高齢者住宅の入居者に過剰介護で「囲い込み」横行、自治体の4割が把握…読売調査
2021年10月18日
見守りサービス付きの高齢者向け住宅の入居者に、過剰な介護サービスを使わせて利益をあげる「囲い込み」と呼ばれる不適切な行為が問題になっている。所管する都道府県などに読売新聞がアンケート調査を実施したところ、約4割が事業者による囲い込みを把握していた。一方で約9割の自治体が立ち入り調査を計画通りに実施できておらず、チェックが追いつかない実態が浮き彫りになった。 【写真】女子刑務所の高齢受刑者たち…「塀の中のおばあさん」
9割で立ち入り調査進まず

(写真:読売新聞)
調査は7~8月、全国で約27万人が暮らすサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)が2011年度の制度創設から10年になるのに合わせ、所管する都道府県や政令市など129自治体にアンケート形式で実施。対象の全自治体が回答した。
サ高住では、安い家賃で集めた入居者を併設する自社のデイサービスに通わせるなどして、税金と保険料が主な財源の介護保険で利益を確保する「囲い込み」があるとされる。囲い込みは、利用者の自立を妨げる過剰介護につながりやすく、介護給付費の増大を招いて保険料上昇の要因にもなるため、厚生労働省が自治体に指導の徹底を求めている。
調査では囲い込みについて、通報や苦情などを通じて51自治体が「把握している」と回答。内容(複数回答)は「併設事業所の介護サービスしか使わせない」(47自治体)、「介護保険で定められた限度額ぎりぎりまでサービスを使わせる」(35自治体)を挙げた。
運営状況を監視するため、国の指針に基づいて実施する定期的な立ち入り調査については、18~20年度に計画通り実施できたのは18自治体だった。20年度の立ち入り件数は計530施設と、前年度より約6割減少した。
計画通り実施できなかった111自治体に理由を複数回答で聞いたところ、101自治体が新型コロナウイルスの影響を、42自治体が職員不足を挙げた。
◆サービス付き高齢者向け住宅=改正高齢者住まい法に基づき2011年度に制度化された民間の賃貸住宅。部屋の広さや職員による安否確認などの条件を満たせば、都道府県や政令市、中核市に登録される。入居は原則60歳以上で、費用は全国平均で月約10万5000円。
最高裁判例集、120カ所に誤り 著名判決12件、表現欠落も
2021年10月18日
最高裁が出した重要な司法判断を掲載している公式資料「判例集」のうち、著名な大法廷判決12件に判決文の原本と異なる誤りが約120カ所見つかった。最高裁への取材で17日、分かった。大半が誤字脱字や句読点の間違いだが、中には表現が欠落して文意が変わるケースがあった。 判例集は最高裁内部の判例委員会が編集し、一般に刊行される。その後の判決や裁判書面のほか、書籍や学術論文にも引用される。全体の判例掲載数は1947~2020年で約8400件に上るため、今回見つかった以外に誤記が見過ごされている恐れがある。最高裁は「しかるべき調査を行って適切に対応したい」としている。
衆院選公約、与野党「現金給付」競う…対中政策で違い鮮明
2021年10月18日
衆院選(19日公示、31日投開票)に向け、各党の公約が出そろった。与野党とも新型コロナウイルス対策に力点を置き、こぞって現金給付を打ち出す一方、外交・安全保障政策では違いが際立った。 【動画】岸田首相の似顔絵つき湯飲み「きれいな眉と歯並びが特徴」
自民、公明両党のコロナ対策は、経済活動と感染対策の両立を目指す立場だ。自民は「重症者数・死亡者数の極小化」を訴え、年内の経口薬普及や緊急事態宣言時の人流抑制などに向けた法改正を明記した。ワクチンの接種記録などを活用したイベントや会食の人数制限緩和も盛り込み、「ウィズコロナ」の道筋を示した。公明も国産経口薬の開発支援などを掲げた。
立憲民主党は徹底的な感染の封じ込めを優先する。これまで訴えてきた「ゼロコロナ」には触れなかったものの、水際対策について「全ての入国者を少なくとも10日間以上、ホテルなどで隔離」とし、現行より厳しい措置を打ち出した。
コロナ禍で疲弊した経済の立て直しでは、与野党ともに「分配」を掲げ、現金給付を前面に出した。自民は金額は示さずに非正規雇用者や女性、子育て世帯、学生らへの経済的支援を示し、公明は「0歳から高校3年生まで」に一律10万円相当を給付するとした。
野党側も「低所得者へ年額12万円」(立民)、「一律10万円で低所得者に10万円上乗せ」(国民民主)、「中間層を含め1人10万円を基本に低所得者には手厚く」(共産)などを提案した。主要野党は消費税減税でも足並みをそろえた。
ただ、給付財源はいずれも不透明だ。各党は国債発行などを挙げるものの、分配の原資となる税収増に結びつくような成長戦略は明確に描けていない。
外交・安全保障分野では、中国との向き合い方で各党の違いが顕著となった。
自民は中国の軍拡を念頭に、「防衛力を抜本的に強化する」とし、「相手領域内で弾道ミサイル等を阻止する能力の保有」に踏み込んだ。敵のミサイル発射基地を自衛目的で破壊する敵基地攻撃能力を視野に入れたものだ。一方、公明は中国との友好関係を重視し、中国の軍拡や抑止力強化には触れていない。
野党内でも「自立的な安全保障体制」(国民)、「領域内阻止能力の構築への検討」(日本維新の会)など抑止力強化に前向きな主張がある。これに対し、立民は「中国の挑発行為に毅然(きぜん)として対処する」と言及したが、敵基地攻撃能力の保有については「憲法解釈に照らして慎重な検討を行う」と触れるにとどめた。
技能実習生、産後復帰わずか2% 過去3年間、母子離散避け断念か
2021年10月18日
技能実習適正化法施行後約3年間で、妊娠や出産で実習を中断した外国人技能実習生637人のうち、実習を再開できたのは11人で、わずか約2%にとどまることが17日、厚生労働省の調査で分かった。出産後も希望すれば実習を再開できることになっているが、多くは諦めて帰国したとみられる。 【写真】過酷な環境から逃げ出した技能実習生…困窮し紹介された仕事
政府は少子高齢化に伴う労働力不足を補うため実習生の受け入れ拡大を進めているが、原則家族の帯同を認めていない。実習に戻るには子どもを母国に残し、離れて暮らさざるを得ないのが実情で、このことが再開を断念する一因となっている可能性もある。非人道的な制度の改善が急務だ。
熱海盛り土安全策、10年前に命令見送る 県と市「命の危険」は認識
2021年10月18日
静岡県熱海市で7月に起きた土石流被害につながった盛り土について、県と市が2011年、安全対策を講じるよう命じる「措置命令」を出すと決めた後に見送っていたことが朝日新聞が入手した内部文書などでわかった。業者側が防災工事を始めたことを理由に見送られたが、工事中断後も約10年間にわたって命令は出されないままだった。命令の対象となる業者への連絡が困難となっていたという。 【画像】最上流に大量盛り土なぜ 「強度十分」施工時から市認識 大規模土石流の起点となった盛り土は災害前、市に提出した計画と比べて、約2倍の量の約7万4千立方メートル、約3倍の高さの約50メートルになっていたとみられる。この盛り土を含む土砂が今年7月3日に大雨で崩れ、26人が亡くなり、1人が行方不明となっている。建物被害は132棟に上った。 盛り土の危険性を行政側がいつ認識し、どう対応していたのかは明らかになっておらず、県や市が調査した結果を18日に公表する。 複数の行政内部文書などによると、県と市は2007~10年、土地を取得した神奈川県小田原市の業者が(1)森林法に違反して計画より広く林地を開発(2)条例に従わず土砂を繰り返し搬入して盛り土を造成(3)産業廃棄物も混入――していたことを把握したため、搬入中止を求める行政指導などを複数回行った。 業者は指導に応じず、県と市は10年10月の協議で、増大する盛り土について「(崩壊すれば)住民の生命と財産に危険を及ぼす可能性がある」と判断。11年2月に土地所有者が代わったことを受け、同年3月17日の協議では「流出や崩壊の危険性があり、緊急の是正を行わせる必要がある」として行政指導より重い行政処分をする方向になった。 処分は「県土採取規制条例」の6条に基づき、災害発生の恐れがあれば期間内に防止策を講じさせる措置命令を出すという内容だった。命令に従わない場合に行政が費用を肩代わりして撤去などをする「行政代執行」についても「必要ではないか」との意見が出た。 協議をふまえて県と市は同年6月、業者に命令を出すと決めて市長が決裁し、業者に弁明を求める告知をした。だが、告知後に業者側が排水路などを設ける防災工事を始めたことから、工事の継続を前提に命令を出さなかったという。 ところが工事は同年11月に中断され、業者との連絡も困難になった。12年10月に新しい土地所有者側に対策を要請したが実現せず、条例には所有者を対象にした規定がないため法的措置も取られなかった。以降は盛り土が崩壊していないことなどを定期的に確認していたが、命令は発動されないままだった。 朝日新聞の17日の取材に、斉藤栄・熱海市長は「今はお話しできないが、事実を明かしてみなさんにゆだねたい」、川勝平太・静岡県知事は「行政の判断に対する意見はわかれると思うが、事実関係は今後公開する」と述べた。 土石流災害の遺族らは先月、土地所有者らが安全対策を怠ったとして約32億円の損害賠償を求める訴訟を提起した。県や市を訴えることも検討している。(板橋洋佳、川嶋かえ) ■静岡県と熱海市の主な対応(行政の内部文書などによる) 【2007~10年】 造成業者が計画以上の盛り土造成 土砂搬入中止などの行政指導 【11年】 2月 改善ないまま業者が土地を譲渡 3月 措置命令などの方針協議 5月 業者側と協議。防災工事は実施されず 6月 措置命令を決め、市長が決裁 7月 業者側が工事開始 11月 措置命令見送りに。その後工事が中断 【12年以降】 定期的に盛り土を見回り 【21年】 7月 盛り土崩壊。土石流が発生
香川・豊島の産廃処理事業、22年度末終結 公害調停成立から21年
2021年10月18日
国内最大級の産業廃棄物の不法投棄事件が起きた香川県土庄(とのしょう)町・豊島(てしま)の廃棄物処理について話し合う「豊島廃棄物処理協議会」が17日、高松市であり、住民側と県は2022年度末で処理事業を終えることで合意した。現場地下水の有害物質濃度がおおむね排水基準を満たし、国の財政支援の期限も同年度末に迎えることなどから県が終了を提案し、住民側も了承した。国の公害調停成立から約20年を経て処理事業は節目を迎える。 17日の協議会で県は、面積約6・9万平方メートルの現場を9区画に区切り、各1カ所ずつ計測した地下水の現状を報告。ベンゼンなどの有害物質について、いずれも海や川に流せる排水基準を満たしたとした。 そのうえで、汚染水が瀬戸内海に流出しないよう北側の海岸部に打ち込んだ長さ約340メートルに及ぶ遮水壁の撤去工事に21年11月から着手すると提示。現場の整地作業も含めて23年春までに事業を終える計画を示した。これに対し、住民側からは異論が出ず了承した。 一方、現場には「ホットスポット」と呼ばれる局所的に有害物質が基準を超える地点が現在もある。県はホットスポットについて化学的処理を施すなどして浄化する一方、23年度以降もホットスポットを中心に4カ所でモニタリングを続ける方針。住民側はより広い範囲での調査を継続するよう求めた。 また、事業の最終段階となる整地方法についても協議。県は海水の浸入による浸食などのリスクを考慮して高さ5メートルのえん堤を設ける案を示したが、住民側は「できるだけ元の島の姿に近づけたい」とし、海岸部を自然に近い形で整地することを提案し、今後も協議を続ける。廃棄物対策豊島住民会議事務局長の安岐正三さん(70)は「元の姿に戻すのが次の世代に対する我々の責務。問題はまだ終わりではない」と述べた。 豊島を巡っては、1980年代から業者が島の西端に廃車を破砕したシュレッダーダストなど許可外の廃棄物を投棄した。90年に兵庫県警が強制捜査に入り、住民側は業者への指導を怠ったなどとして93年に香川県などを相手に公害調停を申請。00年に県が責任を認めて調停が成立し、県は19年までに計91万3000トンの廃棄物と汚染土壌を撤去した。汚染された地下水の浄化作業を進めている。21年8月に専門家による委員会があり、事業の終了について了承していた。
米・カナダの軍艦、台湾海峡通過 「挑発には反撃」と中国
2021年10月18日
ロイター通信は17日、米軍の駆逐艦とカナダ軍のフリゲート艦が先週、共同で台湾海峡を通過したと報じた。中国が台湾防空識別圏に多数の軍用機を進入させたことで緊張が高まる中、米カナダ両軍による共同作戦となった。 中国軍東部戦区の報道官は「台湾海峡の平和と安定に深刻な危害を与える」と非難する談話を発表して反発した。「一切の挑発に断固反撃する」と強調した。 報道官は米カナダの軍艦は15日に海峡を通過したと指摘。海空戦力を動員して全行程を監視、警戒に当たったとし、「米国とカナダは結託して挑発し、事態をかく乱して悪質だ」と批判した。
ラムネ菓子ブーム」でコラボ商品続々、なぜ大人気になったのか
2021年10月18日
幼いころから身近にあったラムネ菓子が今、ブームとなっている。大人をターゲットにしたラムネが複数社から登場していたり、ドリンクやゼリー、プロテインなど、ラムネ味の商品が立て続けに発売されたりしている。いったいなぜ、ここまでラムネ商品に火が付いているのか。ラムネ業界でシェア20%(※1)を誇り、このブームをけん引してきた森永製菓に話を聞いた。(清談社 田中 慧) (※1)…出典:インテージSRI+ ラムネ菓子(森永製菓定義)市場 2020/8/1 – 2021/7/31 累計販売金額 ● “大人向けのラムネ”が 爆発的な人気商品に ラムネ飲料の味を再現し、お菓子にしたラムネ菓子が今、子ども以外の層からも支持を得ている。ラムネ菓子に注目が集まりだしたきっかけは、2018年に森永製菓が発売した「大粒ラムネ」だったという。 「SNSで『ラムネを食べると集中できる』という口コミが広がったことを受け、デスクワークや勉強のお供として、ターゲットを大人にして開発したのが『大粒ラムネ』です。食べ応えがあるよう、大きさを従来のラムネの1.5倍にして販売しました。爆発的な人気商品となり、3年たった今でもブームは継続しています」 こう語るのは、同社でラムネ菓子のマーケティングを担当する中原仁氏だ。
新型コロナウイルスの影響で在宅ワークが増え、通勤途中にコンビニに立ち寄る機会が減ったことで、タブレット商品などを含む錠菓子市場全体の売り上げは落ち込んでいるという。だが、そんな厳しい状況のなかでも、「大粒ラムネ」は発売初年度と比較し、2020年の売り上げを1.83倍(※2)まで伸ばしている。 (※2)…出典:インテージSRI+ 大粒ラムネ 2018/7/1 ~ 2021/6/30 累計販売金額 「コロナ禍でもビジネスパーソンから変わらず支持をいただいています。たとえ働く場所が変わっても、仕事の“作業に取り組む”という部分は変わらないので、集中したいときにラムネを口にする習慣がかなり定着してきていると感じます。SNSには『ラムネ食べてから原稿書く』『仕事中にはこれがないとだめだ』といった声も届いています」 今では作業のお供として信頼を得ている大粒ラムネだが、実は販売開始時点では、ラムネを食べることによって仕事や勉強がはかどるという科学的な根拠はなかったという。 2015年頃から脳神経の活動がぶどう糖に依存していることがメディアによって周知されはじめ、「ぶどう糖を多く含んでいるラムネを食べると集中したり、リフレッシュしたりできる」という印象が広がっていった。森永製菓は、拡大するぶどう糖の需要を獲得するため、大人向けに「大粒ラムネ」を発売した形になる。 そこで2020年、森永製菓は「ぶどう糖を多く含むラムネ菓子の単回摂取で認知機能の一部である『ワーキングメモリー』(※3)と『持続的注意力』スコアが改善することを確かめました」という研究成果を発表。ぶどう糖によって作業効率が上がることを明らかにした。 (※3)…「ワークングメモリー」とは、理解や推論など認知的課題を行うときに情報を一時的に保持するための記憶のこと。 「確かなエビデンスを得たことで、勉強や仕事など集中したい場面に適した食べ物であることを、より認識していただけるようになったと思います」
半導体大手、台湾のTSMCが日本で工場建設 誘致した政府も支援へ
2021年10月15日
半導体の受託生産の世界最大手、「台湾積体電路製造」(TSMC)は14日、四半期決算のオンライン会見で、日本に半導体製造工場を建設する方針を明らかにした。2024年の稼働をめざすという。日本政府が働きかけてきた工場誘致に応じた形で、建設費用の一部について公費による支援を受けるとみられる。 【写真】TSMCの日本工場建設が検討されているソニーグループの半導体工場(中央)の隣接地=2021年10月14日午後2時28分、熊本県菊陽町、朝日新聞社ヘリから、堀英治撮影 TSMCは台湾内外に17の製造工場を持つ。海外での大規模工場は、稼働中の中国と建設中の米国に続き日本が3カ国目となる。 日本の工場の規模や建設費用など具体的な内容は未定だ。支援の枠組みなどもこれから詰める。建設には数千億円規模のコストがかかるため、日本側の負担額や、製品の販売先の確保などが課題になる。 日本の政府関係者によると、建設地は熊本県菊陽町にあるソニーグループの半導体工場の隣接地が検討されている。ソニーや自動車部品大手のデンソーなどと協力する可能性もある。TSMCは前世代型の工場を中国で稼働させており、幅が小さい最先端型の工場は米国で建設中だ。
ワクチン3回目接種のスケジュール明示へ
2021年10月15日
政府は15日、新型コロナウイルス感染拡大に備えた対応の全体像の中で、ワクチン3回目接種の体制や接種スケジュールを明示する方針を決めた。
