コンビニ経営は地獄だった、元オーナーの回顧
2019年05月27日
24時間営業はもう限界——。コンビニの誕生から約40年。全国5.5万店、11兆円市場へと急成長を遂げた裏側で、現場を支える加盟店の負担はピークに達しています。『週刊ダイヤモンド』6月1日号の第1特集「コンビニ地獄」では、コンビニ業界が抱える構造的な課題にメスを入れました。
24時間営業で疲弊するオーナー
「人手不足が深刻な状態が全く改善されません。(中略)午前7時から午後11時までの営業時間への見直しの早期改善を要求します」——。
2017年、西日本のセブン-イレブンの加盟店オーナーだった新山敏朗さん(仮名)は、一縷の望みを懸けてフランチャイズ契約先のセブン-イレブン・ジャパン(SEJ)の本部に、1通の文書を送った。
「改善提案書」と題されたその文書では、「心身共に限界を超え、このままでは(働く家族)3人のうち誰かが、過労死か過労自殺するかもしれません」と、悲惨な現状が訴えられている。
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「消える仕事」トラック運転手がもつ矜持
2019年05月27日
1年間に流通する宅配便の数は年間80億個。そのすべては人の手で運ばれている。茨城県で運送会社を経営している鳥波(とば)孝之さんは「日持ちのしない乳製品を運んでいるので年中無休になってしまう。楽な仕事ではないが、社会の発展のために尽くしたい」と話す——。
鳥波運送の大型トラック(写真=鳥波社長提供)
■日本の配送業者は6万社超、ほとんどが中小企業
「メディアで報道される『配送』は、宅配便の例がほとんどですね。宅配便は誰にとっても身近で、分かりやすいと思うので否定はしません。ただ、全国津々浦々の戸口に配達する宅配便は、あくまで小口配送の一業態で、大手中心の事業です」
今回の取材は、運送業界の関係者からこんな話を聞いたのがきっかけだった。
筆者自身を振り返れば、これまで「宅急便」(ヤマト運輸)を複数回取り上げ、「共同配送」「センター納品」などもテーマに記事を書いたが、取材先は大企業やその関連企業だった。それなら業界(約6万2000社)の大半を占める中小企業の実態を聞こうと思い、「中小の集まりであるトラック協会」の関係者に取材したのが本稿だ。
この業界は、どこに焦点を当てるかで記事の中身が大きく変わる。特に「物流」「運送」「配送」では異なり、専門用語も多い。業界関係者はともかく一般読者には分かりにくい。今回は日本の配送の一翼を担う「中小トラック運送の事例」として読んでいただきたい。
ネットでの通販や発注が一般的となったのもあり、小口の配送荷物は増加傾向にある。個人や会社がワンクリックで注文・発注できる時代であっても、商品は空を飛んで来るわけではないからだ。
そもそも国内で「小口荷物」(30キロ以下)は、1年でどれぐらい配送されているのか。業界を管轄する国土交通省に聞いたところ、完全な該当データが無かった。
それに近いものが、2016年度の「国土交通省調査」だ。「宅配便等」(30キロ以下)が約80億個。内訳は「宅配便」(約40億1900万個)と「トラック」(約39億7800万個)がほぼ同数。さらに「航空等利用運送」(約4100万個)があり、軽量の「メール便」は約52億9000万個だった。
「トラック」とはトラック便という意味だ。国民1人当たりで年間に約70個弱(宅配便+トラック)を利用している計算となる。
■茨城から九州まで3日間走りっぱなし
今回、個別取材に応じてくれたのは、茨城県古河(こが)市にある茨城流通サービス社長の小倉邦義氏と、鳥波運送社長の鳥波孝之氏だ。ともに業界歴は30年以上で、小倉氏は一般社団法人茨城県トラック協会・古河支部の支部長、鳥波氏は同理事でもある。
「私たちが運ぶ荷物は、送り手(荷送り)も受け手(荷受け)も対象は企業や団体。BtoB(企業対企業)事業です。宅配便はBtoC(企業対個人)も多いのですが、それではありません。でも、お客さん(送り手・受け手)の事情に合わせるのは共通しています」
小倉氏はこう語る。ちなみに茨城流通サービスは北関東を中心に、2トン車(積載量は2.0トン)、4トン車(同3.2トン)、大型車(主流は14トン車)で工業製品や雑貨類などを輸送するほか、取引先の工場で流通加工業も行う。
近年は「積み合わせ輸送」に注力している。積み合わせ輸送とは、1つのトラックで十数社を回り、荷物を積んで運ぶこと。共同配送の一種で集荷に手間がかかるが、その分「価格競争」に巻き込まれにくいという。
一方、鳥波運送は、県内や近県への乳製品や飲料配送を得意とする。時には九州までの荷物を依頼されることもある。後述する「物流2法」による規制緩和で、これまでは制限されていた配送業者の「営業区域」もなくなったからだ。
「前回は福岡県までの依頼で、コンテナに荷物を積んで古河市から埼玉県の熊谷市まで陸送。熊谷駅の貨物ターミナルでコンテナごと積み替え、貨物列車で福岡市内のターミナルまで運びました。そこから目的地まで陸送したケースがあります」(鳥波氏)
■社長自ら配送、晩酌はしない
同じように両社を紹介したが、小倉氏の会社と鳥波氏の会社では企業規模が異なる。グループ全体で年商が約20億円の茨城流通サービスに比べて、鳥波運送は1桁少ない。祖父が事業を興し、大学3年から父(現在は故人)の仕事を手伝い始めた鳥波氏は、妻が事務全般を担当し、実弟が専務を務める“家族経営”だ。時には「運転手」の役割も担う。
鳥波運送の取引先である食品業の担当者は「社長が自ら配送してくれることも多く、腰の低い気配りのある人」と話す。事務所での作業が多い鳥波氏だが、緊急時にはこんな1日を送る日もある。
深夜1:00 5時に出社予定のドライバーより「発熱欠勤願い」の連絡。代行運転を専務に頼み、自分は専務が行く予定だった都内行き便の準備に取り掛かる。
4:00 出社。早朝点呼後、都内に向けて出発。
9:00 都内の取引先に納品。
13:00 会社に戻る。ほぼ同時に、約束した来客に対応。
14:00 社長室で今日初めての食事。終了後、事務員(妻)に断り、1時間程度の仮眠。
16:00 翌日の荷物を積むため、取引先の工場に向かう。18時で終了。
18:30 帰社。時間差で戻ってくるドライバーと対面点呼。気づいた出来事などを伝える。
19:00 社長以外は退社。業界団体の活動準備に充てたり、時には自由時間もできる。
22:00 事務所を閉め退社。
23:00 帰宅。軽く食事をとるが、晩酌はしない。
晩酌をしないのは、早朝に「代行運転」となる事態に備え、酒気帯び運転にならないためだ。
■悩みは視力が落ちた高齢ドライバーの処遇
関係者の“奉仕の精神”にも支えられる運送業界だが、残された課題は多い。
「この業界は1990年12月に実施された『物流2法』により規制緩和が進み、参入業者が増加。約4万社が6万社以上になりました。でも当時と現在で、車両の総保有台数はほとんど変わらない。新規参入しやすくなり、玉石混交な一面もあります」
小倉氏はそう指摘する。「物流2法」とは、貨物自動車運送事業法と貨物運送取扱事業法で、前者の法改正によりトラック事業が「免許制」から「許可制」に変わった。それに伴い、過当競争も起きた。今では各社が当たり前のように行っている配送無料サービスだが、「販売元と配送業者のどちらが物流コストを負担するか」の問題も依然として残る。
「なかなか理想通りにはいきませんが、『配送品質』『交通安全』『雇用確保』やそれに伴う労務問題などを、どこまで高い次元でバランスを取るかだと思います」(鳥波氏)
茨城県トラック協会が毎年開催している交通安全教室の様子。地元の小学生を対象に、トラックの死角などを教えている(写真=鳥波社長提供)
配送品質について小倉氏は「自社の立場では、ドライバー教育に尽きる」と話す。
「当社のドライバーの平均年齢は42〜43歳。業界平均の47〜48歳よりは若いですが、年に6回、教育研修を実施して、安全運転や荷物管理を徹底しています。個人差がありますが、第一線で活動できるのは65歳ぐらいまで。多くの人は動体視力が落ちるのです。状況に応じて、例えば運転業務から倉庫内業務に配置転換することもあります」(小倉氏)
■「人付き合いが苦手」でもやりやすい
人手不足とはいえ、若い世代も入社する。運送業界を志望する理由は、総じていえば(1)車の運転が好き(2)、他業界に比べて30歳までの賃金は恵まれている、(3)運転中は特に細かく拘束されないので、人付き合いが苦手な人もやりやすい——からだという。
トヨタ、ミャンマーに工場=年数千台、新市場に布石
2019年05月27日
トヨタ自動車が、ミャンマーに初の車両工場を建設することが26日、分かった。年内に着工する。大型のピックアップトラックを年間数千台生産する計画。投資額は数十億円を見込む。新たな拠点を置くことで、急速な成長が期待されるミャンマー市場の開拓に布石を打つ。
工場は最大都市ヤンゴン近郊の「ティラワ経済特区」に新設する。ミャンマーは部品産業が育っていないため、日本や周辺国で生産した部品を輸送し、現地で組み立てる「ノックダウン方式」を採用する。
[時事通信社]
水産庁、商業捕鯨枠を近く決定へ
2019年05月27日
水産庁は7月に予定されている31年ぶりの商業捕鯨再開に向けて、捕獲枠を近く決定する。現在市場に供給される鯨肉のうち、半分程度の年間2500トン前後が再開後に取りやめが決まっている調査捕鯨分のため、商業捕鯨で穴埋めする水準になるかどうかが焦点だ。
現在の国内市場への鯨肉供給は調査捕鯨の副産物、国際捕鯨委員会(IWC)が規制していない小型捕鯨やイルカ漁などによる捕獲、捕鯨国アイスランドとノルウェーからの輸入に分かれる。
調査捕鯨のデータなどから推計すると、2017年の供給は全体で約5200トンで、調査捕鯨分はほぼ半分の約2800トンを占めた。
コンビニ店主「もう生きていけない」 経営難でも近くに新店、ドミナントの実態
2019年05月27日
疲弊するコンビニオーナーたち。原因の1つには、過剰な出店競争がある。売上を食われるだけでなく、労働力も奪い合いになり、人を確保できなければ、オーナーの労働時間は増える。
とりわけ、同じチェーンが近隣にできるドミナント(集中出店)については、味方のはずの本部から売上を削られることになり、オーナーたちの不満も大きい。本部側は「丁寧に説明」というが、抗議しても白紙になるのは稀。損失に対する補償があるわけでもない。
●本部のアドバイザーが新店に引き抜き
「うちは深夜のスタッフが定着していたから、ドミナントされても売上が多少落ちるかな程度にしか思っていなかったんです」——。
通り沿いに同じチェーンの新店舗ができると聞いても、長くコンビニを続けてきたオーナー夫妻はあまり動じなかったという。もちろん売上は減る。それでも十分生活できると思っていた。ある事件が起こるまでは…。
「深夜スタッフが引き抜かれたんです。その子が周りの同僚にも声をかけ始めました」
裏で手引きしていたのは、本部の経営相談員(OFC/SV)だったという。味方だと思っていたのに、「敵」に塩を送っていたというわけだ。本部からすれば、加盟店はすべて「ファミリー」かもしれない。しかし、加盟店にとっては他チェーン同様「ライバル」だ。
コンビニ加盟店ユニオンが5月13日に都内で開いた勉強会では、チェーンの枠を超え、およそ20人のオーナーらがドミナントの実態などを報告した。
●ドミナントの影響、はっきり教えてもらえない
東日本のあるオーナーも、もうすぐ近隣に同じチェーン店ができるという。本部に不満を訴えたが、予定は撤回されなかった。
「店は住宅地にある。努力して住民と関係を築き、売上を伸ばしてきた。ドミナントが不安だと相談しても、本部の担当者は『売上が減る可能性はゼロではない』としか言わない」
少なくとも短期的には売上が減るだろう。加盟店が知りたいのはいくら減るか、いつまで減るかだ。しかし、担当者は何も教えてくれないという。
西日本のオーナーもこの春、ドミナントの計画を聞かされた。本部にどんな見通しで出店するのか、詳細を尋ねたが回答を拒否されたという。「既存のオーナーは尊重されていない」と怒りを隠さない。
別のオーナーの店の近くでも、新店の計画が進んでいる。十数年前にドミナントされたときは、日販が10万円以上落ちたといい、影響を心配している。
新店の候補地そばには、別チェーンのコンビニもある。「うちだけでなく、他のチェーンにも被害が及ぶ。何としても阻止しないといけない」。無論、他のチェーンのオーナーたちにも生活がある。
●陣取り合戦の駒にされるオーナーたち
地域をドミナント(支配)するには、他チェーンのコンビニを撤退に追い込めば良い。表面上は大企業間の「陣取り合戦」だが、その「駒」の多くは零細商店主であるコンビニオーナーだ。
たとえば、今年3月末で閉店したセブンイレブン東日本橋1丁目店(東京都)は、2010年にオープンすると、ローソンやファミリーマートなど、他チェーンを撤退させた。
しかし2013年、そのローソン跡地に同じセブンが出店し、経営難に陥った。両者は直線距離で100mも離れていなかった。
店のオーナー齋藤敏雄さんは5月20日に都内で記者会見を開き、「(同じチェーンなら)同じ商品が置いてある。客は近い方に行く。共食いになる」と話した。
齋藤さんによると、オープン後、担当OFCに言われるがまま大量の廃棄を出していたという。多く捨てることをいとわず、多く仕入れる。品揃えの良さが他店舗を撤退させる原動力にもなった。
一方で、コンビニでは廃棄のほとんどはオーナー負担(セブンは原価の85%)。店の利益が少なく、経営基盤がぜい弱だったことが、ドミナント後の苦境の一因になったと自己分析していた。
齋藤さんの経営力不足は否めない。しかし、チャージという形で経営指導料を得ている本部の方も未熟なオーナーを指導できていたと言えるだろうか。セブンのオーナー募集ページでは「未経験でも大丈夫」として、OFCが頼りになる存在として描かれている。
齋藤さんは閉店の経緯についても納得しておらず、本部からの一方的な通告があったと主張。裁判も視野に今後の対応を検討しているという。
●赤字確定の低日販店にドミナント
ドミナントについては、弁護士ドットコムニュースのLINE@にも、さまざまなチェーンのコンビニ加盟店から体験談が寄せられている。
たとえば、関東のあるオーナーは最近200mほど先にドミナントされ、売上が10%以上落ちた。計画は水面下で進められており、オーナーが問いただしたことで、やっと本部が説明に来たそうだ。「自分たちのノルマと本部の利益しか考えていないと改めて実感しました」
別のオーナーは他チェーンを閉店に追い込んだところにドミナントされ、売上が落ち込んだ。「(売上を)育てた途端に本部に横取りされた」と怒りを隠さない。
「このままじゃ、もう生きていけません」と言うのは、ある地方のオーナー。車ですぐのところに近々、同チェーンの店がオープンするという。
「本部の言う通りに発注していたら、500万円ほどあった貯金がなくなってしまいました。オープンから5年以上たち、売上はようやく平均に近づいてきましたが、人件費が上がり、自分がシフトに入りっぱなしでもギリギリの生活です」
今度のドミナントで赤字は間違いないという。しかし、本部に抗議しても生活費を下げろと言われるだけだという。学齢期の子どもがおり、将来の不安は募るばかり。
「日販が高い店の近くにドミナントするならともかく、それほど高くない店の近くにもう1店舗出したらどうなるかは分かっているはずなのに…」
●ドミナントには記録やシミュレーションで対抗
ドミナントの計画を伝えられたとき、加盟店に成すすべはないのだろうか。
コンビニ加盟店ユニオンの顧問で、長年コンビニの問題に取り組んできた中野和子弁護士は、5月13日の勉強会でドミナントを回避できた事例を紹介し、記録やシミュレーションの重要性を指摘した。
中野弁護士が知るドミナントを回避した店舗は、駅から住宅地への途上にあったという。駅近くの出店計画が持ち上がり、客を奪われる恐れが出てきたそうだ。
そこでオーナーは、店に地図を置いて、客がどこからやってきたか、シールを貼ってもらったという。店の「商圏」を具体的に把握するためだ。そうすると、新店舗ができたとき、売上がどのくらい減るかの推計ができる。これが本部との交渉材料になったという。
「ドミナントの話が出てきたら、本部の話をきちんと録音するようにしてください。その上で自分の商圏を調べる。本部に新店の商圏がどこなのかを聞くことも大事です」
とはいえ、中野弁護士が知る事例はこの一件だけ。実際にドミナントを回避するのは困難かもしれない。
そこで中野弁護士は、ドミナントされたら前後の客数や数字など、売上への影響をきちんとまとめておくべきだと指摘する。
「減った売上を回復するため、本部は補償しないのか。コンビニのロイヤリティーは宣伝や、システム・商品の開発のためだけではなく、経営指導料も入っている。指導して儲けさせるという契約でもある。数字の回復を求めていくことも必要だ」
この場合も重要なのは、できるだけ正確な記録だ。
ちなみに韓国など、フランチャイズのドミナントについて距離や利益減の幅などで一定の制約をかけている国や地域も一部存在するという。
(弁護士ドットコムニュース)
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米中貿易戦争でドル円相場は?軟着陸から最悪まで「3つのシナリオ」
2019年05月27日
今年に入り収束に向かいつつあると見られていた米中貿易戦争は、トランプ米大統領が5月6日、延期していた中国からの輸入品2000億ドル相当分に対する10%の関税を25%に引き上げる方針を突然表明し(10日に発動)、中国が13日に報復関税措置を発表したことで(発動は6月1日)、再び激化した。
米国側の説明によれば、中国側がこれまでの合意の一部を白紙に戻したことが原因とされている。23日に米国株は大きく下落し、ドル円は米中長期金利の低下とともに109円台へ下落した。今後想定される3つのシナリオごとの、米国株・金利、ドル円、中国人民元の見込みは次の通りとなる。
【シナリオ1】
中国が歩み寄り
=人民元、米株、ドル円が上昇
このシナリオは、米中貿易戦争の激化の中で、相対的に悪影響が大きい中国が、米国によるさらなる関税措置(第4弾、対中輸入の残り約3000億ドル程度に対する25%の関税賦課)を怖れ、米国の要求を飲むというものだ。この場合、6月にかけて複数回の米中閣僚級通商協議が行われ、6月28〜29日に大阪で開催されるG20首脳会議の際に米中首脳会談が開催され、最終合意に至る。結果として追加関税措置は行われず、これまで引き上げられた関税は引き下げ、もしくは撤廃されるだろう。投資環境としてはベストシナリオとなる。
このシナリオの場合、これまで売り圧力が最もかかっていた中国・人民元や中国株、豪ドルなど資源国通貨、そして、中国経済の悪影響を受けやすいと同時に中国と輸出市場で競合するアジア諸国の通貨は反発するだろう。米国でも、事業環境の不透明感が後退することから米国株が上昇し、利下げ期待も後退するため中長期金利が上昇するだろう。ドル円相場は、米株高、米金利上昇の両面で下支えされ、113円程度への上昇もあり得る。
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24時間問題「反省」=加盟店支援を強化—セブン&アイ総会
2019年05月23日
セブン&アイ・ホールディングスは23日午前、東京都内の本社で定時株主総会を開いた。傘下のコンビニエンスストア最大手セブン—イレブン・ジャパンでの24時間営業をめぐる加盟店とのトラブルに関し、井阪隆一セブン&アイ社長は「大変申し訳ない状況で、経営トップとして反省している」と陳謝した。
企業イメージやビジネスモデルを揺るがす事態に発展し、株価は約3割下落。井阪氏は出店の厳格化や省人化投資などを通じて加盟店支援を強化する考えを示した。
質疑では、株主から「24時間営業問題を早く解決して株価を上昇させてほしい」との声や、本部と加盟店とのコミュニケーションの充実を求める意見が出た。
「中国軍ミサイルの脅威」で潤う米国の防衛産業
2019年05月23日
北京の天安門広場で開かれた軍事パレードに登場した中国の中距離弾道ミサイル「DF-26(東風26)」(2015年9月3日撮影、資料写真)。(c)ANDY WONG / POOL / AFP〔AFPBB News〕
(北村 淳:軍事アナリスト)
昨年(2018年)末にトランプ政権はINF条約廃棄を決定した。この決定により、ロシアとアメリカは互いに気兼ねすることなく射程距離500〜5500kmの地上発射型ミサイル(短距離弾道ミサイル、準中距離弾道ミサイル、中距離弾道ミサイル、長距離巡航ミサイル)を製造し保有することが可能になった(以下、本稿ではINF条約で規制されていた上記の地上発射型各種ミサイルを「INFミサイル」と呼称する)。
米国で高まる中国INFミサイル脅威論
INFミサイルを手にできる日が近づくに伴って、アメリカのシンクタンクなどでは、「アメリカが手にしてきた東アジア地域での覇権を失わないために、世界最大最強(アメリカ国防情報局の表現)とも言える中国のINFミサイルの脅威に対する真剣な抑止策を固めるべきである」といった意見が論じられるようになっている。
例えば、次のような論調だ。
「中国ロケット軍が保有している高性能INFミサイルは、東アジア各地に設置されているアメリカ海軍基地と航空基地を正確に攻撃し、大打撃を加えることができる。また対艦弾道ミサイル(これもINFミサイルに含まれる)も航行中の米海軍空母をはじめとする大型艦を撃沈することができる。ところが、米軍はそれらミサイル攻撃に対する有効な反撃手段を持ち合わせていないのが現状だ。
もし米中が戦闘状態に突入した場合には、日本に確保してある航空基地や海軍施設が中国ロケット軍の反撃を受けて壊滅的打撃を受け、米軍機や米艦艇は補給や修理のためにグアムまで退かなければならない。しかし、中国軍のミサイルはグアムも壊滅させることができるため、ハワイまで前進補給拠点を下げざるを得ない。これでは、中国軍と戦闘を交える最前線の米軍部隊が勝利を収めることは至難の業だ。
それよりもさらに深刻な想定は、中国が極東米軍に対して奇襲先制攻撃を実施した場合だ。この場合、中国の各種ミサイルによって日本の航空基地に駐機している米軍機の大半は飛び立つことなく地上で粉砕され、日本の軍港に係留してある数多くの米軍艦も港湾内で撃沈されてしまうことになる。このようにして、何十億ドルもの予算を投じた高価な兵器だけでなく、多数の米軍将兵の命をも、あっという間のうちに失うことになってしまうのだ。
もし中国軍の強力なミサイル戦力の脅威から退避するために、米軍を日本からハワイのような安全地域に後退させて迎撃態勢を固めようとするならば、いくら巧妙な口実を造り出したとしても、日本側は不信感を抱くであろう。アメリカベッタリの日本の指導者たちといえども日米同盟に深刻な疑問を抱くことは必至だ。これこそ、中国が狙っているアメリカの同盟態勢の分断であり、アメリカが東アジアから追い出されることを意味するのだ」
今になって中国ミサイルに対抗しようとする理由
主として日本や台湾を「短期激烈戦争」によって壊滅させることができるほど強力な中国のINFミサイルの脅威については、数年前より少なからぬ米海軍関係者が警鐘を鳴らしており、本コラムでも取り上げてきた(本コラム2014年2月27日「『中国軍が対日戦争準備』情報の真偽は?足並み揃わない最前線とペンタゴン」、2015年9月17日「中国軍が在日米軍を撃破する衝撃の動画」、拙著『巡航ミサイル1000億円で中国も北朝鮮も怖くない』など参照)。それにもかかわらず、米軍当局や多くのシンクタンクはそのような警告には耳を貸そうとはしなかった。
ところが、アメリカ自身が各種INFミサイルを自由に製造し手にすることができるようになると、たちまち「中国のINFミサイルによる深刻な脅威」が取り沙汰されるようになった。それはなぜか?
その大きな理由は、上記の脅威論とともに浮上してきた、次のような対抗策から読み取ることができる。
「中国の強力なINFミサイル戦力に対抗し抑止するためには、アメリカ自身が強力なINFミサイル戦力を作り上げ、同盟国にINFミサイル部隊を配備するべきだ」
すなわち、中国のINFミサイルの脅威から同盟国を防衛するために、これまでINF条約で製造も保有も禁止されてきた地上発射型短距離弾道ミサイル、地上発射型準中距離弾道ミサイル、地上発射型長距離巡航ミサイル(いずれも非核弾頭搭載)をアメリカ軍が装備して、東アジアの同盟国、主として日本に多数配備する、というアイデアである。
これによって、地上発射型弾道ミサイルシステムや地上発射型長距離巡航ミサイルシステムに関連するアメリカの防衛産業は特需景気で潤うことになるのだ。なんといっても、中国ロケット軍のINFミサイル戦力を抑止するだけの強力な戦力を構築するためには、数千基の弾道ミサイル、それより多数の長距離巡航ミサイル、加えてそれらの発射装置、制御装置、それにレーダー装置などを大量に製造する必要がある。中国のINFミサイル戦力の“脅威”によって、アメリカの防衛産業は大きな利益を得るというわけだ。
課題は接受国の確保
このように「アメリカ軍が地上発射型INFミサイルを同盟国領内に展開させて、中国ロケット軍のINFミサイル戦力を抑止する」という方策は、すでにアメリカ地上軍の先鋒部隊である海兵隊関係者からも提示され始めている。
先進的兵器で身を固めている中国軍に対して、海兵隊は強襲や襲撃といった伝統的な水陸両用作戦を実施することが不可能になりつつある。そこで海兵隊にとっては、前方展開ミサイル部隊に新たな存在価値を見出す必要に迫られているのだ。
もっとも、地上発射型ミサイルシステムを装備した部隊を展開させる同盟国といっても、そのような外国軍隊の地上部隊を自国の領域内に多数配備させることを容認する可能性があるのは、アメリカの言うことは何でも聞く安倍政権くらいのものである。ただし、政権が代わったらどうなるかはわからない。
そのため、地上発射型ミサイルを同盟国に配備するというアイデアにとって最大の課題は、多数の地上発射型INFミサイルを装備した米軍地上ミサイル部隊を受け入れてくれる接受国を確保する作業ということになる。
筆者:北村 淳
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フリマアプリに駆逐される?苦境のリサイクルショップ事情
2019年05月23日
サイクルショップ大手のハードオフコーポレーションが5月9日に発表した3月期決算で、連結経常利益が前期比16.6%減だったことに見られるように、ここへ来てリサイクルショップ業界が苦しい状況にあるという。
「帝国データバンクの調べによれば、2018年のリサイクルショップの倒産は30件となり、前年度と比べ2倍にまで増えています。原因は“フリマアプリ”にあると見られ、国内No.1フリマアプリの『メルカリ』は、スタートから5年で流通額が1兆円を突破している。アプリとなると自宅で手軽に出品・購入でき、商品の取扱量もリサイクルショップとは比べ物になりませんからね」(経済評論家)
普段、フリマアプリを利用する人たちがリサイクルショップを利用しない理由についてSNS上を覗いてみると、《リサイクルショップは買取価格が安くて販売価格は高いから、フリマアプリに流れるのは当然》《わざわざリサイクルショップまで足を運んでも欲しいものが置いてあるとは限らない》《リサイクルショップは相場が似たようなものだがフリマアプリにはとんでもない値での買い取りや掘り出し物があったりする》などの意見が出てくる。
「ただ、安くて便利で掘り出し物もあるフリマアプリですが、利用には注意も必要です。買ってみたら写真とは違った、ニセモノや壊れた商品が届いた、いつまで経っても金が振り込まれないなどのトラブルが続出していることも事実。国民生活センターの調べでは、17年のフリマアプリに関するトラブルの相談件数は3330件で15年から倍増していますが、これが氷山の一角にすぎないことは明らか。厳しい状況のリアル店舗のリユース業界ですが、アプリでは埋めきれない安心と信用を前面に出していくしかありません」(業界関係者)
果たして、勝ち目はあるのか。
(小林洋三)
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米国はファーウェイの息の根を止めるのか?
2019年05月23日
貿易戦争のエスカレートに続いて、5月15日にトランプ米国大統領が打ち出した“華為技術(ファーウェイ)殺し”が世界を動揺させている。世界の企業と市場に「米国か中国か、どちらを選ぶのか」と踏み絵を迫る意味があるからだ。
ファーウェイと取引のある企業のみならず世界経済に当面ネガティブな影響を与えることは必至だが、それが泥沼消耗戦となるのか、新な国際秩序の起点となるのか。
市場の奪い合いを超えた「世界大戦」
米商務省が公開したエンティティリストに入っているファーウェイ関連企業は中国深センのファーウェイ本社や日本法人を含め69社。輸出者が輸出許可を取得しない限り、エンティティリストに入っている外国企業との取引は禁止される。つまりファーウェイは、米国企業から部品調達はもうできない。
米企業のみならず、日本企業を含む外国企業も、米企業の技術を25%以上使った部品をファーウェイ企業に売ることはできない。それどころかファーウェイはじめ中国企業と共同研究している企業や機関、大学などは、米国の国家安全を棄損する可能性があるとして米企業と取り引きできなくなるだろう。
米国は、ファーウェイを筆頭にした中国ハイテク企業をグローバルサプライチェーンから完全に締め出そうとしている。中興通訊(ZTE)が昨年(2018年)早々、同様の禁輸措置を課されて、あわや倒産というところまで追い込まれたが、巨額罰金や米国の監視チームの受け入れ、経営者刷新といった米国側の要求全面的に受け入れることで、昨年7月に禁輸措置を解いてもらった。だが、ZTEに対する“制裁”は、米国にとっては、ファーウェイを追いつめるためのプロセスみたいなものだ。今回の禁輸措置は、たぶん本気の“ファーウェイ帝国”潰しだ。なぜならファーウェイを潰し切れば、“中国製造2025”戦略を頓挫させ、中国の通信覇権の野望を打ち砕くことができる。それは米中ヘゲモニー争いの勝敗の決定的な要素となろう。
もはやこれは経済上の摩擦でも、市場の奪い合いでもなく、戦争である。それも世界を巻き込む“世界大戦”といった見方でよいのではないだろうか。ファーウェイも中国も徹底抗戦の構えで、中国国内の報道ではかなり勇ましいことを言っている。
華為技術(ファーウェイ)創業者の任正非最高経営責任者(CEO)。スイス・ダボスで開かれた世界経済フォーラムの年次総会で(2015年1月22日撮影)。(c)FABRICE COFFRINI / AFP〔AFPBB News〕
1年分の米国製部品を備蓄?
ではこの“戦争”はどちらが勝つのか。
この予測については、目下、だれも明確な答えを出すことができない。どちらかがきれいな勝利を収める、という結末にはならないかもしれない。米中の経済規模の力量から言えば、米国の方がパワーがあり、米国が勝つ見通しの方が高かろう。だが、米国が完全勝利を収められるほどの力量差かというと、なかなか意見の分かれるところだ。
このあたりをBBC、ウォール・ストリート・ジャーナル、ニューヨーク・タイムズが報じている内容を総じて、見てみよう。
2018年末にファーウェイが発表した主要サプライヤー92社のうち33社がインテル、クアルコム、ブロードコムといった主に米国の半導体企業である。25社がBYDや京東方科技集団など中国の液晶、電池企業。11社が村田製作所や東芝ストレージ、ソニー、三菱電機など、主にカメラ、電子部品を供給する日本企業。10社が鴻海、TSMCなど半導体製造、スマートフォン組み立ての台湾企業。このように米国への依存度が突出し、しかもベースバンドチップ、無線チップ、ストレージといった核心的な部品を米国から調達しているのだから、そこを押さえられたらファーウェイは絶対絶命、という見方は当然ある。
ただ、ファーウェイは自前半導体を設計、生産できるメーカー、ハイシリコンを傘下に持っていることがZTEとは違う。問題は、すべてのファーウェイ製品に必要な半導体をカバーできるだけの生産ライン、生産規模をハイシリコンが目下もっていないということだ。2015年のファーウェイの半導体購入総額は140億ドル、うちクアルコム18億ドル、インテル6.8億ドル、ブロードコム6億ドル。ということは、短期的にはこれだけの額に相当する半導体が調達できず、生産に支障をきたすことになる。
ただ、はったりかもしれないが、ハイシリコン総裁の何庭波は社員に向けた公開書簡の中で、「数年前から今回のようなすべての米国の先進的半導体やその技術を得られない事態を想定して準備していた。・・・すでに“スペアタイヤ”を持っている」としている。
さらに第一財経によれば、ファーウェイはこの危機を予見して、核心的半導体の在庫が将来1年分くらいある、とか。つまり、米大統領選までの1年くらいは頑張るつもりで、在庫も代替技術もいろいろできることは準備していた、という話だ。
BBCの記事では、特許データ統計会社のIplyticsの見解が引用されている。いわく今年4月までに、5G標準に必要な特許総量は6万件以上、うち中国企業が申請している5G特許は35%、うちファーウェイの特許は15%でトップシェアを占める。さらにファーウェイが1年分の米国製部品の備蓄を整えているというのが本当なら、「ファーウェイは短期的影響を克服できると判断する。ファーウェイが自分でコントロールできるサプライチェーンを作り出せるかは1年以上の経過観察が必要」としている。
ファーウェイは「意外に健闘」か
さらにファーウェイは非上場企業。米国サプライヤー企業はほとんど上場しているので、株価が影響を受ける。クアルコム、ブロードコムは5月16日にそれぞれ4%、2.33%下落。ファーウェイに光学部品を提供するネオフォトニックの株価は20.63%暴落で、これは創業4年以来の1日における最大暴落幅を記録した。ファーウェイに言わせれば、このファーウェイ締め出しによって、米国企業は万単位の雇用が影響を受ける、らしい。
もう1つ、米国半導体企業にとっての懸念材料は、米国の半導体企業が中国人エンジニアを雇いにくくなっていることだ。米政府はハイテク分野の中国人企業スパイを懸念して、その雇用に必要な審査や手続きが厳格化されている。だがインテルやクアルコムのエンジニアの6割が中国人であり、米国半導体業界の人材不足が深刻化しつつある。同時に、米国企業から排除されたハイテク人材が中国企業に集中して、中国の自前サプライチェーン確立にむしろ利するのでは、という考え方もある。
そう考えると、ファーウェイは意外に健闘するのではないか、とも思えてくる。
米国サイドの最大の強みは、ファーウェイを含め中国企業の半導体設備装置および検査装置、材料などがまだ内製化に至っていないことである。ただ、当たり前だが、中国は自国の半導体産業の弱点については熟知しており、製造装置や検査装置の開発は最優先で資力人力を投じている。実際、すでに2018年秋の段階で、上海微電子装備がそれなりの露光装置を完成しており、日本の専門家たちに言わせれば5年から10年もあれば中国も自前の製造設備を完成できるのではないか、という。
この5年を長いと思うか、短いと思うか。5年といえばトランプがもう一期大統領になったとして丸々の任期である。この間、中国ハイテク企業が米国主導のサプライチェーンから締め出され、地を這う経済の中での大衆の不満を力で抑え込み、苦境を生き抜き、自国主導のグローバルサプライチェーンを築いて生き残るかどうか。
いずれにしろ、米半導体企業の売り上げは大きく鈍化し、その競争力は衰えるだろうし、中国ファーウェイ帝国の影響力は大きく縮小されることになる。何のかんの言っても中国14億市場は今ファーウェイ応援一色に煽動されているので、ファーウェイが短期内に倒産に追い込まれるという感じではなさそうだ。
米中のヘゲモニー争いが世界を二分する
今後の展開としてロンドン政経学院(LSE)の金刻羽教授や香港中文大学工程学院副院長の黄錦輝教授がBBCのインタビューに答えて言うのは、世界の通信システム・インフラが二分化される状況への突入だ。
金刻羽は「このようなシステムの二分化は強大な効率の損失だ」と批判するが、実はこの二分化は、単に通信システム・インフラが米国標準と中国標準に二分されるだけではなく、鉄のカーテンで隔てられた冷戦構造のように経済・貿易・金融のみならず価値観、安全保障、秩序、ルールでも世界を2つに分けることになる。それは効率の問題ではなく、新たな国際秩序の起点という意味を持つ。
問題はうまく世界が2つに分かれるか、どちらの世界がより発展するのか、日本は勝ち組に入るのか、という点だろう。
日本の取れる選択肢ははっきりいって米国サイドしかない。安全保障の観点からも価値観の観点からも、たとえ企業にとってはある程度のマイナス利益を飲むことになっても、「反日」を政権の正統性の根拠に置いている共産党体制の中国陣営に入ることはできない。だが、他の国はどうだろう。対中国に対する危機感の希薄なEUは足並みがそろえられないかもしれないし、中央アジアや中東、アフリカの部族社会は意外に中華独裁的価値観になびくかもしれない。中国秩序圏が膨張すれば、日本は米国秩序圏との境に位置する最前線にいる覚悟が問われよう。
米中のヘゲモニー争いは貿易戦争や通信覇権争いだけでなく、朝鮮半島、シリア・イラン、台湾、南シナ海あたりの様々な国際情勢の変化、双方の政権の安定性などの影響を受ける。政権の安定性からいえば、私は習近平の足元の方が、トランプよりも危ういと思っているのだが、欧米リベラルメディアの中にはトランプの足元を心配する声も少なくない。ひょっとすると新たな秩序が登場する前に、双方が消耗戦に入り、長期の混沌と消耗の世界的停滞時代を経験するかもしれない。中国の体制が経済の悪化に耐えかねて瓦解する、というシナリオだってないとはいえない。
まあ、トランプもころころ発言を変えるし、中国共産党も内部で揉めているらしい。一寸先も確定的なことは言えなくなってきた。そう遠くないタイミングで日本も選挙を迎えるのだとしたら、この難しい不確定要素の多い時代をうまく乗り越えるために必要な政治家を選ばなければいけない。
筆者:福島 香織
