オミクロン株、本土で初確認 天津の入国者から検出 中国
2021年12月14日
中国天津市で新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染者1人が確認された。 【グラフ】新型コロナウイルス 世界各国の状況 中国本土で同株への感染確認は初めて。天津のニュースメディアが13日、市当局の情報として伝えた。 海外から入国した無症状のコロナ感染者から採取したサンプルを9日に分析した結果、オミクロン株を検出。国の疾病予防コントロールセンターによる再検査でも同様の結果だった。年齢や性別、どこの国から入国したかなど詳細は不明。
韓国がTPP加盟申請へ
2021年12月14日
韓国の洪楠基・経済副首相兼企画財政相は13日、対外経済関係の閣僚会議で、環太平洋連携協定(TPP)への加盟申請の手続きを開始すると明らかにした。今後国会での報告などを経て加盟申請する方針とみられる。
文大統領 北京五輪の外交ボイコット「検討していない」
2021年12月14日
オーストラリアを国賓訪問している韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は13日(現地時間)、オーストラリアの首都キャンベラで同国のモリソン首相と首脳会談を行った後の共同記者会見で、来年2月の北京冬季五輪に選手団以外の外交使節団を派遣しない「外交ボイコット」に関連し「韓国政府は(ボイコットを)検討していない」と述べた。 文大統領は「北京冬季五輪に対する外交ボイコットについては、米国をはじめとするどの国からも(ボイコットに)参加するよう勧誘を受けたことはない」と説明した。
そもそも五輪の外交的ボイコットとは? 効果や始まり…知っておきたい基礎知識5選
2021年12月14日
2022年北京五輪に政府関係者が出席しない「外交的ボイコット」には、どんな意味があるのか。以下では外交的ボイコットの背景や効果についてみていこう。
(1)これまで外交的ボイコットはあったか?
今回の外交的ボイコットは香港やウイグルでの人権問題が理由になっており、これまでにアメリカの他、イギリス、カナダ、オーストラリア、リトアニアなどが加わっている。また、ニュージーランドは「コロナ感染」を理由に政府代表の派遣を見合わせている他、本稿執筆段階で日本政府も検討中と一部で報じられている。
これに対して、中国政府は「来なくても誰も気にしない」と強気の姿勢を崩さないが、メンツを潰されて内心穏やかでないことは想像に難くない。もっとも、昨今の米中対立を考えれば、中国としても想定の範囲内だったかもしれない。
それはともかく、今回のボイコットは政府関係者に限ったもので、選手派遣を中止するものではない。実際、アメリカ政府は高官を送らない一方、「アメリカ選手団は万全の支援を受けられる」とも強調し、アスリートの不安払拭に追われている。
「平和の祭典」と呼ばれる五輪だが、これまでもしばしば政治対立の舞台になってきた。
しかし、1896年にアテネで近代五輪の第1回大会が開催されて以来、確認できる範囲で「政府関係者だけ送らない」という例はこれまでにない。そのため、外交的ボイコットは今までにない新しい手法といえる。
(2)これまでどんなボイコットがあったか?
外交的ボイコットが初めてとすると、これまでのボイコットにはどんなものがあったのか。その歴史は古く、20世紀初めにまでさかのぼる。
五輪初のボイコットは1920年アントワープ大会でのソビエト連邦によるものだった。1917年のロシア革命後、新たに発足した共産主義国家ソ連は帝政時代から続いていた五輪参加を中止したのだ。
ソ連は当初アマチュアスポーツそのものを「ブルジョワ的」とみなし、イデオロギー的な理由で五輪をボイコットした。しかし、その後「五輪がイデオロギー宣伝の機会になる」と判断が変更された結果、1952年ヘルシンキ大会でロシア人選手が約40年ぶりに五輪に登場したのである。

その後もボイコットはしばしば発生し、特に1956年メルボルン大会はさながら「ボイコット祭り」になった。
この大会ではエジプト、レバノン、イラクが同じ年に発生したスエズ危機を理由に、イスラエル選手の参加する五輪をボイコットした。その一方で、やはり1956年に発生したハンガリー動乱を理由に、ソ連を批判するスイス、スペイン、オランダも参加を取りやめた。
さらに、メルボルン大会には中国も参加しなかった。台湾が「中華民国(Republic of China)」として出場することが「一つの中国」の原則に反するという理由だった。このボイコットは五輪での台湾の呼称が「中国台北(Chinese Taipei)」に変更されるまで続き、1984年ロスアンゼルス大会で初めて中国と台湾の選手がそろって出場することになった。
これらのボイコットのうち最大のものはソ連によるアフガニスタン侵攻(1979)の翌1980年に開催されたモスクワ大会でのものだが、これについては後述する。

ボイコットだけでなく、1972年のミュンヘン五輪では11人のイスラエル選手が選手村でアラブ過激派に銃殺されるテロまで発生している。五輪はその注目度が高いだけに、「平和の祭典」の理念とは裏腹に政治対立の縮図にもなってきたのだ。
(3)政治利用は五輪のルールに違反しないのか?
テロは論外としても、五輪のルールはスポーツの政治利用を禁じている。国際オリンピック委員会(IOC)の定める憲章では「政治的中立」が掲げられている。
だとすると、政治的な理由で選手を参加させないボイコットが、この憲章に反することは明らかだ。
ただし、今回の外交的ボイコットはややグレーである。アメリカが五輪の機会に政治的アピールをしたことは間違いないとしても、通常のボイコットと異なり選手派遣を中止したわけではないし、大会運営を妨げているわけでもない。
1980年モスクワ大会の際、アメリカ政府は当時のIOC会長マイケル・モリス(キラニン男爵)に大会の延期や中止の直談判さえしたが、今回はそうしたことも伝えられていない。
いわばギリギリのラインを攻める選択であるため、トーマス・バッハ会長が「選手が大会に参加できることを安堵している」、「政府高官の出席は各国の政治的判断であり、IOCは関知しない」と述べ、外交的ボイコットを問題視しないことは不思議でない。
もっとも、仮に外交的ボイコットが憲章に抵触するとしても、現実的にIOCにできることはない。
2021年東京大会の直前、IOCは「会場などで政治的アピールを行なった選手には懲罰もあり得る」と発表した。これはアメリカの五輪委員会が選手の政治的アピールを認めているのと対照的で、黒人選手を中心にブラック・ライブズ・マター(BLM)支持が広がっていることなどを念頭においたものだったが、ともかく肝心の「懲罰」の内容は定められなかった。
IOCは古き良きアマチュアリズムの精神を引き継いでいる(実際には商業化が目立つとしても)ため、「自主性」を重視せざるを得ない。だから何かを強制することに慎重なわけだが、選手に対してさえそうなのだから、参加国に対してはなおさらだ。実際、憲章に違反した国に制裁を課すルールはなく、これまでのボイコットでもIOCは「遺憾」の意を表すことしかできていない。

(4)ボイコットに効果はあるか?
いわば「やったもの勝ち」のボイコットだが、そこまでして効果が期待できるのかというと、そうでもない。ボイコットの効果は、ひいき目にいってもかなり限定的で、「ゼロではない」という程度のものだ。
実際、人目は引けても、少なくとも一回限りのボイコットで本来の目的が達成されたことはほぼ皆無で、史上最大の五輪ボイコットになった1980年モスクワ大会は、その象徴である。
当時のアメリカ大統領ジミー・カーターは「人権外交の元祖」とも呼べるが、その年の末に大統領選挙を控えていた。選挙を見据え、ソ連による人権侵害を糾弾する急先鋒として反ソ世論を喚起したカーターは、アメリカ国民の55%の賛成を取り付け、66カ国を巻き込んだボイコットを実現させた。
その結果、モスクワ大会は第二次世界大戦後、最小規模の五輪となった。
しかし、それでソ連に何らかの変化が生まれたわけではない。ソ連がアフガン撤退を開始したのは1988年だが、これは巨額の財政赤字と冷戦終結に向けたアメリカとの交渉を背景にしたもので、モスクワ五輪ボイコットがそこに及ぼした影響は限りなく小さかった。
同じことは、アフリカ22カ国がボイコットした1976年モントリオール大会に関してもいえる。このボイコットはニュージーランド(NZ)選手団の参加が原因だった。その年、NZラグビー代表が南アフリカ代表と親善試合を行なっていたが、南アフリカは当時、白人による有色人種支配(アパルトヘイト)を理由に国連から経済制裁の対象になっていたからだ。
つまり、このボイコットは人種差別批判の延長線にあったわけだが、それで南アフリカ問題が解決したわけではない。南アフリカでは1994年、全人種が参加する選挙が初めて行われたが、アパルトヘイト終結の大きな原動力になったのは経済制裁による疲弊であって、モントリオール五輪ボイコットが果たした役割はごくわずかだった。
通常のボイコットですらそうなのだから、外交的ボイコット、しかもアメリカの他、ごく一部の国しか加わらないのに「中国が何らかの変化をみせる」と期待するのは、あまりに安易というべきだろう。
(5)なぜ外交的ボイコットか?
だとすると、なぜ今回アメリカは外交的ボイコットに踏み切ったのか。
1980年モスクワ大会の時と異なり、今回はアメリカにつき従う国は決して多くない。冷戦時代のアメリカは、途上国を含めて「子分」の面倒をよく見ていたから、国連加盟国の約1/3をかき集めてボイコットすることもできたが、近年のアメリカと中国を引き比べれば、「気前のいい親分」の周囲に多くの者が集まるのは人の世の常だ。
それでもバイデン政権にとって、北京五輪を波風立てずに開催させればそれだけで「負け」になる。そのなかで生まれた外交的ボイコットは、アメリカのいわば苦肉の策といえる。
本格的なボイコットは効果が乏しいわりに、ボイコットする側とりわけスポーツ関係者にダメージが大きい。
そのうえ、五輪は1984年のロスアンゼルス大会以降ビッグビジネスになっていて、1980年モスクワ大会のようなボイコットはアメリカ政府にとって非現実的すぎる。アメリカ選手が参加しなければアメリカ国内でTV視聴率がガタ落ちになることは火を見るよりも明らかで、その場合巨額の資金を投じて放映権を獲得したアメリカの放送局に大きな損失が発生し、下手をすれば政府がその補填をしなければならない。
とすると、外交的ボイコットは中国に「貿易や人権の問題で簡単には譲らない」とアピールしながらも、実質的なコストがほとんどない、最も手軽な反中キャンペーンといえる。米中関係はすでに悪化するだけ悪化しているわけで、「失うものはほとんどない」という判断があれば、なおさらだ(この点で日中関係とは異なる)。
その意味で、外交的ボイコットは新しいものだが、それ単独で重大なインパクトを持つものではなく、米中対立という大きな背景の一コマとして歴史に残るとみられるのである。
雇用調整助成金、5兆円超え コロナ禍で財政危機
2021年12月14日
厚生労働省は13日、新型コロナウイルス感染拡大で特例措置を設けている雇用調整助成金(雇調金)などの支給決定額(10日時点)が2020年春からの累計で5兆462億円になったと明らかにした。失業者の大幅な増加に歯止めをかけた一方で、膨大な支出で保険財政は危機的な状況。一般会計からも臨時で予算が投入される事態を前に、政府は労働者と企業が支払う保険料率を22年度から引き上げる方針だ。 【表】雇用調整助成金などの不正受給、過払い額 検査院が対策要求
財源を巡っては当初予算を使い切り、失業手当などに充てる積立金を流用している。
トヨタ自動車 稼働停止さらに拡大 約1万4000台の生産に影響
2021年12月14日
トヨタ自動車は、12月、国内工場の一部で稼働停止している期間を拡大することを明らかにした。 トヨタ自動車は現在、4つの国内工場の生産ラインの一部の稼働を停止しているが、12月、その期間を拡大する。 これによって生産に影響が出る台数は、さらに5,000台増え、およそ1万4,000台にのぼるという。 また、工場の追加停止で影響が出るのは、高級ブランド「レクサス」のスポーツタイプ多目的車「NX」「UX」など9車種とトヨタのSUVである「ランドクルーザー」の2車種。 トヨタは、今回の生産調整は、東南アジアの感染再拡大で、部品の調達が難しくなっていることと、国内の物流の状況が逼迫(ひっぱく)していることが原因としている。
JR東日本が終夜運転実施へ 山手線や中央線など首都圏9路線
2021年12月14日
今後の新型コロナウイルス感染状況により運転計画変更もあり

JR山手線を走るE235系電車(画像:写真AC)。
JR東日本 東京支社は2021年12月13日(月)、大晦日から翌2022年の元旦にかけて、首都圏の9路線で終夜運転を行うと発表しました。各路線と運転時間帯は次の通りです。 【JR&大手私鉄】終夜運転「する」「しない」各社の対応を写真で見る ・山手線(内・外回り):午前1時から5時ごろまで約15分間隔 ・京浜東北線(桜木町~大宮):午前1時から4時ごろまで約30~45分間隔 ・中央線快速(三鷹~高尾/一部列車は新宿発着):午前0時30分から4時30分ごろまで約20~60分間隔 ・中央・総武線各駅停車(三鷹~千葉):午前0時30分から5時ごろまで約20~50分間隔 ・青梅線(立川~御嶽):立川発午前2時ちょうどと3時20分、御嶽発午前2時51分と4時11分(いずれも宮ノ平~沢井間は通過) ・埼京線(新宿~大宮/一部列車は大崎発着):午前1時から4時ごろまで約60分間隔 ・高崎線(上野~籠原):上野発午前2時ちょうどと4時01分(下りのみ運転) ・宇都宮線(大宮~小山・宇都宮):大宮発午前3時26分と4時30分(下りのみ運転/湘南新宿ライン直通) ・湘南新宿ライン(横須賀線/逗子・大船~大宮):午前0時から5時ごろまで約60分間隔(大宮方面行の一部列車は宇都宮線に直通) ・総武本線・成田線(千葉~成田):午前0時50分から4時30分ごろまで約60分間隔(東千葉通過) これまで終夜運転が設定されていた常磐線各駅停車(綾瀬~我孫子)と成田線(我孫子~成田)、根岸線ですが、今回は実施されません。 JR東日本では昨年も終夜運転を予定していましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため国・関係自治体から要請があったことや、昨今の感染拡大の状況にも鑑みて中止。今回の運転計画についても、今後の新型コロナウイルス感染状況により運転計画を変更する場合があるとしています。
アメリカが北京五輪の外交的ボイコットを発表
2021年12月07日
アメリカ政府は中国での人権問題を理由に北京オリンピックとパラリンピックに外交団を派遣しない「外交的ボイコット」を行うことを発表しました。 ホワイトハウス サキ報道官 「バイデン政権は北京の冬季オリンピックとパラリンピックに外交的代表団を派遣しません」 アメリカ・ホワイトハウスのサキ報道官は日本時間きょう未明、来年2月から行われる北京冬季オリンピックとパラリンピックに外交団を派遣しないと発表しました。「中国で続いている新疆ウイグル自治区でのジェノサイドと人道への罪、その他の人権侵害を受けて判断した」としています。選手は通常通り参加するということです。 同盟国に対してはすでにアメリカの決定を説明していて、他の国も外交的ボイコットを行うかどうかは「それぞれの国の判断にゆだねる」としています。
米政府の決定尊重 「政治的中立の立場」から IOC
2021年12月07日
国際オリンピック委員会(IOC)の報道官は6日、来年2月の北京冬季五輪の「外交ボイコット」に関する米政府の発表を「尊重する」とコメントした。 【写真】米ホワイトハウスの前で、北京冬季五輪のボイコットを求める活動家 報道官はAFP通信に「政府当局者や外交官の出席は各政府の純粋に政治的な決定であり、政治的に中立な立場からIOCはそれを尊重する」と語った。 「外交ボイコット」は、米選手団の競技参加の阻止には踏み込んでおらず、IOCは「五輪とアスリートの参加は政治を超越していることを明白にした。われわれはこのことを歓迎する」と述べた。
「民主主義サミット」9日開幕 バイデン政権が汚職対策戦略発表
2021年12月07日
バイデン米大統領は9、10両日、世界約110の国・地域の指導者らを招いた初の「民主主義サミット」をオンライン形式で開催する。これに先だち米政府は6日、サミットの主要テーマの一つである「汚職との闘い」に関する戦略を発表。米政府高官は近く、汚職や組織犯罪、人権侵害など「民主主義をむしばむ行為」に関与した外国政府高官らを制裁対象に指定する方針も明らかにした。 【民主主義サミットに対する米中台の主な発言】 米政府が汚職対策の戦略をとりまとめるのは初めて。戦略や制裁をサミットの参加国・地域と共有し、同調を促すことで国境を越えた犯罪に効果的に対処する。専制主義的な国に汚職がはびこるケースが多いことから、透明性の高い仕組みを構築して汚職を防止し、民主主義の優位性を確保する狙いもある。 汚職対策の戦略では、同盟国やパートナー国と連携し、米国や国際的な金融システムを悪用した資産の隠蔽(いんぺい)、資金洗浄への対応を厳格化する。不動産取引の透明性を高めたり、国際機関を通じて汚職防止体制の基準を強化して各国に実施するよう促したりする。米政府による専門家の他国への派遣や、調査報道に携わるジャーナリストの支援もする。 サミットでは「専制主義に対する防衛」や「人権尊重の促進」も主要なテーマとして掲げられている。日本や欧州主要国が招待されている一方で、バイデン政権が専制主義と批判する中国やロシアは招かれていない。民主的な理念を共有する国・地域を結集し、中露に対抗する思惑もある。 特に中国が領土とみなしている台湾が招待されたことに注目が集まっている。バイデン政権は、新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込んだ台湾を「民主主義のサクセスストーリー」(ブリンケン米国務長官)として重視しており、台湾支援を明確化し国際機関の活動などへの参加を後押しする意向だ。 一方で、米政府による招待の基準は明確ではない。強権的な政治手法で批判されることもあるフィリピンやインドは招かれたが、米国と同じく北大西洋条約機構(NATO)の加盟国のトルコやハンガリーは招待されなかった。 サミットには市民団体や慈善団体、民間企業も参加する。1年後をめどに2回目が対面方式で開催される予定になっている。【ワシントン鈴木一生】 ◇中国、米国の民主主義を批判 中国は、台湾が米国主導の「民主主義サミット」に招かれたことに「断固として反対する」と強く反発。サミットを前に周辺国との会談で米国の民主主義を批判し、対抗姿勢を示している。また「中国式の民主主義」が発展していると独自の主張を展開する。 中国外務省は4日、王毅外相とカンボジアのプラク・ソコン副首相が会談し「単独主義や覇権の道に反対する」ことで一致したと発表した。カンボジアは民主主義サミットに招かれておらず、中国側がさらなる関係強化のため近づいた形だ。 サミットに招待された国々にも積極的に接触を重ねる。王氏は3日、パキスタンのクレシ外相との電話協議で、サミットについて「民主主義の価値を乱用する行為であり、世界を分断させる。民主主義を議論するなら国連の場で行うべきだ」と訴えた。5日にはインドネシアのルフット海事・投資担当調整相と会談。中国側は「欧米の(民主主義の)基準を無理に押しつけるのではなく、各国の状況に応じて推進すべきだとの考えで一致した」と発表した。 中国はサミットを前に、米国の民主主義への批判も強めている。中国外務省は5日、「米国の民主状況」と題する文章を発表。米国の民主主義は「金権政治」に陥り、「1人1票」を唱えながらも実際は「少数のエリート層による統治」となっていると指摘した。今年1月の米連邦議会乱入事件や、昨年5月に黒人男性が白人警官に暴行を受けて死亡した事件などを例に挙げながら、「米国は民主主義の優等生ではない」と批判した。 これに先立ち、4日には「中国の民主」と題する2万字超の白書を公表した。「ある国が民主的であるかどうかは、その国の人民が判断するものであり、外部が評価することではない」と米国を非難。人民代表大会や政治協商会議といった組織を有する中国の政治制度の有効性や、党の指導下で追求してきたとする中国独自の民主主義などを説明し「中国では民主主義の概念が人々の日常や生産活動に深く根付いており、社会が活気づいている」と強調した。 一方で白書は、強権的な政治体制を意味する「専政」にも言及し、「民主と専政は矛盾しない。少数をたたくのは大多数を守るためであり、専政を実践することは民主主義を実現するためだ」と指摘した。中国政府が主張する「民主」は、あくまで中国共産党による一党体制を前提としている。【北京・岡崎英遠】 ◇蔡総統は出席見送り 中国に配慮か 台湾の蔡英文総統は民主主義サミットへの出席を見送り、側近の蕭美琴(しょうびきん)駐米代表(駐米大使に相当)とデジタル担当相の唐鳳(オードリー・タン)氏を出席させる。中国を過度に刺激することを避けたとみられる。 台湾ではかつて、現在の野党・国民党が独裁体制を敷いたが、1996年に初めて民主的な総統選を実現した。民主化運動の一翼を担った活動家らが結党したのが今の与党・民進党だ。その後は国民党との間で政権交代を繰り返し、民主主義が定着している。 中国から強い圧力を受け、国際社会から孤立しがちな台湾にとって「民主主義カード」は中国に対抗する強力な武器だ。 サミットでは民間枠で香港出身の民主活動家、羅冠聡氏(28)=英国在住=も講演する見通し。香港の民主化運動は中国の統制強化によって抑え込まれた。台湾では「中国に統一されれば香港のようになる」との危機感が募る。蔡政権はサミットで「民主主義のとりで」としての台湾の価値をアピールする構えだ。
