米軍、再びソマリア駐留へ 前政権の決定撤回
2022年05月17日
米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は、ソマリアのイスラム過激派組織アルシャバーブ(Al-Shabaab)対策を支援するため、同国に米軍を再び駐留させることを求めた国防総省の要請を承認した。米政府高官が16日、記者団に明らかにした。 【写真】ソマリアの新大統領に選出されたハッサン・シェイク・モハムド氏 ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領は任期終了を数週間後に控えていた2020年12月、米軍の国外展開規模縮小の一環として、ソマリアからほぼすべての部隊を撤退させていた。高官は、前政権が「米軍幹部の助言に反して」ソマリア撤退を命令したことで、アルシャバーブの勢力拡大を招いたと指摘。今回派遣される部隊の規模は500人未満とされ、以前の700人よりは少ない。 再駐留により、米軍はソマリア国内での対テロ作戦に当たる部隊の移動に伴うリスクを軽減できる。ソマリアでは15日、ハッサン・シェイク・モハムド(Hassan Sheikh Mohamud)前大統領が次期大統領に選出されたが、米高官は軍の再駐留について、新大統領の選出よりも米兵の安全性を考慮した決定だと説明した。
中台関係への「怒り」動機か 米加州教会銃撃事件
2022年05月17日
米西部カリフォルニア州ラグーナ・ウッズの教会で6人が死傷した銃撃事件で、地元警察は16日、容疑者の中国出身の男について「中国と台湾の政治的緊張に怒りを募らせていた」と明らかにした。 米連邦捜査局(FBI)は、ヘイトクライム(憎悪犯罪)として捜査を始めた。
マリウポリ製鉄所からウクライナ兵退避開始、捕虜交換へ
2022年05月17日
ロシア軍が包囲する南東部マリウポリのアゾフスターリ製鉄所から16日、負傷したウクライナ兵53人がロシア支配下にある東部ノボアゾフスクの病院に搬送された。さらに211人の兵士が、親ロシア派勢力が支配するオレニフカの町に移送された。 ウクライナのマリャル国防次官が明らかにした。退避した兵士は全員、捕虜交換の対象になるという。 これより先、ロシア国防省は同製鉄所から負傷兵を退避させ、ノボアゾフスクの病院に搬送することで合意したと発表。人道回廊が開かれ、負傷兵を搬送中だと明らかにしていた。 ロイター記者は、ウクライナ兵を乗せたバス5台と装甲兵員輸送車1台が16日にノボアゾフスクに到着するのを確認した。一部兵士は担架で病院に運び込まれた。
モスクワで露主導のサミット 孤立回避狙う
2022年05月17日
ロシア主導の軍事同盟「集団安全保障条約機構」(CSTO)は16日、モスクワで首脳会合(サミット)を開催した。ロシアは同条約の締結30周年を記念するサミットだとしているが、ウクライナ侵攻で米欧側との対立が決定的となる中、CSTO諸国との結束を確認し、国際的に孤立したとのイメージの払拭や対露制裁の打破を狙う思惑だ。 【表でみる】ロシア・ウクライナが失った兵器の数 CSTOサミットはウクライナ侵攻後では初。露外務省は15日の声明で、CSTOは国際テロや薬物対策、地域安全保障の確保などで重要な役割を果たしてきたと指摘。「ロシアの外交政策の最優先課題はCSTO諸国との相互活動の強化と拡大だ」と強調した。 露外務省の声明はウクライナ侵攻に言及しなかったが、ペスコフ露大統領報道官は「ウクライナ情勢も議題になりうる」と説明。ラブロフ露外相も12日、タジキスタンの首都ドゥシャンベで開かれたCSTO外相会合の後、「米欧側による一方的な対露制裁は容認できないとの認識を共有した」と述べ、CSTO諸国との協調をアピールした。 サミット後には共同声明の採択も予定。ただ、ウクライナ侵攻に関しては、CSTO諸国でも多くが明確なロシア支持を打ち出しておらず、どこまで踏み込んだ内容になるか不透明だ。CSTO諸国は、ロシア側に立つことで米欧側との関係悪化や経済制裁対象とされることを警戒しているとみられる。 タス通信によると、サミットにはプーチン露大統領のほか、ベラルーシのルカシェンコ大統領▽アルメニアのパシニャン首相▽カザフスタンのトカエフ大統領▽キルギスのジャパロフ大統領▽タジクのラフモン大統領-のCSTO全6カ国の首脳が出席した。
スウェーデン、18日までにNATO加盟申請 首相が正式表明
2022年05月17日
スウェーデンのアンデション首相は16日の記者会見で、米欧の軍事同盟・北大西洋条約機構(NATO)に18日までに加盟申請すると正式に表明した。アンデション氏は「フィンランドと同時に申請する」と述べた。 【欧州でのNATO加盟国と非加盟国の現状】 ロシアによるウクライナ侵攻を受け、両国は西欧とロシアの間で維持してきた伝統的な非同盟・中立政策を放棄する方針で、急速に西側への結び付きを強めている。フィンランドもすでに申請すると発表している。アンデション氏は「NATO加盟が国民にとってベストだ」と述べた。 新規加盟にはNATO全加盟国(30カ国)の承認が必要。NATOのストルテンベルグ事務総長は15日の記者会見で「手続きは今までにない早さで進む」との見通しを示した。 加盟国のうちトルコは、北欧2カ国がトルコの反政府組織「クルド労働者党(PKK)」の活動を支援しているとして難色を示している。ストルテンベルグ氏は「手続きを遅らせることなくトルコの懸念に対処する自信がある」と述べた。ロイター通信によると、スウェーデンのフルトクビスト国防相は、高官を派遣してトルコと協議すると述べた。 ロシアは北欧2カ国のNATO加盟に反対している。プーチン露大統領は14日、フィンランドのニーニスト大統領との電話協議で「中立政策の放棄は間違っている」と批判。リャプコフ露外務次官も16日、「ロシアが許容するとの幻想を抱くべきではない」と訴えた
プーチン氏「対抗」と警告、北欧2国でNATO軍事施設強化なら
2022年05月17日
ロシアのプーチン大統領は16日、スウェーデンとフィンランドによる北大西洋条約機構(NATO)加盟申請に向けた動きについて、両国でNATOの軍事インフラが強化されることになれば、ロシアは対抗措置を講じると西側諸国に警告した。 プーチン大統領は、ロシア主導の軍事同盟「集団安全保障条約機構(CSTO)」の首脳会議で、フィンランドとスウェーデンとは問題は抱えておらず、両国のNATO加盟によるロシアへの直接的な脅威はないと指摘。同時に「この領土への軍事インフラの拡大は、ロシアの対抗措置を誘発する」と強調した。どのような対抗措置を取るかについては、「ロシアに対しどのような脅威が生じるかを見極める」とした。 さらに、すでに不安定化している世界の安全保障の状況を悪化させるために、米国が「積極的」にNATOの拡大を利用していると批判した。 これに先立ち、ロシアのリャプコフ外務次官は、フィンランドとスウェーデンのNATO加盟申請の動きをロシアが看過するという幻想を抱くべきでないとし、広範囲な結果を招く過ちだと指摘した。 インタファクス通信によると、リャプコフ氏は「現在起きていることを鑑みると状況は根本的に変わりつつある」と指摘。フィンランドとスウェーデンの加盟申請の動きについて「スウェーデンとフィンランドの安全保障が強化されることはないというのは明白だ。両国は、われわれがただ看過するという幻想を抱くべきでない」と述べた。 「全体的に軍事的緊張のレベルが上がり、予測可能性が低下することになる」と述べた
ロシア人僧侶心痛の日々 母国の侵攻「ただ悲しく、苦しい」
2022年05月17日
ロシアによるウクライナ侵攻で日を追うごとに両国の犠牲者が増え続ける中、厳しい現実に胸を痛めるロシア人僧侶が大阪の古刹(こさつ)にいる。平和への祈りと戦争を継続する母国への複雑な思いが交錯し、「ただ悲しく、苦しい」。戦況は先行きが見えない。遠く離れた日本から何ができるか、自らを問い直す日々が続く。(清水更沙) 【表でみる】ロシア・ウクライナが失った兵器の数 ロシアにとってのナチス・ドイツ戦勝記念日にあたる9日、大阪市平野区の如願寺(にょがんじ)の堂内に、ヴォルコゴノフ・慈真(じしん)さん(32)のお経が響いた。静かに手を合わせながら「亡くなった人の魂を弔い、平和に生きていけるよう気持ちを込めています」。穏やかな表情の中に、力強い言葉があった。 ロシア極東のウラジオストク出身。13歳のときに合気道に出合い、日本に興味を持った。地元大学では真言宗の開祖、空海を研究した。平成27(2015)年には、ツアーガイドとしてウラジオストクを訪れた日本人の奈央子さん(38)と結婚。奈央子さんの父、山本雅昭(がしょう)さん(77)は如願寺の住職で、こうした縁から僧侶としての道を歩み始めた。 慈真さんは子供のころ、第二次大戦の対独戦の生き証人となる元兵士から戦争の話を聞いた。語られたのは戦果を挙げた喜びではなく、多くの犠牲者を生み出した戦争のむごたらしさ。「『戦争は悲劇だ』と話していたことを覚えている」。この体験が平和への思いを強くする原点だった。 そんなとき、ロシアが隣国のウクライナに攻め込んだ。「ロシアとウクライナの関係は良いと思っていたし、ウクライナにも親しみを持っていた。ショックだった」と慈真さん。連日の報道に心を痛めるとともに、人々の「分断」も気がかりだ。 幼なじみの女性はウクライナ人男性と結婚し、首都キーウ近郊の都市で暮らしていた。女性は侵攻開始後、ロシアに住む母親に連絡したが、返ってきた言葉は「戦争は起こらない。心配する必要はない」。ロシアの友人からも攻撃を正当化する発言があり、ショックを受けたという。次第に母国の関係者と距離を置くようになり、ドイツで避難生活を続ける女性。今後、ウクライナ国籍の取得も検討しているという。 慈真さんは「人々が分断され、絆が断ち切られるのは本当に悲しい」とやるせない思いを口にする。 経済制裁が続く母国に残る家族も気がかりだ。今夏大学を卒業する弟(21)は、順当にいけば徴兵となる。「戦況によっては危険な場所へ配置される可能性もある。本当に心配だ」と表情を曇らせる。 大切にしている日本の教えがある。「初心忘るべからず」。自分を見つめ直し、謙虚な気持ちを忘れない姿勢が今、求められていると痛感する。「世界中の一人一人が自分を見つめ直すことで、相手への思いやりの気持ちが増し、小さい衝突がなくなる」。こうした思いが集まって実を結べば、悲しい戦争も必ず終わると信じている。
貿易赤字、なぜ拡大 資源高と円安、長期化懸念
2022年05月17日
輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支の赤字が膨らんでいる。資源価格の高騰に加え、円安による輸入コストの増大が要因だ。ロシアのウクライナ侵攻で原油などのエネルギー価格は一段と上昇しており、貿易赤字は長期化する恐れがある。 【図解】貿易収支の推移 ―なぜ赤字が拡大しているのか。 新型コロナウイルス感染拡大で停滞していた経済活動が世界的に再開し、原油などのエネルギー消費が高まり、それに伴って価格が上昇しているためだ。日本は資源や食糧を海外に依存しており、円安も輸入額膨張に拍車を掛けている。 ―貿易赤字の規模は。 財務省が発表した2021年度の貿易統計速報(通関ベース)によると、赤字額は5兆3749億円。過去4番目の大きさで、東日本大震災後に原発が稼働を停止し火力発電用の燃料輸入が増えていた14年度以来、7年ぶりの水準。月ベースでは今年3月まで8カ月連続で赤字となっている。 ―輸出はどうなの。 海外経済の回復を反映し、21年度の輸出額は過去最高を記録したが、輸入額の伸びには追い付いていない。コロナ禍による部品供給の制約で、輸出の柱の自動車が減産を強いられていることも逆風だ。円安は輸出品の値下がりにつながり、海外で日本製品の競争力を高める。ただ、企業は生産拠点を海外に移しており、恩恵が出にくい。 ―赤字は解消されるのか。 貿易収支の改善は見通せない。欧米の中央銀行が金融引き締めにかじを切る一方、日銀は大規模な金融緩和策を堅持する方針だ。この結果、内外金利差が拡大し、利回りの高い外貨が買われて円は売られ、円安傾向が当面続くとみられる。ウクライナ危機の長期化で、エネルギーなどの需給は逼迫(ひっぱく)し、価格も高止まりしそうだ。 ―経済への影響は。 輸入が輸出を上回れば、海外への所得流出につながる。企業は支払いに充てるドルなどの外貨を調達する目的で円を売るため、貿易赤字は円の下落を招く。円安を通じた輸入原材料費の上昇は企業の利益を圧迫する。ガソリンや食料品などの値上がりが進んで家計への打撃も懸念される。
中国経済、悪化が鮮明 V字回復に不透明感
2022年05月17日
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う中国経済の悪化が、16日に公表された主要経済統計から一段と鮮明になった。 【図解】中国のGDP成長率の推移 中国当局は厳格な「ゼロコロナ」政策を続けることで早期に感染を収束させ、経済をV字回復させるシナリオを描くが、先行きには不透明感が漂っている。 国家統計局が公表した4月の小売売上高と鉱工業生産は、いずれも前年を下回った。両指標がともに前年割れとなるのはコロナ流行初期の2020年3月以来2年1カ月ぶり。自動車生産台数が落ち込み、日用品や宝飾品の販売が減るなど、影響が経済全体に及んだ。 中国では3月に入り感染が急拡大し、上海市など主要都市で相次いでロックダウン(都市封鎖)が導入された。4月下旬以降は首都の北京市でも外出規制が強まっており、5月以降に景気がさらに悪化するとの見方も出ている。 ただ、中国は流行初期に、感染が拡大した湖北省武漢市の人流を徹底的に抑制し、経済を回復させた「成功体験」がある。 第一生命経済研究所の西浜徹主席エコノミストは、政策変更に伴う政治的な負担なども踏まえると「中国当局が(ゼロコロナの)戦略転換に動く可能性は極めて低い」と予想。当局は当面、感染抑制に向けて人流抑制策をさらに強化するとともに、インフラ整備といった経済政策などをフル活用し、さらなる景気の悪化を食い止める「二正面作戦」を展開していくものとみられる。
新幹線耐震化、JRに前倒し要請へ…運賃への転嫁を容認
2022年05月17日
今年3月の福島県沖の地震による東北新幹線の長期運休を受け、国土交通省は、JR各社に新幹線の耐震補強計画の前倒しを要請する方針を固めた。耐震化はJR東日本の東北、上越、JR東海の東海道、JR西日本の山陽の4新幹線で進められており、工事促進のため、費用を新幹線の乗車代金に上乗せし、利用者に転嫁することを認める方針だ。5月中にも有識者会議を設置して検討を始める。 【図表】各新幹線の耐震化の状況
国交省は1995年の阪神大震災を機に、震災前の「旧基準」で建設された新幹線の耐震化を各社に要請してきた。しかし、その後、補強の対象範囲を拡大したこともあり、25年以上が経過した今も完了しておらず、国交省は、各社に任せてきた計画の前倒しを求める必要があると判断した。特に今回の地震で高架橋の被害が出た東北と上越の耐震化率は、高架橋が66%、電柱が11%と遅れている。
工事費の負担が対策の遅れの要因の一つとされることから、費用捻出も支援する。各社が算出する今後の耐震化に必要な費用を、乗車代金に上乗せして賄うことを認めることを検討する。
国交省の通達では、乗車代金の値上げは、鉄道事業全体の収支が赤字の時に限ると定めているため、これを緩和する。鉄道事業法では、乗車代金の上限の設定・変更は事業者が申請して国が審査する認可制で、実際に上乗せするかは各社の判断に委ねる方針だ。
国交省は近く設置する有識者会議で、各社に求める計画の前倒し幅などを議論する。また既に設置している鉄道運賃・料金に関する有識者会議で費用の上乗せ方法について検討する。
最大震度6強を観測した3月16日の福島県沖の地震では、補強前の高架橋や電柱の損傷などで東北新幹線の福島―仙台間が29日間運休した。全面再開までの期間は2011年の東日本大震災以来の長期になった。東北新幹線は昨年2月にも地震で11日間運休した。
