香港大、天安門追悼像を構内から撤去
2021年12月24日
香港大学(HKU)は23日、天安門(Tiananmen)事件の犠牲者を追悼する記念像を構内から撤去したと認めた。像は、香港が中国に返還された1997年から同大学に設置されていた。 【写真】拷問された人々をモチーフにして天安門事件の犠牲者を追悼した像「国恥の柱」 大学側は撤去について「外部の法的助言と、本校の最善の利益を考えたリスク評価に基づいて決定した」と説明している。 撤去された高さ8メートルの像、「国恥の柱(Pillar of Shame)」は、デンマーク人彫刻家イェンス・ガルシュット(Jens Galschiot)氏が手掛けたもの。拷問され苦悶(くもん)の表情を浮かべる50人の体が積み重ねられたデザインで、1989年に中国・北京の天安門広場に民主化を求めて集まり、軍に殺害されたデモの参加者を追悼していた。 天安門事件の話題が厳しく検閲される中国本土に比べ、香港の自由を鮮明に物語る存在となっていた。
年末年始の「シフト強要」が急増? コロナ禍の学生バイトが置かれた状況とは
2021年12月24日
10月に緊急事態宣言が解除されたことで、飲食店や小売店などが通常営業を再開している。そして、コロナ禍での制限が解かれた中で、いま、学生アルバイトからシフトに関する相談が殺到している。
なかでも特に多い相談は、「クリスマスから正月三が日にかけての出勤を強制される」というシフトや出勤を強要するものだ。居酒屋やカフェ、コンビニやスーパーなどで働く学生は少なくないが、これらの業態は24時間営業とまでいかなくとも365日営業は珍しくない。大晦日も元日も営業しているが、そのときに働いているのは学生アルバイトなのだ。
さらに、この学生に対するシフトの強要が、オミクロン株の蔓延による外国人の入国制限によって拍車がかかっていることが、POSSEに寄せられる相談事例からうかがえる。再び深刻化する「ブラックバイト」の実態とその背景について考えていきたい。
「正月にシフトに入れなければクビ」
11月から12月初旬にかけて、NPO法人POSSEに全国の大学生や高校生から年末年始のシフトに関する相談が急増した。ちょうどこの時期に年末年始のシフト希望の提出を求められるからだ。ただ、年末年始に積極的にアルバイトのシフトに入りたいと考える学生は多くない。特にコロナ規制が緩和されたいま、これまでなかなか会うことが難しかった家族や知人と時間を過ごすことを希望するのは当然だろう。
店舗側としては、時給を上げてシフトに入ってもらったり、短期のアルバイト募集をかけることもできるが、これらの方法には賃上げや募集広告の費用がかかってしまう。そのため、できるだけ人件費を抑えて「安く」年末年始営業を実現するために、この「シフト強要」という手段がとられてしまうのだ。具体例をみてみよう。
1)高校生、男性、エンターテインメント施設
「年末年始は両親の実家に行くことになったので(シフトに入るのは)厳しい」と店長に伝えると、「(家族と会うことを諦めてシフトに入るかどうかは)あなたのやる気次第だ」と告げられた。その数日後、シフトに入ることができないのであれば、クビだと言われた。
2)大学生、男性、インターネットカフェ
希望していないのに年末年始に5連勤のシフトを組まされた。出勤できないと伝えると、LINE上で店長から暴言を吐かれた。
3)高校生、女性、ファミリーレストラン
面接時に年末年始は帰省のため出勤できないと伝えて採用されたにも関わらず、「特別な理由がないと休めない」、「三が日出勤できないのはあなただけ」と出勤を強要されている。
4)大学生、男性、居酒屋
大晦日から4日までは出勤できないと伝えると、「年末年始はシフトに入れると面接で言ったから採用している」、「年末か年始かどちらかシフトに入らないと辞めてもらう」と店長から怒られた。そもそも年末年始にシフトに入ることについては面接時に約束していなかった。
かなり厳しい内容が目立つ。人手不足という根本問題を解決せずに、いまいる人員を最大限フル活用しながら営業を行うために、年末年始に働くことを拒否した者に対しては、たとえ高校生であっても上司による「パワーハラスメント」がはじまる(契約外の出勤強要によって年末年始の帰省を妨げる行為は、国がパワーハラスメントとして防止対策を定める「過大な要求」に当たる可能性がある)。
とはいえ、このようなパワハラを単に店長や上司の個人的資質に還元することはできないだろう。というのも、このパワハラはまさにシフトに入れさせるために行われるものであるからだ。
店長側としても、人件費の大枠が決まっており、そのため採用できる人数は予め本部によって決められていることが多い。「アルバイトに優しい良い店長」は、アルバイトが休んだ分は単に自分がその穴埋めで働くことになる。それを避けるためにはアルバイトを働かせなければいけない。
つまり、年末年始に営業する一方で、人件費の総額をギリギリの水準になるよう会社が決めた時点で、このような「パワハラ」は引き起こされてしまうのだ。
学生がアルバイトを簡単には辞められない事情
さらに、ここで注目すべきは、「シフトに入らないのであれば辞めてもらう」という脅しを会社側がちらつかせていることだ。ここまで記事を読んだ方は、もしかすると「なぜこのような職場で働き続けるのか、辞めればいいじゃないか」と思うかもしれない。しかし、いまの学生はそう簡単にアルバイト先を辞めることができない状況に置かれている。
というのも、今後、コロナ禍での感染状況によっては、またすぐに緊急事態宣言が発令され、その結果、店舗が休業に追い込まれるかもしれないからである。次にいつオミクロン株などの感染拡大によって緊急事態宣言が再度発令され、その結果、店舗が休業に追い込まれるかはわからない。いま退職して1月に次のアルバイト先の面接を受けても、もし2月や3月に緊急事態宣言が発令されれば、当面の間働くことができなくなってしまう。
また、過去の緊急事態宣言下で学生を含めて多くのアルバイトがシフトカットや「コロナ解雇」の被害に遭ったことで、経済的な困窮度合いも深刻化している。感染拡大が抑制され、ようやくアルバイトできるようになった途端にまた辞めないといけなくなれば、ますます貧困状態におかれてしまう。あまりに今後の状況が不透明なため、退職はしたくない(できない)のだ。
外国人の入国制限が人手不足を加速化する
とはいえ、このようなシフトの強要はコロナ禍以前から起こっていた。拙著『ブラックバイト 学生が危ない』(岩波新書)や、大内裕和・中京大学教授との共著『ブラックバイト 増補版 体育会系経済が日本を滅ぼす』(堀之内出版)でも紹介したが、学生のアルバイト先はそもそも慢性的な人手不足に陥っている。そのため、試験期間中にシフトに入れられるなどして、学業に支障をきたす例がここ数年間で目立ってきた。
コロナ禍で特徴的なのは、前述の通り、今後を見通せない状況でアルバイトを簡単に辞めることができない点に加えて、外国人労働者に対する入国制限がかかっていることで外国人に依存することが難しくなっている点だ。
オミクロン株による世界的な感染拡大が広がったことを理由に、日本政府は11月30日以降、全ての国や地域から外国人の新規入国を停止している。その結果、全国各地の農家や工場経営者から、「技能実習生が来日せず、生産ができない」という声が、また大学や日本語学校からは「留学生が来日できずオンライン授業になっている」という実態が毎日のようにニュースになっている。
その影響は、学生が働くアルバイト先にも及んでいる。というのも、留学生の多くがアルバイトをしており、彼らは日本人学生と同じ様に飲食などサービス業で働いているからだ。2020年10月末時点で日本では172.4万人の外国人が働いていたが、うち37万人は留学生が主である「資格外就労」という在留資格をもっている(厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(2020年10月末現在))。
そして、日本学生支援機構の調査によれば、留学生のアルバイト先は、40%が飲食業で、33%が「営業・販売(コンビニ等)」だということがわかっている。(独立行政法人日本学生支援機構「2019年度 私費外国人留学生生活実態調査」)
いまやコロナ禍以前はコンビニやスーパー、居酒屋などで外国人をみかけないほうが珍しい。その構図自体はコロナ後も変わっていない。しかし入国制限によって、帰国する留学生はいても来日する留学生は限定的になっており、その結果、彼らが働いていたアルバイト先での人手不足が加速化しているのだ。そして、留学生が働けなくなった(少なくなった)ことによって、シフトを穴埋めする人員そのものが減り、いま日本にいる学生に対する勤務圧力が増している。
同様の事態が、技能実習生を雇用している食品工場などでも起こっている。技能実習生が入国できないことで生産ラインがストップするか、これまでと同じ生産を行うためにそのしわ寄せがパートやアルバイト、正社員の勤務時間の増加につながっている。この事実は、日本社会がいかに外国人労働者に依存しているかを表しており、すでに日本の産業が外国人労働者抜きでは回らないことを浮き彫りにしている。
そもそもコロナ解雇やシフトカットは違法の可能性が高い
実は、コロナ禍でシフトをカットすることは場合によっては契約違反であり、労働者には賃金を請求する権利が発生する。契約違反となるケースは、シフトの明確さや契約の形態によると考えられているが、いまだに明確な線引きは存在しない。少なくとも、すでに合意していたシフトを一方的に変更する場合は、使用者側都合の「休業」に当たると考えられる。
会社側が一方的に勤務時間を削減した場合、労働基準法の定める休業手当(平均賃金の6割)を支払うことが義務づけられている。休業を命じられたのに休業手当が支払われていなければ、労働基準法違反の可能性が高く、その分を請求することができる。
また、いつシフトにはいるかは会社と労働者の合意で決まるため、逆に出勤したくなければ労働者には拒否する権利がある。年末年始に働きたくない場合は、シフトに入らない旨を伝えて出勤しなければそれ以上問題にならない。特に休む理由を告げる必要もない。
なお、一定程度の割合で「出勤しないと損害賠償請求する」と脅迫する企業もあるが、労働者が休んだことで損害賠償は認められることはまずありえないので、そのような脅しは無視して大丈夫だ。
もしそれで解雇されたとしたら、不当解雇にあたる可能性は高い。労働契約法は解雇には「客観的に合理的な理由」が必要だと定めているが、学生アルバイトが、帰省などを理由に年末年始の勤務を拒否したことが客観的に合理的な理由にはあたらないだろう。
このように書いてくると、学生側の権利ばかりが強調されているように見えるが、そうではない。そもそも、年末年始に意に反してまで労働させることができるほどの「対価」を、企業は学生に払っているとは思えないからだ。
労働相談の現場では、「テスト前にシフトを強要された」とか「就職活動の面接の日に無理やりシフトを入れられてしまった」といった相談が後を絶たない。学生を中心的戦力とみなすあまり、わずかな対価で「過大な要求」を突き付けることが当たり前になってしまっている。
企業側は人員を確保するために、しっかりと人件費に予算を計上し、短期バイトを募集したり、人員不足の際には上乗せの手当てを支払うことで納得できるシフトづくりをするなど、企業努力をするべきだろう。
もしシフトでトラブルになり、一人で解決することが難しければ、ぜひ支援団体に相談してほしい。シフトの問題だけでなく、年末年始はクリスマスケーキやおせちのノルマや強制買い取りといった問題も発生する時期でもある。学生であれば、ブラックバイトユニオンという労働組合が相談に対応している。ほかにも非正規労働者の権利のために活動している労働組合も全国にあり、一人で悩まずにご相談いただきたい。
常設の無料労働相談窓口
info@blackarbeit-union.com
※学生のブラックバイト問題に取り組んでいる労働組合
03-6699-9359
soudan@npoposse.jp
「バス」から「鉄道」に変身、「世界初」DMVの運行開始へ…10年越しの構想実る
2021年12月24日
線路と道路を走れる「デュアル・モード・ビークル(DMV)」が徳島、高知県境の第3セクター・阿佐海岸鉄道で走り出す。運行開始は25日。本格的な営業運行は世界初とされ、人口減などで鉄道路線の維持が困難となる地方もある中、維持コストを抑えた存続策として注目される。(新谷諒真、松久高広)
モードチェンジ

試乗会で地元住民らを乗せて走る「DMV」(10日、海陽町で)=新谷諒真撮影
営業開始を前に行われた10日の試乗会。地元住民らを乗せ、下りの起点・阿波海南文化村から道路を走ってきたDMVは、阿波海南駅(徳島県海陽町)で車両の底に収納した金属製の車輪を下ろし、「バスモード」から「鉄道モード」にチェンジ。運転士がアクセルペダルを踏み込むと、線路の上を滑るように進み出した。
試乗した阿南市の公務員の女性(59)は「鉄道より揺れが少なくて快適。DMVが話題になって、世界中の人が来てくれたら」と話した。
車両(全長8メートル、幅2メートル)は、トヨタ自動車のマイクロバスを改造。鉄道用の車輪のほか、車両の位置を知らせるシステムや自動列車停止装置(ATS)に相当するブレーキも備える。
主なルートは徳島、高知県境の約15キロ。うち10キロは線路だ。平日は上下26本、土日祝日は30本運行し、土日祝日の1往復のみ、高知・室戸岬まで約50キロを走る。
阿佐海岸鉄道は1年前から鉄道の運行を取りやめ、DMVに合わせて2駅のホームを低くするなどの改修を進めていた。車両3台の導入も含め、費用は16億円。同社の井原豊喜専務は「やっとスタートラインに立てた」と笑顔を見せる。
構想十余年
同社がDMVの検討を始めたのは2009年頃。国鉄時代には徳島から室戸方面に路線を延ばす構想があったが、過疎化で利用者は減り続け、現実味は乏しかった。そんな中浮上したのが、JR北海道が02年から検討し、その後中断したDMVの導入だ。
延伸区間は公道を走るため、新たに線路や踏切など鉄道に不可欠な基盤を整備する必要がなく、維持コストも低く抑えられる。
ミスド、3月から値上げ 33商品で1個10円程度
2021年12月24日
ミスタードーナツを運営するダスキンは23日、来年3月1日にドーナツやパイ、マフィンの33商品を値上げすると発表した。原料の小麦粉や食用油の価格が高騰しているためで、現行価格から1個10円程度の値上げとなる。ミスタードーナツ全店で実施する。 【写真】サントリー、ウイスキーを値上げへ 「響」など31品
オールドファッションやポン・デ・リングは税抜き価格110円が120円となる。持ち帰りと店内飲食で消費税率が異なるため、税込み価格は持ち帰りで129円、店内飲食で132円。対象商品を含むセット価格も値上げする。 同社は「内部努力でコスト増加を吸収することが困難な状況」として理解を求めた。
マックポテト 駆け込み行列 M・Lサイズは“食べ納め”
2021年12月24日
23日のランチタイムのマクドナルド前。 東京都内の各店で、店の外にまで長い行列ができていた。 皆さんのお目当ては、マックフライポテト。 20代「Sサイズだけしか買えないのは、ちょっとさみしい気持ちはありますけどね」、「(ポテトのサイズは?)普段Mサイズですかね。結構マックは来るので残念なんですけど、ちょっとSサイズ物足りないって感じもする」 日本マクドナルドでは24日から、全国の店舗でマックフライポテトのMサイズとLサイズの販売を一時休止。 1週間の予定で、Sサイズのみの販売となる。 20代「最後だから“ポテト納め”しようかなと思って2021年」 たっぷりポテトの食べ納めをしようと駆け込み客が殺到。 親子も袋いっぱいのLサイズをお持ち帰り。 息子「ポテト一番大きいの! いっぱい食べたいから」 父「1週間ぐらいだからね、物流の問題もあるし。しょうがないんじゃないですかね」 息子「(好きですか?)(ポテト)おいしいから好き!」 マクドナルドのポテトは、北米から船便で運ばれている。 その経由地であるカナダ・バンクーバー港近郊での大規模な水害や、新型コロナウイルスによる世界的な物流網の混乱で輸入に遅れが生じているという。 40代「あしたからSサイズしかないって聞いたので。きょうはちなみに、Mサイズでした」 23日は、フードデリバリーの配達員も大忙し。 配達員の女性「(マクドナルドの注文?)きょうは平日なのに多いですね。(動きが)激しいです」 SNSにも販売休止を惜しむ投稿が続々と寄せられた。 販売休止期間中はセットメニューのポテトもSのみとなり、Mを選んだ時より50円安くなる。 ちなみに公式ホームページによると、マックフライポテトのサイズごとの標準重量は、MサイズがSサイズのおよそ1.8倍、Lサイズはおよそ2.3倍とのこと。 買える個数については、24日以降も制限はないため、Sサイズを2個以上買うことはできる。 30代(子どもが3歳と2カ月)「S(サイズ)2個もいらない。袋が2個入っていると嫌だなと」 30代「また来年、MとかLとか、子どもも好きなので買いたいと思います」 Sだけの1週間。 我慢の年の瀬が明けるのは、大みそか。
週間天気 クリスマスは曇りや雨 その後は寒波で大雪警戒
2021年12月21日
■この先1週間のポイント■ ・日本海側は雪や雨が続く ・クリスマスはスッキリしない天気 ・週末以降、強い寒気で大雪に警戒
日本海側は雪や雨が続く

週間天気図 22日(水)~27日(月)
22日(水)にかけて北海道付近を低気圧が通過し、北日本を中心に冬型の気圧配置となります。北日本日本海側から北陸にかけて雪や雨となるところが多く、特に北海道の日本海側では強い雪や大雪に注意が必要です。低気圧通過時には吹雪により視界が非常に悪くなるおそれもあります。 その後も来週にかけて雪や雨の降る日が多くなる見込みです。
クリスマスはスッキリしない天気
24日(金)から25日(土)クリスマスにかけて、本州の南岸を低気圧が通過するため、全国的にスッキリしない天気となります。 西日本太平洋側や関東は雨の降る可能性があり、北日本日本海側も雪や雨が強まる可能性があります。 現時点では低気圧の進むコースと雨や雪の降り方などの予想に幅があるため、今後も最新の予報を確認するようにしてください。
週末以降、強い寒気で大雪に警戒

上空1500m付近の寒気予想 26日(日)9時
25日(土)に低気圧や前線が通過したあと、日本付近は冬型の気圧配置となります。上空には非常に強い寒気が流れ込み、28日(火)頃まで居座る見込みです。 そのため、日本海側を中心に大雪や暴風雪に警戒が必要で、山間部では激しい雪により、車の立ち往生が懸念されます。西日本の市街地でも積雪の可能性があり、雪雲の一部は太平洋側にも流れ込む予想です。 寒さも厳しく、東京でも最低気温が氷点下の日がある見込みです。防寒や大雪への対策などを行ってください。
最悪19万9000人死亡 日本海溝・千島海溝地震被害想定 政府
2021年12月21日
北東北沖の日本海溝沿いとその北に連なる千島海溝沿いで起きる二つの巨大地震について、内閣府は21日、被害想定を発表した。千葉県以北の太平洋側を中心に最大震度7の揺れと最大約30メートルの津波に見舞われる前提。最悪のケースで、日本海溝地震の場合は約19万9000人が死亡し、建物約22万棟が全壊・焼失し、経済的被害額は約31兆3000億円に上る。千島海溝地震は死者約10万人、全壊約8万4000棟、経済的被害額約16兆7000億円。内閣府は「対策を講じれば被害は減らせる。『正しく恐れる』ことが重要だ」としている。 【図解】日本海溝・千島海溝地震被害想定 被害想定は二之湯智防災担当相が21日の記者会見で発表した。事前の備えの必要性を国民に周知し、国や自治体の防災対策に活用してもらう目的で、中央防災会議の作業部会が検討していた。 日本海溝地震は三陸・日高沖、千島海溝地震は十勝・根室沖を震源とし、地震の規模を示すマグニチュード(M)はそれぞれ最大で9・1、9・3と想定した。発生の時期については「最大クラスの津波の発生が切迫していると考えられる」としている。2012、13年に内閣府が発表した「南海トラフ巨大地震」の被害想定では最大M9・1、11年に発生した東日本大震災はM9・0だった。 被害想定は二つの地震が別々に発生すると仮定。季節と時間帯については、冬の深夜▽冬の夕方▽夏の昼間――の3パターンを念頭に、さまざまな被害について検討した。20年4、9月に想定される津波の高さと浸水域を発表した際は市町村単位だったが、今回は被害の全体像をマクロ的に示したいとの理由で道県単位にとどめた。 直接的な被害が生じるとされるのは千葉以北の太平洋側7道県と秋田、山形両県。道県別では北海道の被害が顕著だ。原発については、地震発生と同時に運転が停止すると想定した。 被害想定は総じて夏より冬、夕方より深夜、避難する人の割合は少ないほど、程度が重くなる傾向がみられる。日本海溝地震で約19万9000人、千島海溝地震で約10万人が死亡するのは、いずれも地震が冬の深夜に発生し、すぐに避難する住民の割合が20%のケースだ。この場合、建物から自力で脱出できなくなる要救助者はそれぞれの地震で約6万9000人、約3万2000人となる。一方で負傷者が最も多いのは夏の昼間、すぐに避難する住民が20%のケース。冬は被害が重くなりやすく、負傷よりも死亡につながりやすいなどの理由からだ。 建物の被害は二つの地震でいずれの季節と時間帯でも、津波による全壊がほとんどを占める。冬の場合は雪の重みで揺れによる全壊棟数が増加し、さらに冬の夕方の場合は地震火災による焼失件数が増える。 経済的被害は、地震が冬の夕方に発生し、すぐに避難する住民が20%の場合を想定した。日本海溝地震では建物や農地、ライフラインなど被災した地域への直接的な被害は約25・3兆円、製造業などの生産・サービス機能低下による全国的な被害は6兆円。千島海溝地震では前者が約12・7兆円、後者は4兆円となる。 内閣府は防災対策で被害が軽減できることも強調している。死者数については、早期避難や津波避難ビル・タワーの整備、建物の耐震化で最悪の想定から8割減らせるとの試算も示した。
「こども家庭庁」創設へ 基本方針を閣議決定 強い司令塔機能を保持
2021年12月21日
政府は2023年度に設置を予定する「こども家庭庁」の基本方針をきょう閣議決定しました。基本方針には総理大臣の直属機関として各省庁に勧告権を持つなど強い司令塔機能としての役割が盛り込まれています。 政府がきょう閣議決定したのは、こども政策に関する調整を一元的に行う「こども家庭庁」の基本方針です。基本方針には▼「こども家庭庁」を2023年度のできるだけ早い時期に設置することや、▼各省庁、大臣に勧告権を有する強い司令塔機能を持つこと、▼組織は司令塔部門、成育部門、支援部門の3部門で構成されることなどが明記されています。 また保育所と幼稚園で共通の保育や教育が行われることを目指し、文科省と「こども家庭庁」が連携して教育内容の充実を図っていくことなどが盛り込まれました。きょう閣議決定した基本方針をもとに、政府は来年の通常国会に関連法案を提出する見通しです
1日で100万円”の文通費 見直し“断念”の真相
2021年12月21日
「絶対に無理」幹部が漏らした本音 「だから絶対に無理なんだって」 ある自民党の幹部は語気を強めた。国会議員に月額100万円支給される文書通信交通滞在費の使いみちの公開を今国会では実現できないと言う。 この言葉の通り、今国会での文通費見直しは見送られることとなった。各政党が合意しているはずの日割り支給に改める法改正すら実現できなかった。 一体なぜ、このような事態となってしまったのか。 ■「国会の常識、世間の非常識」 いわゆる文通費は、国会議員の給与やボーナスとは別に「郵送費」や「交通費」などの名目で国会議員1人あたり毎月100万円が支払われる。しかし、使いみちの基準や範囲はあいまいで、税金がかからず、領収書の提出義務もないため、国会議員の“第2の給与”と揶揄されている。 文通費の見直し議論は、10月31日の衆院選で初当選した日本維新の会・小野泰輔議員のSNSへの投稿から始まった。 「国会の常識、世間の非常識」というタイトルの投稿で、小野議員は10月の在任期間がわずか1日にもかかわず10月分の文通費が満額100万円支給されたことを暴露したのだ。今の法律では、国会議員の給与である歳費は日割り支給になっているものの、文通費には日割りが適用されていないからだ。この問題は、あっという間に知れ渡り、世論の強い批判に晒されることになった。 日本維新の会は、10月分の文通費の寄付を決定。自民党の茂木幹事長も「全額支給には違和感がある」としたうえで、全額を寄付することを早々に発表した。 さらに与野党は、文通費を日割り支給に変更する法改正を12月の臨時国会で成立させる方針で一致し、問題は一応、決着したかに見えた。 ■「日割りだけでは緩い」 しかしその後、「身を切る改革」を掲げる日本維新の会・松井代表の“強い意向”で状況が一変する。「日割りだけでは緩い」というのだ。 日本維新の会は国民民主党とともに「日割り」に加え、「領収書による使いみちの公開」と「未使用分の国庫への返納」も可能にする法改正案を提出。後を追うように、立憲民主党も同様の法案を提出した。 日本維新の会の馬場共同代表は、使いみちの公開などに強くこだわる理由をこう説明する。 「日割り先行で同意すると、もう二度と文通費の議論はできなくなる。完全に無視される。これまでそういう経験を何度も積み重ねてきた」 振り返ってみると、同じようなことが2009年8月の衆院選でもあった。在任期間わずか2日の議員に対し、給与と文通費が満額支払われたのだ。この時も世論の批判を受け、翌年には給与を日割りにする法案が成立。しかし、文通費に関しては、日割り法案への合意が得られず見送られ、気が付けば10年以上の歳月が過ぎていた。 ■自民党に渦巻く維新への不信感 一方、自民党は使いみちなどの公開については消極的だった。 自民党が唱えたのは「日割り先行論」。臨時国会では文通費の日割りを可能にする法改正をまずは先行させ、使いみちの公開などについては継続議論とすることにしようという主張だ。 世間では領収書の添付や使いみちの公開は当然で、なぜ自民党は使いみちの公開に二の足を踏むのかという意見も多かった。しかし、自民党内には一切折れようとしない維新への不信感が渦巻いていた。「維新はこの問題を長引かせることでメディアの注目を集めたいだけだ。結果がどうなろうと関係ないんだよ」 ■行方不明のボール その後、与野党の協議は膠着状態に陥る。 野党第一党の立憲民主党は「ボールは自民党にある」と主張。一方の自民党側は、日割り先行を野党に提案していて返事を待っているという立場で「ボールは野党にある」と言う。 そして、会期末を翌日に控え、自民党がようやく動いた。日割り以外については、「早急に合意が得られるよう最大限の取り組みをすすめる」「このための各党会派による協議の枠組みを立ち上げるものとする」と記された文書を野党に提示した。しかし、これまで自民党が主張していたことと大差はなく、野党はこれに応じることはなかった。結局、日割りですら与野党の合意を得ることは出来ず、文通費の見直しは先送りされることになった。 ■自民はなぜ「使いみちの公開」応じない? なぜ進展しないのか? 自民党側に話を聞くと、簡単に「今すぐやる」と言えない事情が垣間見える。自民党の幹部はこう話す。「使途の公開をするにあたっては、まず『何に使ってよいのか』の定義付けをする必要がある。他にも領収書の公開方法など、詳細を詰めるにはかなりの時間がかかる。そんなに簡単にできるものではない」 こういった事情から、別の幹部は「政権与党には責任がある。言いっ放しの野党とは違う」と声を大にする。 また、「全会一致」の慣例もネックになっている。国会では通常、多数決で法律がつくられていくが、国会議員の“待遇”に関わることは「全会一致」で採決することが慣例だという。そのため、事前の与野党合意がより一層大事になってくる。 ■自民党議員が明かす懐事情 しかし、自民党内からはこんな“本音”も聞こえてくる。 「そもそも、こっちは日割り以外をまとめる気がないんだから」 その背景には、使いみちの公開や国庫への返納を実現すると、次は文通費自体の存在意義が問われ、最終的には「文通費の廃止」につながることへの警戒感がある。 ある閣僚経験者が国会議員の懐事情を話してくれた。 「文通費の100万円は東京と地元の事務所運営に全額使用している。残りは歳費の手取りで30万ちょっと。妻からは『県会議員の頃のほうがよっぽどよかった』と嫌みを言われるよ」 日本維新の会は、文通費見直しに向け党内討論会を始めた。一方「時間がない」と主張していた自民党では、議論が始まる様子は見えない。 来月召集される通常国会の会期は最短で150日。時間はたっぷりある。文通費の今後に注目したい。
オミクロン株、新規症例の73%に 首都やNY市が再び規制強化 米CDC
2021年12月21日
米疾病対策センター(CDC)は20日、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」が、米国で確認された新規の症例の73%以上を占めていることを明らかにした。 CDCの推計によると、18日までの1週間に確認された新規の症例のうち、オミクロン株が占める割合は73.2%、デルタ株は26.6%だった。 その前週の11日までの1週間では、オミクロン株が12.6%、デルタ株が87%を占めていた。CDCの以前の推計では、この週のオミクロン株が占める割合は3%程度と想定していた。 米北西部や南東部の一部地域では、オミクロン株が95%を超えている所もある。 感染の拡大を受け、ニューヨークや首都ワシントンなどの主要都市は規制を強化している。 ワシントン市のミュリエル・バウザー市長は、21日午前6時から来年1月31日まで、再び屋内でのマスク着用を義務付けると発表した。 ワシントン市では、1日当たりの症例数が過去最高を更新している。 市長はさらに、緊急事態宣言など感染の拡大を抑え込むための措置を講じる計画を明らかにした。 ニューヨークのビル・デブラシオ市長は20日、新型コロナの検査を受ける市民をこれまで以上に増やしていると述べ、国や民間と連携して検査用品の供給を増やすと説明した。市は代替として、家庭内でできる検査キットも増やす措置を講じている。 デブラシオ市長は、市内の繁華街タイムズスクエアで行われる毎年恒例の大晦日の年越しイベントにも言及した。現時点で同イベントは予定通りに行われる見通しで、入場者全員についてワクチン接種完了を条件とする。 しかしデブラシオ市長は、オミクロン株を念頭に同イベントの計画について見直しを行っていると述べ、変更する場合はクリスマス前に発表するとした。
