「欧州外し」、深まる米不信 インド太平洋戦略でEU
2021年09月20日
米英とオーストラリアが15日発表したインド太平洋地域での新たな安全保障の枠組みが、フランスを中心に欧州連合(EU)に波紋を広げている。 【写真】フランスのルドリアン外相 EUが地域への関与を強めようとする矢先に同盟国から「蚊帳の外」に置かれた衝撃は大きく、米国への不信感が一段と深まっている。 「後ろから刺された。一方的で容赦のない決定はトランプ前米大統領とそっくりだ」。ルドリアン仏外相は16日、仏ラジオで「裏切り」だと怒りをあらわにした。新枠組みでは米英が豪州の潜水艦建造に協力することになり、仏豪が2016年に合意した潜水艦の共同開発計画が破棄されたためだ。仏政府は17日、駐米、駐豪両大使の召還を発表し亀裂は鮮明となった。 新枠組みはEUにも「寝耳に水」だった。ボレル外交安全保障上級代表(外相)は16日の記者会見で「知らされておらず、協議に加われなかったのは残念だ」と認めた。特にボレル氏が同日詳細を発表したEU初のインド太平洋戦略に大きな影を落とした。 同戦略は対中国けん制を念頭に地域の経済・安全保障への関わりを強める内容で、フランスやドイツが主導したものだ。仏モンテーニュ研究所のテルトレ上級研究員は「対中国で協調し欧州のインド太平洋へのさらなる関与を得るというバイデン米政権の意向を今後どこまで真に受けられるだろうか」と指摘。一貫性を欠く米国の安保戦略に振り回される事態を危惧する。 折しも欧州では、アフガニスタンからの市民らの退避をめぐる混乱を受け、駐留米軍撤収を強行した米国への不満や、軍事面での米国依存への懸念が拡大。バイデン政権でもトランプ政権時代からの自国中心主義の流れは不変とみて、マクロン仏大統領が唱えてきた欧州の「戦略的自立」論が勢いを増している。ボレル氏は「今回の出来事は、自ら主導権を握らなければならないと欧州の目を覚まさせるものだ」と強調した。 ただ、インド太平洋戦略では日韓やインドと共に豪州を重要な連携相手と位置付けていただけにEUは影響力の弱さをいきなり露呈。加盟国間には対米、対中政策での温度差も残っており、「自立」への前途は多難だ。
総裁選 政策を競う 敵基地攻撃 河野、野田氏は否定的
2021年09月20日
自民党総裁選が告示される2日前の15日、北朝鮮が弾道ミサイル2発を発射し、日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下させた。発射したのは変則的な軌道で飛行し、迎撃が難しいとされている新型だった。10日には、中国海軍とみられる潜水艦が奄美大島(鹿児島県)周辺の接続水域内を潜没航行し、政府内に緊張が走った。総裁選候補者は、現下の安全保障環境をどう認識し、いかに対処していくつもりなのか。 【表でみる】識者に聞いた、次期首相にふさわしいのは? 今回、北朝鮮が発射したミサイルをめぐっては、政府が当初、落下場所を日本のEEZ外と発表したものの、後になってEEZ内と修正した経緯がある。 低い高度を変則的な軌道で飛行するミサイルを探知・追尾するのが、いかに難しいかを示しており、相手領域内でミサイルを阻止する敵基地攻撃能力の保有を含め、抑止力に関する議論が再燃している。 候補者4氏は19日のフジテレビ番組でそれぞれの見解を述べ合ったが、敵基地攻撃能力の賛否は割れた。 河野太郎ワクチン担当相は情報収集能力の強化を掲げ「北朝鮮で何が起きているかを常時監視できる能力を持つ」と主張。日米で抑止力を高めていく必要性を強調したものの、「敵基地なんとか能力みたいなものは、こっちが撃つ前に相手が撃たなかったら相手の能力が無力化される。かえって不安定化させる要因になる」と否定的だった。 これに対し、高市早苗前総務相は「やられてもやり返さないのでは、どうしようもない。精密誘導ミサイルの配備は絶対だ」と敵基地攻撃能力の必要性を訴えた。また、「電磁波も防衛に使える」と指摘し、新技術の研究を進めて「敵基地の無力化」を図るとした。 岸田文雄前政調会長も「北朝鮮は日本に届くミサイルだけで500~600発、それ以上を持っているといわれる。敵基地攻撃能力も含めて、抑止力として用意しておくことは考えられるのではないか」と肯定的な見方を示唆した。 野田聖子幹事長代行は「情報収集能力がないことが一番の問題で、抑止力以前の問題だ」と述べ、河野氏と同様に情報収集能力の強化を急ぐ考えを示した。抑止力については「その前にあるのが最善の外交だ」として踏み込まなかった。 中国が軍事的活動を拡大・活発化させている中、米軍は九州から沖縄、フィリピンを結ぶ第1列島線に沿って射程500キロ以上の地上配備型ミサイル網を構築する考えを持っている。 米軍のこの構想に賛意を示したのは高市氏だけだ。高市氏は「中国ほぼ全土の航空基地をカバーできる効果がある」と強調した。 これに対し河野氏は「米国だけが引き金に指をかけているミサイルを日本に置いたからといって、日本の抑止力が高まるわけではない」と慎重だ。岸田氏も「どんな搭載能力を持ち、どこに配置するのか。具体的な提案を聞かないうちから賛成・反対を申し上げるのは控える」と述べるにとどめ、野田氏は「軍備の話から始める抑止力というのは日本では考えられない」と否定した。
18歳以下の75%が自宅感染 夏休み影響 9月は「学校」増加
2021年09月20日
新型コロナウイルスの流行「第5波」の8~9月に感染した18歳以下の子どもの7割以上が自宅で感染していたとする分析結果を、厚生労働省がまとめた。夏休みの影響とみられ、小中学校などが再開した9月以降は15歳以下で、学校などでの感染割合が増えている。 【図解でわかる】α、β、γ…懸念される変異株 感染者の情報が入力されているシステム「HER―SYS(ハーシス)」を利用し、8月1日~9月13日のデータを集計した。3~18歳の感染者は計10万2759人。うち感染場所が特定できた1万5619人を分析すると、自宅での感染割合が最も高く、75・1%の1万1724人だった。保育園など福祉施設を利用する3~5歳の幼児を除き、6~18歳の児童・生徒らは年齢が上がるほど学校などでの感染割合が高くなっていた。 一方、夏休みが明けた9月に入り、学校や福祉施設での感染割合が増加。8月の3~5歳の感染者計2265人のうち、福祉施設での感染者は9・8%の223人だったが、9月は13・6%の101人が感染した。6~12歳、13~15歳の児童・生徒も学校などでの感染割合が高くなっていた。 自宅での感染者が7割を超えた理由について、コロナ対策を担当する内閣官房の佐々木健内閣審議官は「夏休みの影響がある」と推測した。 また、厚労省が小学校で発生したクラスター(感染者集団)について調べたところ、9月6~12日の1週間は集計を始めた4月以降最多の32件に上った。 12歳未満は新型コロナワクチンの接種対象者に含まれておらず、今後子どもの感染がさらに増える可能性がある。国立感染症研究所の脇田隆字所長は「家庭内であれば子どもたち以外の親きょうだい、小学校では職員になるべくワクチン接種を進めていく必要がある」と訴えた。
河野・岸田氏が接戦 高市氏猛追、野田氏出遅れ 議員支持動向調査・自民総裁選
2021年09月20日
自民党総裁選について、時事通信は党所属国会議員の支持動向を調査した。 それによると、河野太郎規制改革担当相(58)と岸田文雄前政調会長(64)が競り合い、高市早苗前総務相(60)が激しく追っている。出遅れた野田聖子幹事長代行(61)は挽回に懸命。ただ、2割程度が態度を決めておらず、党員・党友票の行方を含め、情勢は流動的だ。 【図解】自民総裁選の構図 竹下亘衆院議員の死去を受け、総裁選は国会議員票と党員・党友票各382票の計764票で実施される。国会議員票の投開票は29日。 調査は13~19日に議員からの聞き取りなどにより実施した。河野、岸田両氏は党所属議員の25%前後の支持を固め、高市氏も約2割の支持を得て2人を猛追し、告示前日に出馬表明した野田氏は約5%にとどまっている。 岸田派を除く6派閥が事実上の自主投票とする中、河野氏は岸田派以外の中堅若手を中心に支持を広げ、所属する麻生派(53人)では約半分の支持を獲得。石破派(17人)の半数以上も固め、二階派(47人)、石原派(10人)、無派閥にも浸透する。岸田氏は自身が率いる岸田派(46人)をまとめ、細田派(96人)、麻生派、無派閥からもベテランや参院議員を中心に支持を取り付けた。 安倍晋三前首相が後押しする高市氏は、安倍氏が影響力を持つ細田派の中堅若手に浸透。麻生派、竹下派(51人)、二階派にも食い込みを図る。野田氏は推薦人20人からの上積みが課題だ。 ◇地方幹部は岸田氏 一方、47都道府県連の幹部を対象に時事通信がアンケート調査を実施したところ、岸田氏支持が12人で最多だった。河野氏支持は3人、高市氏支持は2人、野田氏支持はいなかった。ただ、河野氏の地元神奈川、野田氏の地元岐阜を含む29都府県連が支持候補を回答しなかった。 岸田氏支持は福島、石川、広島、福岡などの幹事長ら。河野氏支持は北海道、青森、鳥取、高市氏支持は滋賀、奈良の幹事長らだった。党員の支持動向も尋ねたところ、支持候補にかかわらず、河野氏優位との回答が目立った。 総裁選を通じた世代交代について聞くと、25府県連が「全面的に」「多少は」を含めて「世代交代を進めるべきだ」と回答。津田健児三重県連幹事長は「若い力で党や国を変えていく必要がある」とした。
コロナ新規感染急減の理由は? ウイルスの「生存戦略」という見方も
2021年09月20日
この夏猛威を振るった新型コロナウイルスの感染「第5波」。大阪府では9月1日をピークに新規感染者が急減している。全国的にも同様の傾向で、政府新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は理由を「複合的」と表現した。幅広い専門家に聞くと、夜間の人出抑制、ワクチン効果などを挙げる意見の一方で、ウイルスの「生存戦略」を指摘する見解もある。メッセージは「警戒を緩めるな」だ。 ◇人流の変化が関係? 府内の1日当たり新規感染者数は9月1日に過去最多の3004人を確認。初の3000人台で同日の東京(3168人)に匹敵する数字だった。しかし、1週間後の同8日は2012人、2週間後の同15日には1160人に減った。 「考えられる要素は複数あるが、これは、というのはない」。9月9日に開かれた大阪府新型コロナ対策本部会議で、感染者減少の理由を問われた藤井睦子・健康医療部長はこう説明し、「これまでの波のように、何らかの自粛要請をきっかけに急減していく分かりやすい現状になっていないのは事実だ」と吐露した。 データで関連性がうかがえるのが、いわゆる「人流」の変化だ。筑波大の倉橋節也教授(社会シミュレーション学)によると、東京や大阪では夜間の人出が感染者数と相関関係があるという。 ソフトバンクの子会社「アグープ」のデータを基に分析すると、大阪府に4回目の緊急事態宣言が出た8月2日以降(9月8日まで)の梅田駅の午後9時台の人出は、第4波の感染拡大前(3月1日~4月4日)の同じ時間帯に比べて約30%減少した。SNSの分析では8月以降、カラオケや飲み会、バーベキューの投稿が4分の1程度になったという。倉橋教授は「東京五輪の閉幕(8月8日)後は、コロナによる医療逼迫(ひっぱく)などが多く報じられるようになった。お盆中の長雨もあり行動抑制につながった」と分析する。 大阪大感染症総合教育研究拠点の中野貴志教授(原子核物理学)は「職場や家庭など身近な所まで感染者が出ると、普段会わない人と接触を控えるなど行動変容が起きるのではないか」と推測。「これまでも一定期間で感染は収まっている。ただ、ピークアウト後の感染者の減少速度は第1~4波はほぼ同じだったが、今回は10%以上速い」と指摘し、ワクチン接種が進んで感染しやすい人が減ったことを理由に挙げた。 ◇気温の変化も要因の一つか 患者の治療にも携わる関西福祉大の勝田吉彰教授(渡航医学)は、気候が生活環境に影響を与えたとみる。大阪市の最高気温は8月中旬以降、平年を下回ることが多かった。「冷房中は周囲への気兼ねもあり部屋の窓を開けにくいが、涼しくなれば抵抗感も薄れる。換気の効果があるのでは」と考察。また、百貨店の地下食品売り場でクラスターが相次ぐなど身近なニュースもあり、「一人一人が考えて外出を控える行動につながったのでは。マンネリとされる緊急事態宣言の効果もゼロではなかった」と言う。 これらは「人」に着目した見方だが、昼間の人流が抑え切れていないなど疑問も残る。今回の事態をウイルス側から考えるのが、ワクチン開発に長年取り組んできた大阪大感染症総合教育研究拠点長の松浦善治教授(ウイルス学)だ。 ◇専門家「新たな波は来る」 ウイルスは生きた細胞の中でしか増殖できない。感染した細胞(生物)が死ぬほど病原性が高すぎると、ウイルス自体も効率的に増えられない。そのため、絶えず変異を繰り返して感染力や病原性を変化させ、生き残りを図る。その過程で感染の増減も起きる。 多様なウイルスと格闘してきた松浦教授は「インフルエンザは季節性で新しい変異が少し入りながら冬に流行する周期を繰り返すが、新型コロナは非常に変異しやすい」と説明。「人間界に広がってまだ間もないので、人とウイルスがお互いに探り合いながら落としどころを探しているプロセスなのでは」と推察する。今回の感染急減も収束と拡大を繰り返す局面の一つと考えられるとし「感染が一時的に減少しても新たな波は来る」と警鐘を鳴らす。
関東の朝は秋らしく空気ヒンヤリ 昼間は真夏日に迫る暑さの所も
2021年09月20日
今日20日(月)・敬老の日の関東は、穏やかに晴れて放射冷却現象が強まったため、気温は下がり空気がヒンヤリと感じられる朝となりました。 昼間は昨日と同じくらいまで気温が上がり、体感変化が大きな一日となる予想です。
東京は10℃台で少し肌寒い朝
7時までの最低気温は群馬県田代で9.3℃、栃木県宇都宮市で15.6℃と内陸部を中心に気温が下がりました。また、東京でも17.8℃まで下がるなど、少し肌寒い朝を迎えています。 ウェザーニュースに届く体感報告では、特に内陸ほど「肌寒い」が多くを占め、一部からは「寒い」が届くほどです。各地で秋を感じさせる朝になっています。
昼間は秋晴れで少し暑いくらいの気温に

関東の天気 20日(月)
朝は秋でも、昼間の日差しにはまだ夏の名残があります。最高気温は昨日と同じくらいまで上がり、東京やさいたまは28℃、群馬県伊勢崎市などは真夏日に迫る29℃になる予想です。朝と昼間の気温の差が10℃以上になるところもある見込みです。 ただ、空気が比較的乾燥するため、日差しを避ければ比較的しのぎやすい暑さです。半袖と薄手の上着を組み合わせるなど、服装を工夫して快適に過ごすようにしましょう。
デジタル化応援隊 不正受給防止のため新規支援を停止へ
2021年09月15日
JNNの調査報道で浮上した「デジタル化応援隊事業」をめぐる不正受給疑惑で、梶山経産大臣は「不正受給を防止するための制度改善をする」として、今週中にも新規案件への支援をいったん停止すると発表しました。 これまで41億円あまりが使われているコロナ対策の補助金「デジタル化応援隊事業」。JNNの調査報道で組織的な不正受給の疑いが浮上し、経産省はきのう、不正に関与した人が補助金を自主返還するための窓口を設置しました。 梶山大臣はきょうの閣議後の会見で「不正受給はあってはならないことで、心当たりのある方は速やかに連絡を」と呼びかけたうえで、「不正受給を防止するための制度改善をする」として、今週中にも新規案件への支援をいったん停止すると発表しました。 経産省ではこれまでも「持続化給付金」などで不正受給が疑われる事例が相次いでいて、9日時点でおよそ159億円が返還されています
社員を「子ども」扱い? 野村HD「在宅勤務中も喫煙禁止」の波紋
2021年09月15日
名優、勝新太郎さんは、かつて自身のガンを公表する記者会見の席上で、「タバコはやめた」といいながらおいしそうにタバコをふかして見せました。 【画像】野村HDのプレスリリース 勝さんがタバコを吸い始めた途端、周りにいた記者たちは一斉にツッコミを入れましたが、同時に笑い声も起きるような穏やかな空気に包まれました。それは、大物である勝さんに対して強くいえる人がいなかった、という面もあるのかもしれませんが、命にかかわる病気を公表する、ともすると深刻になってしまいそうな場の雰囲気を和ませた、“大人”のユーモアとして受け止められていたように思います。 当時は一般企業のオフィス内でも普通に喫煙していた時代でした。それは社会が今より未成熟であった証ともいえますが、まだ、勝新太郎さんのような型破りな魅力を放つ存在が活躍できるおおらかな土壌が残っていたともいえます。 それに対し、今やオフィス内禁煙は当たり前です。環境・社会・企業統治の観点に着目したESG投資や健康経営といった概念が広まるにつれ、喫煙者に対する見方は厳しくなってきています。嫌煙者にとっては望ましい風潮ですが、喫煙者にとっては窮屈で息苦しい世の中となりました。 そんな中、野村ホールディングス(HD)が在宅勤務者も対象として、就業時間中は全面禁煙とする施策を発表し、話題を呼びました。
出社体制での喫煙による、2つの問題
会社に通勤している場合、職場の中で喫煙すると大きく分けて2つの問題が発生します。 一つは受動喫煙など周囲への影響です。喫煙者がいると周囲に煙が漂うため、他社員たちの健康まで害してしまうおそれがあります。また、喫煙後もしばらくは呼気を通じて周囲の人が2次喫煙してしまうこともありますし、不快な臭いを嫌がる人もいます。 もう一つの問題は、離席時間の発生です。座席での喫煙を禁止する代わりに、喫煙スペースを設ける職場が増えました。すると、喫煙のたびに離席して座席に戻るまで、実質的な臨時休憩が発生してしまいます。喫煙者が離席している時間も給与は支払われることから、非喫煙者との間で不公平感が生じますし、喫煙者自身の生産性を下げることになるという指摘もあります。 野村HDの「就業時間中の全面禁煙を実施する」という施策は、こうした問題に対する有効な解決策になり得ると思います。しかしながら「在宅勤務者も対象にする」ことについては、そのまま同じ理屈が当てはまるとはいえません。 在宅勤務する社員は、他社員とは離れた場所で働いています。そのため同僚たちが受動喫煙してしまう心配はありません。また、仕事しながら座席上で喫煙するのであれば、離席時間による臨時休憩も発生しないはずです。 それなのに、在宅勤務者にまで禁煙を要請する必要はどこにあるのでしょうか。在宅勤務だと喫煙による周囲への影響は出ないことを前提に、「喫煙者自身の健康」「組織の統制」「業務への支障」という3つの観点から考察してみたいと思います。 (1)喫煙者自身の健康 内閣府が制作した動画「たばこの煙の恐ろしさ 吸ってる人にも吸わない人にも知ってもらいたいこと」では、喫煙者は非喫煙者に比べて、寿命が10年縮まるという英国の調査結果が紹介されています。また、ガンや糖尿病、心筋梗塞などさまざまな病気と喫煙との関連性も指摘されており、喫煙自体が体に悪い影響を及ぼすことは既に広く知られています。健康経営を掲げる会社としては、喫煙者自身の健康を心配し、配慮しようとするのは当然のことだと思います。 しかし、勤務時間中だけ禁煙にしたところで、その分勤務時間外に吸うタバコの本数が増えてしまえば意味はありません。また、健康を害するものは喫煙だけとは限りません。運動不足や深酒、睡眠不足なども影響します。もし会社が社員の健康を本気で管理しようとするなら、社員の生活にまで踏み込まなくては実効性は見込めません。喫煙者自身の健康という観点から禁煙要請しても実効性は薄いとすると、同僚に受動喫煙させる可能性がない在宅勤務者への禁煙要請に意味があるのか疑問を感じます。 (2)組織の統制 それに対し、組織の統制という観点においては、企業秩序を維持する意味での利点はありそうです。タバコはコーヒーや紅茶のような、嗜好品の一種です。在宅であっても勤務中なら通勤時と同じく禁煙というルールを定めて区別しない方が、組織内で不公平感は生じないはずです。また、少しうがった見方をすれば、在宅勤務者も含めて禁煙要請することで健康経営の推進に敏感な株主や投資家たちに対するアピールとなり、好意的に受け止めてもらえるかもしれません。 しかしながら「自宅で喫煙する分には誰にも迷惑かけないのだから個人の自由だ!」と考える社員からは、融通が利かない組織だと反発を招いてしまう可能性があります。また、健康を害するとはいえ、法律で認められている個人の嗜好を認めないスタンスは、価値観の違いを尊重しようとする時代の流れに逆行している印象も与えてしまうかもしれません。 (3)業務への支障 3点目の業務への支障については、あまりなさそうです。タバコの火種でうっかりやけどしたり、消しそびれたタバコが火事を引き起こして大切な書類が焼失したり、PCを損壊させたり――ということも考えられなくはないですが、電子タバコであればその心配もまずありません。 むしろ、気になるのは喫煙を我慢することで生じるストレスの影響です。喫煙している社員は、多くの場合ニコチン依存状態にあります。そのこと自体が問題であることはいうまでもありませんが、「個人の嗜好」として喫煙自体をいったん受け入れる前提で横に置くと、勤務時間帯に禁煙を要請しても、吸いたい気持ちを我慢することでかえってイライラして、ストレスがたまってしまうかもしれません。 ここまでの「喫煙者自身の健康」「組織の統制」「業務への支障」という3つの観点から考察すると、在宅勤務者に対しても禁煙要請することにメリットはありそうですが、それ以上にデメリットもありそうで、一概に有効な施策とは断言しがたいように感じます。
強くて安い、木造の中高層マンション建設相次ぐ
2021年09月15日
木造の中高層マンションの建設が相次いでいる。強度や耐火性を高めた建材の開発が進み、低コスト化や工期短縮が実現できるようになった。脱炭素につながり、民間の建築物に国産木材の利用を促す改正法も10月に施行されることから、今後さらに建設が広がりそうだ。 【写真】「東洋一のビルディング」、老朽化で解体へ…かつて昭和天皇も視察

(写真:読売新聞)
三井不動産傘下の三井ホームは東京都稲城市で、同社初の5階建て木造賃貸マンションの建設を進めている。最も強度が必要となる1階部分は鉄筋コンクリート(RC)だが、2階以上の壁や床などは木造だ。耐震や耐火、防音などの性能は鉄筋と遜色がないという。将来的には全国主要エリアに展開したい考えだ。
木造マンションは、柱や壁といった主要な構造物に木材が使われている物件を指す。木材は鉄筋などに比べて軽く、建物の地盤改良も一部が不要になる。
三井ホームのマンションは、建設コストを1~2割ほど削減できる見通し。コロナ禍の影響で輸入材の供給が不足し、木材価格が急騰する「ウッドショック」と呼ばれる現象も起きているが、建築前に材料を確保していたため影響はないという。
関西でも、大阪市西区のオフィスビル「大阪木材仲買会館」や、京都府向日市の商業ビル「SUBACO(スバコ)」など木造の中高層建築が続々と登場している。
鉄骨やRCと木材を併用した「ハイブリッド構造」のマンションもある。野村不動産は昨年9月、東京都千代田区でハイブリッド構造の14階建て分譲マンションを発売した。東急不動産はハイブリッド構造のオフィスビルを渋谷区に建設する予定だ。
NY、対面授業が全面再開 感染拡大懸念も 9/14(火) 6:07配信
2021年09月15日
アメリカ・ニューヨーク市で公立学校の新学期が始まり、対面での授業が全面的に再開しました。一方で、子どもへの感染が拡大する懸念も強まっています。 全米最大規模の学校区を抱えるニューヨーク市で13日、公立学校の新学期が始まりました。 多くの生徒は、新型コロナウイルスによる感染が拡大した去年3月以来1年半ぶりの登校となり、対面での授業が本格的に再開しました。 生徒「長い間、学校に来てなかったので、戻れてすごくうれしい。家だと退屈だから」 一方、今月9日までの1週間に新たに報告された子どもの感染者数は、全体の28.9%を占め、過去最多となっています。 すでに再開した学校で感染が相次いでいて、再開による感染拡大への懸念も強まっています。
