出産すると不利? 「チャイルドペナルティー」どう防ぐ、短時間勤務でも減収小幅に
2022年09月29日
男女の賃金格差が問題になっているなか、その元凶として「チャイルドペナルティー」が世界的に注目されている。出産前後で収入が下落する先進国共通の現象だ。特に日本はその傾向が著しい。チャイルドペナルティーは、女性が潜在能力を十分に発揮できていない証しでもある。先進企業は解消策を練っている。
■短時間勤務でも減収は小幅 「仕事の質」変えず

スマートグロース制度を使うエン・ジャパンの勝又美奈さん。短時間勤務だが、減収は小幅、やりがいのある仕事も担う(東京都新宿区)
「この求人条件では応募者が集まらない。条件を見直しませんか?」。エン・ジャパンの勝又美奈さんは顧客に労働需給の現状を説く。2012年に入社し、ずっと営業職。21年に長女を出産し、今年5月に復職した。 初めての子育て。フルタイム勤務は難しいと考え、短時間勤務を選んだ。同社の育児短時間勤務は2種類あり、勝又さんは給与と職務が一律に軽減されない「スマートグロース制度」を選んだ。通常の短時間勤務は原則残業禁止。それに伴い担当も定型事務などに移る。給与も労働時間の減少率に比例して減る。 一方、スマートグロース制度は基本給は同じく減額されるものの、みなし残業代が支払われるので減収は小幅。仕事の量は調整するが、仕事の質は基本的に変えない。「出産前と同様に営業の前線で働けるのがうれしい」 子育て期のキャリアロスをどう防ぐか――たどり着いた解決策がスマートグロース制度だ。通常の短時間勤務に比べると仕事の負荷は高い。その分、月40~45時間分の見なし残業代を支給する。ただ残業は必須ではなく、実際の残業は平均月20時間程度だ。フレックスタイム勤務を併用できるので、仕事の繁閑と育児状況に応じて1日の就業時間を柔軟に調整できる。 年収500万円の社員が1日6時間の通常の時短勤務にすると概算で同340万円に減る。スマートグロース制度なら同410万円だ。人財戦略室長の平原恒作さんは「減収を抑えられるうえ、成長につながる仕事もできる」と説明する。
■男女間賃金格差の元凶か 「チャイルドペナルティー」に着目

写真:NIKKEI STYLE
このような制度の背景には、男女の賃金格差の問題がある。日本に限らず先進国共通の問題で、ジェンダー平等施策が進む国では徐々に差は縮まってきた。ただ、世界の経済学者は根強く残る関門としてチャイルドペナルティーに着目する。 チャイルドペナルティー問題は米プリンストン大学のヘンリック・クレベン教授らが19年に提起した。学歴等の性差が解消された先進国でも、なぜ格差が残っているのか。各国の統計データを分析し、出産するとあたかも罰せられるかのように収入が下落する状況が元凶だと突きとめた。 日本の状況は財務省財務総合政策研究所の古村典洋さんが厚生労働省「21世紀成年者縦断調査」を基に試算した。出産1年前の収入を基準とし、出産1年後は67.8%も減る。出産退職して収入がゼロになる人も含むので減少幅は大きめに出る。 ただ日本は他国に比べ落ち込みが大きく、その後の回復も緩やかだ。「日本では長時間労働ができないと評価されにくい。子育てに時間を割かざるを得ない女性は昇進・昇給で不利になる」と古村さんは指摘する。 今年7月に男女間賃金格差の情報公開が大手企業に義務付けられた。チャイルドペナルティーの解消に向けて先進企業は先手を打つ。 帝人は20年7月に昇進規定を見直した。国内外の主要グループ企業8社の男女間賃金格差を19年から調査。格差の要因を分析し、日本では育児休業を取得した社員の昇進が平均1年遅れると分かった。人事評価に空白が生じる場合があり、管理職への昇進を見送る事例があった。「育休前後の評価を補正し、能力に差がないなら昇進が遅れないように改めた」(人財開発部) 20年度に「キャリアの早回し」を導入したのは、双日だ。一般的に日本の大手企業は、若手社員に横並びで経験を積ませる。課長やリーダーといった管理職に昇進するのは30歳以降。女性にとっては出産・子育て期と重なる。ここでキャリアロスが生じると男女差がなかなか埋まらない。 海外勤務の経験がないと課長になれない双日も、初めて海外赴任するピーク年齢は30歳。出産と重なり、赴任チャンスを逃す女性社員が少なくなかった。このままでは管理職に登用できる女性が限られる。そこで人事異動ではない国際インターンシップ制度を活用し、女性社員を20代で海外に送り出すようにした。 ミニストップベトナムで働く合田紗希さんは18年入社で20代半ば。人事部門を経て今年2月から同社に出向し、現地赴任した。同国内で展開する約130店舗の事業全般に携わる。「利益とコストの詳細にも目配りが必要で、貴重な経験を積めている」。独身だが、いずれ結婚して子どもは持つつもりだ。「今のうちに成長しておきたい」 双日も男女間賃金格差はある。要因の一つは女性管理職比率の低さだ。女性課長比率は10.5%(今年4月)、30年度に20%程度に増やす計画だ。出産などのライフイベントに伴う課題が解消できれば女性管理職は増え、賃金格差も解消に向かう。 ただ女性の育成を優先することに男性から批判は出ないのか。人事部長の岡田勝紀さんは「多様な人材が活躍する環境は組織活性化とイノベーション創発に不可欠だ。キャリアの早回しを含む女性活躍推進は女性のためでなく、経営戦略としてやっているので反発はない」と強調する。 ■能力に応じて稼げる環境をチャイルドペナルティーは当事者のキャリア意識からも生じる。育児負担が女性に重くのしかかる現状では、出産後に仕事への意欲が下がりやすい。それを引きずったままだと賃金が比較的安い定型業務で満足してしまうこともある。千葉銀行はキャリア意識を刺激する育休チャレンジプランを21年7月に導入した。市場調査や商品企画などの本部業務を育休中の社員に単発で任せる。女性社員の多くは営業店の窓口で働く。「日ごろと異なる経験を積み、育休復帰後のキャリアアップのきっかけにしたい」(ダイバーシティ推進部)。賃金は働く意欲を左右する要素の一つ。能力に応じて稼げる環境を企業は整えてほしい
ゲオがCD買取り終了、「ネット普及」理由に決断 非サブスク世代に衝撃広がる
2022年09月29日
CD・DVDレンタル大手のゲオホールディングス(HD)のCD買取り終了を受け、時代の変化を嘆く反応が続出している。 同社は取材に「年々インターネットが普及していく中、このような結論となりました」と答えた。 ■「CD売るとしたらゲオだったのに…」 ゲオHDの発表によれば、2022年9月29日をもってCDの宅配買取りを、翌30日には店舗でのCD買取りを終了する。 具体的な理由は明かしておらず、「長年ご利用いただき、ありがとうございました。ご了承のほど、何卒よろしくお願いいたします」と伝えている。 ”CD世代”には驚きをもって受け止められた。ツイッターでは「CD売るとしたらゲオだったのに…」「CDとともに青春を過ごしてきた世代としては凄く残念…」と感傷に浸る人が少なくなく、「ヤフオク、メルカリに中古流通の場がシフトしているのも関係あるのだろうか」「サブスクとかYouTubeで聴けちゃもう需要低いのかな」と流通環境の変化への言及も目立った。 ゲオHD広報課は28日、J-CASTニュースの取材に「年々インターネットが普及していく中、このような結論となりました」と背景を明かした。昨年から検討を始め、今回の決定となった。 CD販売は継続し、DVDの買取り終了の可能性は「現時点では予定はございません」とした。 なお、リユース店「ハードオフオーディオサロン」の吉祥寺店(東京都武蔵野市)でも、22年6月をもってCD・DVDの買取りと販売を終了していたとして話題になっている。ハードオフコーポレーション社長室は取材に「オーディオがメインの店のため、場所を取る機器の売り場を確保するための店独自の判断です」と回答。全社的に横展開する予定はないという。
安倍元首相の国葬、当日迎える 午後2時開式 国内外の4300人参列
2022年09月27日
参院選の遊説中に銃撃されて亡くなった安倍晋三元首相の国葬が27日、東京都千代田区の日本武道館で行われる。葬儀委員長は岸田文雄首相が務め、218の国・地域などから約700人、国内から約3600人の計約4300人が参列を予定。一部野党は国葬の根拠が明確でないことなどを理由に欠席する方針だ。 【図解】国葬の流れ、周辺の交通規制は? 戦後の国葬は1967年の吉田茂元首相以来2例目。午後2時に開式し、岸田首相ら三権の長や菅義偉前首相が追悼の辞を述べる。 吉田氏の国葬の際には、中央省庁に弔旗の掲揚や黙とうを求める閣議了解を行ったが、今回は世論の反発を考慮して見送り、「葬儀委員長決定」にとどめた。国民に弔意表明は求めない。 一般献花は、午前10時から午後4時まで同区の九段坂公園で実施される。九段坂公園と千鳥ケ淵緑道周辺は献花者以外の立ち入りが制限される。日本武道館や周辺で、儀礼用の銃などを持った儀仗(ぎじょう)隊ら自衛官約1390人が参加する。警察庁は最大約2万人の警備態勢で臨む。 国葬には、117の国・地域などは本国から代表が来日して参加し、残りの101については駐日大使らが出席。米国のハリス副大統領▽中国の万鋼・全国政治協商会議副主席▽蘇嘉全・台湾日本関係協会会長▽ロシアのシュビトコイ大統領特別代表(国際文化協力担当)――らが参列を予定する。主要7カ国(G7)から参列する首脳はいない見通し。カナダのトルドー首相は当初、参列する意向だったが、同国東部を襲った暴風雨の対応を優先するため、24日に取りやめを表明した。 国内では、現職の三権の長に加え、元三権の長15人、政党代表6人、現元国会議員約700人、都道府県知事43人、各界代表約1000人の参列を見込む。秋篠宮ご夫妻ら皇族方も参列される予定で、天皇、皇后両陛下と上皇ご夫妻はそれぞれ使者を派遣し、生花を供える。立憲民主の執行部や、共産、れいわ新選組、社民の各党は党としての出席を見送る方針だ。 国葬にかかる経費計約16億6000万円は全額国費でまかなう。2022年度予算の一般予備費から会場設営費などに2億4940万円を支出。このほかに既定予算から警備費約8億円、海外要人の接遇費約6億円など概算で計約14億円の支出を見込む。 安倍氏は7月8日、参院選遊説のために訪れた奈良市内で銃撃されて死亡した。首相は同14日の記者会見で、安倍氏が憲政史上最長の約8年8カ月にわたり首相の重責を担ったことや経済再生などで実績を残し、国際社会から高い評価を受けていること、国内外から幅広い哀悼の意が寄せられていることなどを理由に、国葬実施を表明。同月22日の閣議決定で正式に実施が決まった。
安倍元首相「国葬」関連 一般献花はじまる 多くの弔問者が手を合わせる
2022年09月27日
亡くなった安倍元首相の「国葬」が行われるのに先立ち、会場となる東京・日本武道館近くでは、一般の弔問者による献花が始まった。 一般向けの献花台は、九段坂公園に、午前10時~午後4時まで設置される予定だった。しかし、多くの人たちが集まったため、一般向けの献花は、時間を30分前倒して、午前9時半から始まった。 献花台では、老若男女、国籍を問わず、花を手にした人たちが、安倍元首相の遺影に向かって手を合わせる姿が見られた。
岸田首相とハリス米副大統領の会談始まる
2022年09月27日
岸田首相と安倍元首相の国葬に参列するため来日したアメリカのハリス副大統領との会談が、26日、始まった。 【画像】ハリス米副大統領を出迎える岸田首相 会談の冒頭、岸田首相は「安倍元首相は日本の安全保障の基軸である日米同盟の一層の強化に心血を注いできた。その遺志を引き継いで、外交的な遺産を発展させ、両国関係を一層発展させていくことが私の務めだと思っている」と述べた。 これに対し、ハリス氏は「日米同盟はインド太平洋地域における平和と安定、繁栄に不可欠な礎であり、アメリカ国民だけでなく、日本国民にとっても利益であると信じている」などと語った。 副大統領として初来日となるハリス氏は、26日午後に東京都にあるアメリカ軍横田基地に到着した。 岸田首相は26日夕方に東京・港区の迎賓館で、ハリス氏と会談。緊迫化する台湾情勢やロシアのウクライナ侵攻などについて協議しているものと見られ、会談後には、夕食会も開催される見通し。 「弔問外交」をスタートさせた岸田首相は、28日までに30人以上の外国要人らと会談する。
拘束の日本領事は既に解放と政府関係者
2022年09月27日
日本政府関係者は27日、ロシア当局に拘束されたウラジオストクの日本総領事館の領事に関し、拘束時間は数時間で、既に解放されていると明らかにした。
バイデン米大統領、企業に手数料廃止や値下げ要請 高インフレで
2022年09月27日
バイデン米大統領は26日、ガソリンスタンド運営会社、銀行、携帯電話会社に対し、物価高に直面する消費者に配慮して手数料の廃止や値下げを行うよう求めた。 【動画】オランダのパン店、光熱費高騰で閉店の危機 「持って半年」5代目の苦悩 ホワイトハウスでの会合で、銀行の当座貸越手数料や携帯電話の解約手数料といった「無意味な」手数料が家計に打撃を与えていると指摘。また、ガソリンスタンドは「今すぐ」値下げする必要があると訴えた。
ロシア国境付近に新たな集団墓地か ウクライナが調査へ
2022年09月27日
ロシア国境に近いウクライナ東部ハルキウ(Kharkiv)州コザチャロパニ(Kozacha Lopan)郊外で、新たな集団墓地とみられるものが見つかった。兵士や地元当局が26日、明らかにした。 【写真】破壊された養鶏場の屋根からぶら下がる戦車の残骸 発見現場は、ロシアとの国境から約2キロ離れた場所にある、砲撃で破壊され打ち捨てられた養鶏場。遺体の数は90~100体とされるが、その根拠は示されていない。現場にはまだ地雷除去班が到着しておらず、掘り起こし作業は始まっていない。安全が確保でき次第、科学捜査班が今週中に派遣される見通し。 ハルキウ州では、ウクライナ軍がロシア軍から奪還したイジューム(Izyum)郊外でも集団墓地が見つかっていた。ウクライナ当局はイジュームで、ロシア軍の占領下で死亡した447人の遺体を発見。うち425人は子ども5人を含む一般市民で、残る22人がウクライナ兵だった。オレグ・シネグボウ(Oleg Synegubov)州知事によると、大半は暴力による死亡の痕跡が見られ、30体には拷問の痕があった。 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は25日、米CBSニュース(CBS News)に対し、「数百人が埋葬されている大規模な集団墓地2か所」を発見したと語ったが、そのうちの一つがコザチャロパニのものだったかは不明。 養鶏場に埋葬されている遺体の身元は不明だが、現場を警備するウクライナ兵はAFPに対し、ロシアとウクライナ両軍の兵士と一般市民の遺体が見つかるだろうとの見解を示した。
ロシア軍、占領下のウクライナ人にも招集令状…国際条約に違反してでも兵員補充
2022年09月27日
ウクライナ軍参謀本部は26日、ロシア軍が占領している東部ルハンスク州の一部で、18歳以上のウクライナ人男性に露軍への参加を求める招集令状の配布を始めたと表明した。ロシアが占領地域の一方的な併合を前提に、露国内で着手している部分的動員を強化しているものとみられる。占領地での住民の徴兵は国際条約に違反しており、露軍の強引な兵員補充が目立っている。 【動画】ウクライナ軍、榴弾砲で東部戦線のロシア軍陣地を攻撃
ウクライナ軍参謀本部によると、南部ヘルソン、ザポリージャ両州の露軍占領地域でも、ロシア旅券を持つ住民が動員対象になっているという。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は25日のビデオ演説で、ロシアが2014年に併合した南部クリミアで、先住民族クリミア・タタール人が主要な動員対象になっているとして、「新たなジェノサイド(集団殺害)政策だ」と非難した。
クリミア・タタール人はプーチン政権の弾圧に苦しんできた。地元人権団体は、約5000枚とされるクリミアでの招集令状の約9割がクリミア・タタール人に渡されたと主張している。
露国内では動員を巡る混乱が続いている。ロシア語の独立系ニュースサイト「メドゥーザ」は25日、動員対象になる男性の出国が28日にも禁止されると報じた。既に約26万人が出国したとも伝えられる。東シベリア・イルクーツク州知事などによると、州内の徴兵事務所で26日、男が発砲し、所長が重体になった。男は親友が招集され、動揺していたという。
一方、タス通信などは26日、ロシアが東部ドンバス地方(ルハンスク、ドネツク両州)と南部2州の支配地域を併合するために23~27日の日程で行っている「住民投票」について、全4州で投票率が50%を突破し、投票が「成立した」と報じた。プーチン大統領が30日にも露議会で演説し、併合を宣言する可能性が強まった
民間軍事会社の設立認める ワグネル、ロシア大統領側近
2022年09月27日
ロシアのプーチン大統領の側近で食品関連企業経営者のプリゴジン氏は26日、民間軍事会社ワグネルの創設者であると初めて認めた。交流サイトで明らかにした。ワグネルは同氏が率い、ウクライナ侵攻にも加わっているとみられてきたが、プリゴジン氏は関与を認めていなかった。ロシア政府はワグネルの存在を認めていない。 ロシアとウクライナはどこへ向かうのか 専門家6人に尋ねた
プリゴジン氏は、2014年のウクライナ東部紛争を機に同年5月に創設した愛国者グループが後にワグネルになったと説明。同社の雇い兵のおかげで「多くの領土解放が可能になり、『ルガンスク人民共和国』と『ドネツク人民共和国』の運命が変わった」と主張した。
