R汚職 議員への資金提供「中国企業が原資」と供述
2020年02月03日
カジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐる汚職事件で、中国企業顧問らの共犯として贈賄罪で在宅起訴された加森観光(札幌市)の加森公人会長(76)から、衆院議員の秋元司容疑者(48)以外の自民党衆院議員らに寄付したとされる現金計300万円について、加森会長が東京地検特捜部の調べに「中国企業の金が原資だった」と供述していることが関係者への取材でわかった。
関係者によると、中国企業「500ドットコム」側は2017年9月、収賄罪で起訴された秋元議員に現金300万円を渡し、同時期にほかの衆院議員5人にも100万円前後の現金を渡したと供述。特捜部はこれと符合するメモも押収している。
5人は、日本維新の会を除名された下地幹郎衆院議員(58)=比例九州=と、いずれも自民党の中村裕之氏(58)=北海道4区=▽前防衛相の岩屋毅氏(62)=大分3区=▽船橋利実氏(59)=比例北海道=▽法務政務官の宮崎政久氏(54)=比例九州。下地氏は「500」社顧問から100万円の受領を認め、宮崎氏は受領そのものを否定している。
中村、岩屋、船橋の3氏は「500」社からの現金受領は否定。中村氏は加森会長から200万円を受け取り、うち100万円を岩屋氏側に寄付したと説明。岩屋氏も中村氏側からの受領を認めた。船橋氏は加森会長からの寄付金100万円の記載が漏れていたとして収支報告書を訂正した。
「新型肺炎」は株価下落の「本当の要因」ではない
2020年02月03日
中国の武漢市から広がったとみられる新型肺炎(新型コロナウイルスによる呼吸器疾患)は、世界の人々の健康、さらには人命を考えるうえで、深刻な問題だ。すでに中国では多くの方が亡くなっており、フィリピンでも死者が出た。中国以外で初のことだ。
死者は高齢者や元々持病がある方に集中しているとされているが、逆に言えば、そうした基礎体力の弱い方々にとって、命の危機を感じる事態だと言える。こうした点で、今回の新型肺炎を決して楽観すべきではない。
■新型肺炎が2つの点で株価下落要因になる理由
だが、ここから先は、そうした観点ではなく、あくまでも「株価に対する新型肺炎の影響がどうか」、という点に限って述べれば、「過大視すべきではない」と考える。
新型肺炎が株価下落要因だ、と考えられるのは、経済等の実態面では、主として次の2点だ。
(1) 中国における需要の減退
中国で、感染を恐れて人の移動が不活発になる、あるいは政府による移動の制限などによって、外出が控えられ小売りの売り上げが落ち、旅行・行楽需要も減退するなど、内需への悪影響が懸念される。中国の景気が悪化すれば、他国から中国への輸出減という形で、世界経済に悪影響を与えるだろう。また中国から海外への旅行者の減少が、各国のインバウンド需要を減少させる。
(2)中国における供給の混乱
中国で新型肺炎にかかり、春節休暇明けでも出勤できない人が増えれば、同国内での生産が減少する。海外向けの部品生産が落ちることで、中国産の部品を使っている国々の生産に支障が生じるし、中国産の製品を他国で販売している他国企業の売り上げが落ちて、企業収益に悪影響となるだろう。
世界的に株価が下落するのは、上記の(1)(2)に加えて、さらに(3)状況が不透明で投資家が不安心理に襲われ、よく事態がわからないがとりあえず株式を売っておこう、との動きが強まる、という面もあるだろう。
買い物に行けない「買い物弱者」をどう救うのか──島根県雲南市と千葉県松戸市の試み
2020年02月03日
小売店の撤退、自動車運転免許の返納などで、食料品などの買い物に行けない高齢者が増えている。農林水産省では生鮮食料品店まで直線距離で500メートル以上、かつ65歳以上で自動車を持たない人を「買い物弱者」と定義したが、その数は全国で825万人に及ぶ。そんな人たちは地方の過疎地域から首都圏のベッドタウンにまで広がっている。買い物弱者をどう救えばよいのか。島根県雲南市と千葉県松戸市の実情と取り組みに密着した。(ノンフィクションライター・山川徹/Yahoo!ニュース 特集編集部)
山間地域で食料品を販売する軽バン
色づいた山の斜面には、家屋が窮屈に点在していた。開けた平地には、稲刈りを終えた田んぼが広がり、澄んだ川が流れている。周囲には、商店やコンビニはおろか、住民の姿も見当たらない。
加茂町の山間地域を走るかもマートの移動販売車(撮影:山田真実)
2019年11月上旬の午前10時過ぎ。秋晴れのどかな景色のなかを〈生活応援隊 かもマート〉とロゴが書かれた白い軽バンが走っていく。島根県雲南市加茂町の中心部である加茂中駅近くにあるスーパー「かもマート」は、毎週火曜日、買い物に困った住民向けに移動販売を行っている。
「かもマート」のスタッフである中林喜美子さんは、加茂中駅から車で5分ほどの民家の駐車場に軽バンをとめると、「おはようございます!」とインターホンを押し、発泡スチロールや段ボールなどを玄関先に並べていく。
(撮影:山田真実)
玄関からサンダルばきで出てきたのは、カーディガンを羽織った高齢の女性である。園田とき子さん(仮名)は1935年生まれの84歳。2年前に夫を病気で亡くしてからは、山あいのこの家で、1人で暮らしている。
総菜、弁当、納豆、豆腐、みかん、もやし、トマト、カップ麺、調味料、菓子……。園田さんは、腰をかがめて、玄関先に並ぶ箱に入った商品を一つひとつ手に取っていく。
移動販売車の商品を選ぶ84歳の女性(撮影:山田真実)
「旦那が亡くなるまでは車で買い物に行っていたんだけどね。私は免許を持っていないから、どこにも行けなくなっちゃって……」
最寄りのスーパーまでは3キロほど。若いころは自転車で通えたが、高齢となったいまは難しい。毎週木曜日、長男の妻が運転する車で病院に行き、その際に買い出しも行う。それ以外では、毎週火曜日にやってくる移動販売が、買い物ができる唯一の機会だ。
移動販売の商品(撮影:山田真実)
園田さんは、昼食用の総菜とだしのもとのほか、おやつのフレンチトーストをつくるためのパンと牛乳、卵を購入した。
「ずっと農業一筋だったから自分が食べる野菜は畑でとれるの。でも、お店に行かないと、お魚やお肉、調味料は買えないでしょう。それに電球とかトイレットペーパーとか日用品がなくなったときは困る。旦那が亡くなってからは本当に不便になった。もしも移動販売がなかったら、ここで暮らしていないかもしれない……」
(撮影:山田真実)
園田さんたちが暮らす集落から、さらに10分ほど軽バンが走る。こぢんまりとした住宅地に入ると、すでに4、5人の高齢女性が立って、移動販売車を待ちわびていた。手押し車を椅子代わりにして、おしゃべりをしている。最高齢である88歳の女性は言う。
「この集落から一番近いスーパーまでは2キロほどかな。オラも去年までは車を運転して買い物に行っていたんだけど、息子たちが年寄りの事故が怖いっていうから免許返したんだ。いまは、たまに嫁に買い物をお願いしてる。でも、頼んだものしか買ってきてくれないし、気を使うからな。こうして自分で見たものを自分で選ぶのが楽しいんだね」
利用者と話す「かもマート」の中林喜美子さん(撮影:山田真実)
手押し車を支えに腰を曲げて商品を吟味する。そんな姿からすれば、子どもたちに免許返納を勧められたのも不思議ではない。「かもマート」の移動販売の利用者たちの言葉には、小売店がない農山村で移動手段を失ったとたんに日常生活が一変する切実さがにじんでいた。
新型肺炎ウイルス検査態勢強化へ 首相「民間も可能に」
2020年02月03日
安倍晋三首相は3日午前の衆院予算委員会で、新型コロナウイルスによる肺炎に関し、国内での感染拡大を防ぐため、ウイルス検査態勢を強化する方針を表明した。現在、国立感染症研究所や地方衛生研究所で実施している検査に関し「民間の検査機関でもできる態勢の構築に向け、取り組んでいる」と説明。民間との連携を視野に入れ、短時間で感染の有無を調べる簡易検査キットの開発に着手したことも明らかにした。
菅義偉官房長官は記者会見で、中国湖北省武漢から邦人を帰国させる政府チャーター機第4便の派遣について「中国側との調整や準備の関係上、今週半ば以降にならざるを得ない」と述べた。
外国人の入国、1日だけで5人拒否
2020年02月03日
菅官房長官は3日午前の記者会見で、中国湖北省武漢市で確認された新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を防ぐため、1日だけで外国人5人の入国を拒否したと明らかにした。
政府は1日から、過去2週間以内に湖北省に滞在歴のある人と、湖北省が発行した中国旅券を持つ人の入国を拒否することを決めている。世界保健機関(WHO)が「国際的な公衆衛生上の緊急事態」を宣言したことなどを踏まえたものだ。
ドコモとメルカリが提携へ ポイントとスマホ決済で
2020年02月03日
NTTドコモとメルカリがキャッシュレス決済の分野で業務提携することが3日、分かった。ドコモの共通ポイントをメルカリが運営するフリーマーケットアプリで使えるようにする。両社がそれぞれ手掛けるスマートフォン決済の加盟店開拓でも協力する。競争が激しい分野で協力し、生き残りを目指す。
近く発表する。国内最大級のフリマアプリのメルカリで他社のポイントサービスを利用できるようになるのは初めて。7千万人超の会員基盤を持つドコモと組むことで、購買促進につなげる狙い。ドコモもポイントの会員サービスの魅力を高めたい考えだ。
郵便局で「キャッシュレス決済」が可能に。自治体、学校に流れ広がるか?
2020年02月03日
今年の夏に開催される東京五輪・パラリンピックや、2025年の大阪・関西万博でのインバウンド(訪日外国人観光客)消費を見越して、政府が旗振り役として日本国内でのキャッシュレス化を推進しています。
2月3日より全国65の郵便局で「キャッシュレス決済対応」がスタート。5月からは対応する郵便局を大幅に増やして展開していく予定のようです。
ここにきてキャッシュレス決済に舵を切った郵便局ですが、行政サービスや公共施設、地方の公共交通機関などではキャッシュレス決済に対応していないところが多いようです。具体的にはどのような機関がまだ未対応なのか情報を以下にまとめてみました。
日本郵便の公式サイトによると、キャッシュレス決済対応の郵便窓口では、下記の商品がキャッシュレス決済の対象になります。
・郵便料金、荷物(ゆうパック、ゆうメール)の運賃
・切手、はがき、レターパックなどの販売物(印紙を除く)
・カタログ、店頭商品などの物販
また、決済に利用可能な決済ブランドは、下記の通りです。
・VISA、マスターカード、JCBなどの各種クレジット
・デビット、プリペイドカード
・iD、WAON、QUICPayなどの電子マネー
・Suica、PASMOなどの交通系ICカード
・PayPay、LINEPayなどのスマホ決済
<終わらない氷河期~疲弊する現場で>空いたポストは若手に…「はしごをはずされた」 50歳大学非常勤講師の絶望
2020年02月03日
バブル崩壊後の採用が少ない時期に、辛酸をなめた就職氷河期世代。彼らはそれぞれの業界、職場で長く苦闘を続けてきたが、制度改正や合理化によって労働環境の劣化は一層進んでいる。疲弊する現場の今を追った。次回は7日です。
× ×
遅刻しないよう、朝は早めの5時に起き、自宅のある埼玉県東部から2時間以上かけて神奈川県西部にある私立大学に向かう。1時間半のフランス語の授業を2コマ終えると、休む間もなく千葉県北部の私立大学へ。電車の中で昼食のおにぎりを詰め込み、2時間後にはまた教壇に立つ。文学や芸術の授業を午後6時に終え、帰宅する頃にはくたくただ。「毎日違う大学に行っています。一つの職場で集中したいですが、仕事があるだけましですね」。約15年間、非常勤講師を続けてきた川本昌平さん(50歳、仮名)は淡々と日々のスケジュールを教えてくれた。現在は六つの大学で講師を掛け持ちする。細いレンズのめがねにアーガイル柄のセーター、ジーンズ姿。落ち着いた口調だが、表情にはあきらめと疲れがにじむ。
◇博士号増えるもポスト増えず
埼玉県出身。子どもの頃から本の虫で、学者に憧れを抱いていた。高校時代は中国の古典「史記」に夢中になり、中国文学を志したが、1年間の浪人時代にフランス文学者が書いた本に感銘を受け、有名私立大の文学部に入ってフランス語や文学を学んだ。
新卒採用が急減した「就職氷河期」初期の1993年、卒業を迎えたが、研究者の道しか頭になく、大学院に入った。国は90年代、研究力向上を狙いに「大学院重点化」政策を進め、博士号取得者は年々増えた。当時、民間企業などへの就職が難しく大学院へ進む人も多かった。一方、正規雇用の専任教員のポストは増えず、ただでさえ少ない文系の博士の就職はより狭き門になっていた。「高学歴ワーキングプア」という言葉も生まれた。
◇恩師の言葉信じて渡仏、努力重ねたが……
博士課程が満期の3年を終える時、指導してくれていた教授が別の大学へ移った。専門性の高い博士課程で指導教員が代わる影響は大きく、「学位が遠のく」とも言われる。後任の教授に相談すると、「君の専攻は自分には分からない分野なので、フランスで博士論文を書いて、博士号を取ってくればいい。戻ってきたら、道をつけてあげるから」と勧められた。
その言葉を信じ、日本の大学院を退学して2000年に渡仏。大学の授業料や生活費を稼ぐため、現地で日本語教師として働きながら、博士論文に没頭した。授業にはほとんど行かず、図書館で文献を探しては、自宅に閉じこもってフランス語で執筆を続けた。海外での博士号取得は6年はかかると言われていたが、3年半で書き上げ、口頭試問もパスした。「孤独でしたが、お金も限りがあり、死に物狂いで頑張りました。革新的な内容のものができたという自信があったので、日本に帰れば教員になれると思っていました」
しかし、現実は違った。道をつけてくれるといった教授が病気で急逝したこともあり、04年に帰国直後、母校では非常勤講師の職しかなく、しかも週1コマしか担当できなかった。1コマの収入は年間30万円程度にしかならない。当時30代半ば。塾講師や家庭教師のアルバイトなどで食いつなぎ、年収は150万~200万円。最も少ない年はわずか60万円だった。
◇「いつかは報われる」信じ続けて
数年後には別の大学の非常勤講師も掛け持ちするようになったが、基本的に1年ごとの契約で、社会保険や一時金もなく、昇給もほとんどない。カリキュラムが変わったという理由でコマ数が減らされたこともあった。「毎年秋ごろには翌年度の授業計画が決まり、コマ数が分かる。減ると分かった時はみじめで、精神的にもかなり追い詰められました」
1人では生活できず、帰国後は年金受給者の母と一緒に賃貸マンションに住む。外食は立ち食いのかけそばですまし、飲み物は買わない。「結婚し、家庭を持ちたい」という希望はあったが、経済的に安定しない状況では踏み切れなかったという。
苦しい生活の傍ら専任教員を目指し、募集を見つけては毎年申し込んだ。これまで100件以上応募したが、面接に進めたのはたったの2回。「宝くじに当たるみたいなものです」。それでもあきらめなかったのは、「いつかは報われると思っていたから。かけてきたもの、努力してきたものが多い分だけ捨てられないじゃないですか」。
同じ文学系の大学院時代の仲間も修士課程を終えて社会に出た人は、民間企業に就職できたが、博士号を取った同年代はほとんどが今も非常勤講師などで、専任教員になった人はいないという。
大学には個人の研究室はなく、自宅でこつこつと研究を続けた。本や資料は8畳間に三つ並ぶ本棚に収まりきらず、床にも積み上がっている。論文や著書を積極的に発表し、「外国文学の研究者の中では業績は多い方」と思う。研究内容は、芸術を通してフランスの民主主義の基盤になったものは何かを整理して紹介するもので、日本に民主主義を根付かせるためにも必要な仕事だと考え、やりがいも感じていた。
◇空いたポスト 経営陣は「若い方が…」
昨秋、チャンスが訪れた。応募していたポストの面接に呼ばれたのだ。推薦してくれた教員もいて、合格の手応えはあった。50歳にして、ようやく専任教員になれると思ったが、結局、自分より若い人が選ばれた。事情を聞くと、教授会では川本さんの採用が決まっていたものの、経営陣が「若い方がいい」と反対したのだという。
国は「第5期科学技術基本計画(16~20年度)」で、若手研究者の育成が必要として、40歳未満の大学教員の数を1割増加させる目標を掲げる。川本さんは自身が不採用となったのもこうした方針が影響したと考えている。周囲でも、30代で博士号を取った後輩が専任教員となるケースが相次いでいる。「団塊の世代からは、『われわれがやめたら売り手市場だから」と言われて我慢してきた。ようやくポストが空いても、今度は補充されるのは30代。僕らは完全にはしごを外されたようなもので、一番割を食っている」
心が折れた。「もう自分は必要とされていない。事実上廃業をつきつけられていると思います」
◇博士の地位低く、選択の余地なし
最大で八つの大学を掛け持ちし、6年前から非常勤のコマ数が増えた。年収はようやく約400万円まで上がった。ただ、現状のコマ数がいつまで維持できるか保証はない。先輩の非常勤講師から50代から60代にかけてコマ数が減らされ、200万円程度に下がったと聞いた。同年代の非常勤講師は、同居する母に認知症の症状が出て介護が必要になり、経済的にも精神的にも追い込まれている。老後の不安は募るばかりだ。「手遅れになる前に、最優先すべきはフリーターから抜け出すこと」。川本さんは今、「海外逃亡」を考えている。日本語教師の口があるという。「だって選択の余地がないでしょう。海外に比べて日本では博士の地位は低く、企業も採用したがらない。せっかく専門知識があっても社会でどう生かすか考えていない。世界でもまれにみる『低学歴社会』だと思います」。そう低い声でつぶやき、次の授業へ向かうため駅の改札をくぐり抜けた。【牧野宏美/統合デジタル取材センター】
◇国の「大学院重点化政策」が裏目に
大学院で専門知識を学び、博士号を取得した人たちが正規の研究職を得られない――。博士号取得者の「就職難」が指摘されて久しい。背景には大学院生を増やすなどの国の政策があり、景気悪化が重なる就職氷河期世代を中心に大きな影響を受けている。
1990年代、国は「大学院重点化政策」を推進。研究力向上をうたい、大学院の定員を増やすもので、東京大を皮切りに広がった。少子化を見据えた経営面からの大学側の戦略、という側面もある。博士課程修了者(満期取得退学者も含む)は91年の6201人から2006年には1万5973人と15年間で約2・5倍に増えた。さらに国は、第1期科学技術基本計画(96~00年度)で「ポストドクター(ポスドク)等1万人支援計画」を打ち出し、研究人材としてポスドクの量産を進めた。ポスドクとは博士号を取得した後、公的資金から給与を得る任期付きの研究員で、主に理系分野で研究の人手不足を補う一方、就職難の博士の「受け皿」という意味合いもあったとされる。
しかし、専任教員の新規採用者数は需要に比べて伸びず、逆に非常勤の割合が増え、16年には3割近くを占めた。国立大の法人化や、私立大では少子化に伴う人件費削減などが影響しているとみられる。「博士号を取得して大学教員に就職する」という進路に乗れないケースが増え、特に99~07年の就職率は54・4~58・8%と低迷した。彼らは大学の非常勤講師やポスドクをしながら、正規職への就職活動を続ける。収入が足りず、塾講師などのアルバイトで食いつなぐ「高学歴ワーキングプア」も少なくない。
「女性科学研究者の環境改善に関する懇談会」が17~18年に非常勤講師を対象に実施したアンケート調査(回答数711、女性54%、男性45%)では、講師としての年収は50万円未満が21%と最も多く、100万~150万円未満(18%)、50万~100万(17%)と続いた。約半数が、勤務する大学で雇い止めがあると回答。不満として41%が「収入が少ない」、39%が「身分が不安定」を挙げた。
民間企業の就職も狭き門だ。文部科学省によると、企業の研究者に占める博士号取得者の割合は4・6%(16年)で、オーストリア(17・1%、11年)やロシア(10・8%、13年)、米国(10%、10年)などに比べかなり低い。採用しない理由として「特定分野の専門知識を持つが、企業ではすぐに活用できない」と回答した企業が多かった。
「高学歴ワーキングプア」などの著書がある立命館大客員研究員の水月昭道(みづき・しょうどう)さんは「国はせっかくお金をかけて博士を増やしてきたのに、能力やスキルを生かすという発想が乏しく、多くの『余剰博士』を生み出した。特にボリュームゾーンのロスジェネ(就職氷河期)世代はもろに影響を受けており、40歳を超えると行き場がなく、うつうつとしている人も多い。民間企業が積極的に採用するなど早急に対策が必要だ」と話している。
「米国モデルは手本」米大統領、自由経済の盟主誓う ダボス会議で 植樹運動も表明
2020年01月22日
トランプ米大統領は21日、スイスの世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で演説した。米経済の高成長を称賛し、「自由な企業活動を支える米国モデルは21世紀とその後の世界の手本になる」と強調。中国が国家主導型経済を維持する中、米国が自由主義経済の盟主となる姿勢を鮮明にした。会議主催者が主宰する大規模な植樹活動への参画も表明した。
トランプ氏は、大型減税や規制緩和を進め、半世紀ぶりの水準に改善した失業率などを自賛。中国を念頭に、人工知能(AI)や第5世代(5G)通信規格でも米国が先行する意向を示した。「他国も市民の自由を促進するよう要請する」とも述べた。
ダボス会議の主催団体が表明した1兆本の植樹をする計画について、トランプ氏は「米国が参画をきょう表明するのを誇りに思う」と述べ、環境問題に前向きに取り組む考えを示した。
一方、米連邦準備制度理事会(FRB)が「(一昨年末まで)あまりに急な利上げを進め、利下げは遅すぎた」と批判。マイナス金利を導入した他国・地域への不満もにじませた。
また、トランプ氏は中国との貿易協議に触れ、「略奪的な貿易慣行に誰も手を打ってこなかった」と指摘。今月署名した「第1段階」合意について、中国が市場開放に踏み出す利点を強調した。さらに「第2段階の合意に向けた交渉を近く始める」と指摘した。
ホワイトハウスによるとトランプ氏は22日までダボスに滞在し、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長や、イラクのサレハ大統領と会談する。
新型肺炎、初期対応に批判拡大 中国、事態悪化に責任追及の声も
2020年01月22日
中国国内で22日までに、新型コロナウイルスによる肺炎の発症者が300人を超えた。患者急増を受け、感染の深刻さを過小評価したり、肺炎に関する情報をインターネットに投稿した市民を処罰したりした地元当局の初期対応に批判が拡大。対応が後手に回って事態を悪化させたとして当局者の責任追及を求める声も上がり始めた。
中国では昨年12月、湖北省武漢市で原因不明の肺炎患者が続出との情報がネット上で出回ったが、感染者が多く出ているとうわさされていた市内の海鮮市場は同月末も依然として営業を続けていた。騒ぎを黙殺していた当局は、報道が出た翌日に市場を閉鎖した。
