園によると、そこには三つの理由がある。そして、その中には冒頭にご紹介した俳句も挙げられるというのだ。三つの理由の全貌とともに、俳句の掲載にどんな狙いがあるのかも見ていこう。
24日(火)~ 最強寒波到来 23日(月)のうちに大雪や極寒対策を
2023年01月23日
24日(火)は強い冬型の気圧配置が強まり、この一番の強い寒気が流れ込むため、西~北日本の日本海側は大雪や猛ふぶきとなり、太平洋側の平地でも積雪が急増する所がある見込み。また、全国的に氷点下の冷え込みになるため、水道管の凍結の対策や水や食料などの備えは、23日(月)のうちにしておきたい。
24日(火)~25日(水)最強寒波による大雪や低温に警戒 ライフラインへの影響も

24日(火)午後1時の雨雪・風の予想
24日(火)~25日(水)は、日本付近は強い冬型の気圧配置となり、この冬一番の強い寒気が流れこむため、日本海側を中心に大雪や猛ふぶきになる所が多くなる見込み。九州~東海の平地でも雪が降り、積もる所が多くなりそうだ。また、西・東日本の広い範囲で最低気温がマイナス3℃前後、日中も5℃以下の所が多く、極寒になる見込み。

大雪や低温時の注意点
水道管の凍結や破裂による断水、着雪による停電、交通機関に乱れが出るなどライフラインにも大きな影響がありそうだ。水道管の凍結対策の他、水や食料、滑りにくい靴などの備えは23(月)のうちにしっかりしておきたい。
23日(月)西日本中心に雪や雨 平地でも積雪のおそれ

23日(月)朝と夜の天気分布
23日(月)は、南の海上を進む低気圧や前線の影響で、昼前にかけて、西日本を中心に雪や雨が降る見込み。山地を中心に大雪になり、市街地などでも積もるおそれがある。通勤・通学の時間帯にあたるため、時間に余裕を持って行動した方がよさそうだ。また、東日本の太平洋側でも夜にかけて雨や雪が降る所がある見込み。東京の最高気温は7℃の予想で、厳しい寒さの所も多くなる見込み。
23日(月)北日本は午後から広く雪 北海道は大雪も

23日(月)夕方の発雷確率
23日(月)、日本海に発生した低気圧が近づく北日本は、午後から次第に雪が降り出す所が多く、北海道では大雪の所がある見込み。日本海側を中心に大気の状態が不安定になるため、落雷や突風などにも注意が必要。
きょうから通常国会 午後に岸田総理が施政方針演説 “防衛増税”や“異次元の少子化対策”めぐり与野党が論戦へ 会期150日間
2023年01月23日
きょうから通常国会が始まります。岸田政権が打ち出した防衛費の増額などをめぐり、与野党の論戦が交わされる見通しです。 第211回通常国会はきょう召集されます。会期は6月21日までの150日間です。きょう午後には、岸田総理が1年の政治方針を示す施政方針演説を衆参両院で行います。 政府・与党は、防衛力の強化や少子化対策などを含んだ歳出総額が過去最大のおよそ114兆円となる来年度予算案を年度内に成立させ、4月の統一地方選挙などに向け弾みをつけたい考えです。 一方、立憲民主党などの野党は、いわゆる“防衛増税”に反対姿勢を示しています。また、原発の運転期間の延長を可能にする原子炉等規制法改正案などを徹底追及する一方、細田衆院議長と旧統一教会の関係を質す構えで、与野党の論戦が始まります。
英「チャレンジャー2」戦車ウクライナへ 戦場の「ゲームチェンジャー」たりうるか?
2023年01月23日
2023年1月14日、イギリスが「チャレンジャー2」主力戦車を14両、ウクライナに供与すると発表しました。これはウクライナに対する、西側主力戦車の最初の供与表明となります。 【画像】デカさ一目瞭然! T-72戦車と「チャレンジャー2」戦車の比較 ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアによるウクライナ侵攻の開始当初から、西側諸国に対しその戦車の提供を要望していましたが、戦火拡大の懸念やロシアとの関係も考慮して、西側各国は主力戦車の提供をためらってきました。 ただ、ポーランドやチェコなど周辺国からはT-72戦車がすでに300両以上、送られていて、ポーランドには供出したT-72の穴埋めとして2022年7月からイギリス陸軍クイーンズ・ロイヤル・ハッサーズ連隊の「チャレンジャー2」1個戦車中隊14両が駐留しており、6か月の訓練ののちポーランド軍の指揮下に入ることになっているなど、ウクライナへの戦車援助は行われています。 ともあれ、ここに来て初めて西側主力戦車「チャレンジャー2」がウクライナへ送られることになりました。同戦車は、戦局に影響を与えるゲームチェンジャーになるのでしょうか。 イギリスは実用戦車を発明しましたが、「チャレンジャー2」は事実上、イギリス最後の戦車です。2009(平成21)年初めに同国戦車メーカーのBAEシステムズ社が、戦車は冷戦後の非対称戦には不向きで、新規受注は得られないとの経営判断により、戦車生産部門を閉鎖したのです。既存車の改良はできても、新車の開発製造はできなくなりました。 「チャレンジャー2」は先代「チャレンジャー1」の改良型になります。この「チャレンジャー1」は、配備された当初は失敗作とさえささやかれていました。 1987(昭和62)年に実施されたNATOの戦車競技会「カナダ陸軍杯」に、「チャレンジャー1」は同期にあたるアメリカのM1「エイブラムス」や西ドイツ(当時)の「レオパルト2」とともに参加します。主砲命中率では「M1」が94%、「レオパルト2」が92%だったのに対して「チャレンジャー1」は75%、平均射撃速度では「M1」が9.10秒、「レオパルト2」が9.60秒に対して「チャレンジャー1」は12.61秒と、惨敗する結果となりました。イギリスの落胆は大きく、議会で問題になったほどです。
ゼレンスキー大統領が涙…未だ原因不明のヘリコプター墜落 犠牲となったウクライナ内相ら合同葬儀
2023年01月23日
ウクライナでは、ヘリコプターの墜落で犠牲となった内相らの合同葬儀が行われ、ゼレンスキー大統領も参列しました。 21日の葬儀は、国葬として行われ、ゼレンスキー大統領が涙ぐむ場面も見られました。 内相らを乗せたヘリコプターは、18日、首都キーウ近郊で墜落し、14人が死亡しましたが、原因は不明のままです。 こうした中、ドイツ製の主力戦車「レオパルト2」のウクライナへの供与をめぐり、バルト3国のリトアニア、エストニア、ラトビアの外相がドイツ政府に対し、速やかな供与実現を訴えました。 3人の外相は同じ文章を同時にツイッターに投稿し、「平和の回復に必要」だと強調しています。 戦車の供与についてはポーランドなどが前向きな姿勢を見せていますが、製造国のドイツが必要な承認をしていません
クレイン米大統領首席補佐官、数週間以内に退任の方向-関係者
2023年01月23日
クレイン米大統領首席補佐官が数週間以内に退任する準備を進めている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。ホワイトハウスはねじれ議会への対応を余儀なくされているほか、バイデン大統領が再選出馬を表明する場合の準備を進めている。
匿名を条件に話した関係者によると、クレイン氏はバイデン大統領に首席補佐官を退く意向を伝えたが、退任のタイミングはなお流動的となっている。ホワイトハウスはコメントを控えた。
クレイン氏の退任が確認されれば、後任を巡る観測がすぐに広がるとみられるが、現時点では不明。大統領首席補佐官は政策課題の方向付けや議会との調整で重要な役割を果たす門番役だ。
クレイン氏はオバマ政権で副大統領を務めたバイデン氏の首席補佐官となり、エボラ出血熱への対応でも陣頭指揮を執った。クリントン政権でもゴア副大統領の首席補佐官を務めた経験がある。
バイデン氏は2020年の米大統領選で当選を確実にした数日後、クレイン氏を大統領首席補佐官に起用すると発表。新型コロナウイルス禍のさなかでもあった当時、経験豊富なクレイン氏が適任と説明していた。
クレイン大統領首席補佐官の退任見通しについては米紙ニューヨーク・タイムズが最初に報じていた。
春闘、事実上スタート 労使トップが会談 賃上げ「協調」で一致
2023年01月23日
経団連の十倉雅和会長と連合の芳野友子会長の労使トップが23日、東京都内で会談し、2023年春闘が事実上スタートした。 十倉会長は「デフレからの脱却と、人への投資の促進による構造的な賃金引き上げを目指した企業行動への転換を実現する正念場かつ絶好の機会」と発言。芳野会長も「労使が力を合わせて日本の未来を作りかえるターニングポイントとすべきだ」と応じ、物価高を踏まえた賃上げに、労使協調で取り組むことが重要との認識で一致した。 十倉会長は持続的な賃上げと経済成長に向けて「問題意識やその解決に向けた方向性などは、連合の皆さまとほとんど一致している」と強調。「連合とは闘争関係ではなく、日本が抱える社会的な課題の解決に向けて、未来を創造する『未来協創』の労使関係だ」と話し、協力を呼びかけた。 芳野会長は23年春闘の位置づけについて「賃上げを基本とした経済の好循環の再構築にほかならない」と指摘。「大企業だけでなく、中小企業やパート、契約社員なども含めて日本全体で継続した賃上げを実現できるようにしよう」と求めた。 24日には労使双方が参加する「労使フォーラム」が都内で開かれる
全国各地で大雪に 高速道路・鉄道・飛行機への影響予測
2023年01月23日
今週は近年にないレベルの寒波が南下し、北日本や北陸だけでなく、西日本でも雪雲が発達しやすくなる見通しです。 普段はほとんど雪の積もらない地域でも積雪し、高速道路の通行止めや鉄道の運転見合わせ、飛行機の遅延などの交通障害のおそれもあります。
<高速道路>北日本や北陸、西日本は通行止めの可能性大
23日(月)夜は北海道の広い範囲で、雪によって高速道路が通行止めとなる可能性があります。 寒気のピークとなる24日(火)夜から25日(水)にかけては、北海道や東北、北陸や山陰など日本海側だけでなく、九州南部や四国、近畿や東海など太平洋側の平野部でも雪雲が流れ込むため、広い範囲で雪による通行止めが発生する可能性があります。車の立往生などが発生する可能性もありますので、運転の際は十分に警戒をしてください。 また、レインボーブリッジやアクアライン、本州四国連絡道路や関空連絡橋などの橋梁部は強風による速度規制などの可能性があります。 26日(木)は冬型の気圧配置が続くため、北海道や東北、北陸の高速道路では引き続き雪による通行止めの可能性があります。また、太平洋側の各高速道路では除雪作業に時間がかかり、26日(木)まで影響が残るおそれもあります。 車で移動を予定している方は、こまめに最新情報を確認してください。
<鉄道>広範囲で遅延や運転見合わせの可能性

鉄道(新幹線)への影響予測
<新幹線の影響予測> 23日(月)までは大きな影響はない予想です。 24日(火)は夜ほど各地の新幹線で遅延が発生し、東海道新幹線や山陽新幹線は一部区間で運転見合わせの可能性があります。 25日(水)以降も各地の新幹線で雪や風の影響で遅延が発生しやすく、山形新幹線や秋田新幹線、東海道新幹線、山陽新幹線は一部区間で運転見合わせの可能性があるため注意してください。

鉄道(在来線)への影響予測
<在来線の影響予測> 23日(月)は雪の影響で、北海道の路線で遅延や一部運転見合わせの可能性があります。 寒気のピークとなる24日(火)から25日(水)にかけては、北海道や東北、北陸など日本海側だけでなく、西日本の各路線で雪による運転見合わせのおそれがあります。また、関東では沿岸路線を中心に強風による遅延や一部運転見合わせの可能性があるため注意してください。 26日(水)以降も北海道や東北、北陸の路線では雪や風の影響が継続し、運転見合わせの可能性があります。 新幹線や在来線を使って移動を予定されている場合は、各鉄道会社のホームページなどで最新の運行情報を確認するようにしてください。
<飛行機>北日本・北陸中心に欠航のおそれ

飛行機への影響予測
23日(月)は北日本の一部の飛行機で遅延が発生する可能性があります。 寒気のピークとなる24日(火)から25日(水)は、北海道から九州の各空港で飛行機の運行への影響が懸念されます。遅延または条件付き運航、欠航のおそれがあるため、十分に注意してください。 26日(水)以降は北海道や東北、北陸で雪や風の影響が継続し、遅延または条件付き運航、欠航の可能性があります。ご利用の際は最新の情報をご確認ください。
ユニクロ「初任給30万円」で目が覚めた? 賃金格差は「東大出て官僚より海外バイトが高額に」と専門家
2023年01月23日
ユニクロを展開するファーストリテイリンググループは今春新入社員の初任給を、現行の25万5000円から30万円(年収で約18%増)に引き上げると発表し、世間に驚きを与えた。そればかりではなく、国内の正社員の報酬を最大40%引き上げるという。日本企業の賃上げをどう見るか、第一生命経済研究所の藤代宏一・主任エコノミストに聞いた。 【参考グラフ】20年間で増え続ける年収200万円以下の給与所得者
ファーストリテイリング広報によれば、「初任給30万円」の対象となるのは今年3月入社予定の新入社員約230人。狙いをこう答えた。 「いろいろ反響はいただいています。お問い合わせもたくさんいただいています。報酬というのは入社する会社を決定する大きな決め手になると思いますので、まずはそこを上げていくということです」(広報担当者) 初任給だけではなく、今年3月から、正社員8400人を対象に報酬を数%から最大40%アップするという。 「日本だけではなく、世界各国で報酬改定を進めています。日本は海外に比べて報酬水準が低位にとどまっている状況があると思います」(同前) アメリカやヨーロッパなど、海外で採用した従業員が日本人採用よりも給料が高いというケースは多々あるという。 「全部が全部そういうわけではないんですけれども、物価も違いますので、そういうケースはあります」(同前) グローバル化ということを考えると、給料の高い欧米などの海外子会社から優秀な人材を日本に人事異動させる場合、給料が下がってしまうことにならないのだろうか。 「入社国・地域の給与をベースとしているため、下がるということはありません。海外から人事異動をさせにくいことを解消することが、報酬改定の狙いではありません。これからはより優秀な人材に入っていただきたいということと、すでに入社していて、成長意欲と能力ある従業員一人ひとりにフェアに報いることが今回の狙いです」(同前)
日本全体ではこの30年間、賃金が上がらなかった。国税庁の「民間給与実態統計調査」によれば、1991年の平均年収は446万円、それから30年たった2021年の平均年収は443万円と、上がるどころか逆に3万円下がったという情けない状況。 日本ではどうして賃金が上がらないのか、第一生命経済研究所の藤代宏一・主任エコノミストはこう話す。 「賃金と物価というのは表裏一体ですので、物価が上がらない限り賃金は上がりませんし、賃金が上がらなければ物価も上がらない。物価と賃金は、かなり密接に連動しています。通常は人手不足によって賃金が上がるのですが、これまでは女性と高齢者が労働市場に多く出ていき、安い労働力を提供し、労働市場を支えてきたという経緯もあって、日本全体で見ると、賃金を押し上げるほどではなかった」 ただし、最近はそういう構図もついに変化をみせ、人手不足感が出てきたという。 「もう、従来のやり方では限界に近づいてきたので、人手不足が深刻化してきました。そうすると、企業として、賃金を上げていくということで、優秀な労働者を囲い込むという構図がかなり鮮明になってきています」(藤代氏) ワーキングホリデーのブームで、30歳までに海外へ出て、留学をしたり休暇を楽しんだりしながら、就労しようとする若者が増えた。海外で現地の言語を学びながら仕事をするというのは夢があるという風潮は続くだろうか。 「内外の賃金格差は日本経済にとって問題です。たとえば、東大を卒業して官僚になるよりも、海外でアルバイトをした方が報酬が高くなるというような逆転現象が生じてしまう。海外でちょっとした簡単な仕事で年収700万~800万円になったりすると、それではもう日本から人材がどんどん流出し、日本経済は立ち行かなくなるので、本当に真剣に賃金の水準に関しては考えないといけない時期に差しかかっていると思います」(同前)
