3月の景況感、7四半期ぶりに悪化 ウクライナ侵攻が影響 日銀短観
2022年04月01日
日銀が1日発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)は、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業・製造業で前回12月調査から3ポイント悪化のプラス14だった。悪化は7四半期(1年9カ月)ぶり。半導体の供給不足に加え、ロシアのウクライナ侵攻に伴う原油価格の高騰などが重しとなった。 大企業・非製造業は1ポイント悪化のプラス9。新型コロナウイルスの感染再拡大の影響で、飲食や宿泊などの対面型サービス業に悪影響が出た。 調査期間は2月24日~3月31日。業況判断DIは、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた数値。今回は4年ぶりの調査対象の見直しに伴い、12月調査のDIが大企業・製造業で18から17に、非製造業が9から10に修正された。【竹地広憲】
ロシア「ルーブル決済嫌ならガス供給停止」、欧州は反発
2022年04月01日
ロシアのプーチン大統領は31日、外国の買い手は4月1日からロシア産天然ガスの代金をルーブルで支払う必要があるとし、支払わない場合はガス供給を停止すると表明した。これに対し欧州各国は反発。ロシアの要求は容認できず、「脅しに屈しない」として拒否する姿勢を示した。 在外ロシア人、祖国の親族に伝わらない「プロパガンダの裏側」 欧州はガス供給の3分の1以上を失うという事態に直面している。ロシアへの依存度が最も高いドイツではすでに緊急計画が発動され、ガスの配給制が敷かれる可能性もある。 プーチン大統領は「ロシア産天然ガスを購入するためには、ロシアの銀行にルーブル建ての口座を開設する必要がある。天然ガスの代金は4月1日からこの口座を通して支払われる」と語った。 その上で「支払いが行われなければ、買い手側の不履行と見なす。その結果、あらゆる事態が発生する」とし、「無料で物を売る人はいない。われわれは慈善事業は行わない。つまり、既存の契約は停止される」と述べた。 関係筋によると、法令は4月1日以降に供給されるガスが対象。署名された法令によると、外国の買い手は国営天然ガス企業ガスプロム傘下のガスプロムバンクの特別口座を通して支払いを行う必要がある。 ある関係者はロイターに対し、4月に供給されたガスへの支払いは、一部の契約では4月後半に、その他の契約では5月に開始されることから、すぐに供給が滞ることにはならないと指摘した。 <脅しに屈せず> ドイツとフランスは31日、天然ガスの代金をルーブルで支払う必要があるとするロシアの要求は容認できない契約違反として拒否する姿勢を示した。 ドイツのハベック経済相は記者会見で、プーチン大統領が署名した法令はまだ確認していないとしながらも、ドイツにはロシア産天然ガスの供給停止を含むあらゆる事態に対応する用意があると述べた。 その上で、天然ガスの支払いをルーブルで行うよう要求することで西側諸国を分断しようとするロシアの試みは失敗したと強調。「契約が尊重されることが極めて重要であり、プーチン氏に恐喝されるようなシグナルを出さないことが重要だ」と語った。 フランスのルメール経済・財務相も、独仏はロシアの要求を拒否すると発言。両国はロシアのガス供給が停止する可能性に備えていると述べた。ロシアが要求しているルーブル決済を巡って、技術的な詳細には触れなかった。 これとは別に、ドイツのショルツ首相はオーストリアのカール・ネハンマー首相との共同記者会見で、ドイツ企業は契約で規定された通り、ロシア産天然ガスの代金を引き続きユーロで支払うと述べた。 <ロシアは経済・金融面で「絶望」> 米国務省のプライス報道官は31日、ロシアによるルーブル決済の要求は、ウクライナ侵攻に伴い欧米の制裁が強化される中、ロシア側が経済・金融面で「絶望」している証拠という考えを示した。 定例記者会見で「基本的には、これはロシア経済が悲惨な状況にあることを示すものだと思う」と述べ、対応を決めるのは欧州諸国であると付け加えた。 さらに、ロシアに対する制裁や輸出規制、その他の経済措置は「重大で実質的かつ深刻な影響」を与え、ロシア側の「経済的、財政的絶望」につながっていると分析した。
米、過去最大の石油備蓄放出へ 高騰対策で1.8億バレル規模
2022年04月01日
米ホワイトハウスは31日、ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格の高騰対策として、戦略石油備蓄から日量100万バレルを今後6カ月間放出すると発表した。 【図解】レギュラーガソリン店頭価格の推移 総量は過去最大の1億8000万バレル規模に達する。市場への供給量を一段と増やし、原油高に歯止めをかける狙いだ。 バイデン大統領は同日午後にガソリン高対策についてホワイトハウスで演説する。米国では今年11月の中間選挙を前に物価高が主要争点に浮上。欧米の経済・金融制裁により、エネルギー輸出大国ロシアからの原油や天然ガス供給が滞るとの懸念が強まり、米原油先物相場は一時、約13年8カ月ぶりの高値に跳ね上がった。 ロシアは米国、サウジアラビアに並ぶ主要産油国で、世界生産量の約1割を占める。ロシアは日量400万~500万バレルを輸出しているが、制裁の影響で今後は大きく落ち込むと指摘されている。ロイター通信によると、石油の主要消費国が加盟する国際エネルギー機関(IEA)は4月1日に緊急会合を開き、協調放出を議論する。日本も追加措置を求められる可能性がある。
OPECプラス 小幅増産を維持 米欧の追加増産要請には応じず
2022年04月01日
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国でつくるOPECプラスは3月31日、閣僚級会合を開き、従来の供給増の維持を決めた。米欧などが求めていた追加増産は見送った。 【円グラフ】日本の原油調達先 OPECプラスは2020年5月、新型コロナウイルス禍による原油価格の急落を受け過去最大の協調減産を開始。経済活動の再開に伴い原油需要が回復してきたことから21年8月以降、生産量を毎月、日量40万バレルずつ増やしてきた。会合では5月も生産量を同43万2000バレル増やすことで合意し、これまで通り小幅増産ペースを続ける。 ロシアのウクライナ侵攻と、それに伴う欧米による対露経済制裁を受け、原油価格は高止まりしている。欧米などは産油国に対し追加増産を繰り返し求めてきたが、会合にはロシアも参加しており、産油国の足並みの乱れを嫌うOPECプラスは慎重な姿勢を崩さなかった。
米ファンドが東芝買収を検討 筆頭株主は売却容認、非上場化も
2022年04月01日
米投資ファンドのベインキャピタルが東芝買収を検討していることが31日、分かった。東芝筆頭株主のシンガポール投資ファンド「エフィッシモ・キャピタル・マネージメント」も株式の売却に応じる意向を示している。東芝は2分割計画が株主に否定され、再建策の見通しが立たない状況となっていたが、非上場化に現実味が出てきた。 ベインキャピタル、大江戸温泉物語の経営権譲渡へ 1月
エフィッシモは31日、「ベインキャピタルが東芝株の公開買い付けを始めた場合、応募する」とし、保有株を売却する意向を表明した。ベインに対しては24日付で、書面で通知した。 一方、ベインは「公開買い付けに関し、決定した事実はない」としている。
プーチン政権に不満渦巻く くすぶるクーデター説 ロシア高官辞任、国防相は雲隠れ
2022年03月30日
ロシアのウクライナ侵攻から1カ月が過ぎ、プーチン政権内部で異変が起きているのではないかという観測が持ち上がっている。 【写真】辞任したロシアのチュバイス大統領特別代表 今月23日には大物の高官が辞任し、抗議の意図があったと報じられた。作戦の責任者、ショイグ国防相は公の場から一時姿を消した。英メディアは内部告発を根拠に、プーチン大統領の古巣の連邦保安局(FSB)によるクーデター説まで伝えている。 首都キエフを短期で攻略する計画は失敗。逆に強力な制裁でロシア経済危機の長期化は必至だ。ロシア軍は東部に作戦をシフトさせる方針だが、以前からおおむね支配していた地域で、戦果とアピールできるかは疑わしい。 こうした中、チュバイス大統領特別代表が辞任した。プーチン氏とは一定の距離があった大物だが、侵攻後で最高位の離反と言われる。 政権が国民による世論誘導の頼みの綱とする政府系テレビでも、不協和音が生じている。今月中旬、ニュース番組の生放送中に女性編集スタッフが「戦争反対」のメッセージを掲示。著名特派員も侵攻に抗議して辞職した。 プーチン氏が在籍した旧ソ連国家保安委員会(KGB)の後継機関、FSBでも内部告発が相次いでいるとされる。英紙タイムズ(電子版)は23日、リーク情報に詳しい在外活動家の話として「ウクライナを電撃制圧する計画が失敗した後、ロシア情報機関で不満と混乱が渦巻いている」と内幕を報じた。 この活動家は「過去20年間、プーチン氏は安定をもたらしたが、今や過去の話。FSB将校は戦争が経済に破滅をもたらすことを知っており、ソ連に戻りたいわけではない」と指摘。その上で「毎週、毎月と戦争が続けば続くほど、情報機関がクーデターを起こすリスクは高まっていく」と警鐘を鳴らした。 特に注目されるのはショイグ氏の消息だ。今月11日の安全保障会議から約2週間、雲隠れした。24日のオンライン形式の安保会議で報告を行ったが、過去の映像とささやかれている。その後も国防省会議を主宰したものの、公開されたのは同省提供の映像で、病気説などを払拭(ふっしょく)するには至っていない。 国防相が重要なのは「核のボタン」の管理に関係するからだ。英調査報道機関のジャーナリストは「政府専用機が防空壕(ごう)があるとされる中部ウファに行き来しており、ショイグ氏はそこにいる可能性がある」と分析した。事実なら、プーチン政権は核戦争のシナリオを排除していないとも言えそうだ。
ウクライナが「中立化」提示、プーチン氏には受け入れ困難な内容も…予断許さぬ停戦交渉
2022年03月30日
ロシアのウクライナ侵攻を巡る29日の停戦協議で、ウクライナは「中立化」に関して具体的な提案を行った。これを受け入れるかどうかはロシアのプーチン大統領の判断に委ねられる。提案にはプーチン氏にとって承服し難い内容が含まれており、停戦協議の行方は楽観できない。 【動画】ウクライナ軍が東部の町を奪還、住民が歓迎…AP通信が28日撮影

29日、トルコ・イスタンブールで、停戦協議に臨むロシア(右)とウクライナ(奥)の代表団を迎えたトルコのエルドアン大統領(左)=ロイター
ロシアは2月28日に始まった停戦協議で当初、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領に「全面降伏」を迫っていた。今回の協議で、ロシア側はウクライナの提案についてプーチン氏に検討を求めると表明した。これは停戦に向けて一歩前進したとも言える。
ただしウクライナが提示した自国の安全の保証を巡る枠組み案では、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟を阻止し中立化は実現できるものの、ウクライナの安全保障に対し米欧の関与が深まることになる。ロシアとウクライナの「歴史的な一体性」を主張してきたプーチン氏にとっては受け入れのハードルは高い。ウクライナへの影響力低下につながるためだ。
ロシアが2014年に併合した南部クリミアの地位についても、ロシアは「領土問題は存在しない」との立場を維持しており、プーチン氏が一転して、15年に及ぶ協議に同意するとは考えにくい。
ロシア代表団トップのウラジーミル・メジンスキー大統領補佐官は協議終了後、記者団に交渉内容を説明した際、「ウクライナ側の提案によると」と繰り返し、ロシア側が同意したものかどうかについては言質を与えなかった。
停戦協議は曲折が予想される。
米大統領「行動見極める」 ロシアの攻撃縮小表明で
2022年03月30日
バイデン米大統領は29日、ロシアがウクライナの首都キエフなどへの攻撃を大幅に縮小すると表明したことについて「どういう行動を取るか見る必要がある」と述べ、ロシアの対応を見極める考えを示した。ホワイトハウスで開催した米シンガポール首脳会談後の共同記者会見で語った。 凍傷で戦線離脱も ロシア軍、投入戦力の1割以上失った可能性
バイデン氏は29日のフランスと英国、ドイツ、イタリアの首脳との電話会談でも、ロシアの対応を見極めるとの共通認識が得られたと説明した。その上で、強力な対ロ制裁やウクライナに対する武器提供を続けながら「状況を注視していく」と表明した。
ロ軍、キエフ周辺から少数移動 「撤退でなく再配置」=米国防総省
2022年03月30日
米国防総省は29日、ロシアがウクライナの首都キエフ周辺の拠点からごく少数の部隊を移動させ始めたと発表した。ただ戦争からの撤退ではなく再配置だとした。 国防総省のカービー報道官が会見で、ここ1─2日で少数のロシア軍がキエフから移動したとの認識を示した上で「ただ、これは再配置であって真の撤退ではない。ウクライナの他の地域に対する大規模な攻撃を監視する用意を整えるべきであり、キエフに対する脅威が去ったことを意味するものではない」と述べた。 ホワイトハウスのベディングフィールド報道官も29日、ロシアはウクライナに駐留している部隊を再配置しており、撤退はしていないと述べた。 これに先立ち、米政府高官も29日、「キエフ周辺からのロシア軍の移動は撤退ではなく再配置と捉えている。ウクライナの他の地域に対する大規模な攻撃が続くことに備える必要がある」と指摘。「ロシアは手法を変えている。ロシアが紛争を終わらせたと勘違いしてはならない」と語った。 バイデン大統領は記者団に対し「ロシアが提案を実行に移すかどうかを見守る」と表明。ロシアがウクライナでの軍事作戦を縮小させるかまだ分からないとし、米国や同盟国はウクライナに対する強力な支援とロシアへの制裁を継続する考えを示した。
東部の親ロシア派地域に集中表明 ショイグ国防相、方針転換図る
2022年03月30日
ロシアのショイグ国防相は29日、ロシア軍はウクライナで同国側の戦闘能力を大きく損なわせたと強調、今後は親ロシア派武装勢力が一部を実効支配する東部ドンバス地域の戦闘に集中すると述べた。国防省幹部との会議で発言した。 ロシア新興財閥への毒物攻撃否定「情報戦の一部」
ショイグ氏は、「軍事作戦」の最大の目的は「ドンバスの解放だった」と強調した。首都キエフなどでの地上戦が膠着状態に陥っている状況を背景に、親ロ派支配地域に対する支援を優先する戦略上の方針転換を図っているとみられる。 ショイグ氏はまた、ウクライナ軍の航空戦力は既に事実上壊滅したと指摘した。
