学校「夏休み短縮」、自治体の半数超が検討…休校分の授業確保
2020年04月29日
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、全国の小中高校が休校を余儀なくされるなか、全国121自治体の半数を超える63自治体が、「夏休み短縮」で学習の遅れを取り戻すことを検討していることが読売新聞の調査で明らかになった。学校再開については、緊急事態宣言の期限後の5月7日としたのは東北や九州を中心に16自治体、延長の有無などをみて判断するとしたのは25自治体だった。
調査は、高校を所管する47都道府県、小中学校を所管する46道府県庁所在市、政令市、東京23区の計121自治体を対象に24~28日に尋ねた。
休校で失われた授業時間の確保策(複数回答)については、「夏休み短縮」が最多の63自治体(52%)で、次いで、「修学旅行など学校行事の縮小」(59自治体、49%)、「土曜授業の実施・拡充」(34自治体、28%)だった。
今年度は小学校で新たな学習指導要領が実施される。英語の教科化やプログラミング教育の実施などで、授業時間数は増加するなど児童の負担も増える。
そうした影響もあり、小中学校を所管する74自治体では、「学校行事の縮小」と回答したのは39自治体で、その内訳は、「運動会(練習含む)」が最多の14自治体。「遠足・社会科見学」と「学芸会・合唱コンクール(練習含む)」も計24自治体あり、児童生徒の学校生活に欠かせない活動にも大きな影響が出る可能性が出ている。
一方、緊急事態宣言の期限が5月6日で終わるのか、延長されるのかの見通しが立たないため、再開時期の判断は大きく分かれている。
東京都は7、8日の休校を決め、週明けの11日以降については検討中とし、大阪府も6日までだった休校を10日まで延ばすことを決めた。
再開時期を決めているのは約3割にあたる38自治体にとどまり、このうち、最多は7日で、岩手、栃木、島根県、盛岡市など16自治体。11日は静岡、愛媛県、山形市など9自治体、6月1日も茨城、愛知県、水戸、名古屋市など9自治体あった。
休校期間の見通しが立たないため、大学受験にも大きな影響が出る可能性がある。大学入試センター試験に代わり、新たに始まる「大学入学共通テスト」などで、国や大学に「配慮を求める」としたのは、東京、群馬、石川、滋賀、島根、徳島、高知、福岡、熊本の9都県に上り、「分からない」は33道府県、「求めない」としたのは5県だった。
米国の感染者100万人超え 死者、ベトナム戦争上回る 新型コロナ
2020年04月29日
米ジョンズ・ホプキンス大学システム科学工学センター(CSSE)の集計によると、米国の新型コロナウイルス感染者(累計)が28日(日本時間29日)、100万人を超えた。
米国は死者、感染者とも世界最多。世界の感染者は約310万人で、米国が3分の1を占め、次に多いスペイン(約23万人)の4倍を超える。
世界の死者は21万6000人以上。米国は5万8300人を超え、米メディアによると、ベトナム戦争での米国人の死者5万8220人を上回った。イタリア約2万7000人、スペイン、フランスがそれぞれ約2万4000人と続き、依然欧米に集中している。
感染者には無症状の人がいるほか、急速な感染拡大に検査が追い付いていない米国では、実際の感染者数ははるかに多いとみられている。
初動対応の遅れを批判されているトランプ米大統領は28日、記者団に対し、専門家の多くが「読み違え、こんなに深刻になると考えていなかった」と主張。一方、中国を訪問した外国人の米入国禁止で「おそらく数十万の人の命が救われた」と語った。
外出自粛、深酒に注意 自宅飲み流行、終電もなし 専門家・新型コロナ
2020年04月29日
新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が出てから28日で3週間。
外出自粛要請が続く中、家庭での酒量増加が懸念されている。専門家は深酒による健康被害などさまざまな問題を指摘。「飲酒リスクを認識して」と訴える。
酒類販売のカクヤスが発表した3月の売上高は、飲食店などの業務用が前年同月比で3割近く落ち込む一方、家庭用は7.8%増加した。テレワークなどによる「巣ごもり需要」が増えたためとみられる。
「行動が制限される中で、自宅飲みが手っ取り早いストレス解消法になっている」。各種の依存症ケアに取り組む大船榎本クリニック(神奈川県鎌倉市)の精神保健福祉士・斉藤章佳さん(40)は、適量の飲酒に理解を示しつつ、「深酒が続けば健康や人間関係に悪影響を及ぼす」と話す。
斉藤さんの懸念は、テレワークの人が普段より早い時間から酒を飲み始めることだ。流行中の「オンライン飲み会」も終電を気にする必要がなく深酒になりやすい。また、アルコール度数が高い「ストロング系チューハイ」の売り上げが伸びていることも危惧しているという。
斉藤さんは3月に出版した著書「しくじらない飲み方」(集英社)で、家庭や職場でのストレス、孤立感などをきっかけにアルコールを乱用し、家庭内暴力(DV)や失業に至った事例を紹介。家にこもらざるを得ない現状は「アルコール依存症患者や1000万人いるとされる予備軍がより深刻な状況に陥る可能性がある」と語る。
こうしたリスクを抑えるため、斉藤さんが勧めるのは飲酒量の記録だ。カレンダーに適正飲酒量(成人男性でビール500ミリリットル)を守れた日は青、それ以上の日は黄色や赤のシールを貼る。「可視化することで家族と共有でき、酒量が増えた理由を見つけやすくなる」という。また、ジョギングや体操などで「生活リズムを整えることも大切」と説明する。
「親しい人とも会えない難しい時期」と斉藤さん。「それでも、電話やメールなど連絡を取り合うことで飲酒に頼らない生活につなげてほしい」と強調した。
新型コロナ キャンセル料、相談8千件超 結婚式・イベント会場…「契約の想定外」
2020年04月29日
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、結婚式や旅行などのキャンセル料をめぐり8千件以上の相談が消費生活センターなどに相次いでいる。外出自粛要請などに配慮して中止を決めても、通常は契約書に感染リスクを明記した免責事項がなく、キャンセル料が多額になるためだ。さらに、企業間でのイベント会場の解約などは個人のような消費者保護法も適用されず、想定外の事態に「身勝手なキャンセルではないのに…」と戸惑う声が広がっている。(加藤園子)
【図】「通販お試し」のつもりで購入したら「定期購入」の契約も…
■特別な日配慮
「結婚式は遠方から呼ぶ人もいるので感染が広がらないか不安。延期の方向で式場と話し合いたい」。夏に挙式予定だった東京都内の男性会社員(31)は複雑な思いを打ち明ける。
全国の消費生活センターなどに寄せられた新型コロナに関する相談は4月23日までで1万9千件超。うち約8900件がキャンセル料の相談で、3月は海外旅行、4月に入ると結婚式の中止での問い合わせが目立ってきたという。
消費者庁によると、新型コロナの影響によるキャンセル料も「基本的には契約書の記載に従うことになる」という。婚礼関連業界でつくる日本ブライダル文化振興協会(東京)が公表する約款例では、「お客さまによる解約」や「延期」の項目には解約料金の記載があるのみだ。
消費者契約法では、準備に要した実費や会場を予約したことなどによる損害額以上は請求できない規定がある。悪質な契約には対処できるとはいえ、感染症などは想定外。契約書に特別な免責事項がない限り、原則は支払いが必要になるという。
とはいえ、人生の節目を安心して迎えてほしい同協会では「新郎新婦の意向を踏まえた対応を」と会員業者に呼びかけた。協会担当者は「多くの約款で想定していない状況なので、延期しても次回契約分の料金にキャンセル料を充てられるようにするなど柔軟に対応する会場が多い」とみる。
消費者庁の担当者は「法令上は切り札的な解決策がないが、前代未聞の事態なので、まずは話し合いで解決してほしい」と強調。消費生活センターなどへの相談も呼び掛けている。
■「国が方針を」
法人同士のキャンセルも難しい問題だ。
東京都内のIT関連会社代表の男性(59)は、2月下旬の政府のイベント自粛要請を受け、3月中旬に予定していた法人向け事業セミナーの中止を決断。会場側に意向を伝えた。
「社会の感染リスクを減らすのは企業の責任」と考えての中止だったが、会場側はウェブサイトの利用案内に記載通り会場料の全額を請求。男性側は「公共の福祉のための自粛なので、当事者間で折半にしてほしい」と提案したが、会場側は「主催者の判断で中止を決定した」と突っぱね、請求書を送ったという。
展示会や会議場の関連業界でつくる日本コンベンション協会(東京)の担当者は「2月下旬以降、催しの中止が相次ぎ、各業者が対応に苦慮している」と明かす。協会では主催者側が前払いした会場料は返金できるよう、3月には国に会場費の補填(ほてん)などを要望した。
多くの民事訴訟を手掛ける中島章智(ふみのり)弁護士は「新型コロナは震災のように物理的に会場が使えない状況ではなく、解釈が難しい」と前置きした上で、「会場側が休業しなくても社会通念上、会場の提供や利用ができる状態でないと評価されれば、主催者側は利用料などの支払い義務を負わないだろう」と指摘する。
民法には災害など「不可抗力」があれば互いの義務に責任を負わないとする規定があるためで、この場合は会場側も会場を提供する必要はない。ただ、中島弁護士は「全ての契約でコロナ自粛を不可抗力と判断されるかは前例がなく分からない。時期や地域ごとの緊急事態宣言の有無で判断を分ける可能性もある」とし、「企業も個人も判断が難しい状況。国などが一定の方針を示してもいいのではないか」と話している。
訪問ヘルパーの壮絶現場に密着。高熱が続く障がい者宅で過重労働の毎日
2020年04月29日
感染拡大する新型コロナウイルスの影響は、医療界にとどまらず福祉業界にも及んでいる。東京都内の訪問介護現場では4月中旬、38℃以上の高熱を出した障がい者がPCR検査を希望してもなかなか受診できず、病院と保健所にたらい回しにされるケースが起きていた。
重症化しやすい「基礎疾患」があったが、PCR検査で「陰性」の診断結果が出たのは発熱から1週間後。ただ、男性は未だ熱が下がっておらず、余談を許さない状況が続いている。一方、担当したヘルパーは感染リスクの不安を抱えたまま仕事を続けている。既に2週間以上連続勤務を継続しており、関係者らは「ヘルパーが安全に介護に当たれる防護態勢と速やかなPCR検査受診につなげなければ、介護現場が崩壊しかねない事態だ」と危惧する。
訪問介護ヘルパーの田中誠司さん(仮名・30代)は、16日間連続で重度身体障がい者の戸田晃一さん(仮名・40代)宅を訪れている。トイレの行き来など生活に必要な介助をして、戸田さんの一人暮らしを支えている。午前9時~午後10時までの13時間勤務が連日続き、さすがに疲れの色を隠せない。ヘルパーを派遣する運営事業所は勤務実態を知っているのかと尋ねると、田中さんは「こういった状況なので、あくまで現場任せ」とあきれ交じりだ。
田中さんが2週間連続勤務を続ける理由は、戸田さんの体調が心配だからだ。
訪問介護ヘルパーとして4月10日朝に戸田さん宅を訪れた。戸田さんが息苦しさやけん怠感を訴えたので、熱を測ったところ36.8℃。微熱だったが、田中さんは「新型コロナウイルスの初期症状と類似しているので、もしかしたらと少し慌てた」と振り返る。
最寄りの保健所へ電話相談すると、医療体制が整っているA病院を受診するよう言われた。診断した医師からは「とりあえず様子を見ましょう」と言われ、風邪薬を処方されただけ。帰宅後に改めて体温を測ると、戸田さんの体温は38.3℃に上昇していた。
従業員減、2000人上積み 構造改革を加速 三菱UFJ銀
2020年04月27日
三菱UFJ銀行は26日までに、経済のデジタル化に対応して、業務の構造改革を加速させる方針を固めた。これにより、2023年度までに2000人程度の従業員を追加で削減できる見通しだ。大量採用世代の定年退職に伴う自然減に加え、新卒採用の抑制を進める。
同行は17年11月、23年度までに6000人の従業員を減らす計画を明らかにした。2000人上積みすれば、17年度に約4万人いた従業員の2割に当たる8000人程度が減ることになる。長引く低金利や異業種などとの競争激化で、金融機関の経営環境は一段と悪化している。
GW控え、対応苦慮 各地の観光地やキャンプ場 上高地「封鎖」も・新型コロナ
2020年04月27日
ゴールデンウイーク(GW)を直前に控え、例年多くの人でにぎわう各地の観光地やキャンプ場が新型コロナウイルスへの対応に苦慮している。
感染防止のため都市部からの人の流れを抑制しようと、自治体は公営駐車場の利用を停止。長野県松本市の上高地は地域一帯を事実上封鎖した。
バーベキューや川遊びが楽しめる東京郊外の秋川渓谷では25日、好天にもかかわらず多くのキャンプ場などが休業し、河原も閑散としていた。先週末は都心などから来た車で渋滞も起きたため、周辺自治体が一斉に公営駐車場を閉鎖。飲食店や土産物店も大半が閉まっていた。
東京都檜原村役場の担当者は「観光客が来ないのはつらいが、感染源になるのを警戒している。村には診療所が一つあるだけで、住民が感染すれば十分な対応も難しい」と説明する。家族で川遊びをしていた三鷹市の教員の女性(47)は「休校で家にいる子供を空気のきれいな場所に連れ出したかった。住民が不安に思うかもしれないので、どこにも寄らずに帰る」と申し訳なさそうに話した。
サーフィンや潮干狩りで有名な茨城県大洗町も訪問自粛を要請している。18日以降は海沿いの公営駐車場を全て閉鎖したが、路上駐車する県外ナンバーなどの車が散見されるといい、町役場の担当者は「浜辺には自由に入れる状況で、職員が見回りをしても注意はできない」とこぼした。
神奈川県の湘南海岸や静岡県の伊豆半島でも週末に多くの人が訪れて問題になっており、各自治体は駐車場閉鎖などの自衛策に乗り出している。
長野県松本市にある標高約1500メートルの山岳景勝地・上高地は、冬季通行止めの道路が開通したばかりだったが、緊急事態宣言の全国拡大を受け、ホテルや山小屋、キャンプ場など大半の施設がGW終了まで休業を決めた。
通年でマイカー規制されており、バスやタクシーも運行をやめたため、徒歩以外での立ち入りは難しい。診療所や派出所、郵便局なども開設を取りやめた。
米保健当局に「消毒液注射」の問い合わせ殺到、トランプ氏発言で
2020年04月27日
トランプ米大統領が新型コロナウイルスの治療法に関して、消毒液の注射などを試してみるのはどうかと発言したことについて週末、各州の保健当局には問い合わせが殺到した。
メリーランド州 ホーガン知事
「消毒液の注射や服用に関する問い合わせが殺到している―」
メリーランド州知事は26日、同州対策本部の相談電話に新型コロナの治療に除菌製品が使えるのかという問い合わせが急増していると述べた。
「これで本当に自分の身が守れるのか、市民は真剣に考えている」
医師は、新型コロナの治療にライゾールなどの製品を使うことは危険だと強く警告。先週トランプ米大統領は会見で、新型コロナの除去のために消毒液を注射してみてはどうかと発言していた。
トランプ米大統領
「消毒液は1分でそれを撃退するのだから、消毒液を体内に注射することはできないだろうか、クリーニングするような感じで」
ニュージャージー州の保健当局者
「消毒液を注射したり服用してはいけない」
この発言を受けて各州の保健当局者は、消毒液の注射や服用は危険であり、死に至る可能性すらあると直ちに市民へ警告した。
ニューヨーク デブラシオ市長
「市民は科学のことをまったく気にしない人からではなく、医師の口から真実を聞く必要がある」
ペロシ下院議長は、公衆衛生上の危機にあるにもかかわらず、大統領は科学の基本を無視していると非難。
米民主党 ペロシ下院議長
「ライゾールのような消毒液を体に注射すれば、新型コロナを撃退できるですって。
悲しいかな、この大統領は医師の話を聞いていない。果たしてこの人が誰かの話に耳を傾けることがあるのか」
翌日トランプ氏は、発言が皮肉を込めたものだったと釈明した。
消毒液注射や日光照射 トランプ氏の「治療法」発言の舞台裏は
2020年04月27日
トランプ米大統領はホワイトハウスでの記者会見で、新型コロナウイルス感染症患者への日光照射や消毒液注射という科学的根拠のない「治療法」に言及して大きな波紋を呼んだ。トランプ氏がこのような発言に至った背景には何があったのか。
23日に開かれた新型ウイルス対策に関する定例会見では、まず国土安全保障省のブライアン次官代行が、太陽光に含まれる紫外線や漂白剤などの消毒薬により、ウイルス減少が加速するとの研究結果を説明。これに続いて檀上に立ったトランプ氏が、患者の体内に日光を照射したり消毒液を注射したりするのはどうだと提案した。
その発言が物議を醸し、ホワイトハウスは24日にかけて対応に追われた。
マケナニー報道官はメディアが前後関係を無視して発言を取り上げたと反論し、トランプ氏自身は記者らに対する皮肉のつもりだったと主張。新型ウイルス対策チームのバークス調整官はFOXニュースとのインタビューで、トランプ氏は会見直前に見た新情報を整理する時間がなかったと説明した。
保健当局者らは国民に向けて、漂白剤を飲むのは危険だと警告した。
ブライアン氏はこの研究結果を、22日の新型コロナウイルスの対策会議で紹介していた。対策会議はホワイトハウス地下にある危機管理室で毎日、会見の前に開かれるが、トランプ氏は欠席することが多く、この日も参加していなかった。
ブライアン氏は23日の会見に先立ち、大統領執務室でトランプ氏にこの研究を手早く説明した。
関係者らによればトランプ氏は強い関心を示し、ブライアン氏に同日の記者会見で披露するよう指示した。しかしトランプ氏自身がカメラの前で注射などの治療法を提案するとは、だれも予想していなかったという。
中国、軍事挑発弱めず…1~3月の尖閣沖進入57%増
2020年04月27日
新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大する中、中国が依然として日本周辺での軍事的な挑発を続けている。沖縄県・尖閣諸島の「領有権」主張で譲らず、日本側の即応態勢を試す狙いがあるとみられる。日米両国は共同訓練などを通じて抑止力の強化に努めている。
防衛省や海上保安庁によると、1~3月の中国公船による尖閣諸島周辺の接続水域内への進入は289隻と、前年同期比で57%増えた。今月11日には、中国の空母「遼寧」とミサイル駆逐艦など計6隻が沖縄本島と宮古島の間を南下して太平洋に入り、南シナ海にも回って訓練を実施した。
領空侵犯の恐れがある中国機に対して航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)した回数も1~3月で152回と高い水準が続いている。
河野防衛相は24日の記者会見で、「世界各国が協調して、いかに(感染症を)封じ込めるかという時期に、軍事的な拡大を図るのは、いつにも増して許されない」と述べ、中国を厳しく批判した。
中国は、国内で感染症が拡大した1月以降も、軍事的な動きを緩めていない。元海上自衛隊自衛艦隊司令官の香田洋二氏は中国の意図について、「台湾を念頭に、南シナ海での活動も活発化させている。尖閣諸島の『領有権』など従来の主張をコロナ禍でも弱めることはないという意思表示だ」と分析する。
米軍は太平洋に展開中の空母「セオドア・ルーズベルト」で集団感染が発生。自衛隊も感染防止のため複数の部隊が交流する訓練を当面行わないなど、両国は感染症対策に追われている。
日米両国は、こうした状況下で相次ぐ中国の挑発行為に危機感を募らせている。
22日には、航空自衛隊のF15戦闘機など15機と、米本土から飛来したB1戦略爆撃機など5機が、日本海や沖縄周辺の上空で訓練を実施。東シナ海では10~11日、海上自衛隊の護衛艦「あけぼの」と米軍の強襲揚陸艦「アメリカ」が共同訓練を行い、周辺海域での即応態勢を示した。24日夜に行われた河野氏とエスパー米国防長官との電話会談でも、新型コロナウイルス問題のほか、中国の挑発行為への対応などを協議したもようだ。
防衛省幹部は「中国は日米の即応能力を測ろうとしている。感染症のせいで対応できなければ、中国の思うつぼだ。日米の連携強化が不可欠だ」と語る。
