苦境脱却へ、観光地「期待」 円安追い風、旅行支援も 11日に新型コロナ水際対策緩和
2022年10月11日
新型コロナウイルスの水際対策が11日から大幅に緩和されるとともに、新たな需要喚起策「全国旅行支援」が始まる。 【図解】全国旅行支援と県民割 長くコロナ禍に苦しんできた観光地では、円安も追い風に、インバウンド(訪日客)への期待が高まっている。 スキーやスノーボードを楽しむため、多くの外国人観光客が訪れていた北海道・ニセコ。コロナ禍前の2019年は観光客が400万人を超え、宿泊客の8割が外国人だったが、20~21年はほぼ半分に落ち込んだ。今冬の宿泊予約件数は以前の水準に戻る勢いで、外国人の予約も多いという。 倶知安観光協会の吉田聡会長は「2年間辛酸をなめてきたので、期待値はとても高い」と声を弾ませる。一方、コロナ禍で人材流出が進み、「もてなす側の人材不足が痛い」と懸念も示す。 全国でスキー場とホテルを経営する東急リゾーツ&ステイ(東京都)も、ニセコ地区の宿泊予約は回復傾向にある。佐藤文雄・ニセコ地区統括総支配人は「外国人観光客が戻るのは大きい。このまま伸びていけば」と話す。 書き入れ時の紅葉シーズンを控えた京都でも期待が高まる。「あぶらとり紙」で有名なよーじやグループ(京都市)は、一時は全店休業に陥ったが、先月から売り上げは回復基調にある。出野沙優美・広報室長は「コロナ禍前と比べると厳しいが、紅葉シーズンは客が一番増える時期。より多くの人が来てくれるとうれしい」と話す。 観光名所の嵐山で土産物店を営む細川政裕さん(60)は「円安も追い風となりインバウンドが戻ってくる環境ができた」と期待を示しつつ、「外国人はマスクをしないのがスタンダード(標準)。日本人は感染を懸念して近づくのを嫌がるかもしれない」と気をもむ。「商店街の各店で換気や消毒を徹底しており、嵐山のほとんどが野外観光地なので、コロナに感染するリスクは低い」と安全性を強調した。
「セルフレジ」で万引き横行「ミスか故意か見極め難しい」…手元・顔を撮影する対策も
2022年10月11日
スーパーマーケットが「セルフレジ」を悪用した万引き被害に頭を悩ませている。バーコードの読み取りや精算を客が自ら行うセルフレジは、人件費削減への期待などから普及が進むが、万引き犯に「人の目」の少なさにつけこまれた格好だ。故意の万引きと悪意のない精算ミスを見分けづらい難点もある。店側は、レジに客を撮影するカメラを取り付けるなど対策を急ぐ。(河津佑哉) 【写真】画面が空中に浮かび上がっているように見えるセルフレジ
非対面・非接触

(写真:読売新聞)
「『ピッ』という音を聞いて、レジを通ったと思った」。今年2月、北九州市のスーパーでウイスキーなどを盗んだとして、福岡県警に窃盗容疑で現行犯逮捕された中学校の男性教員(60歳代)は当初、こう供述した。
事件はセルフレジで起きた。警察の調べに男性教員は、バーコードを読み取った音を聞いた、と主張して否認した。
しかし、調べが進むと容疑を認め、前日と前々日にも同様の手口で商品を盗んでいたことも判明。男性教員は不起訴となったが、3月に懲戒免職された。
全国スーパーマーケット協会(東京)によると、セルフレジは2003年に大手で導入が始まった。21年の調査では、客が全ての操作を行う「フルセルフレジ」を置く店の割合は19年の11・4%から21年に23・5%へ上昇。店員が商品をレジに通して精算は客が行う「セミセルフレジ」も合わせると、さらに身近になっている。
人手不足に加え、新型コロナウイルスの影響で店員と客の接触を減らす傾向も普及を後押しする。その反面で、NPO法人「全国万引犯罪防止機構」の担当者は「セルフレジを導入した後に万引き被害が増えたケースが目立つ」と懸念を示す。
無罪判決も
セルフレジの特徴は「非対面・非接触」にある。その利点ゆえに店員の目は届きにくく、万引き犯は大胆な犯行に走りがちだ。
20年6月、熊本県宇城市の店舗でアイスクリームを盗んだ疑いで、男性消防士(20歳代、懲戒免職)が現行犯逮捕された。その手口は、8個の商品のうち4個をリュックに入れ、セルフレジで精算せずに持ち出そうとする単純なものだった。
トヨタ「ウーブン・シティ」 11月上旬建設開始 一部エリア、2024~25年開所予定
2022年10月11日
トヨタ自動車が裾野市に建設する次世代技術の実験都市「ウーブン・シティ」について、プロジェクトを担当する子会社のウーブン・プラネット・ホールディングス(HD、東京)は10日、11月上旬に建築本体工事を始めると発表した。着工対象となる第1期エリアはウーブン・シティで最も早く2024~25年に開所する予定。 第1期エリアは敷地南端の約5万平方メートル。企業や研究機関と連携し、モビリティー(移動)や物流、食、農業、エネルギーなどの実証実験に取り組む。現時点でENEOS(エネオス)や日清食品との共同実証が決まっている。 ライフラインを整備し、開所時点で約360人が居住する予定。総事業費は非公表。10日にはトヨタ自動車や市、県、施工業者の関係者らが現地で安全祈願祭を行った。エリアを決めて段階的に開設する計画で、時期は未定だが、第2期、第3期の建設工事も順次進めるという。 同HDのジェームス・カフナー最高経営責任者(CEO)は「改善を重ねながら、『未来の当たり前』になるような新しいモノやサービス、仕組みなどを発明していく」とコメントした。 ウーブン・シティは東名高速道裾野インターチェンジ近くに建設する。トヨタ自動車東日本の工場跡地で、21年2月から造成工事を進めていた。敷地面積は東京ドーム15個分の約70万8千平方メートル。人や物が情報通信でつながり、自動運転や人工知能(AI)、ロボットなどの先端技術を生活環境に利活用する実証実験に取り組む。将来的には2千人以上が居住するという。
納車前日の“シビックタイプR”450万円が大破 信号無視の車と衝突…全額補償なし 販売店「判例作るつもりで闘う」
2022年10月11日
交差点で起きた交通事故。ドライブレコーダーには、信号無視の瞬間が映っていました。めざまし8は信号無視によるこの事故で車が大破してしまった被害者に話を聞きました。 【画像で見る】納車前日の事故。信号無視の車に衝突されたのに、全額補償なし。その理由は? 相手側の保険会社が提示してきたのは、「全額補償」ではないといいます。一体どういうことなのでしょうか。
“納車前日の車”大破 ドラレコに信号無視の瞬間
9月26日、栃木県大田原市内を走行していた車のドライブレコーダーの映像。交差点にさしかかろうとしたその瞬間、右から直進してきた白い車と衝突。あたりは煙に包まれました。 車内に取り付けられていた360度カメラの映像には、事故直後の音声も記録されていました。 「救急車呼びます?大丈夫?」と、周辺にいた人たちが運転していた男性に声をかけ安否を確かめる中… 衝突してきた運転者: 何でぶつかってきたの? 運転していた社員: こっち青信号だよ 衝突してきた運転者: え?こっちが青だよ 運転していた社員: ドライブレコーダーついてるからね ぶつかってきた車を運転していた人は自分の方が青信号だと主張。 しかし、ドライブレコーダーの映像を見てみると、正面は青信号。そして、左側は赤信号です。この状態で白い車は直進。事故が起きてしまったのです。 事故直前の映像を見てみると、横断歩道の両脇には人の姿も…。幸い、巻き込まれることはありませんでしたが、一歩間違えば、歩行者も巻き込むさらに大きな被害につながりかねない事故。 事故に遭った車は大田原市内の販売店のもので、翌日には、購入者に納車する予定でした。この日は、納車直前のテスト走行のため、自動車販売会社の社員が運転していたといいます。 Honda Cars 野崎・松本正美店長: 第一印象でもう車だめかなという気はしました。部品も散乱していたし、道を塞ぐような形だったので、ちょっと一大事だなと。 連絡を受け現場に駆けつけた店長は、事故直後の映像を撮影していました。 警察: 車3台ですか? 松本店長: 2台。こっち被害者で、(向こうは)赤信号直進 警察: ドラレコとかついてますか? 松本店長: ついてますついてます。自分では赤信号っていう認識あるんですか? 衝突してきた運転者: いや、私じゃなかったんです。青になったなと思って出たんですけど、ぶつかったので、あれーと思って、あの…ドライブレコーダーに映ってるよって言われて 当時のまま、今も保管されている被害車両。実は相手側との話し合いはまだ進んでいません。この車を購入する予定だった男性は、めざまし8の取材に対しこう話します。 購入を予定していた男性: この車が欲しくてかなり長い間探しておりました。納車を楽しみにしておりましたが、納車前日に店長から連絡をいただき大変ショックでした。 松本店長によると、この車はファンからも人気が高いHondaの「シビック タイプR FD2」のマニュアルタイプの中古車で、車体の価格は約400万円。最新のカーナビやドラレコなどをつけた結果、販売価格は総額で約450万円だといいます。
政府、北朝鮮ミサイルに手詰まり感 対話応じず、安保理も機能不全
2022年10月10日
9月下旬から弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮への対応で、日本政府の手詰まりが鮮明になっている。 【写真】北朝鮮の指導者金正恩氏を歓迎するロシアのプーチン大統領 北朝鮮は度重なる抗議にも耳を貸さず、国連安全保障理事会では中国、ロシアが協調を阻む。日本の制裁も「出し尽くしている」(外務省幹部)のが実情で、挑発を止める手だてを見いだせていない。 岸田文雄首相は6日の衆院本会議で「国際社会とも協力して関連する安保理決議の完全な履行を進め、北朝鮮の非核化を目指す」と強調した。 北朝鮮は4日、5年ぶりに日本上空を通過する弾道ミサイルを発射。首相は同日にはバイデン米大統領、6日は韓国の尹錫悦大統領と抑止力強化を確認したが、政府関係者は「北朝鮮は対話に応じる気配がない」と指摘する。 首相が目指す国際社会の連携も揺らいでいる。安保理では5月、大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受けた制裁強化案が、中ロの拒否権行使で否決された。両国は4日の弾道ミサイル発射後も、安保理で非難声明を目指す動きに同調しなかった。 ロシアのウクライナ侵攻で繰り広げられた安保理内の対立が北朝鮮対応でも再現された形で、林芳正外相は7日の記者会見で、「一部の国々の消極的な姿勢により、行動できていないことは遺憾だ」と批判した。政府関係者も「北朝鮮は国際社会の分断の隙を狙って、好き勝手にやっている」と指摘、打開策は見当たらない。 安保理は2016~17年にかけて、北朝鮮によるICBM発射や核実験に対し、制裁決議を計6回採択したが、現状は様変わりしている。北朝鮮が7回目の核実験に踏み切るとの見方が強まっているが、政府関係者からは「安保理が、核実験は駄目だと言ってくれればいいが」との悲観論も出ている。 日本の独自制裁について、政府関係者は「弾がほとんど残っていない」と語り、圧力には限界があるとの認識を示す。別の政府関係者は「当面は抑止力強化を進めるしかない」と漏らした。
プーチン氏、クリミア大橋爆発は「ウクライナ情報機関のテロ行為」
2022年10月10日
ロシアのプーチン大統領は9日、ロシアが2014年に一方的に併合したウクライナ南部クリミア半島と露本土をつなぐ「クリミア大橋」(全長約19キロ・メートル)で発生した爆発に関し、「ウクライナの情報機関によるテロ行為」との認識を示した。「ロシアにとって死活的な民間施設の破壊を狙ったものだ」とも語った。 【表】一目でわかる…ロシアの戦力はウクライナを圧倒している
爆発の原因などを調査している露連邦捜査委員会トップとプーチン氏のやり取りの一部を露大統領府が公表した。
捜査委のトップは、プーチン氏にこれまでの捜査状況を報告し、「トラックを爆発させたテロだ」と指摘した。トラックが、ブルガリアやアルメニア、ジョージアを経由して露国内に入ったとする走行ルートも説明した。爆発には「ウクライナの情報機関やロシア人、テロ攻撃の準備を支援した複数の国家がいる」と主張した。
捜査委は、クリミア大橋で8日朝に走行中のトラックが爆発し、並行する鉄道橋を走っていた貨車の燃料タンクに引火し、3人が死亡したと発表している。
プーチン氏は10日に安全保障会議を招集しており、対応を協議するものとみられる。
ウクライナ政府当局者はニューヨーク・タイムズなど複数の米主要紙に、ウクライナの情報機関が関与したことを認めているが、ウクライナ政府は公式には関与の有無を明言していない。
クリミア大橋の爆発、焦点はロシアの報復 9月には核兵器を示唆
2022年10月10日
ウクライナ南部クリミアとロシアを結ぶ「クリミア大橋」で8日に起きた爆発は、ウクライナ侵攻で行き詰まるロシアの苦境を浮かび上がらせている。ウクライナが戦略拠点を攻撃したとの見方が広がる一方で、ロシアが強硬手段で報復する可能性も取り沙汰されており、緊張の高まりは必至だ。 【写真まとめ】クリミア大橋の道路が海に…列車は炎上 ◇ゼレンスキー氏「未来は晴れ晴れ」 ロシア当局によると、8日午前6時過ぎにクリミア大橋の車道を走行中のトラックが爆発し、並行して走る貨物列車の燃料タンクに引火して炎上、車道の一部が崩落した。2014年からクリミアを実効支配するロシアの当局は復旧作業を急ぎ、午後4時から一部車道の走行規制を解除し、その後に列車の運行も再開したという。 ロシア国家テロ対策委員会は、爆発したトラックの運転手がクリミアの対岸に位置するロシアのクラスノダール地方に住む男性だったと説明しており、トラックに仕掛けられた爆弾が爆発したともみられている。 ウクライナ側からは爆発への関与を示唆したメッセージが相次ぐ。ゼレンスキー大統領は8日夜のビデオ演説で「今日のクリミアは曇りだったが、我々の未来は晴れ晴れとしている。クリミアなどで占領者を追い払った未来だ」と発言。前日の7日がプーチン露大統領の70歳の誕生日だったことを踏まえ、ウクライナのダニロフ国家安全保障国防会議書記は、橋が爆発する様子とバースデーソングの動画をツイッターに投稿して皮肉った。 米紙ワシントン・ポスト(電子版)は詳細に触れていないが、ウクライナの情報機関が橋を爆破したという同国の政府関係者の話を報道。ソーシャルメディアでは、遠隔操作された船が橋の下まで移動し、積載していた爆発物が爆発した可能性なども取り上げられている。 ◇ロシア「核兵器の使用も辞さない」 クリミアの実効支配を進めてきたロシアは18年から19年にかけて、クリミア大橋の車道と鉄橋を相次いで完成させた。今年2月のウクライナへの軍事侵攻に前後して、軍部隊を大橋経由で移動させて、クリミアをウクライナ南部攻撃の拠点や補給基地としてきた。 一方で8月に入ると、クリミアのロシア軍施設で爆発が相次いで起きたことから、ウクライナが同地の奪還作戦に着手したとの見方が浮上。今回の爆発がウクライナ側の攻撃に起因するならば、ロシア軍の補給路を遮断するだけではなく、クリミア奪還に向けた動きの一環とも言えそうだ。 重要インフラが損壊しながらも、タス通信によると、ロシア国防省は陸路にとどまらず、海路による輸送を続け、ウクライナ南部での軍事作戦の継続に支障を来していないと説明している。8日夜になると、プーチン氏がクリミア大橋やクラスノダール地方のエネルギーインフラなどの警備の強化を命じた大統領令を発令。原因究明と再発防止に取り組む姿勢を前面に出している。 クリミアに続いて、9月末にはウクライナ東・南部4州の「併合」も一方的に宣言したロシアは、自国領とみなす地域が攻撃されれば、核兵器の使用も辞さないとの立場を明示する。特にクリミアが攻撃された場合には、メドベージェフ安全保障会議副議長(前大統領)が7月の時点で、ウクライナが「終末の日を迎える」と直接的な表現で警告していた。 クリミア大橋の爆発後には、ロシア下院のスルツキー国際問題委員長が「ウクライナの関与が確認された場合、我々の対応は厳しいものになる」と表明。今後、ロシア政府が爆発の原因をどう説明して、どのような対抗措置に出るのかが焦点になりそうだ。 ウクライナでの苦戦が続く中、ロシアの省庁間の対立がクリミア大橋の爆発に絡んでいるとも指摘されている。ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は8日のツイッターへの投稿で、ロシア軍と対立を深めてきた情報機関の連邦保安庁(FSB)が爆発に関与した疑いが強いとの見解を表明。爆発したトラックがロシアからクリミアに向かっていた点に触れ、「誰が爆発を起こしたのかは明白ではないか?」と書き込んでいる
群衆雪崩で混乱拡大か、インドネシアサッカー場の悲劇 催涙ガス使用は「非人道的」とも
2022年10月10日
インドネシアのサッカースタジアムで1日夜に発生した暴動は、サッカー史で過去2番目に多い130人以上の犠牲者を出す惨事となった。試合結果に激怒した約3千人が暴徒化し、鎮圧に催涙ガスが使用されたことで混乱に拍車がかかったとみられる。サッカーワールドカップ(W杯)カタール大会の開幕を11月に控え、安全対策の充実が求められる。 【写真】インドネシア東ジャワ州のサッカー場で、グラウンドに乱入する観客ら ■奇跡願うも… 表情を失った人々がずらりと横たわったスタジアムの通路。頭を横に向けたまま微動だにしないユニホーム姿の子供を前に母親は、ただただ奇跡を願うことしかできなかった-。 インドネシア東ジャワ州マランの「カンジュルハン・スタジアム」に、アレマFCがペルセバヤを迎えた1日の一戦。交流サイト(SNS)上には、こうした動画が何本も投稿された。 アレマFCはペルセバヤを相手に本拠地で23年間無敗を誇ったものの、その記録がこの日途絶えた。この結果に対し、一部サポーターが激怒。約3千人の観客がピッチへなだれ込んだ。 現地報道などによると、暴徒化した観客に警官が盾や警棒、さらには催涙ガスで応戦。逃れようとした観客が出口付近で折り重なるように倒れ、9日までに131人が死亡、300人以上が負傷した。主な死因は窒息死や圧死だった。 日本で暮らすインドネシア人のノバ・レスタファさん(33)は「情報が錯綜(さくそう)している。事故原因を知りたい」と、母国での痛ましい事故に胸を痛めた。 ■「群衆雪崩」発生か 催涙ガスは、観客の乱入を食い止めるため、警官がやむをえず発射したとの見方も広がる。だが、煙で視界を遮られた人が気を失うなどとして、使用の判断は「非人道的」とも指弾された。 群集安全学が専門の関西大の川口寿裕教授は、現地の報道を踏まえて「興奮状態で向かってくる数千人を前に、警備側も混乱したはずだ」と指摘する一方、催涙ガスの使用は「パニックを引き起こす」とし、混乱に拍車をかけたとみる。 川口教授は今回の事故について、ガスの煙から逃れようとした観客が屋外へ通じる狭い出口に殺到したため、「群衆雪崩」が発生したとみる。1人が倒れると周りが次々と転倒する現象で、1平方メートル内に10人以上の密度で人が集まると、死亡やけがのリスクが増す。出口付近の群衆密度が限界を超え、多くの犠牲者が出た可能性が高い。だが、観客がパニックになれば制御する術はないといい、その時点で「事故は防ぎようがない」のだという。 インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は「犠牲者に深いお悔やみを申し上げる」と哀悼の意を示し、安全策が講じられるまでのリーグ戦中止を要請。国際サッカー連盟(FIFA)は暴徒化した観客が相手でも催涙ガスの使用を禁じており、事故原因の究明に乗り出すことを決めている。 ■W杯には120万人が サッカーの試合を巡る悲劇は繰り返し起きている。1964年、ペルーで開かれた東京五輪南米予選では試合後の暴動をきっかけに、史上最悪の318人の死者が出た。89年には、英シェフィールドでゴール裏の立ち見席に収容人員を超すサポーターが殺到し、97人が死亡した。 11月には中東で初のサッカーW杯カタール大会も控える。世界中から120万人以上が観戦に訪れると見込まれ、「フーリガン」と呼ばれる熱狂的ファンが、スタジアムの内外で騒ぎを起こすことが懸念される。 川口教授は「アラブやヨーロッパでは、サッカーは『国技』といえるほど人気がある。今回の悲劇を教訓に、サッカー界全体で安全対策の見直しが求められるだろう」と話している。
「中絶はすべての女性が医師とともに決める問題」 “中絶の権利”訴える大規模デモに数千人が参加 来月のアメリカ中間選挙でも大きな争点
2022年10月10日
アメリカで中絶を事実上禁止する州が相次ぐ中、中絶の権利の重要性を訴える大規模なデモが首都ワシントンで行われました。 8日、女性団体の主催で行われたデモには数千人が参加しました。 アメリカでは今年6月、連邦最高裁が半世紀にわたって認められてきた中絶の権利を覆す判断を下し、共和党が優勢な州で相次いで中絶が事実上禁止されています。 デモの参加者たちは連邦議会までの道のりを1時間半にわたって行進し、中絶の権利の重要性を訴えました。 参加者 「中絶は政府や政治家が決めるべきものではなく、全ての女性が医師とともに決めるべき問題です」 「娘たちの権利が私たちよりも制限されるんですよ。だからこそ我々の世代が、若い世代のために戦う必要があるんです」 「私は無党派ですが、共和党の知事に投票したことをとても恥ずかしく思います。もう二度とテキサス州で共和党に投票しません」 アメリカでは中間選挙が1か月後に迫っていて、中絶をめぐる問題も選挙戦の大きな争点になっています。
日産、ルノーに出資比率引き下げ要請 EV新会社を機に本格協議
2022年10月10日
電気自動車(EV)の新会社設立を急ぐ仏ルノーに対し、日産自動車が長年の懸案であるルノーによる日産への出資比率引き下げを本格的に要請することが分かった。日産に新会社への参画を求めるルノーのルカ・デメオ最高経営責任者(CEO)がこの週末に来日し、日産の内田誠社長と会談する予定で、議題の1つとして話し合う。両社の協議に詳しい複数の関係者がロイターに明らかにした。 関係者の1人によると、日産はルノーによる出資比率を最大15%まで引き下げることを求めたい考え。経営危機に陥った日産をルノーが救済するため、両社の資本関係は1999年から始まり、現在はルノーが日産に約43%、日産がルノーに15%を出資している。現在は日産が販売規模や収益力などの点で上回り、ルノーの業績を支えている状態で、日産は不平等な資本関係の見直しをたびたび模索してきた。 日産は、2019年に辞任した西川広人氏が社長だった18年にも資本の見直しを検討。同関係者は「資本関係が対等になれば長年の懸案が解消し、日産社員の士気も上がる。西川氏ができなかったことを内田社長が成し遂げて欲しい」と話す。 同関係者によると、日産はルノーから株式を買い戻すことになった場合、新たな資金調達が必要になる可能性もあるという。ルノーの出資比率が低下しても、日産がルノーとの協業関係を変えることはないとしている。ルノーのデメオCEOは、鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で7─9日行われるフォーミュラーワン(F1)日本グランプリを観戦するため来日中。別の関係者によると、日産の内田社長らと会談する機会も持つ。会談で具体的な結論が出る可能性は低いとみられるが、デメオCEOは11月8日、EV新会社など経営戦略について投資家向け説明会を開く予定で、同日までに何らかの交渉がまとまる可能性もある、と同関係者は話す。 ただ、資本関係がどう見直されても、ルノーは同社に15%を出資するフランス政府の承認を得る必要がある。同関係者によると、日産・ルノーと連合を組む三菱自動車もルノーのEV新会社に10%未満の出資を検討している。三菱自には日産が34%出資する。 ルノーと日産、三菱自はロイターの取材にコメントを控えた。 ルノーは今年2月にEV部門と従来の内燃機関車部門を分離し、EV新会社の設立と上場を目指す構想を発表。ルノー経営陣が5月に来日した際には出資を含む新会社への参画を日産と三菱自に打診したことが判明した。両社とも自社のメリットを重視する必要があるとし、欧州が主要市場となる新会社への参画にはこれまで慎重に検討してきた。 ルノーは20年12月期まで2年連続の最終赤字。22年1─6月期も、フランスに次ぐ事業規模だったロシアからの撤退で2年ぶりの最終赤字に陥り、財務状況が悪化している。ルノーがEVシフトを加速するには巨額投資が必要で、日産と三菱自の協力が重要となっている。
