経済・コロナ、政権左右 岸田首相、参院選へ成果急ぐ
2021年11月11日
衆院選を受けて再出発した岸田文雄首相の最大の課題は、新型コロナウイルスの感染再拡大を食い止めつつ、疲弊した経済を再生させることだ。 【図解】第2次岸田内閣の顔触れ 来年夏に参院選を控える首相は短期間で実績を積み上げたい考えだが、国民が実感できる成果を出せなければ厳しい評価を受ける可能性もある。 「政治空白は一刻も許されない。スピード感を政策実行に発揮すべく全力を挙げていく」。首相は10日の記者会見で、第2次内閣の取り組みをこう説明した。 首相が経済面で進めるのは、自民党総裁選や衆院選で掲げた「新しい資本主義」の具体化だ。小泉改革以降の新自由主義的政策が国民の格差を拡大したと主張。アベノミクスを修正し、政府も関与して「成長と分配の好循環」を実現することで、分厚い中間層の再構築を目指す。 成果を急ぐ首相は衆院選投開票前の10月26日に「新しい資本主義実現会議」を初開催。今月8日にはいち早く緊急提言を取りまとめた。9日には実現会議と連携して「新しい資本主義」を肉付けする4会議も設置し、10日には子どもへの10万円相当給付などで公明党と合意した。 19日には緊急提言や給付金を盛り込んだ経済対策を決定し、2021年度補正予算案を年内に成立させたい考えだ。 とはいえ、こうした取り組みが経済再生につながるかは未知数だ。緊急提言では賃上げ企業の税制支援や看護・介護・保育の収入増など、安倍・菅政権の延長線の施策が目立った。閣内からは「新味がない」との声が漏れる。 さらに不透明感が強いのがコロナ感染の先行きだ。8月に2万5000人を超えた国内の1日当たりの感染者数は200人前後まで減少した。しかし、欧州では世界保健機関(WHO)が「世界的大流行の震源地」と警告するほど感染が再拡大しており、日本でも「第6波」の懸念が強まる。 首相は12日、3回目のワクチン接種や経口治療薬の実用化などを網羅したコロナ対応の全体像を示し、国民の不安解消に努める。ただ、コロナ対応は安倍晋三元首相や菅義偉前首相の退陣の遠因となった「鬼門」。再び医療逼迫(ひっぱく)などを招けば、批判が強まることも予想される。
自民・山崎拓氏 衆院選での辻元清美氏の応援に「一言で言えば友情だ」
2021年11月11日
自民党の山崎拓元副総裁は、10日夜、東京・赤坂で小泉純一郎元首相らとの会合の後、記者団の取材に応じた。 【画像】会合に同席していた武田良太元国家公安委員長 山崎氏は、会合の内容について「小泉さんと私は小選挙区制度に反対したので、中選挙区制度の方がいいんじゃないかという話題があった」と明かした。 さらに、「中選挙区に戻すのは不可能なので、小選挙区制度でいくしかない。小選挙区制度は、昔のような派閥間の激しい戦いがなくなって、どうしても政治家が小物にならざるを得ない」と語った。 一方、衆院選で、山崎氏が立憲民主党の辻元清美氏の応援演説を行い、批判があがっていることについて、「一言で言えば、友情だ。立憲民主党の応援に行ったわけではなくて、辻元個人の応援に行った」と釈明した。 また、自民党の大阪府連が処分を求める上申書を提出していることについては、会合に同席していた武田良太元国家公安委員長に「対処を任せた」ことを明らかにした。 衆院選では山崎氏の派閥を継いだ石原伸晃元国交相が落選したが、今後の派閥運営については「森山前国対委員長を中心にまとまっていくと思う」と述べた。
林外相、日中友好議員連盟の会長を辞任の意向…「無用な誤解避けるため」
2021年11月11日
林外相は11日午前、就任後初の記者会見を行い、2017年12月から務めている日中友好議員連盟の会長を辞任する考えを明らかにした。「外相としての職務遂行にあたって無用な誤解を避けるため」と理由を説明した。
林氏の外相就任を巡っては、自民党内から中国との距離を懸念する声が上がっていた。林氏は中国との向き合い方について、「主張すべきは毅然(きぜん)と主張し、責任ある行動を求める。知中派であってもできると思っている」と強調した。
憲法改正「与野党の枠越えて」 維新・国民との連携に含み 首相会見
2021年11月11日
岸田文雄首相は10日の記者会見で、憲法改正に向けて、日本維新の会や国民民主党などに協力を求める可能性に含みを残した。 【写真で見る】首相に指名され一礼する岸田文雄首相 首相は「憲法改正を実現するためには与野党の枠を越えて、3分の2以上の賛成を得るため努力を続けることが大事だ。政党の枠組みで、どうこうということでなく、結果を得るためにどうすべきか検討し、努力するということだ」と述べた。
18歳以上にファイザー使用 3回目接種で特例承認
2021年11月11日
新型コロナワクチンの3回目の接種について、厚生労働省は、18歳以上を対象にファイザー製ワクチンを使うことを特例承認しました。 3回目の接種について、厚労省は11日、18歳以上を対象にファイザー製ワクチンを使用することを特例承認しました。 海外の治験では、ウイルスの働きを抑える中和抗体の値が、3回目を接種した後は2回目と比べておよそ3.3倍に上昇したということです。 18歳未満については、現時点では、有効性や安全性を示すデータが十分ではないとしています。 厚労省はファイザーから追加のデータが提出されれば、対象年齢の引き下げを検討するということです。 3回目の接種は2回目から8カ月以上経った人を対象に、来月、医療従事者から始まります。
「安倍派」発足 自民党最大派閥「細田派」が衣替え
2021年11月11日
自民党の最大派閥・細田派は安倍元総理の会長就任を正式に決め安倍派が発足しました。 【解説】誰が、いつもらえるの?10万円給付金で自・公が大筋合意 細田派はさきほど、派閥の総会で安倍元総理が新たな会長に就任することを正式に決めました。これにより細田派は安倍派へと変わります。 細田派をめぐっては会長を務めてきた細田博之元官房長官がきのう衆院議長に就任し派閥を離れることになりました。 これに伴い、派閥の幹部が安倍氏に会長への就任を要請し、安倍氏は受け入れる考えを示していました。 安倍氏は2012年自民党総裁に就任後派閥を離脱していましたが、先月行われた衆院選では派閥に所属する候補者の応援に駆けつけるなどし、派閥への復帰を期待する声があがっていました。
クモの巣に 燃えた書類・・・アフガニスタンの日本大使館をタリバンが“警備”するワケ
2021年11月11日
もぬけの殻となったアフガニスタン・カブールの日本大使館は、今、一体どうなっているのか。緊急取材しているJNNの取材チームが実情を捉えました。 記者 「許可証を出せということで、許可証を出します」 アフガニスタンの首都カブール。JNNのカメラは、タリバンから特別な許可を得て、日本大使館のあるエリアに向かいました。 記者 「ものすごい高い壁に囲まれていて、ここも監視塔があります。結構立派なドーム状の建物、あれがカナダ大使館ですね」 ここは、「グリーンゾーン」と呼ばれる、政府庁舎などが集まる地区のさらに奥。各国の大使館が並ぶ、最もセキュリティが高いエリアです。 8月、タリバンがカブールに進攻し、各国の大使館職員などが国外へ一斉に退避しました。そのため、このエリアはもぬけの殻。そして見えてきたのは・・・ 記者 「洗濯物がかけられていますね、タリバンの。エンバシー・オブ・ジャパン・アフガニスタン、ここだ」 日本大使館です。タリバンがカブールに進攻した日に閉鎖され、その後、外務省が日本人職員の退避を発表。しかし、その時、アフガニスタン人スタッフらおよそ500人は取り残されていました。建物に近づいてみると・・・ 記者 「今ここで誰かが仕事をしている、活動をしているというような様子はありませんね。テレビのリモコンとかも上にほこりが積もっちゃってるね」 「燃やされた書類があります。これが当時、退避する際に燃やされた文書なのかはちょっとわかりません」 「クモの巣がはっちゃってますね」 大使館の建物は時間が止まったような状態ですが、中は荒らされていません。 「誰も触っていないよ、触っていない」 タリバンは、「大使館には足を踏み入れていない」と説明。大使館が使っていた車もそのまま残されていました。 記者 「政府関係者が乗っていた車が、もうほこりかぶって放置されてますね。これ銃弾を受けた痕だね。車の中すごくきれいに」 窃盗や犯罪者の巣窟にならないよう、司令官から指示があり、警備しているのだといいます。一方で・・・ 記者 「この緑の幕なんですけれども、異様にきれいだなって私思ったんです。緑の布もそうですけど、これ新しい鉄条網を敷設してるんですね。おそらくドイツ大使館復旧のために巻いてるんですけれども」 タリバンの外務省の報道官によると、ドイツ大使館は機能を復旧させる可能性があるということです。実権掌握からまもなく3か月。タリバンには、閉鎖された大使館を警備することで、各国との関係改善を図る狙いがあるものとみられます。
議員会館の悪しき慣習…「胡蝶蘭」の“大量廃棄の現場
2021年11月11日
胡蝶蘭(こちょうらん)の花は通常ならば1~3ヵ月間も咲き続けるという。捨てるのはもったいない、そんな意識は永田町の住人には皆無なのだろうか? 【画像】こちらは甘利幹事長に浮上した「祝いの胡蝶蘭」使い回し疑惑写真 上写真は10月中旬に東京・永田町にある衆議院議員会館のゴミ捨て場を、関係者が撮影したものだ。高価な胡蝶蘭がズラリと並んでいる。しかも多くがビニールカバーで包装されたまま。これらは一時的に置かれているわけではない。ゴミ回収の業者によって廃棄され、翌日には綺麗さっぱり消えてしまう。 あるベテラン議員秘書が説明する。 「岸田文雄内閣発足に際して、自民党の役員や大臣・副大臣・政務官に就任した議員宛てに、各種団体や企業、後援者から議員会館にお祝いの胡蝶蘭が大量に届いたんです。受け取った各議員は、事務所に飾りきれない分は関係各所に配るのですが、それでも余るので、捨てるしかないんですよ……」 衆議院の第一議員会館および第二議員会館は12階建てで、各フロアの両端にゴミ捨て場が設置されている。10月中旬は多くのゴミ捨て場が胡蝶蘭で埋め尽くされたという。一つのフロアで約30~50鉢は置かれるというから、総数は200、300ではきかないだろう。 「それも1日だけではなく、毎回3日以上も続きます。議員事務所側も後ろめたいので、宛名が書かれた木札を外すことはもちろんですが、人目につかないようにゴミ回収の直前や週末の夕方に捨てていきます」(同前) FRIDAYは先週号で甘利明「元」幹事長が自分に届いた胡蝶蘭を他の議員に贈っていた「使い回し」を報じた。だが、それはまだマシなほうだったのかもしれない。 胡蝶蘭は発芽から花が咲いて出荷するまで4年ほどかかる。価格は2万~3万円からで、最高級品なら10万円以上だ。 贈答用の洋蘭を販売している岡田蘭園代表取締役の岡田弘氏はこう悲しむ。 「廃棄の写真を見てびっくりしました。まだまだ飾れる新しい胡蝶蘭です。厚意で胡蝶蘭を送る側としては、たまったものではありません。蘭は生き物で、まして高価です。花を扱う者として我々も考えさせられました。受けとる側のことも考えて、胡蝶蘭に代わってカトレアのような豪華でコンパクトな花を贈るのも良いかと思います」 このままでは総選挙の後、同じことが起きるだろう。何か対策を講じるべきではないだろうか。だが、衆議院事務局広報課担当者はこう回答するのみだった。 「一般論としてゴミ分別室内の廃棄物は適切に分別し処理しております」 SDGsやサスティナブルをさかんに叫ぶ国会議員は、まず足元の問題を解決してほしい。
中国「爆買いの祭典」に異変。「○○兆円」の速報なし…「グリーンと低炭素」が猛プッシュされた理由は?
2021年11月11日
中国の「爆買い」を象徴する祭典に明らかな異変が起きている。 「1」が4つ並ぶ11月11日は「独身の日」。毎年この時期には通販プラットフォームが安売りの祭典を開き、数兆円にものぼる流通総額が大々的に報じられるのが恒例だ。 だが、2021年は派手な金額の速報を取りやめ、「グリーン」と「低炭素」を主役に据える。変化の背景には、習近平指導部の政策がもたらした影響がありそうだ。
初登場の「緑色会場」

新エネルギー車の特集。NEVとも略される。
中国では、11月11日をめがけて実施される安売りセールを、日付にちなんで「ダブル・イレブン」と呼ぶ。始めたのはEC最大手・アリババだが、競合の京東(ジンドン)なども参加し、激しい競争が繰り広げられる。 このうちアリババは2020年、期間中(11月1日~11日)の流通総額が4982億元(約7兆7000億円)を記録。中国全体の消費の潜在力を示す数字としても見られてきた。 しかし今年は、例年発表される流通総額の速報は見送った。速報は「お祭り感」を演出する装置だっただけに、異例の措置だ。 アリババが今年前面に押し出すのは別の領域。それが、環境負荷低減や省エネなどを意味する「緑色(グリーン)」と「低炭素」だ。 アリババのダブル・イレブン特設サイトには、環境負荷が少ない商品などを集めた「緑色会場」が初めて出現。並ぶのはいずれも、エネルギー効率などに関する中国国内の認証を獲得した商品で、その数およそ50万点にも及ぶ。 眺めてみると、省エネを謳った洗濯機・エアコンなどの家電や、有害な化学物質を含まないとする食品などがずらり。中国政府が「新エネルギー車」として位置づける電気自動車(EV)やプラグインハイブリット車(PHV)なども特集されている。 日本企業の商品もラインアップされている。東芝の炊飯器、エプソンのプリンター、それに水資源の節約につながるとしてTOTOの便座など多岐にわたる。 アリババ側も「グリーン消費券」と題する合計17億円分のクーポンを利用者に配布することで、低炭素などを意識した購買体験を広める。 こうした狙いについて、アリババの董本洪(クリス・タン)最高マーケティング責任者は10月に開かれたオンライン記者会見で、「我々の焦点は流通総額から持続可能な発展へと移っている。モノを売るだけではなく、ユーザーがサステナブルな消費観を持てるよう後押ししていきたい」と話している。 今後は、アリババ側もパートナー企業と協力し、低炭素をテーマとした商品開発にあたる方針だという。
不漁にあえぐ「イカのまち」、美味なキングサーモン養殖に挑む…成功なら全国初
2021年11月08日
「イカのまち」として親しまれながらスルメイカの不漁にあえぐ北海道函館市は、「獲(と)る漁業から育てる漁業」への転換を目指し、今年度からキングサーモンの養殖研究を始めた。2026年度から完全養殖試験に入る目標を立てているが、キングサーモンは人への警戒心が強く、養殖を断念した事例もある。成功すれば全国初という挑戦だ。(橋爪新拓) 【写真】イカのまちの救世主になるかもしれない魚
■北大と協力人工授精

(写真:読売新聞)
キングサーモンは、和名「マスノスケ」と呼ばれ、北海道では太平洋沿岸で少量しか漁獲されないため、高級魚として高値で取引される。ノルウェーやチリから輸入されるアトランティックサーモン、国内各地で養殖されるニジマス、銀ザケなどに比べ、希少性が高い。上質な脂身が多く、美味で、養殖できれば高い人気を得られる期待がある。
函館市は4~6月、定置網で混獲された天然魚56匹を入手。メスから卵を採取し、北海道大学が冷凍保存している精子を人工授精させた。卵はかえらなかったが、市水産課の大野孝悦課長は「1年目に天然魚を確保でき、養殖計画の出だしは上々だ」と話し、「完全養殖で安定供給ができれば、天然資源依存から脱却する鍵となる。市の新たな名産品として育てていきたい」と意欲をみせる。
11月から市内の沿岸に設置するいけすの場所を選ぶため、潮流や耐久性の調査に入る。メスは4年で成熟するとみられ、18年度にかえった北大所有のキングサーモンから22年度に採卵できる見込み。うまくいけば26年度には天然魚に頼らずに養殖を繰り返す完全養殖試験を始めたい考えだ。
■イカ取扱量激減
背景にあるのがスルメイカの不漁だ。市企画調整課などによると、市水産物地方卸売市場でスルメイカの取扱量は08年度に8924トンだったが、20年度は436トンに落ち込んでいる。今年度も不漁だ。
函館頭足類科学研究所の桜井泰憲所長は原因として、〈1〉スルメイカ全体の資源量減少〈2〉日本海側の海水温が高く、群れの多くは適温の韓国やロシアなど大陸側を回遊した〈3〉イカが日本に来るまでに他国船に乱獲されている――と指摘している。
