HIS、赤字拡大269億円 コロナ禍で過去最大 4月中間
2022年06月14日
旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)が13日発表した2022年4月中間連結決算は純損益が269億円の赤字と、中間期として過去最大だった前年同期の235億円から赤字幅が拡大した。 【図解】都道府県別新規感染者数(人口10万人当たり) 新型コロナウイルス感染拡大が続き、主力の海外旅行事業を中心に業績が振るわなかった。中間期の赤字は3年連続。 資源価格の高騰を受け、電力小売りや発電などエネルギー事業も赤字が膨らんだ。一方、ハウステンボス(長崎県佐世保市)は開業30周年の記念イベントなどが好調で、2期ぶりに黒字に転じた。 22年10月期通期の業績予想はコロナ禍の影響が見通せないとして公表を見送ったが、需要回復を見込んで23年には旅行事業全体で黒字化できると説明した。沢田秀雄会長は記者会見で「海外旅行事業を立て直し、反転攻勢に移っていきたい」と述べた。
新型軽 電気自動車「日産サクラ」がデビューから3週間で受注1万1000台を突破。6月16日発売開始
2022年06月14日
6月13日に日産自動車から新型軽電気自動車「日産サクラ」の受注が、5月20日のデビューから3週間で1万1000台(1万1429台 ・6月13日時点 日産調べ)を超えたと発表された。なお「日産サクラ」は、6月16日より販売を開始する。 [関連写真、一挙101点掲載!!]~発売前に受注1万1000台を突破した新型軽 電気自動車「日産サクラ」とは~
61%のユーザーが中間グレードの「X」をチョイス
2022年5月20日にデビューした「日産サクラ」は、軽自動車ならではの小回り性能に加え、圧倒的な静粛性や力強くなめらかな加速や上質で洗練されたデザインで包み込む、広々とした室内空間に日常使いに十分な航続距離(最大180km・WLTCモード)などが好評を得ているという。 また、注文するユーザーの特徴としては2台目以降の複数所有のユーザーや以前より電気自動車に興味を持っていたガソリン車などを所有していたユーザーからの代替えも多いとのこと。購入年齢層は、60代が26%、50代が24%と多く、続いて70代以上が21%、40代が18%となっている。30代までの年代は11%と現時点では少ないが、今後伸びていくと日産自動車では予想しているという。 さらに高速道路単一車線での運転支援技術「プロパイロット」や駐車時にステアリングやアクセル、ブレーキ、シフトチェンジ、パーキングブレーキのすべてを自動で制御する「プロパイロットパーキング」も支持を得ている理由の1つという。 人気グレードとしては、36%のユーザーが最上位の「G」グレードを選んでいるという。最も多いのが「X」グレードの61%、「S」グレードが3%とのこと。また、アラウンドビューモニターは7割以上のユーザーが選択する人気のアイテムになっている。 ボディカラーはホワイトパールが20%のユーザーが選択し1番人気。続いてホワイトパールとチタニウムグレーの2トーンが15%、シーズンカラーである暁(サンライズカッパーとブラックの2トーン)が12%と好評で、スターリングシルバーが9%、ブラックが7%、その他が36%となっている。 今回の「日産サクラ」受注状況発表に先立ち、オンラインレクチャーが実施され、日産自動車(株)チーフマーケティングマネージャ―柳 信秀氏が、「現時点でのユーザーの購入地域は神奈川県、東京県、大阪府、静岡県在住が多いです。しかし、今後コマーシャルなどが全国展開していくとさらに広がる可能性が高いでしょう。」「軽自動車の概念を変える電気自動車ならではの加速性能や高い静粛性が人気の理由と考えています」とコメント。また、支払いは毎月定額で税金、車検も支払いに含まれる、日産のサブスクリプション「ClickMobi(クリックモビ)」に「日産サクラ」が追加される予定ということも披露された。 ●文:月刊自家用車編集部 ※本記事の内容はオリジナルサイト公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な表記がないかぎり、価格情報は消費税込みの価格です。
長期化が懸念されるウクライナ侵攻の展望――停戦協議はなぜ進まないか
2022年06月13日
- ウクライナ侵攻が長期化するなか、停戦をめぐるウクライナとロシアの主張には変化がみられる。
- ただし、とりわけウクライナ側には現状での交渉が不利という判断が働きやすく、現状での停戦協議に難色を示している。
- ウクライナの警戒心は、停戦協議を働きかける西側先進国にも向かっている。
世界の政治・経済に大きなインパクトを与えたウクライナ侵攻が始まって3カ月以上が経過し、長期化も懸念されている。ロシアとウクライナはこれまでに停戦協議を断続的に行ったものの、大きな進展を見せていない。果たしてウクライナ侵攻は今後どうなるのか。停戦の可能性について考える。
停戦協議の動き
まず、これまでの停戦協議について確認しておこう。停戦に向けたロシアとウクライナの間の協議は、侵攻が始まった翌3月に早くも始まった。この停戦協議には二つのルートがある。
一方には、2月28日からベラルーシで断続的に行われた会談があり、これはそれぞれの大統領直属のチームによるものだった。

もう一方には、それぞれの外務大臣による協議があり、3月末にイスタンブールで行われた。こちらのルートは開催地トルコの他、イスラエルなどいくつかの国によって仲介されている。
これらの協議の具体的テーマについては不明だが、英フィナンシャル・タイムズはベラルーシでの協議開始に先立って、複数の関係者の証言として15項目が話し合われていると報じた。
そのなかには、ロシアが2014年に併合したクリミア半島やロシアが攻勢を強める東部ドンバス地方の扱い、ウクライナの将来的な安全の確保といった、両国間の長期的な関係にかかわるテーマだけでなく、捕虜の交換や人道支援物資の供給ルート確保といった、より実務的な問題も協議されているとみられる。
ただし、これらの協議はこれまでのところ、具体的な合意にほとんどたどりついていない。両国の言い分に隔たりが大きいためで、とりわけ停戦の前提条件となる、ロシア占領地の扱いやウクライナと西側の関係については、着地点を見つけることが難しい。

ウクライナの優先順位のシフト
とはいえ、注意するべきは、戦争が長期化するなかでウクライナ、ロシア双方の主張がシフトしていることだ。つまり、それぞれの言い分の全てを実現することが難しいなか、両国とも優先事項を徐々に絞り始めているのである。
ウクライナに関していうと、ゼレンスキー大統領は当初、主に以下のポイントを強調していた。
- ウクライナの領土・主権の保全
- ロシアによる侵攻が始まった2月24日以前の状態に戻すこと
- 将来にわたる安全の保証
これらのうち、ロシアが2014年に編入したクリミア半島に関して、ウクライナ政府は3月のイスタンブールでの協議でロシア側と「15年間かけて協議することに合意した」と発表した。この問題はじっくり時間をかけて話し合うことにして、当面の優先課題から外した、というのだ。

また、ゼレンスキーはベラルーシでの協議が不調に終わった後の3月初旬、「もはやNATO加盟を強く求めることはない」と発言をトーンダウンさせている。そこには、ロシアに対するNATO加盟国間の温度差(後述)を受け、すぐさま加盟することは困難という現状認識があったとみられる。
その結果、ウクライナの要求は、ロシア軍の撤退と、親ロシア派が実効的に支配する東部ドンバス地方の扱いに集中してくる。つまり、これらからロシアの影響力を排除することが優先課題になっているといえる。
実際、侵攻開始から3カ月の節目に、ゼレンスキーは「領土を(侵攻が始まった)2月24日以前に戻したうえでロシアと交渉のテーブルにつく」と発言している。
ロシアの優先順位は?
これに対して、ロシアもまた優先順位を絞り始めている。
当初、ロシアは主に以下の要求をしているとみられていた。
- ウクライナの「中立化」(NATOやEUなどに加盟しないこと)
- ウクライナの「非軍事化」(外国軍隊を駐留させないこと)
- ウクライナの「非ナチ化」(アゾフ連隊などの極右勢力をゼレンスキー政権から排除すること)

これらのうち、とりわけNATO加盟を阻止するため、ロシアはウクライナ憲法に「中立」を盛り込むことを求めるなど、過剰なまでの要求を突きつけていたが、そのトーンは最近、弱まっている。ウクライナ政府の加盟要求に対するNATO加盟国間の温度差を見てとったロシアは、「中立化」が事実上達成されたと判断したのかもしれない。
これに加えて、イスタンブールでの協議直前頃からロシア政府は「非ナチ化」についてもほとんど触れなくなった。これはウクライナが「NATO加盟」のトーンを弱めることとの取引だったという見方もある。
いずれにせよ、その一方でロシア政府は、ウクライナ国内のロシア系人の多い土地について、他の条件以上に譲らない姿勢を鮮明にしている。
例えば、ロシアのラブロフ外相は4月、3月末のイスタンブールでの協議でウクライナ政府がクリミア半島の帰属に関して将来もロシアのものと認めたのに、その後になって「今後の協議案件」と発表したことは受け入れられないと表明した。

秘密協議であるため、どちらの言い分が正しいかは藪の中だが、確かなことはロシアがクリミア半島をウクライナに戻すつもりがないことだ。
これに加えて、4月にウクライナの首都キーウ(キエフ)の制圧に失敗した後、ロシアはそれまで以上に「主要目標はドンバスの解放」と強調するようになっている。
ロシアはこの地域の歴史的領有権を主張しており、第二次世界大戦の戦勝記念日に当たる5月9日の演説でプーチンは「‘特別軍事作戦’が唯一の選択肢だった」と正当化しただけでなく、「ロシアはドンバスの‘母なる大地’のために戦っている」と強調した。
さらに、「ドンバスでロシア系人が虐殺されている」と主張しており、これを防ぐためとしてその兵力を東部に集中させ、親ロシア派武装組織を支援している。
停戦協議は進むか
このようにドンバスの取り扱いが最大の焦点となっているわけだが、それではウクライナとロシアの停戦協議は進むかというと、その公算は高くない。
一般的に外交交渉は当事者が「何を得て何を放棄するか」を明らかにするプロセスといえる。この場合、ウクライナ、ロシアの双方がドンバス領有を最優先にするのであれば、それ以外で妥協して合意にたどり着くことはできない。

ロシア政府は5月末から、しばしば交渉の再開を口にしているが、基本的にドンバスの取り扱いなどで譲歩するつもりはないとみられる。だからこそ、ウクライナ側は停戦協議の再開を拒否し続けている。
ドンバスで親ロシア派が実質的な支配を強化しているなか、「即時停戦」を優先させれば、ウクライナはドンバスを諦めざるを得なくなりかねないからだ。ロシアの提案は、ウクライナが拒否することを織り込み済みの、「交渉する意志がある」というポーズに過ぎないとみられる。
これに加えて、激戦が続くセベロドネツクなどウクライナ軍の善戦もあって戦局が一進一退を繰り返し、どちらも明白な優位を確立できていないことは、どちらにとっても交渉に向かう決定的な状況を生み出しにくくしている。
そのため、ウクライナにとっては有利な立場で停戦協議に臨むためにも、軍事的な成果をあげ、「勝っている」という状況を作り出す必要がある。
15歳少年、ロ軍撃退に一役 ドローン駆使し敵の位置を伝達
2022年06月13日
2月下旬にロシア軍がウクライナの首都キーウに迫っていた際、ドローンを使ってロシア軍の正確な位置をウクライナ軍に知らせ、撃退に貢献したのは15歳の少年でした。 ドローンを操縦しているのはアンドリー・ポクラサさん(15)。 カナダのメディア、グローバルニュースなどによりますと、ロシア軍が2月24日にウクライナに侵攻し首都キーウに迫っていたころ、アンドリーさんと家族はキーウの近郊に住んでいました。 当時、この地域にはドローンを操縦できる人がほとんどおらず、アンドリーさんと父親はウクライナ軍の依頼を受け、市販のドローンを使ってロシア軍の正確な位置を伝えました。 アンドリーさん:「タブレットでより正確に座標を絞り込み、トランシーバーで送信し、砲兵隊(が狙う位置)の調整をしました。非常に早く5~7分で終わりました」 この情報をもとにウクライナ軍はロシア軍の戦車部隊を攻撃し、撃退に成功しました。 アンドリーさん:「ここは私の家です。占領地で起こっていることが自分の家に起こるのを見たくなかったです」
バイデン氏「プーチンのせいで物価上がった」…米でインフレ再加速、ガソリン価格高騰
2022年06月13日
米国でインフレ(物価上昇)に歯止めがかからず、長期化する懸念が高まっている。10日発表された5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比8・6%上昇し、約40年半ぶりの高水準に達した。伸び率の加速は2か月ぶり。根強いインフレ圧力を封じ込めるため、米連邦準備制度理事会(FRB)は急速な利上げを進める構えだ。 【動画】ウクライナ軍、ドローン使いロシア艦艇2隻を破壊

(写真:読売新聞)
「プーチン(露大統領)のせいで物価が上がり、米国は打撃を受けている」。バイデン大統領は10日の演説で、ロシアのウクライナ侵攻でエネルギーと食料価格が高騰し、インフレの再加速を招いていると訴えた。
車社会の米国で生活必需品のガソリン価格は連日のように過去最高値を更新。5月は1年前より48・7%の大幅上昇となった。「肉・魚・卵」は14・2%上昇するなど、食品価格も高水準が目立つ。
「何もかもがバカげたように値上がりしている。(高額な)肉はなるべく食べないようにしているよ」。ワシントンのスーパーで買い物をしていた男性(57)はあきらめ顔だ。
金融市場が注目していたのは、物価の基調を見る上で重要な食品・エネルギーを除いた指数の動向だ。伸び率は6・0%と4月(6・2%)から鈍化したものの、前月比では0・6%と横ばいで、市場予想(0・5%)を上回った。中古自動車の価格が4か月ぶりに上昇に転じたほか、家賃など住居費の上昇も加速した。
米ブルッキングス研究所のデイビッド・ウェッセル氏は「今回の統計でインフレはピークを過ぎたと言えることを期待していたが、失望する結果となった」と話す。米ゴールドマン・サックスもリポートで「物価は広範囲に強含みだ」と指摘した。
FRBは5月、インフレ抑制に向け、22年ぶりに通常の倍にあたる0・5%の大幅利上げに踏み切った。消費や投資を抑えるため、パウエル議長は今月14~15日と7月の連邦公開市場委員会(FOMC)でも、大幅利上げを継続する考えを示唆している。
速報】一時1ドル 135円台 20年ぶり円安水準 日米“金利差” 円売りドル買い強まる
2022年06月13日
速報です。円相場が1ドル=135円台に突入し、およそ20年ぶりの円安水準を更新しました。 きょうの東京外国為替市場の円相場は、円を売ってドルを買う動きが一段と強まり、一時1ドル=135円台と、2002年2月以来、20年4か月ぶりの円安ドル高水準をつけました。 背景にあるのは、日本とアメリカの金利の差です。アメリカでは記録的なインフレが進み、先月の消費者物価指数は、およそ40年半ぶりの高い水準となりました。 物価上昇を抑えるため、アメリカの中央銀行にあたるFRBは、今週開く会合で、大幅な利上げを決める見通しです。 一方、景気回復が遅れる日本では超低金利が続けられているため、アメリカとの金利差がさらに広がるとの見方から、円を売ってドルを買う動きにつながっています。
【速報】日経平均 一時700円超値下がり
2022年06月13日
きょうの東京株式市場で日経平均株価は取引開始直後から売り注文が広がり、先週の終値と比べて一時、700円以上値下がりする場面がありました。 先週、アメリカの5月の消費者物価指数が市場予想を上回り、アメリカの中央銀行にあたるFRBが金融引き締めを加速させるとの見方が強まりニューヨーク市場でダウ平均株価が800ドル以上値下がりした流れを受けました。
採算取れずJR在来線廃止、代替バスも赤字に…「地域の足」どう
2022年06月13日
JR西日本が4月、利用者の少ない在来線の区間別収支を初めて公表した。今後、沿線自治体を巻き込んだ議論が本格化する見通しだ。地域にとって最適な公共交通とは何か。4年前に廃止された旧JR三江(さんこう)線の沿線では、代替交通に切り替え、交通の維持を図るが、自治体の負担など課題も浮かび上がる。(高山智仁) 【写真】山口・錦川鉄道は山あいの「秘境駅」で有名…雨に煙る幻想的な絶景、疲れも吹き飛びます
自治体負担

路線バスから転換したデマンド交通。住民主体のNPO法人が運行を担う(島根県邑南町で)
三次(みよし)(広島県三次市)―江津(ごうつ)(島根県江津市)間108・1キロを結んだ三江線は、車社会の進展や沿線の過疎化で利用が低迷した。
1キロ当たりの1日平均乗客数を示す「輸送密度」は、2014年度にはバスへの転換が望ましいとする基準(4000人未満)を大幅に下回る50人となり、18年3月末で廃止された。
翌4月からは、代替交通として14路線に分け、バスの運行を始めた。しかし、利用状況は改善されず、20年に10路線に再編し直した。10路線でも採算が取れる路線はなく、赤字額は約2億円に上り、国や広島、島根両県、沿線の6市町が負担している。
自家用車で送迎
地域に適した輸送手段を模索する動きもある。旧三江線の中間付近にあり、人口1万人余りの島根県邑南(おおなん)町では、町営の路線バスを廃止し、20年度からNPO法人による予約制の乗り合いバス「デマンド交通」の運行が始まった。
利用者が電話で、希望する乗車時刻と、自宅などの乗降場所を伝え、目的地まで送ってもらう仕組み。06年の道路運送法改正で、過疎地では事業者以外の人による有料の運送が認められた。同町では、地元のNPO法人「はすみ振興会」が運行し、振興会に所属する住民が自家用車で送迎する。赤字の場合は町が負担する取り決めになっている。
料金は一律200円だった路線バスとは異なり、1キロ未満の200円から4キロ以上の500円まで4段階に設定。週2回町内の交流施設に通う主婦(83)は「好きな時間に目的地に行けるので外出しやすくなった」と話す。
同町では三江線の廃止後、旧宇都井、口羽両駅を結んだ町営の路線バス「宇都井口羽線」など3路線を運行していたが、19年度の利用者は延べ計307人。収益約4万5000円に対し、運行経費は約1700万円に上る赤字となった。
47年間テレビCMなしでも大ロングセラー『マルちゃん焼そば』の知られざる販売戦略
2022年06月13日
フライパン1つで、家庭でも簡単手軽においしく調理できる商品として、幅広い世代から支持されている『マルちゃん焼そば』。発売からすでに47年を迎えるロングセラー商品だが、実は、これまでに一度もテレビCMを展開していないことが分かった。発売元の東洋水産といえば、「同じ俳優を起用したテレビCMを最も長い間放映し続けている商品」として『赤いきつね』がギネス世界記録に認定されるなど、CM戦略に長けたメーカーとして知られる。一体、なぜ『マルちゃん焼そば』はCM展開しないのか。担当者に話を聞いた。 【写真】「やばすぎるw」緻密再現にSNS絶句…『マルちゃん緑のたぬき』超絶キャラ弁 ■1日の生産数は富士山3つ分、年間販売数は約3億食の超ロングセラー商品 “食数換算すると麺市場で最も売れている”とも言われる『マルちゃん焼そば』。発売元の東洋水産では具体的な生産数を公表していないが、「敢えて言うなら、1日の生産数が富士山を3つ重ねたくらいの高さの量になりますでしょうか。3食の『マルちゃん焼そば』の袋の厚みが約4センチと計算して…」と、担当の低温食品部部長・斎藤和巳さんはヒントを示す。 富士山の高さが3776mなので、その3つ分を1袋の高さで計算すると約27万袋。そんな名実ともに同社の看板商品である『マルちゃん焼そば』だが、当初は社員の手売りで始まったという。 「今でこそ、スーパーマーケットなどで定番品として扱ってもらっていますが、47年前の発売当初、焼きそばは外食で食べるもので、家庭用のチルド麺を提供するところがほとんどありませんでした。我々は“これから家庭用の焼きそばが来る”と信じて製造しましたが、当時は、チルド流通網が発達していませんでした。そこで、工場の社員が自ら販売ルートを開拓しようと動いた先が青果市場でした。青果市場には商店や小売店の方が大勢来る。まずは、その方たちに訴求しようと。早朝の青果市場へトラックで焼きそばを持ち込み、屋台さながらに実演販売したと聞いています」 早朝の青果市場で作り立てのソース焼きそばは話題となり、少しずつ販路を開拓していくが、当時馴染みのなかった“家庭用焼きそば”の普及に成功したのは、「地元の製麺所と共存できたのも大きい」と話す斎藤さん。実は、この地元の製麺所こそが『マルちゃん焼そば』のCM展開にも深く関係していた。 ■企業パワーは使わない…地元製麺所との共存共栄を望んだ創業者の気概 『マルちゃん焼そば』が発売されたのは、1975年(昭和50年)11月。経済成長時代であり、大都市でも町中にうどんやそばの生麺を作って販売する製麺所が多数存在していた。業務用はもちろん、家庭で食される麺の提供もこれらの製麺所が担っていた。 「焼きそばは蒸し麺で、町中の製麺所とは商品では競合しませんでしたが、敢えて派手なコマーシャルはしない”と決めたと聞いています」 企業が大々的にテレビCMを展開したら、その影響力は絶大だ。しかし、『マルちゃん焼そば』は自社利益よりも、全国にあった製麺所と共存共栄を望んだのだ。これは創業者である森和夫氏が常々「会社は公器」として考えていたからだろう。そして、その経営哲学がいまも受け継がれ、“47年間一度もテレビCM展開なし”という驚きの事実につながっている。 「“マルちゃん焼そば”は看板商品であると同時に、先輩社員の方々の色んな想いや沢山の努力が詰まった無二の商品です。その想いを現社員たちも大切にしています」 ちなみに『赤いきつね』に関しては、1978年(昭和53年)の発売当初から武田鉄矢を起用したテレビCMを流している。このシリーズはギネス記録に認定されているほど長く続いているが、これについては「カップ麺市場は販売戦略が異なるため」と斎藤さん。大手がひしめく市場ならではの戦略があるという。
空港に着いてすぐ帰る「紋別タッチ」の目的は? 滞在時間はたった20分
2022年06月13日
北海道のオホーツク紋別空港には、1日に1往復だけ羽田からANA便が飛んでいる。紋別着は午後12時30分、折り返し便は午後1時10分発だ。不思議なことに、紋別に着いて、そのまま羽田行きの便で帰る乗客がいる。滞在時間はわずか20分。紋別市内の観光をするわけでもなく、ただ飛行機で往復するだけなのだ。旅行ライターが解説する。
「旅行好きの人たちは、これを“紋別タッチ”と呼んでいます。羽田―紋別は片道約1時間45分で、4時間ちょっとあれば往復できる。通常運賃(約4万8千円)なら約1200マイルを獲得できますが、加えてANAには『プレミアムポイント』という特典制度があり、さまざまな特別待遇を受けられるのです」 プレミアムポイントはマイルをもとに搭乗ポイントなどを加味して算出される。最上級の「ダイヤモンド」(年間10万ポイント以上)では専用のスイートラウンジを利用できるほか、コンシェルジュによるサービス、ホテルやレストランへの招待、また、特別ギフトの進呈といった特典がある。もちろん優先搭乗や専用保安検査場の利用もできる。 これらの豪華サービスを受けられる条件は、前年の12月までに必要なポイント数を保持していることだ。 「プレミアムポイントを獲得するためにひたすらマイルを稼ぐ人は、『修行僧』と呼ばれています。以前は国際線を利用すればポイントを稼ぎやすかったのですが、コロナ禍で海外に行けなくなり、代わって“巡礼先”となったのが国内の遠隔地だったわけです」(同)
搭乗客の7割以上がタッチ目的だったことも
これに目を付けたのが、紋別空港の搭乗業務を担う「紋別観光振興公社」だ。同社の中島和彦副社長が言う。 「紋別市の病院は東京から医師が出張してきており、コロナ禍で減便になると医療に支障を来してしまいます。そこで『修行僧』のことを知り、路線維持のため、彼らに来てもらえるような企画を考えたのです。飛行機旅行の著作があるマンボミュージシャンのパラダイス山元さんやANAさんにもお願いして協力してもらいました」 修行僧が空港に到着するとスタッフに出迎えられ、5回以上タッチした人はタッチの回数を記したランキングボードに名前が載る。さらにスタンプカードやステッカー、時には特製Tシャツももらえるという。帰る際にはやはり空港スタッフが見送ってくれる。投じた旅費の割にはささやかなサービスだが、修行僧には大受け。搭乗客の7割以上がタッチ目的だったこともある。 「おかげさまで旅行好きの間で紋別タッチが知られるようになり、これまで約6500人が来てくれました」(同)
