北方領土に免税特区創設へ ロシア大統領が一方的発表
2021年09月04日
ロシアのプーチン大統領は3日、ロシアが実効支配する北方領土に投資を誘致するため、関税などを免除する特別区を創設すると発表した。 【図解】北方領土 極東ウラジオストクで開かれている政府主催の「東方経済フォーラム」の全体会合で明らかにした。 プーチン氏は優遇措置は国内企業だけでなく、「日本を含む外国企業」に適用されると述べた。日ロが実施を目指す北方四島での共同経済活動の協議に進展がない中、日本を揺さぶり、協力を迫る狙いがあるとみられる。創設に向けては、ロシア当局間で最終調整が行われている。 特区はロシア国内法の適用を前提としており、日本側の参加は難しそうだ。プーチン氏によれば、クリール諸島(北方領土と千島列島)で関税を免除。域内では付加価値税も課されない。法人税や資産税なども10年間免除する。特区構想は7月に北方領土の択捉島を訪問したミシュスチン首相が明らかにしていた。 プーチン氏は対日関係について「平和条約締結に関心があるという点でわれわれのやり方に変化はない」と強調。他方で「日本は常に立場を変えてきた」と指摘し、日米の軍事協力に関するロシアの懸念に日本は応えていないと主張した。 日ロ首脳は2018年、平和条約締結後の2島引き渡しを明記した1956年の日ソ共同宣言を基礎に交渉を加速することで合意。一方で、ロシアでは昨年に領土割譲禁止を明記した改正憲法が発効した。 プーチン氏は、改憲によって「56年宣言は無効になったか」との問いに、「宣言と憲法を注意深く見て、適切な結論を出さなければならない」と述べるにとどめた。また、日本が東京五輪・パラリンピックを成功させたと語り、祝意を表明した。
菅首相辞意、海外でも速報 「予想外」と中国専門家
2021年09月04日
菅義偉首相が辞任する意向を固めたことを受け、海外メディアも3日、速報した。ロイター通信は「菅首相は支持率が30%を下回り、総選挙を前に日本は過去最悪の新型コロナウイルス感染拡大に直面していた」と指摘した。中国政府系シンクタンクの日本専門家は取材に「予想できなかった」と驚きを示した。 菅首相辞意に「きょうあるかもと思っていたが、やっぱり」
中国の新華社は「菅首相は自民党総裁選に参加しないと表明した」と速報。ロシアのタス通信も日本の報道を引用し、菅首相が自民党総裁選に立候補せず、辞任する意向だと速報した。
「ミュー株」、南米コロンビアで主流に 保健当局者
2021年09月04日
南米コロンビアの保健当局者は2日、1月に同国で最初に確認された新型コロナウイルス変異株「ミュー株」が国内で主流となっており、これまでで最悪の大流行の原因にもなったと明らかにした。 【図解】新型コロナウイルス変異株、WHOの新呼称 保健当局のマルセラ・メルカド(Marcela Mercado)氏は地元ラジオ局に対し、同国で4~6月に発生した第3波の原因はミュー株だったと語った。 第3波の間、1日平均700人が死亡し、その3分の2近くがミュー株の検査で陽性と判定されたという。 メルカド氏はミュー株について「すでに43か国以上に広がっており、強い感染力を示している」と述べた。 コロンビアのワクチン接種完了者は人口の3分の1未満にとどまっており、新型ウイルスによる累計死者数は約12万5000人、最近の1日当たりの死者数は平均100人、新規感染者数は平均2000人となっている。 世界保健機関(WHO)は8月31日、「B.1.621」系統のミュー株を「注目すべき変異株(VOI)」に分類したと明らかにした。 WHOは、ミュー株にワクチン耐性を持つ恐れのある変異があると説明した上で、さらなる研究によって理解を深める必要があると強調している。
コロナ感染で10万円」保険の販売休止 第一生命、感染急拡大で
2021年09月02日
第一生命保険は、新型コロナウイルスに感染すると10万円の保険金が受け取れる保険商品について、1日から販売を一時的に休止すると発表した。国内の感染状況に応じて保険料が変動するしくみだが、感染者が想定外に増えて保険料を大幅に値上げしなければならなくなり、商品が維持できなくなると判断した。今後、保険料などを見直し、再販売する方針だ。 【写真】第一生命社内で「生保の女帝」とも呼ばれた元社員が渡した手描きの借用書 販売を一時休止するのは、グループ子会社の「第一スマート少額短期保険」が4月からインターネット限定で販売している少額短期保険「コロナminiサポほけん」。保険料は3カ月980円で、医師からコロナ感染と診断されると10万円の保険金が受け取れるしくみ。契約者は約2万人にのぼり、すでにある契約は引き続き有効という。提携企業経由では変動幅上限の3カ月2270円で販売を続けている
新1万円札の印刷始まる 渋沢栄一の肖像画で24年から流通
2021年09月02日
2024年度から流通が始まる新しい1万円札の印刷が始まりました。 きょうから印刷が始まったのは新しい1万円札です。肖像画には、「近代日本経済の父」と呼ばれ、明治から昭和にかけて産業界をリードした渋沢栄一が描かれています。 偽造防止のために20年ぶりに刷新された新札では、最先端の技術を用いたホログラムなどが使われているほか、海外の紙幣を参考にして額面の数字がこれまでより大きくなっているということです。 5千円札には女子教育の先駆者とされ津田塾大学の創始者である津田梅子、千円札には破傷風の治療法を開発するなど「近代日本医学の父」といわれる北里柴三郎が採用され、いずれも2024年度の上半期から流通する予定です。
米国外交むしばむ20年 中東民主化進まず 対テロ傾注、中国台頭許す
2021年09月02日
2001年9月11日の米同時テロから間もなく20年を迎える。 バイデン大統領はこの間に及んだアフガニスタン駐留米軍の撤収を断行。外交安保政策の重心を台頭する中国との競争にシフトする狙いがある。だが米国が威信を懸けて取り組んだアフガンやイラクの民主化に失敗し、テロの脅威は残ったまま。同盟国との関係がぎくしゃくするなど、迷走を続けた20年は米国の信頼性と国力をむしばんだ。 ◇民主化に700兆円投入 米国は同時テロへの報復に端を発したアフガンとイラクの戦争に約6.4兆ドル(約700兆円)を投入し、米兵約7000人を失った。この金額は日本の国家予算の約7倍に当たる。バージニア大のメルビン・レフラー名誉教授は、「対テロ戦が国づくりと民主主義の促進に拡大し、出費が天文学的数字に膨れ上がった」と指摘する。 【図解】対テロ戦争 01年10月にアフガンを攻撃したブッシュ(子)政権がイスラム主義組織タリバン政権を崩壊させた後も米軍を駐留させたのは、アフガンをテロの温床にしないために「民主化」が不可欠とみなしたためだ。03年には大量破壊兵器保有という誤情報を基にイラクのフセイン政権を打倒。ここでも「民主化」に着手する。 しかしアフガンとイラクの新政権は安定せず、治安状況の悪化から駐留する米軍は「永遠の戦争」に突入することになる。この間、両国で犠牲になった民間人は20万人以上。バイデン氏は今年8月31日の演説で「今回の決定は、大規模軍事作戦で他国をつくり変える時代の終わりを示すものだ」と述べ、20年間の民主化政策が徒労に終わった事実を認めた。 ◇米の影響力低下顕著 ブッシュ氏は01年の大統領就任当初、中国を「戦略的競争相手」と位置付けたが、対テロ戦への傾斜で、中国の台頭を軽視。中国による南シナ海の一方的な現状変更など軍事、経済面での勢力拡大を許したとの見方がある。 米国の世界経済に占める国内総生産(GDP)比率は00年の30%から20年は25%に低下。一方で中国は10年に日本を抜いて世界第2の経済大国になった。 09年に登場したオバマ大統領は穏健派イスラム勢力との連携や、中国への対抗としてアジア重視政策を打ち出した。しかしシリア内戦などが激化する中東への関与拡大に消極的だったため、過激派組織「イスラム国」(IS)が伸長し、いったん撤収したイラクへの米軍再派兵に追い込まれた。 続くトランプ前大統領は、中東各国の内戦終結に向けた和平仲介を放置した。テロ対策の一環としてイスラム諸国を対象にした入国制限を実施し、世界中の反発を招いた。 ◇約束を果たさない米国 バイデン氏は外交政策の重要課題に中国への対抗を掲げ、同盟国や友好国との連携を推進する。ジョージタウン大のマシュー・クレイニグ教授は、過去20年の結末を受けて「自立した国を建設するという約束を果たせずに撤収することで、米国の信頼は損なわれるだろう」と述べ、米国と同盟国の間に影を落とす可能性を指摘。インド太平洋の同盟国を米国が守るのかどうか、中国の計算にも影響を及ぼすと懸念を示した。
タリバンが軍事パレード 略奪した米製兵器を誇示
2021年09月02日
アフガニスタン南部にある同国第2の都市カンダハル(Kandahar)で1日、イスラム主義組織タリバン(Taliban)の軍事パレードが行われた。上空では軍事ヘリコプター「ブラックホーク(Black Hawk)」が旋回し、地上では軍用車両ハンビー(Humvee)に乗った戦闘員が略奪した米国製兵器を誇示した。 【写真10枚】上空でタリバンの旗を掲げるヘリコプター、他 2週間の電撃的攻勢でアフガニスタンの実権を握り、20年間続いた戦争を終わらせたタリバンは、パレードで米軍の完全撤退を祝賀。カンダハルに向かう幹線道路では、緑色の装甲戦闘車が長い車列をつくり、大半は白黒のタリバン旗を掲げていた。米国製のM16ライフルを携帯する戦闘員もいた。 軍用車両は、重火器や機関銃で武装。そのそばでは、タリバン支持者らを乗せたピックアップトラックが走行した。上空では少なくとも1機のブラックホークが旋回。タリバンには同機を操縦できるパイロットがいないため、旧アフガン軍関係者が操縦していたとみられる。 パシュトゥン(Pashtun)民族の中心地であるカンダハルはタリバンの発祥地であり、1996年に政権を樹立した場所でもある。米軍が侵攻した2001年までに、タリバンは国土の大部分を掌握した。タリバンは先月29日、長年にわたり身を隠していた最高指導者ハイバトゥラ・アクンザダ(Hibatullah Akhundzada)師が現在はカンダハルに滞在していることを明らかにしている
自衛隊派遣、出遅れ響く 甘い見通し、「想定外」続発 アフガン人退避失敗
2021年09月02日
アフガニスタンからの国外退避を支援するため政府が派遣した自衛隊機が近く日本に戻る。 【図解】アフガニスタン 在留邦人のほか日本大使館や国際協力機構(JICA)の現地事務所で働くアフガン人スタッフらの救出を目指したが、情勢の悪化で断念を余儀なくされた。首都カブール陥落から派遣命令まで8日間を要した初動の遅れや見通しの甘さが要因として挙げられている。 ◇後手 菅義偉首相は1日、一連の政府対応について「最大の目標は邦人保護だった。その意味では良かった」と記者団に強調。邦人女性1人を退避させた成果を訴え、アフガン人関係者の安全確保や出国に向けた努力を続けると表明した。 ただ、実際の動きを検証すると、何度か起きた「想定外」の展開に右往左往した様子が浮かぶ。 外務省は8月上旬から大使館員と邦人に加え、アフガン人協力者の退避を模索。民間チャーター機で18日までに出国させる調整をしていた。大使館とJICA事務所のスタッフにその家族を含めた500人程度が主な対象にリストアップされた。 だが、イスラム主義組織タリバンの予想を超える攻勢で15日にカブールが陥落。民間機の運航が全面的に止まり、計画の土台が崩れた。大使館員12人は急きょ米軍機で避難することにしたが発着場所にたどり着けず、英軍機で17日に出国した。 アフガン人協力者の元には「必ず助ける」とのメッセージが届いていたが、取り残される形に。日本政府が大使館員と邦人の保護を優先し、アフガン人退避は後手に回った感もある。外務省関係者は「館員を現地に残せば拘束されるリスクがある」と述べ、早期出国はやむを得ない選択だったと話す。 カブール空港は難を逃れようとする市民が滑走路に押し寄せ、死者も出る状況。自民党からアフガン人協力者救出を強く求める声が出た。 そうした中、自衛隊派遣の流れとなる。ネックは「在外邦人等の輸送」を規定した自衛隊法84条の4が要件に挙げる「安全な実施」が、実際に担保されるか不透明だったことだ。その検討にも時間を要し、首相が外務、防衛両省事務次官らを交えて派遣を決めたのは日曜日の22日だった。 ◇決定打 翌23日、岸信夫防衛相が派遣を命令。航空自衛隊のC2輸送機1機とC130輸送機2機が順次日本をたった。 ところが、カブール市内はタリバンが検問所を置き、アフガン人協力者は空港に近づけない。自衛隊機3機は25~27日に計5回カブール空港に着いたが、「空振り」となるケースもあった。 救出断念の決め手となったのが26日に空港ゲート付近で起きた自爆テロ。退避希望者をバス27台に分乗させ、空港へ移動を始めようとした矢先だった。茂木敏充外相は31日の記者会見で「あそこでそのまま突っ込むという判断はできなかった」と振り返った。 26日は結局、米国に依頼されたアフガン人14人を運んだだけ。準備があと1日か2日早ければ何とかなったとみられ、政府関係者は「爆発で全てが狂った」と肩を落とした。 空港を管理する米軍は自らの撤収スケジュールに合わせ、自衛隊機の空港使用のリミットを27日と通告していた。「最終便」に何とか間に合ったのが共同通信社通信員の安井浩美さんだ。タリバンと一定の関係を持つカタールの警護を受け、空港に入れた。 欧米各国は次々に自国民やアフガン人の退避にこぎ着け、韓国も協力者390人の移送に成功した。「他の国は移動を開始した時期も早かった」。31日、与野党有志の議員連盟の会合にオンラインで参加した安井さんはこう証言した。
ハリケーンで停電100万戸以上、40度の猛暑でもエアコンなし 米南部
2021年09月02日
猛烈なハリケーン「アイダ」が上陸した米ルイジアナ州など南部の州で100万戸以上が停電に見舞われ、猛暑が追い打ちをかけている。所によっては電力の復旧までに1カ月かかる見通しだ。 【画像】建物に倒れた木を取り除く作業員 アイダは8月29日、極めて危険な「カテゴリー4」の勢力でルイジアナ州に上陸した。これまでに5人が死亡、数百人が救助されているが、大きな被害が出ている地域ではまだ捜索救助隊が到達でない場所もあり、洪水やがれきに閉じ込められている住民の数は分かっていない。 同州ニューオーリンズのラトヤ・カントレル市長は8月31日、ある程度の送電が間もなく開始されると説明、9月1日夜にはある程度の電力や照明が復旧するとの見通しを示した。 米国立気象局(NWS)は31日午前10時~午後5時の間、ルイジアナ州南部とミシシッピ州に猛暑注意報を出した。CNN気象専門家によると、対象となる住民は200万人以上。被災地の住民は、エアコンがない状態で40度を超す熱波にさらされることになる。 自治体の多くは避難した住民に対し、送電線や道路の寸断、救助活動の妨げとなる可能性があることなどを理由に、まだ自宅へ戻らないよう呼びかけている。 ニューオーリンズ近郊で8人の子どもや母親と暮らすヨランダ・ティーゲさんは、自宅の屋根や天井がアイダによって破損した。息子の1人は熱中症の症状があるという。 ティーゲさんはCNNの取材に「これからどうすればいいのか分からない。きっとひどいことになるかもしれない」と話し、食料や飲料が底をつく不安もあると語った。 近隣の住民に食料が配られている場所には大行列ができていた。 ルイジアナ州ではガソリン供給や通信網、飲料水や病院にも影響が出ている。 停電情報サイトによると、停電に見舞われている住宅や事業所はルイジアナ州で100万戸以上、ミシシッピ州で4万2000戸、ジョージア州で8800戸に上る。 電力会社のエンタジーは30日、ニューオーリンズなどに電力を供給している高圧線8本がハリケーンで損傷したと説明。電力の復旧までには3週間以上かかるとの見通しを示した。8万5000戸は31日朝までに復旧したとしている。 地元議員によると、同州ジェファソン郡では所によって、少なくとも3~4週間停電が続く見通し。物資の供給は限られ、食品店は軒並み休業、ガソリンは2時間待ちの行列ができている。セントチャールズ郡はフェイスブックへの投稿で、停電が1カ月続く可能性が高いとの見通しを示した。 ルイジアナ州知事によると、州内では4病院で30日に患者らが避難した。メキシコ湾沿岸部の病院の多くはハリケーンで被災して、新型コロナウイルスへの対応にも追われる中で、患者の治療継続に苦慮している。 ミシシッピ州では豪雨で幹線道路の一部が押し流されて2人が死亡、10人が負傷した。ルイジアナ州では住宅の上に樹木が倒れて1人が死亡したほか、冠水した道路を車で通り抜けようとした男性など2人が水死した。 ルイジアナ州兵は31日午後、同州南東部でこれまでに359人とペット55匹を救助したとツイートした。 同州ラフォーシェ郡に出されていた避難命令は31日に解除された。しかし電力が復旧する見通しは立たず、夜間の外出は禁止され、きれいな水はなく、携帯電話などの通信網もほぼ全面的にダウンしている。
米デルタ航空、客室乗務員1500人新規採用へ 需要増に対応
2021年09月02日
米デルタ航空は31日、来年夏の航空需要拡大を見込んで客室乗務員1500人を新規採用する計画を明らかにした。 米航空会社の多くは需要回復への対応に追われており、人手不足に直面している。 サウスウエスト航空は今夏、人手不足のため運航の遅れや欠航が発生。先週には、年末まで減便を実施すると発表した。 デルタ航空も4月、人手不足で約100便の欠航を強いられた。広報担当者によると、その後は比較的円滑に運航が行われているという。 同社の7月の運航便数は、1日平均4377便。4月は同2009便だった。 デルタ航空は、新型コロナウイルス感染拡大前の2020年初めに採用した客室乗務員1500人も含めて3000人の新規乗務員を、来年夏の運航に向けて確保したい考えだ。パイロット1200人も採用する。 広報担当者は「将来の運航を支えるために必要だ」と述べた。
