蔡氏圧勝、新世代が生む 香港情勢で党派超え支持 台湾総統選〔深層探訪〕
2020年01月18日
11日投開票の台湾総統選は、現職で与党・民進党の蔡英文総統(63)が最大野党・国民党の韓国瑜・高雄市長(62)らを破り、再選された。得票数は817万で、1996年に現行制度に基づく総統選が始まって以来、最多を記録した。12日付の地元紙が「台湾が全世界を感動させた」(リンゴ日報)と高揚して報じた背景には、香港情勢を受けて生まれた新世代の潮流がある。
◇勇気ある子供たち
圧勝は党派を超えた結果と言える。無党派層からも幅広く支持を集めた。蔡氏は対中強硬路線を貫き、爆発的に支持を広げた。その原動力は、反政府デモで混乱する香港情勢と、混乱の「黒幕」として中国への警戒感を高めた若者だった。
「全ての若者に感謝する。あなたたちは勇気ある台湾の子供たちだ」。蔡氏は当選確実となった11日夜、支持者を前に演説した。多くの若者が投票のために帰省したり、海外から駆け付けたりしたことに感謝した。
投票日を翌日に控えた10日、高速鉄道(台湾新幹線)を利用した乗客数は約29万9000人。1日当たりとしては開業以来過去5番目に多かった。台湾本島から離島に向かう飛行機も普段の週末より混雑し「多くの有権者が投票のために移動したことが示された」(運輸当局)。総統選の投票率は74.9%と、過去最低だった2016年の前回から9ポイント近く上昇。政治にあまり関心がない多数の若者が投票に動いた結果とみられる。
民進党は世論調査を通じ、若者の8割が蔡氏を支持している実態を認識していたという。「若者の動向が蔡氏の勝敗を左右する」と考え、有権者登録のある実家を離れて台北などで仕事をしている若者らに「帰省して投票しよう」(蔡氏)と繰り返し呼び掛けた。
◇分断浮き彫り
事実上の一騎打ちの相手となった韓氏の選挙集会では、中高年が圧倒的に多かった。対照的に、蔡氏の方は若者の姿が目立った。
蔡氏は選挙演説で「香港の若者が流した血と涙は『一国二制度』は実現不可能と証明した」と訴えた。一国二制度に基づく中台統一方針を示す中国に対し、警戒感を高める若者の取り込みに成功した。昨年11月の香港区議会選で、民主派が歴史的勝利を収め、投票率が過去最高を記録したことも、若者の投票意識を高めたもようだ。
ただ、対中融和路線を訴えた韓氏にも550万を超える票が集まった。今回の総統選では、中国との関係以外にも、昨年5月施行の同性婚法などをめぐり、世代間や党派間で分断が進んでいる実態も改めて浮き彫りになった。
蔡氏は11日の演説で「私に投票してくれた人もしてくれなかった人も、みんな同じ台湾人だ」と「団結」を訴えた。選挙で広がった社会の亀裂修復も、2期目の蔡氏の重い課題となる。
大物弁護士がトランプ氏弁護へ 米大統領の弾劾裁判
2020年01月18日
ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の弾劾裁判の弁護団に、ケン・スター(Ken Starr)氏とアラン・ダーショウィッツ(Alan Dershowitz)氏が加わることが17日、明らかになった。スター氏は1990年代のビル・クリントン(Bill Clinton)大統領弾劾で特別検察官として中心的役割を果たした人物。一方のダーショウィッツ氏は、数々の著名人の弁護を担当してきた大物弁護士だ。
弾劾裁判は21日に本格的な審理が始まる予定。トランプ政権は弁護団全員の氏名を公表していないものの、パット・シポローニ(Pat Cipollone)大統領顧問が団長を務め、トランプ氏の個人弁護士ジェイ・セキュロー(Jay Sekulow)氏が参加することを明らかにしている。
米メディア各社は、1998年のクリントン氏弾劾訴追につながった捜査で特別検察官を務めたスター氏が弁護団に加わると伝えた。クリントン氏は上院で無罪が言い渡されたものの、スター氏は多くの右派から英雄視されている。
ダーショウィッツ氏はツイッター(Twitter)への投稿で、自身が「上院での裁判で、弾劾と罷免に反対する憲法上の論拠を示すために口頭弁論を行う」と明らかにした。
ダーショウィッツ氏はこれまで、勾留中だった昨年8月に自殺した実業家のジェフリー・エプスタイン(Jeffrey Epstein)被告や、映画監督ロマン・ポランスキー(Roman Polanski)氏、ボクシング元ヘビー級世界王者のマイク・タイソン(Mike Tyson)氏といった富豪男性の性犯罪裁判で弁護を担当してきた。
中でも最も有名なのは、殺人罪に問われた米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の元スター選手O・J・シンプソン(O.J. Simpson)氏の弁護で、テレビ放送され、全米の注目を集めた1995年の裁判でダーショウィッツ氏は無罪を勝ち取った。
イラン指導者、金曜礼拝で8年ぶり説教 司令官の「犠牲」強調
2020年01月18日
イラン最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師は17日、首都テヘランのモスク(イスラム礼拝所)で、8年ぶりに金曜礼拝で説教した。その中でハメネイ師は、ウクライナ旅客機の撃墜を「痛ましい」悲劇と形容した一方で、そのせいで米国による無人機攻撃で殺害された司令官の「犠牲」をかすませてはならないと説いた。
【関連写真】殺害された司令官の肖像が飾られたモスクを埋め尽くす参列者ら
イランはここ数週間、米国とあわや戦争を思わせる状況に陥った上、ウクライナ機を誤って墜落させ搭乗者176人全員が犠牲になる事故も発生し、衝撃の事態に相次いで見舞われた。
ハメネイ師が前回同市のモサラ(Mosalla)モスクで金曜礼拝を執り行ったのは、イスラム革命から33年を迎えた2012年2月で、イランが核問題に直面していた際だった。
ハメネイ師は「航空機墜落は痛ましい事故で、われわれの心を焼き尽くした」と述べた一方で、この事故を、イラン革命防衛隊(IRGC)の精鋭部隊「コッズ部隊(Quds Force)」のガセム・ソレイマニ(Qasem Soleimani)司令官の「偉大なる殉教と犠牲を忘れされるような形で打ち出そうとした者が一部にいた」と指摘した。
「われわれが旅客機墜落を悲しむのと同程度に、敵は事故を喜んでいた。革命防衛隊や軍、体制に矛先を向けるものが見つかったことを喜んでいたのだ」と同師は述べた。
ボーイング、MAXに新たなソフト問題 再開さらに遅れる恐れ
2020年01月18日
米ボーイング<BA.N>は17日、運航が停止されている737MAX機の技術審査中に新たなソフトウェアの問題が見つかり、対処していると発表した。運航再開がさらに遅れる可能性も出てきた。
ボーイングは声明で「必要な更新を行っている」と説明した。
報道を受け、ボーイングの株価は午後の取引で2.3%超下落した。
広島地検、河井夫妻秘書一斉聴取 報酬支払い担当の違法性認識捜査
2020年01月18日
自民党の河井克行前法相の妻、案里参院議員の陣営による昨夏参院選を巡る公選法違反事件で、広島地検が夫妻の複数の秘書を一斉に任意聴取したことが17日、関係者への取材で分かった。このうち、案里氏の公設秘書の男性は法定上限の倍額の日当3万円だったとされる車上運動員の報酬の支払いを担当。地検は違法性を認識していたかどうか捜査し、立件の可否を検討する。
関係者によると、聴取対象は男性のほか、案里氏のもう1人の公設秘書、克行氏の公設秘書ら。参院選ではいずれも案里氏の陣営で中心的な役割を担っていた。
地検は15日、広島市の男性自宅や河井夫妻の地元事務所などを家宅捜索。
日米安保60年を前に共同発表 「今後も同盟を強化」
2020年01月18日
日米両政府は17日、旧安全保障条約が改定され、現在の安保条約の署名から60年を迎えるのを前に、茂木敏充外相と河野太郎防衛相、ポンペオ米国務長官、エスパー米国防長官の連名で共同発表を出した。
現行の日米安保条約の署名は、1960年1月19日、岸信介首相とアイゼンハワー大統領が出席して、米ホワイトハウスで行われた。共同発表は、日米同盟について「民主主義、人権の尊重、ルールに基づく国際秩序といった価値に対する揺るぎないコミットメントに根ざした日米同盟」と表現。そのうえで、「日米同盟は、自由で開かれたインド太平洋という両国が共有するビジョンを実現しつつ、両国の平和と安全に不可欠な役割を果たしてきており、今後もその役割を果たし続ける」と評価。「今後も日米同盟を強化し、両国が共有する価値と諸原則を堅持するとの揺るぎないコミットメントを改めて表明する」と結んだ。
日米両政府が17日に出した「日米安保条約の署名60周年に際する共同発表」の全文は、以下の通り。
今から60年前の1月19日、日米両国は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(日米安全保障条約)に署名した。
我々は、日米安全保障条約の署名60周年を祝い、戦後の日米両国間の友好と信頼の75年間を振り返るに際し、先人たちの英知、勇気、そして先見の明に敬意を表する。
我々はまた、日米両国が共有する価値及び利益を守るため、献身的に奉仕する日本国自衛隊及びアメリカ合衆国軍に感謝の意を表する。
民主主義、人権の尊重、そしてルールに基づく国際秩序といった価値に対する揺るぎないコミットメントに根差した日米同盟は、地域における安全保障協力等を通じて自由で開かれたインド太平洋という両国が共有するビジョンを実現しつつ、日米両国の平和と安全を確保するに際して不可欠な役割を果たしてきており、今後もその役割を果たし続ける。日米同盟は、いまだかつてないほど強固で、幅広く、そして不可欠なものとなっている。
我々は、過去60年間の成果を賞賛するとともに、今後も日米同盟を強化し、日米両国が共有する価値と諸原則を堅持するとの揺るぎないコミットメントを改めて表明する。
預貯金口座とマイナンバー連結義務化検討へ…総務相要請、今年中に具体策
2020年01月18日
高市総務相は17日、マイナンバーと金融機関の預貯金口座を連結する制度の義務化について、財務省と金融庁に検討を要請した。政府は、2021年の通常国会での共通番号制度関連法改正を視野に、20年中に具体策をまとめる方針だ。
18年1月に始まった現行制度では、本人の同意を条件に、預貯金口座とマイナンバーを連結できる。個人資産を正確に把握し、脱税や生活保護の不正受給などを防ぐ狙いだ。
ただ、顧客にマイナンバーの提供を依頼していない金融機関もあり、普及は進んでいない。国民の間には、国に個人資産を把握されることへの抵抗感もあり、義務化には反発も予想される。
高市氏は17日の記者会見で「義務化により、相続や災害発生時の預貯金引き出しの負担軽減ができるように検討をお願いした」と述べ、利便性向上にもつなげる考えを示した。
最後のセンター試験、開始 志願者55万人 21年から大学入学共通テストに
2020年01月18日
大学入試センター試験が18日、全国の689会場で始まった。18日は地理歴史・公民、国語と外国語、19日は理科と数学。1990年1月に始まったセンター試験は31回目の今回で最後となり、2021年1月に1回目の大学入学共通テストが実施される。
大学入試センターによると、志願者数は前年度比3・3%減の55万7699人。高校などを今春卒業する予定の現役生は81・1%、浪人生は18・0%で、前年度より現役生の割合が0・5ポイント増となった。高校などの卒業予定者のうちセンター試験を受ける割合を示す「現役志願率」は43・3%と前年度比0・7ポイント減。センター試験を利用する大学、短期大は国公私立計858校で過去最多となった。
来年1月の共通テストは2本柱だった英語民間試験と記述式問題の導入が見送られたため、現行のセンター試験から大きな変更はない。【水戸健一】
◇「準備はした。天命を待ちたい」
近畿2府4県では、前年度より3141人少ない8万7577人が志願した。
大阪大では吹田、豊中両キャンパスの計8試験場などで約6000人が受験する。このうち吹田キャンパスでは、18日午前8時ごろから防寒具やマスクをつけた受験生が続々と姿を見せ、開始直前まで参考書に目を通すなどして試験に臨んだ。近畿大農学部を目指す箕面自由学園高3年の大橋真宙(まひろ)さん(18)は「水産系を学びたい。できる限りの準備はしてきたので、人事を尽くして天命を待つ心境です」と話した。【渡辺諒】
◇「試験が変わる。今年、合格したい」
九州・山口・沖縄では前年度より1604人少ない6万6074人が志願した。
福岡県内の計31会場では約2万4300人が受験を予定している。九州大伊都キャンパス(福岡市西区)ではマフラーやマスクを着けた受験生が緊張した面持ちで集まり、出迎えた高校教員らから「頑張って」と激励を受け、試験場に向かった。
国公立大を目指す福岡西陵高3年、志田実友梨(みゆり)さん(18)は「来年からセンター試験が変わってしまうので、今年、大学合格をしておきたい。焦らなければ大丈夫だと思う」と話した。【石井尚】
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主な科目の問題と正答は19、20日の朝刊に掲載します。全科目の問題と正答は当日の全試験終了後、毎日新聞のニュースサイト(https://mainichi.jp/)でご覧になれます。問題と正答はダウンロードも可能です。
韓国、米大使の口ひげが物議 日本の朝鮮総督を想起
2020年01月18日
韓国で、同国に駐在するハリー・ハリス(Harry Harris)米大使の口ひげが物議を醸している。
【写真】米太平洋軍司令官時代に安倍首相と会談したハリス氏。当時は口ひげはなし。
ハリス大使は日本人の母親を持つ日系米国人で、韓国では1910~45年の日本植民地支配について現在も強い反感が残っている。大使の口ひげについては、当時の植民地時代の総督を思い起こさせるとの声が上がっている。
ハリス大使は16日の記者会見で、口ひげは個人の好みの問題であり、批判的な人々は「歴史から都合のよい部分だけを拾い出している」と反論。朝鮮独立運動の闘士やその他の歴史的人物の多くも口ひげをたくわえていたと指摘し、「両国間に歴史的な反感があることは理解しているものの、私は駐韓日米大使ではなく、駐韓米大使だ」と表明した。
ハリス大使はこのほかにも、その姿勢が高圧的だとして韓国国内で度々論争の的となってきた。16日の記者会見では、文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領が提案した北朝鮮との共同プロジェクトについて、韓国は米国に話を通すべきだと発言し、韓国政府の怒りを買った。
文大統領は今週、北朝鮮との対話を促進する策として、韓国人観光客の北朝鮮訪問を提案した。観光自体は国際社会による制裁の対象にはならないものの、資金移動などの関連活動が問題となる可能性がある。
ハリス大使は、韓国はこうした計画については米国と連携し、「誤解」を避けるために共同作業部会に「通す」べきとの見解を表明。これに対し韓国大統領府(青瓦台、Blue House)は17日、大使が文氏の提案に関してメディアにコメントすることは「非常に不適切」だと非難した。
米NHTSA、テスラ車の「意図せぬ加速」で調査検討 50万台対象
2020年01月18日
米運輸省道路交通安全局(NHTSA)は17日、米電気自動車(EV)大手テスラ<TSLA.O>車両の「突然の意図せぬ加速」問題を巡り、50万台を対象とした調査とリコール(回収・無償修理)の要請を検討すると明らかにした。
NHTSAによると、調査とリコールの要請は2012─19年型の「モデルS」、16─19年型の「モデルX」、18─19年型の「モデル3」を対象としたもので、合計127件の苦情が寄せられた。110件の衝突事故と52件の負傷の報告があったとしている。
苦情の多くは、駐車の際などに車両が突然意図せず加速したとするもの。運転支援システム利用中に突然加速し、衝突事故につながったとの報告もあった。
この件に関してテスラは現在のところコメントはしていない。
NHTSAは8日、テスラのモデル3が昨年12月29日にインディアナ州で駐車中の消防車に衝突して乗っていた1人が死亡した事故の調査を開始すると発表している。
