「スピード円安」で急増 円安倒産、8月は「6年ぶり」高水準
2022年09月09日
2022年の8カ月累計で既に前年を上回る多さ

円安倒産 推移
「円安倒産」が急増している。円安による輸入コストの上昇などが直接・間接要因となって倒産した円安倒産は、2022年8月で7件発生した。8月としては2年ぶりの発生となったほか、前月(1件)から大幅に増加した。また、2022年1~8月の累計件数は9件となり、既に前年(5件)を超え、3年ぶりの前年比増加となる。業種別では、食料品や繊維製品、機械部品の製造や卸売といった産業が中心で、いずれも急激に進んだ最近の円安が倒産要因として挙げられた。 円安倒産は2014~16年にかけて、月平均20件ペースで発生。しかし、その後1ドル110~120円で安定したこともあり、2017年以降は月1~2件程度にとどまるなど落ち着きをみせていた。しかし、2022年に入り円安が急速に進行しており、9月には24年ぶりの1ドル140円台を記録した。1年で30円近く下落した「スピード円安」で発生した予期しないコスト増が重荷となり、単月としては2016年5月(12件)以来6年ぶりの高水準を記録した。 帝国データバンクが8月に実施した調査では、企業の約8割が急激な円安によるコスト増加を実感していると回答した。足元では燃料費や電気代のほか、2万品目に上る食料品、木材といった建設資材など幅広い分野で価格が引き上げられる。一方、中小・零細企業の多くで販売価格への転嫁が十分とはいえず、円安倒産は今後増加傾向に転じる可能性がある。
ワクチン1日100万回」「療養期間短縮」ウィズコロナへ首相表明
2022年09月07日
岸田文雄首相は6日、新型コロナウイルス対策で、「ウィズコロナ」へ移行するための「全体像」を明らかにした。オミクロン株対応ワクチンの接種を今月から開始すると表明し、1日100万回を超える接種体制の整備を目標に掲げた。感染者の自宅療養期間の短縮や「全数把握」の全国一律見直しも打ち出した。8日の政府の基本的対処方針分科会などの議論を経て、正式決定する。 【図解】ワクチン接種で気をつけることは? 首相官邸で記者団に語った。首相は、オミクロン株対応ワクチンについて「年末年始に備えて山場となる10~11月にかけて、1日100万回を超えるペースの体制を整備する」と述べた。当初10月半ばからの接種を予定していたが、12歳以上を対象に今月から接種できるようにする。10月末までに対象者全員分のワクチンが輸入されるとの見込みも示した。 感染者の自宅療養期間については有症状の場合、現行の10日間から7日間に短縮。無症状の場合は検査で陰性が確認されれば、現行の7日間から5日間に縮める。 全数把握については、首相は8月24日に自治体の判断で、感染者の届け出対象を重症化リスクの高い患者だけに限定することを認めると表明した。だが、同31日から抗原検査キットのインターネット販売など軽症者の療養体制が整備されたことや「全国的に感染者の減少傾向が確認された」ことなどを理由に、今月26日から全国一律で適用することにした。届け出対象は、65歳以上の高齢者と入院を要する人、治療・投薬などが必要な人、妊婦に限られることになり、医療機関の負担軽減につなげる。届け出対象者以外も新規陽性者の総数は引き続き報告を求める。 厚生労働省は6日、感染者の外出について、症状軽快から24時間経過後、または無症状の場合は、マスク着用を必須とした上で、必要最小限の買い出しは容認すると明らかにした。
トラス新英首相、経済難の「嵐乗り切る」 就任後初演説
2022年09月07日
英国のリズ・トラス(Liz Truss)新首相(47)は6日、首都ロンドンの首相官邸前で就任後初の演説を行い、現在停滞している経済状況を好転させると約束した。 【写真】夫のヒュー・オレアリー氏と並んだトラス新首相 同国で3人目の女性首相となったトラス氏は、10%を超えるインフレ率やエネルギー価格の高騰といった「嵐を乗り切る」と宣言。今週中にエネルギー供給の確保に向けた措置を取り、関連法案に対処すると述べた。 また、「嵐は強くとも、英国民はそれよりも強いことを私は知っている」とし、経済やエネルギー、保健分野での課題に優先して取り組むと表明した
トラス英首相就任 経済・対ロ、直ちに難題
2022年09月07日
英与党保守党の党首選で勝利したエリザベス・トラス外相(47)は6日、ジョンソン首相に代わり新首相に就任した。 【写真特集】英新首相 リズ・トラス氏 故サッチャー元首相、メイ前首相に続く英史上3人目の女性首相。記録的な物価高やエネルギー高騰に見舞われ、国民は危機感と不満を強めており、トラス氏は就任直後から幾つもの難題と向き合うことになる。 ジョンソン氏がエリザベス女王の静養先であるスコットランドのバルモラル城で女王に謁見(えっけん)し、正式に辞任した後、女王がトラス氏を新首相に任命。トラス氏はすぐにロンドンへ戻って首相官邸前で就任後初の演説を行い、「国家の重要な時期に(首相としての)責務を遂行できることを誇りに思う」と述べた。7日に組閣を完了させる見通し。
ロシア、北朝鮮からロケット弾大量購入の手続き 米当局者
2022年09月07日
ロシアがウクライナの戦場で使うため、北朝鮮から数百万発のロケット弾や砲弾を購入する手続きを進めていることが分かった。 【映像】ロシア軍ヘリを撃墜、ウクライナが動画公開 米紙ニューヨーク・タイムズが最初に報じ、米当局者がCNNに語った。 同当局者はこれについて、欧米諸国の輸出規制や制裁措置により、ロシア軍がウクライナで武器不足に陥っていることを示す動きだと述べた。 米当局は、ロシアが今後さらに北朝鮮から軍事物資の調達を図るとの見通しを示している。
住民税非課税世帯に5万円給付で調整…政府、物価高騰受け追加対策
2022年09月07日
政府は6日、物価やエネルギー価格の高騰を受け、所得の低い住民税非課税世帯に5万円を給付する方向で調整に入った。9日に開く予定の「物価・賃金・生活総合対策本部」(本部長・岸田首相)で取りまとめる追加対策に盛り込む方針だ。 【写真】高騰続くガソリン、その値段は家計を圧迫するレベルに

首相官邸
複数の政府関係者が明らかにした。財源は約9000億円を見込み、2022年度予算の予備費を充てる見通しだ。
物価高騰の影響が長期化しており、政府はエネルギーと食料品に重点を置いて対策を講じる。地方自治体が独自に物価対策を進める原資となる「地方創生臨時交付金」は、現在の1兆円から増額する。
住民税非課税世帯5万円給付の経済効果と課題
2022年09月07日
住民税非課税世帯への5万円給付は個人消費を2,250億円押し上げ

NRI研究員の時事解説
政府は9日の「物価・賃金・生活総合対策本部」で、追加の物価高対策を決定する。既存のガソリン補助金制度を10月以降も継続する、政府が輸入小麦を製粉会社などに売り渡す価格を10月以降も現在の水準に据え置く、地方自治体が独自に物価対策を進める際の原資となる「地方創生臨時交付金」を現在の1兆円から増額するなど、さらなる物価高を避け、現状の物価高対策を継続するやや消極的な対応にとどまる。 ただし、それらに加えて、住民税非課税世帯に対して1世帯当たり5万円を給付する措置が新たに講じられる可能性が高まっている。全5,976万世帯のうち約27%に相当する約1,600万世帯が対象になるとみられる。9千億円程度の財源が必要になると考えられ、今年度予算の予備費が充てられる見通しだ。 一時的な所得増加は、貯蓄に回る割合が高くなる傾向があるが、かつての定額給付金の効果についての内閣府の試算によると、給付金の25%が消費に回った。この数値に従うと、今回の9千億円程度の住民税非課税世帯への給付は、個人消費を2,250億円程度押し上げると試算される。これは年間名目GDPの約0.04%であり大きな経済効果を発揮するとは言えない。
給付金は物価高の痛みを一時的に和らげる施策に過ぎない
足元で進む物価高は、エネルギー、食料品の価格上昇が中心であり、それらは低所得層ほど消費全体に占める比率が高い(コラム「低所得者に厳しい物価高が続く:6月消費者物価統計」、2022年7月22日)。つまり、足元の物価高は低所得層により大きな打撃を与えることから、低所得層にターゲットを絞った対策を講じることは重要となる。 ただし、住民税非課税世帯は世帯全体の約27%にも相当することから、支援対象を十分に絞り込めていないと言えるのではないか。もっとピンポイントで、物価高の影響を大きく受ける低所得層を集中的に支援する施策が望ましい。しかし、そうした世帯を短期間で特定する手段がないことから、児童手当給付世帯や住民税非課税世帯が給付の対象とされるのである。所得水準などに応じて、必要な世帯に必要な給付を迅速に届けることができるよう制度の構築を進める必要がある。 ただし、低所得層にとっても給付金は一時的に痛みを和らげる施策に過ぎない。より抜本的な対策として、政府には、成長戦略の強化を通じて労働生産性、潜在成長率を引き上げる取り組みを積極化することが望まれるところだ。その結果、賃金が先行き増加するとの期待が個人の間に高まれば、物価高が個人消費に与える打撃は軽減されるだろう。それは、物価高に対する経済の耐性を構造的に強めることになる。
止まらない円安 1ドル=143円台 1日で3円近く円安進む 年初比28円の円安に
2022年09月07日
外国為替市場で、円相場が一時1ドル=143円台に下落しました。 1998年8月以来、24年ぶりの円安水準に歯止めがかかりません。きのう(6日)の午後3時に141円台、午後9時前に142円台を記録したばかりで、この1日で3円近く一気に円安が進みました。 【写真で見る】9月も値上げ、食品も家電もゲーム機も…“止まらない円安”が追い打ち 家計の危機 また、1ドル=115円台近辺で推移していた今年1月と比べると、28円円安が進んだことになります。

1ドル143円に
6日に発表されたアメリカの景気指数が市場予想を上回ったことで、アメリカで金融引き締めが加速するとの思惑が広がり、金融緩和を変えない日本銀行との政策差から円を売ってドルを買う動きが一段と進みました。 市場関係者は「最近の鈴木財務大臣の発言を見ても政府・日銀が為替介入など具体的な対応を要するほどの懸念を示していないことが円売りの材料となっている」と分析しています。
トップが容疑否定の翌日に元専務ら逮捕、KADOKAWA一転謝罪…地検は会長宅も捜索
2022年09月07日
東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件は6日、大会組織委員会理事だった高橋治之容疑者(78)が受託収賄容疑で再逮捕されるとともに、出版大手「KADOKAWA」の元専務らが新たに贈賄容疑で逮捕される事態になった。前日にはトップが容疑を否定していた同社。この日は一転、会社として謝罪コメントを出すことになるなど、対応に追われた。 【写真】「問題ない」と会見した角川歴彦会長
「賄賂を渡したという認識はない。法律事務所も入り、何も問題ない」
5日に東京都内で報道各社の代表取材に応じたKADOKAWAの角川歴彦(つぐひこ)会長(79)。約30分にわたって賄賂性を否定する説明を展開し、「社員を僕は信じますよ」と言い切っていた。
ところが、東京地検特捜部は6日、元専務取締役の芳原世幸(としゆき)(64)と東京五輪・パラの関連事業で担当室長だった馬庭(まにわ)教二(63)の両容疑者を贈賄容疑で逮捕。東京都千代田区のKADOKAWA本社や芳原容疑者らの自宅だけでなく、角川会長の自宅の捜索にも踏み切った。

「KADOKAWA」本社ビルを出る、押収物を載せたとみられる車両(6日午後7時45分、東京都千代田区で)
角川書店として1945年に創業した同社。2014年10月には「ニコニコ動画」で台頭したIT企業ドワンゴと経営統合し、海外展開にも注力してきた。22年3月期の売上高(連結決算)は過去最高の2212億円に上っており、好調な業績を維持していた。
KADOKAWAは芳原容疑者らの逮捕を受け、「本件を厳粛に受け止め、地検の要請に誠意をもって対応するなど、引き続き捜査に全面的に協力する。関係者の皆様に多大なご心配とご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げる」とするコメントを出した。
関係者によると、同社は東京大会のスポンサーになるため、高橋容疑者の知人で、6日に受託収賄容疑で逮捕されたコンサルタント会社社長の深見和政容疑者(73)に相談。深見容疑者から要望を聞いた高橋容疑者は、組織委やスポンサー募集を担う「マーケティング専任代理店」だった大手広告会社「電通」に対し、出版部門のスポンサー枠を新設するよう提案した上で、KADOKAWAを選定するよう働きかけた疑いがある。同社は実際、19年4月に大会スポンサーとなり、公式ガイドブックを発売した。
ダイソーとラウンドワンが米国で大人気のワケ、共通する「3つの成功ポイント」とは
2022年09月07日
大手100円ショップチェーンのダイソーが7月にニューヨーク市マンハッタンで初の店舗をオープンし、行列ができたことが米国や日本のメディアで話題となった。ほかにも、ボウリングやアミューズメントなど複合レジャー施設を運営するラウンドワンは2010年に1号店をオープンし、現在では米国で46店舗を構えるなど、好調な事業として規模拡大を続けている。日本市場の成長が頭打ちとなる中で積極的な米国進出が成功した両社の共通点とは何なのか。両社の米国における堅調さから学べる要素をまとめてみた。
米国版100円ショップが人気沸騰、その「2つの理由」とは
米国のインフレはガソリン価格の急落でやや落ち着きを見せ始めたものの、消費財や食品の値段が高止まりし、全体的には歴史的な水準にある。そうした中、ダラーゼネラルやダラーツリー、ファミリーダラーなど、米国版100円ショップの「ダラーストア」の人気が高まっている。 米調査企業GlobalDataのニール・ソーンダース専務は8月11日付の小売業界サイト「リテールワイヤー」で、「中間層の買い物客は、多くの消費をダラーストアに移している。理由は2つあり、1つは支出を切り詰められること。もう1つはダラーストアが市街地あるいは過疎地に出店しており、買い出しのガソリン代が節約できることだ。ウォルマートなど郊外に立地するスーパーマーケットでの買い物は、燃料費が高くつく」と解説している。 米CNNビジネスも6月8日付の記事で、「リーマン不況以来、米3大ダラーストアは、そのほかのどの小売業者よりも早く成長し、店舗数を伸ばしてきた。また、品ぞろえを拡充することで、一般のスーパーマーケットやドラッグストア、コンビニから客を奪ってきた」と指摘した。 ダラーゼネラルにおける2022年4~6月期の売上高は前年同期比9%の上昇。さらには、ダラーツリーが6.7%伸びた。 この背景には、インフレによる消費者の「下方移動」現象がある。たとえば、低所得層の顧客が多い米ウォルマートのジョン・レイニー最高財務責任者は8月16日のアナリスト向け会見で、「4~6月期には、より高収入の消費者が(インフレの影響で)弊社の店舗において買い物をするようになった」と語っている。そして、同様の理由により、一部のウォルマート顧客がダラーストアに流出しているようだ。 インフレが高進する中で、各ダラーストアはコスト高騰を理由に値上げを実施したが、それでも売上は減るどころか伸びている。時代が、ダラーストアに有利な環境を作り出したと言えるだろう。 このような消費者の下方移動が進む米国だが、米政府の新型コロナウイルス給付金が終了して1年以上が経過している。ダラーストア訪問の目的が「自由に使える支出」から「少しでも安い食品や消費財の購入」に変化してきたと、米経済専門局のCNBCが報じた。 物価上昇のペースが賃金の伸び率を上回り、多くの労働者で実質上の収入が減少する中、「ショッピングを楽しむ余裕」がなくなってきたように見える。
