アフガン巡る三つ巴戦略ゲーム、中国とパキスタンとインド
2021年08月26日
アフガニスタンはアジア内陸部に位置する地政学上の要衝で、19世紀には英国とロシアが勢力争いを繰り広げ、20世紀は米ソ角逐の舞台になった。そしてイスラム主義組織タリバンが政権を掌握した今、新たな大国際戦略ゲームの主導権を握ったのはパキスタンだ。そのパキスタンと友好関係にある中国も、この地域で足場を固める機会を虎視眈々(たんたん)と狙っている。 【動画】「タリバン政権」でも報道の自由と女性の権利は残るか、現地記者は懐疑的(字幕・20日) パキスタンとタリバンの結びつきは深い。パキスタン政府は、米国が支援するアフガニスタンの民主政権に抵抗するタリバンを支援している、と批判を浴び続けたが、これを表向き否定してきた。しかし先週、タリバンが首都カブールを制圧するとパキスタンのイムラン・カーン首相は、アフガンの人々が「奴隷の鎖」を断ち切ったと称賛。タリバンが政体を決めるための協議を続ける中で、複数のメディアがこの話し合いに何人かのパキスタン当局者が関与していると報じた。 パキスタン外務省の報道官は、地域の平和と安定を確保するため、アフガンでの包括的な政治的解決をパキスタンは望んでいると発言。「重要な役割は引き続きアフガンの人々の手にある」と付け加えた。 中国はこれまでアフガンに全く関わってこなかったが、アフガンに眠る鉱物資源に魅力を感じてタリバンに接近している。これらの資源の中には、電気自動車(EV)用バッテリーの重要な原料となるリチウムの豊富な埋蔵量も含まれる。中国としては、カラコルム山脈を通じてパキスタンに至る細い回廊地帯の安全保障をさらに強化したいという思惑もある。 このゲームにはもう1つ、インドというプレーヤーが存在する。パキスタンと歴史的な敵対関係があり、中国とも1年余りにわたる国境紛争を抱えるインドは、崩壊したアフガンの民主政権の重要な支え手だっただけに、タリバンが支配するアフガンでパキスタンと中国が影響力を強める事態に不安を高めつつある。 もっとも中国側の言い分では、タリバンに近づく主な狙いは、反中国を掲げてアフガン内に避難場所を求める恐れがある東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)から、新疆ウイグル自治区を守ることだ。四川大学で南アジア問題を研究するチャン・リ教授は「パキスタンはインドに対抗する手段としてアフガンの利用を考えているかもしれない。だが中国にとってそれは必ずしも当てはまらない。中国の主要な関心は、タリバンが包括的で穏健な政治体制を構築してテロが新疆と地域全体に広がらないことだ」と述べた。 一方インドのセンター・フォー・ポリシー・リサーチのブラフマ・チェラニー教授(戦略論)は、中国はタリバンがアフガンを統治する上で必要とする2つの要素、つまり外交的な承認と、のどから手が出るほどほしいインフラ整備・経済支援を「えさ」としてぶら下げていると指摘。「機を見るに敏な中国がこの新たな突破口を手掛かりに、豊富な鉱物資源を有するアフガンに戦略的な浸透を図り、パキスタン、イラン、中央アジア諸国にも深く食い込もうとするのは間違いない」と話した。 <苦い記憶> ニューヨークのイサカカレッジで教鞭を執る政治評論家のラザ・アフマド・ルミ氏は、アフガンの政変に失望するインドの姿に、パキスタン国内では快哉の声が満ちあふれていると話す。インドとパキスタンは1947年の分離独立以来、3回の戦争を経験。「ソーシャルメディアやテレビ画面で大喜びするパキスタン人の様子が伝えられているのは、(アフガンに対する)インドの影響力喪失とつながっている面が大きい。なぜなら従来の政治サークルは(アフガン元大統領の)ガニ氏とインドの緊密な関係を脅威とみなしていたからだ」とルミ氏は説明する。 インドには、1996年-2001年のタリバンによる前回のアフガン統治時代に苦い記憶がある。1999年にインディアン航空が乗っ取られて最終的にアフガン南部のカンダハルに着陸した事件だ。インド政府は、乗客の安全と引き換えに国内に収監していたパキスタン人のイスラム過激派幹部3人の釈放を余儀なくされ、その後タリバンは乗っ取り犯と囚人たちがパキスタンに戻るのを容認した。 インドの元アフガン駐在大使ジャヤント・プラサド氏は「わが国の現在の立場は、現実に適応するというものだ。われわれはアフガンで長期間のゲームに参加しなければならない。(アフガンと)直接国境は接していないが、この地に利害関係がある」と強調した。 複数のインドの外交筋によると、過去1年間でタリバンがアフガンの有力な政治勢力として復活し、ドーハで米国を仲介者とする協議が始まるとともに、インドの外交当局もタリバンとの接触に乗り出したという。 外交筋の1人は「われわれはすべての関係先と協議している」と述べたが、協議の詳細には触れなかった。インド国内では、米国さえタリバンと交渉を始めた段階でなおもインドがガニ政権に全面的に肩入れし、足を洗うのが遅れたとの批判が出ている。 <インドの強み> それでも、中国への過度の依存を避けようとしているタリバンにとって、インドは経済的な関係を築く魅力的なプレーヤーになり得る、とこの関係筋は分析する。 インドはアフガン34州の全てに開発プロジェクトを保有しており、そこには同国がカブールに建設した国会議事堂も入っている。 南アジアに関する3つの著作がある元ロイター記者のミラ・マクドナルド氏は、タリバンの政権掌握はインドにとって一歩後退だが、決して「ゲームオーバー」ではないと強調。「これは過去の再現にはならない。2001年9月11日の米同時多発攻撃の以前に比べれば、誰もがアフガンにおけるイスラム過激派を野放しにすることにずっと慎重になるだろう。さらに、相対的に考えれば今のインドはパキスタンより経済力ははるかに強い」と、インドが持つ優位性を描写する。 タリバン幹部の1人はロイターに、貧困化しているアフガンに必要なのは米国、ロシアと並び、イランを含むこの地域の諸国からの支援だと語った。 タリバンの意思決定プロセスを知る立場にあるワヒードゥラ・ハシミ氏は「これらの国がわれわれの国民、特に医療、ビジネス、鉱業といったセクターを助けてくれるのを期待している。われわれの仕事は、自分たちを彼らに納得して受け入れてもらえるようにすることだ」と述べた。
韓国の「言論統制」法案、採決延期
2021年08月26日
韓国国会で審議されている誤報やフェイクニュース対策の改正法案について、25日に予定されていた本会議での採決が30日に延期された。「言論統制」法案として野党や市民団体などから批判が強まる中、与野党間の追加協議を求めた議長提案を与党側が受け入れた。与党は引き続き、月内の法案採決を目指す方針。 改正法案は、故意や重大な過失による虚偽・捏造(ねつぞう)報道に対し、損害額の最大5倍の賠償を報道機関に命じるなどと規定。「メディアに『猿ぐつわ』をかませる悪法」(韓国記者協会)として国内外で反発が広がっていた。 韓国主要紙は25日付の社説で、一斉に与党批判を展開。政権に近い左派系のハンギョレ紙も、法改正を強行すれば「悪影響は(与党が)責任を負い切れないほど深刻かつ甚大だ」と訴えた。
武田、異物の目視確認を モデルナワクチンの混入問題で
2021年08月26日
武田薬品工業は26日、同社が国内流通を担う米モデルナの新型コロナウイルスワクチンに異物混入が発覚した問題で、使用見合わせの対象外の製品についても、接種する前に異常がないかどうか目視で確認するよう改めて求めた。 【写真】注射器に吸入される米モデルナ製の新型コロナウイルスワクチン 武田によると、異物混入に関連する健康被害の報告はないという。供給不足などにより1回目の接種から4週間以上が経過した場合でも、2回目の接種を受けることが可能としている。
金融庁、「経済安全保障室」新設へ 国際化踏まえ体制整備 来年度予算
2021年08月26日
金融庁が金融分野での経済安全保障体制を強化するため、専門部署として「経済安全保障室」を新設することが25日、分かった。 【図解】2022年度予算の概算要求基準の枠組み 金融市場の国際化を踏まえ、安全保障の観点から国内金融機関の取引やシステム整備を監督する体制を整える。来年度予算の概算要求に関連費用を盛り込む。 組織再編ではこのほか、金融サービスの国際化やデジタル化への対応を進めるため「国際証券検査室」などを新設。また、気候変動などの社会課題解決を投融資で促す「サステナブルファイナンス」の推進担当を置くほか、体制不備が指摘されるマネーロンダリング(資金洗浄)対策部門も強化する。 新型コロナウイルス危機対応では、地方の中小企業支援に向けた民間人材の派遣制度を拡充する。新たに「人材マッチング支援室」を設け、大企業や金融機関の専門家が地域経済の再生に参加しやすい環境を整える。
「丸亀製麺」韓国撤退 事業回復見通せず
2021年08月26日
「丸亀製麺」が今月、韓国のすべての店舗を閉め、事業から撤退しました。長引くコロナ禍で事業回復が見通せないことなどが理由だということです。 「丸亀製麺」を展開するトリドールホールディングスによりますと、韓国国内の丸亀製麺の店舗は今月15日に営業を終え、事業から撤退しました。 丸亀製麺は2012年に韓国に進出し、明洞(ミョンドン)や江南(カンナム)などに最大で12店舗を構えましたが、撤退時点では3店舗まで減らしていました。 トリドールの広報によりますと、2019年7月以降、韓国で起きた日本製品の不買運動にともない売り上げが一時減少したものの、その後、回復。 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で韓国での飲食店の営業制限が長引く中、売り上げが低迷し、回復の見通しが立たないことから、撤退を決断したということです。 韓国では集まって飲食する人数や、夜の営業時間を制限する罰則をともなった厳しい感染対策が続いていて、日本企業もそのあおりを受けた形です。
滅びる可能性も…“夏の定番”コロナ禍で
2021年08月26日
長年親しまれてきた夏の定番商品が、今、ピンチをむかえています。 ◇ 日本の夏の風物詩、ラムネ。街の人からも、幼い頃の思い出の一つとして… 「ビー玉が中に入ってて、カラカラ音するっていうのが印象的ですね」 しかし、今、このラムネがピンチをむかえているといいます。 木村飲料 木村英文代表 「(製造会社が)2300社あったものが、100分の1くらいになってしまって、滅びちゃう可能性がありますので」 苦しい現状を明かしたのは、静岡県のラムネ製造会社の代表。 ピーク時(1950年代)およそ2300社あった製造会社は、2019年時点で37社までに減少。さらに、新型コロナが追い打ちをかけました。 木村飲料 木村英文代表 「(コロナ禍で)売り上げが激減しているというのが今一番の問題」 コロナ禍でイベントがなくなり、去年1年間で3社が廃業や事業の撤退に追い込まれたというのです。 ただ、こうした苦境を乗り切るため、新たな取り組みも行っていました。 木村飲料 木村英文代表 「変わり種ラムネとか、新しい切り口でもってトライしている」 また、需要が増えている海外への輸出に力を入れているということです。 ◇ さらにコロナ禍で夏によく売れていた“アレ”もピンチに。 「結構、海外いっていたので、そのときは便利で『地球の歩き方』とか持ち歩いてました」 海外旅行のお供の定番、「地球の歩き方」。コロナ前と比べると、売り上げが9割減少したといいます。 さらに、現地での取材ができなくなったことで、新刊が発行できない状況におちいっていました。 そこで出版社は新たに… 地球の歩き方編集部・プロデューサー 福井由香里さん 「(地球の歩き方で)これまで42年間かけて蓄積してきた世界各国の知識をまとめたものが、地球の歩き方・図鑑シリーズでして」 去年から、地球の歩き方・旅の図鑑シリーズを販売。図鑑は10種類で、世界のすごい巨像を紹介するちょっとマニアックなものから、116の国と地域の「名物料理」や「スイーツ」などを集めたシリーズなどがあるといいます。 福井由香里さん 「海外旅行が解禁になった際に、旅先選びのためですとか、使っていただければなと」 ◇ こうした、ピンチを乗り越えるための試み。8月から始まったモノもあります。 観光客が減った温泉地を支援するため、入浴剤メーカーは、一部の商品の売り上げの中から、寄付を行うことにしたといいます。 担当者は「かつての活気を取り戻すための手伝いをしたい」としていて、寄付は熱海や道後、別府など17の温泉地に行うということです。
米大統領 アフガンからの軍撤退延長しない意向か
2021年08月25日
アフガニスタンに駐留するアメリカ軍の撤退を巡り、バイデン大統領は今月末としていた期限を延長しない方針だとアメリカメディアが報じました。 複数のアメリカメディアは24日、アフガニスタンからの軍の撤退について、国防総省が予定通り今月末を期限とするようバイデン大統領に進言し、バイデン氏がこれに同意したなどと伝えました。 駐留の延長を巡り、アフガニスタンで実権を掌握したイスラム主義勢力「タリバン」の報道官は「ただでは済まされない」などとアメリカ側を牽制(けんせい)していて、バイデン政権は軍の安全を考慮して判断したということです。 首都カブールの空港では混乱のなか、国外避難が今も続いているだけに、政治専門メディアのポリティコは「バイデン政権の決断が国内外で批判を呼ぶことは確実だ」と指摘しています。
専門技能者の退避中止を タリバン、米に要求
2021年08月25日
アフガニスタンのイスラム主義組織タリバン(Taliban)の報道官は24日、米国に対し、専門技能を持つアフガン人の国外退避を中止するよう要求した。米欧の部隊に対しては、31日の退避期限を延長しないよう改めて警告した。 【写真】カブールで欧米諸国が行う退避作戦の様子 ザビフラ・ムジャヒド(Zabihullah Mujahid)報道官は首都カブールで開いた記者会見で、米国がエンジニアなどの「アフガン人専門技能者」を出国させていると主張。「このプロセスを中止するよう求める」と述べた。 同報道官は、来週に予定されている米軍完全撤収の期限延長は認めないとのタリバンの立場を改めて表明。政府の女性職員は国内の治安が改善するまで自宅待機すべきだと述べた。
緊急事態宣言 8道県を追加 政府、25日に決定 全国の新規感染者2万1569人 東京4220人
2021年08月25日
政府は、北海道や愛知など、新たに8つの道県に対して、緊急事態宣言を発令する方針を固めた。 菅首相「各地域における緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置の扱いについて、あす、専門家の分科会にかけることにした」 緊急事態宣言の対象地域が、さらに拡大へ。 政府は、北海道と宮城・岐阜・愛知・三重・滋賀・岡山・広島の8つの道県に、新たに緊急事態宣言を発令する方針を固めた。 これで、宣言の対象は、合計21都道府県となる。 また、高知・佐賀・長崎・宮崎に、まん延防止等重点措置を適用する方針も固めた。 期間はいずれも8月27日から9月12日までで、25日の政府対策本部で正式決定される見通し。 一方、全国では24日、2万1,569人の新規感染者と42人の死亡が確認された。 新たに宣言が発令される見通しの愛知・岐阜・滋賀をはじめ、8つの県で新規感染者が過去最多となった。 東京都の新規感染者数は4,220人、先週火曜日から157人減り、2日連続で、前の週の同じ曜日を下った。 現在、緊急事態宣言が発令されている13都府県の重症病床使用率は、神奈川で100%、東京で93%、沖縄で92%、埼玉で91%など、医療の逼迫(ひっぱく)が深刻な状況。
25日 日本海側で大雨 土砂災害に厳重警戒 愛知など8県に熱中症警戒アラート
2021年08月25日
東北を中心に大雨

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きのう24日(火)台風12号から変わった低気圧が日本海を北東に進み、前線が日本海や東北付近にのびています。九州北部や東北を中心に発達した雨雲がかかり、きょう25日(水)午前7時までの12時間降水量は秋田県藤里町で94.5ミリと、わずか半日で100ミリ近い(平年8月のひと月分の約4割)雨量となっています。台風から変わった低気圧が持ち込む「熱帯由来の暖かく湿った空気」は大雨や暑さをもたらすでしょう。 きょう25日(水)は九州北部から北陸の日本海側や、東北と北海道は断続的に雨。局地的に激しい雨が降るでしょう。九州北部や東北北部は、昼頃になると雨の降り方は弱まってきますが、これまでに降った大雨で地盤が緩んでいる所があります。土砂災害には厳重な警戒をして下さい。 あす26日(木)午前6時までの24時間に予想される雨の量(多い所)は、北海道、北陸、九州北部で100ミリ、東北は80ミリとなっています。低い土地の浸水、川の増水や氾濫にも警戒して下さい。
晴れる所もにわか雨

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その他の地域も大気の状態が不安定です。関東甲信はすっきりしない天気で、所々で雨が降るでしょう。東海から九州南部の太平洋側は日差しがありますが、局地的に雨雲が湧きそうです。山沿いを中心に、午後は雷を伴って激しい雨が降る所もあるでしょう。晴れていても、天気の急変にご注意下さい。
熱中症に警戒を

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最高気温は、きのう24日(火)と同じくらいの所が多いでしょう。広く30度以上の真夏日になるのは、沖縄や九州から関東甲信。東海から西ではきのうより高い所もあり、蒸し暑さが増しそうです。 熱中症警戒アラートが、鹿児島県、宮崎県、熊本県、大分県、徳島県、和歌山県、三重県、愛知県に発表されています。ムシッとした空気に日差しが加わって、肌にまとわりつくような蒸し暑さになるでしょう。こまめに水分をとり、汗をかいたら適度に塩分もとって下さい。また無理をせず、冷房のきいた涼しい場所でお過ごし下さい。
