水産物の風評対策300億円 21年度補正、販路開拓など 東電福島第1の処理水放出で
2021年11月25日
東京電力福島第1原発から出る放射性物質を含む処理水の海洋放出をめぐり、経済産業省が水産物価格の下落に歯止めをかける風評被害対策費として、2021年度補正予算案に300億円を計上する方針を固めたことが24日、分かった。 【図解】海洋放出のイメージ 漁業団体による新たな販路開拓などを後押しし、漁業者が安心して操業できる環境を整える。 放射性物質の一種であるトリチウムを含む処理水について、政府は23年春ごろをめどに、薄めて海に流す方針。今年8月に取りまとめた対策では、風評被害を食い止めるため、水産物の安全性に関する情報発信や海洋環境への影響調査を徹底する方針を打ち出した。これらに加え、補正予算案に計上する対策費は「万が一発生する風評被害に備える」(政府関係者)狙いがある。 具体的には、必要経費を国が新設する基金に積み、複数年度にわたる長期的な支援を続ける方針。対象は全国の水産物で、処理水放出に伴う諸外国への輸出減といった風評被害は東日本大震災の被災地以外でも起こり得ることを考慮した。 経産省は一定の審査基準を設けた上で、処理水放出により価格が低下したと判断できれば、漁業団体や加工業者の販路開拓を支援する。このほか、冷凍保存可能な水産物の保管経費などを補助することを想定している。
公明、党運営の岐路…維新第3党で存在感課題に
2021年11月25日
公明党が党運営を巡り、様々な課題に直面している。ベテラン議員の引退で連立を組む自民党とのパイプは細り、山口代表(69)の後継育成が急務となっている。先の衆院選では、躍進した日本維新の会に第3党の座を追われ、存在感をどう発揮するかという問題も浮上した。 【図表】自民、公明、維新、国民の各党の関係
「ポスト山口」不安 自民と連携細る
自民、公明両党の幹事長と国会対策委員長は24日、国会内で会談し、12月6日に召集される予定の臨時国会での連携を確認した。公明は長年、この「2幹2国」に加え、安倍元首相と太いパイプがある太田昭宏・前代表(76)らベテランが自民側と水面下で接触し、政策実現や選挙での協力に腐心してきた。
自民との重層的なチャンネルが減り、公明幹部は「自民に対等にものを言える人たちが姿を消し、党の実力は相当落ちている」と危機感を募らせる。党執行部は太田、井上両氏を常任顧問に起用し、影響を最小限にしようと躍起だが、不安もささやかれている。
18歳以下への10万円相当の給付を巡る自公協議では、所得制限を主張する自民に押し切られ、一律給付を勝ち取れなかった。文書通信交通滞在費の扱いでも当初、自民との足並みが乱れた。
「ポスト山口」の育成も悩ましい課題だ。山口氏は代表就任から12年以上が経過し、「来年9月の党大会で代表を退くだろう」(ベテラン)との見方が多い。党内では、石井幹事長(63)の昇格が取り沙汰されているが、「選挙の顔」として不安視する向きもある。
特に公明が警戒を強めるのが、自民と維新の接近だ。公明は、自民が検討する敵基地攻撃能力の保有や防衛費の増額に否定的で、憲法改正にも慎重だ。自民が維新と連携して局面の打開を図る事態も想定され、神経をとがらせている。
公明は先の衆院選で、比例票で700万台を回復した。ただ、東京や近畿など4ブロックの得票率で維新に後れを取り、「常勝関西」を誇る近畿では1議席減らした。山口氏の地元の東京都葛飾区議選(8日開票)も「全員当選」を逃すなど、不安を残す結果となった。党幹部は「世代交代を円滑に進め、政権内で公明カラーを発揮しなければ、夏の参院選は手痛い結果になりかねない」と警戒感を強めている。
4候補、維新と距離 従来路線との違い見えず 立民代表選
2021年11月25日
立憲民主党代表選(30日投開票)では、今後の国会対応をめぐり、日本維新の会、国民民主党とどう向き合うかも論点の一つだ。 【図解】立憲民主党代表選の主な構図 今のところ、出馬した4候補はいずれも、維新とこれまでより踏み込んだ協力関係を構築する姿勢は見せない。立民主導の野党国対の枠組みから離脱する国民との具体的な連携の在り方も曖昧で、候補の違いが見えにくくなっている。 来月6日には臨時国会が召集される予定で、新代表は就任後速やかに自らの国会対応方針を打ち出すことになる。とりわけ重要なのは維新との関係だ。先の衆院選で議席を4倍近く増やした維新の存在を無視することはできず、議員立法への対応などで調整が必要になってくる。 ただ、基本的に4候補とも、維新とは距離の開きが目立つ。西村智奈美元厚生労働副大臣は「私の思いとは、相いれないところがある。積極的な働き掛けは考えていない」と明言。小川淳也元総務政務官も「こちらから寄っていくことはしない」と慎重だ。 泉健太政調会長は文書通信交通滞在費に触れ、「維新が問題点を発見した」と評価し、法案ごとの連携はあり得るとの考えを示すが、従来路線との差異は見えない。 国民との関係については、「関係改善に努めたい」(小川氏)、「連携を模索したい」(西村氏)などと意欲を示すものの、いずれも具体的な方策は示していない。逢坂誠二元首相補佐官は「どこの党とも等距離で話し合いをしていく」と述べるにとどめている。
産油国と消費国、対立鮮明 米主導の石油備蓄放出
2021年11月25日
バイデン米大統領は23日、原油価格の高騰に対応するため、主要消費国の日本、中国、インド、英国、韓国と協調し、石油備蓄の放出に踏み切ると表明した。 【図解】レギュラーガソリン店頭価格の推移 世界の石油消費量の半分を占める6カ国の結束を演出したい考えだが、原油高でも大幅増産を見送ってきた産油国は協調放出に対抗する構えを見せる。産油国と消費国の対立の構図が鮮明になってきた。 「原油高は、産油国や大企業が迅速に供給を増やしていないことが原因だ」。バイデン氏は演説で、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国でつくる「OPECプラス」に一段の増産圧力をかけた。米国は「他国と連携した追加措置を講じる用意がある」(高官)と一歩も引かない構えだ。 原油高対策を理由とした石油備蓄の協調放出は初めて。過去に日米欧が産油国の政情不安を受けて国際エネルギー機関(IEA)を介して放出したが、今回はIEA非加盟の中印も巻き込んで市場へのインパクトを狙った。 米国は5000万バレル、インドは500万バレル、日本は420万バレル、英国は150万バレルを目安に放出する。一方、中国外務省の趙立堅副報道局長は24日の記者会見で「中国は自国の需要に基づいて石油備蓄を放出する」と表明した。 石油備蓄放出の価格抑制効果は限られそうだ。6カ国の合計放出量が市場予想に反し、世界の1日の平均消費量約9800万バレル(2019年時点)を下回るとの見方も浮上。23日のニューヨーク原油先物相場は、前日比2.3%高の1バレル=78.5ドルで取引を終えた。 OPECプラスが12月2日に開く閣僚級会合では、産油国の出方に注目が集まる。米ブルームバーグ通信は、主要消費国が石油備蓄を協調放出した場合、OPECプラスが対抗策として生産抑制も辞さない姿勢だとする関係者の話を報じた。産油国と消費国の駆け引きが激化するのは必至だ。
困窮学生への10万円給付、予算700億円弱 留学生も対象
2021年11月25日
政府は、コロナ禍で困窮する大学生らに支給する10万円の「緊急給付金」について、週内にも閣議決定する補正予算案に700億円弱を計上する方針を固めた。支給対象には、経済的に厳しい状況にある留学生も含めることにした。 【写真】入学金納入期限の延長を求め、文部科学副大臣に署名と要望書を手渡す大学生ら 政府はこの給付金について、非課税世帯や、収入がそれに準じる低所得世帯の学生向けの「修学支援制度」の利用者のほか、経済的理由で就学継続が困難▽コロナ禍で収入が大幅減▽家庭から自立してアルバイト収入で学費を賄っている――などの要件を満たし、大学が推薦する学生(留学生含む)にも支給する方針。政府関係者は「学生の経済状況が分かっている大学に、対象者を選んでほしい」と話す。 政府は昨年度、新型コロナ対策の一環で、困窮した大学生や短大生、専門学校生らに最大20万円を支給。このときも留学生を対象に加え、全体で約43万人に支給した。今回の対象者数も同程度の規模になると見込まれる
米政府、中国企業など27社を禁輸対象リストに追加
2021年11月25日
米政府は24日、国家安全保障および外交政策上の懸念があるとして複数の中国企業を事実上の禁輸リストにあたる「エンティティーリスト」に追加した。 さらに、パキスタンの核開発や弾道ミサイル開発に貢献したとして、中国とパキスタンの複数企業および個人もエンティティーリストに追加した。 米国と中国の関係は台湾や通商問題を巡り緊張が高まっている。 今回、中国、日本、パキスタン、シンガポールの合計27社がエンティティーリストに追加された。 レモンド商務長官は声明で、リストへの追加は、中国やロシアの軍事的発展やパキスタンの核活動・弾道ミサイル計画などを米国の技術が支援することを防ぐためだと説明した。 商務省は、湖南国科微電子などの中国企業数社が「人民解放軍の軍事力近代化を支援している」との理由でリストに追加したとしている。 また、国盾量子(QuantumCTek)など数社については、軍事転用目的で米国の技術や製品などを取得した、もしくは取得しようとしたとしてリストに加えた。 これらの企業に米国の部材や技術を輸出する際には当局の許可が必要となり、申請は原則却下される。
米国防総省がUFO担当部署を新設へ 安全保障上の懸念、真剣に調査
2021年11月25日
米国防総省は23日、未確認飛行物体(UFO)などの調査を担う新たなグループを設立すると発表した。米政府はUFOの疑いがある動画や目撃情報などの検証を進めてきたが、真相はつかめていない。安全保障の観点からも、引き続き実態解明に取り組む方針だ。 【画像】米海軍が撮影した飛行物体の映像。UFOである可能性が取り沙汰され、米国防総省が公開した 新たなグループは国防総省だけでなく、情報機関も含めて政府内の幅広い連携を進め、飛行制限空域などにおける飛行物体を「発見し、識別し、原因を特定する」ことを目指す。同省は「飛行や作戦の安全性に懸念をもたらし、安全保障上の問題にもなりかねない」として、真剣に調査にあたると表明した。 米国ではUFOの目撃情報などが相次いでいるが、自然現象や中国やロシアの新技術、米国による極秘の技術開発など、様々な説が取りざたされている。 こうした状況を受け、国防総省は昨年、米海軍の航空機が撮影した謎の飛行物体の映像を公開し、タスクフォースを新設して実態解明に乗り出していた。 今年6月には、情報機関を統括する国家情報長官室が報告書を公開した。その中で2004~21年に報告された144件の目撃情報やセンサー、レーダーのデータなどを検証。中には風に逆らって動いたり、かなりの速度で移動したりしているものもあったという。 だが、ほぼすべてについて「結論は出なかった」と報告され、真相は謎に包まれたままとなっている。
ヤクルト3勝1敗の裏に“新セパ格差
2021年11月25日
日本シリーズの第4戦が24日、東京ドームで行われ、ヤクルトが2-1でオリックスを下して3連勝、20年ぶりの日本一に王手をかけた。2回にドミンゴ・サンタナ(29)の2試合連続の本塁打で1点を先制したヤクルトはベテランの石川雅規(41)が6回3安打1失点(自責ゼロ)の好投を見せ、6回二死走者無しからつないで奪った決勝点を石山泰稚(33)、清水昇(25)、スコット・マクガフ(32)の必勝リレーで守り切った。ヤクルトの3勝1敗の裏には新しいセパ格差が見え隠れしている。
「いつ潰れてもいいという気持ちで投げた」
東京ドームのお立ち台に立ったのは41歳のベテラン左腕だった。 「むちゃくちゃうれしい」 柔和な笑顔を浮かべた石川はこう続けた。 「本当に先頭バッターから全力でいつ潰れてもいいという気持ちで、そして良い形で後ろの信頼のおけるブルベン陣につなげようと思った」 6回3安打5奪三振の77球。老練な投球術でオリックス打線を翻弄した。 6回二死一塁から宗のライト前ヒットをサンタナがジャッグル。それも前に出てきてもいない緩慢な守備位置で犯したミスにつけこまれ、一塁走者の福田が一気に本塁を陥れて同点とされたが、このボーンヘッドがなければ無失点ピッチングだった。 2015年のソフトバンクとの日本シリーズでは、エースとして開幕戦と第5戦の2試合を任されたが、それぞれ3失点、4失点して5回持たずに負け投手となった。 「前回は悔しいシリーズを経験して今日も第4戦という大事な試合を任されて何とか監督の思いに応えようと“絶対大丈夫”と思ってマウンドに上がりました」 6年越しの悔しさを王手をかける一戦で晴らした石川の白星は、1950年に毎日の若林忠志氏が42歳8カ月でマークして以来2番目の日本シリーズ最年長勝利記録。それでも「高津監督も言ってくれたけれど年齢は関係ない。ルーキーの気持ちで投げている」と胸を張った。 石川の何がどう凄かったのか。 ヤクルトOBで、故・野村克也氏が、楽天監督時代にヘッドコーチを務め、ノムラID野球を知る現新潟アルビレックスBC監督の橋上秀樹氏は、「石川のようなタイプの投手をオリックスは見たことがなかったのだろう。映像と実際のイメージのギャップに戸惑い、タイミングを外され、読みの裏をかかれた。石川は、いい時と悪い時がハッキリしていて、悪い時は高校生みたいなボールしか投げられないが、今日はいい時の石川だった。緩急とコントロールにひとつのミスもなかった」と分析した。
欧州で反ロックダウンのデモ、暴徒化で機動隊出動も
2021年11月23日
欧州で続く新型コロナウイルスの感染拡大を受け、各国がロックダウン(都市封鎖)措置を再導入する動きに対して、大規模な抗議デモが相次いでいる。 【画像】ウィーンで行われたロックダウン反対のデモ オランダのハーグでは20日、デモが暴動に発展し、警察との衝突が起きた。現場の映像には、機動隊が放水砲で鎮圧を図る場面が映っている。 警察によれば、デモ隊は放火や器物損壊のほか、車を襲ったり警官に石や爆竹を投げ付けたりした。参加者19人が逮捕された。 この衝突で警官5人が負傷した。1人は脳振盪(しんとう)で病院へ運ばれ、2人が爆竹の大音響で耳に損傷を受けた。 同国は13日から3週間の部分的なロックダウンを開始。さらに今後、一部の建物などでワクチン未接種者の立ち入りを禁止する措置も予定している。 首都アムステルダムでは20日、数千人が平和的な行進で抗議した。 港湾都市ロッテルダムでは19日夜、警察が暴徒を退散させようと発砲し、51人を逮捕。これを受けて中部の都市ユルクや南部リンブルフ州でも暴動が発生している。 オーストリアの首都ウィーンでは20日、4万人がデモに参加し、新型コロナ関連では最大の規模を記録した。参加者が警官らに正体不明の液体を吹き付けたり、レーザーでヘリコプターの飛行を妨害したりする場面もあった。中心部の衝突では警察が催涙スプレーを使用した。ネハンマー内相は会見で、極右系の「極めて暴力的」な参加者が紛れ込んでいるとの見方を示した。 警察の発表によると、全国で治安維持のため、計1400人あまりの警官が出動した。 同国は22日から部分的なロックダウンに入り、来年2月以降はワクチン接種が義務化される。 クロアチアの首都ザグレブでも20日、1万5000人規模のデモが起きた
ロシア「偽ウォッカ」など販売横行、安い違法酒で70人以上が死亡
2021年11月23日
ロシア各地で燃料に使われるメタノールなどを含んだ違法な酒の販売が横行している。飲んだ後に中毒症状を起こす人が相次ぎ、今年8月以降、少なくとも70人が死亡した。正規の酒より割安なため、新型コロナウイルスの感染拡大による経済の悪化を受けて被害が広がっているとの指摘がある。
ロシア通信などによると、露中部カザンで16日、若い男女13人がメタノール中毒で病院に搬送され、うち女性1人が19日に死亡した。男女が飲んだのは、正規品のウォッカの中で最も安い価格帯のさらに半額ほどの「偽ウォッカ」で、1500ルーブル(約2300円)で5リットルを購入し、誕生日パーティーで飲んだという。地元警察はその後、販売網を突き止めたとして5人を拘束した。

プーチン大統領
こうした違法酒は、業者が大量に製造しているとされる。露南部オレンブルク州では10月、約1週間で35人が死亡し、このほか60人以上が中毒症状を訴えた。捜査当局は、工業用化学薬品を扱う業者が関与したとみて捜索を行った。正規品そっくりのボトルに詰めるなど見分けが付きづらいこともあるという。
ロシアでは、1998年の金融危機など経済混乱が深まるたびに、違法酒の販売・製造が大きな社会問題となってきた。ロシアではコロナ禍が長期化し、国民生活は悪化している。一方、露経済紙RBCによると、正規品のウォッカは価格が上昇している。業界関係者は「酒代を節約するため、安価で強い酒を求める傾向が高まっている」と述べており、コロナ禍が違法酒の横行に関係しているとの見方を示す。
